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第一章 『義眼の魔女 編』
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サラマンダー討伐からキダ王国に戻ってくるまではあっという間だった。
ギルドに討伐証明であるサラマンダーの爪を提出すると、特殊個体だったこともありスタッフは慌ただしくしていたが、アストレアは気にすることなく淡々と手続きを終わらせていた。
アストレアの慣れた感じを見るに、アストレアにとって特殊個体の討伐は珍しいことではないのだろう。特殊個体討伐に伴う報奨金を受け取ってから、アストレアはクラトスと共にアストレア工房へ歩みを進める。
「そう言えばクラトスさん、お時間は大丈夫ですか?
今から早速杖の作成に取り掛かろうかと思うのですが、どんなに頑張っても3時間はかかってしまいます。」
「え、あぁ。構わないぞ。
むしろ杖の作成にはもっと時間がかかると思っていたよ。
それよりアストレア、君の強さは一体何なんだ?そして結局君の杖はなんなんだ?
魔法を使っているのはわかったが、杖を手にしたことは無いように思えたぞ。」
クラトスの問いを聞くと、アストレアは立ち止まりクラトスの方へと向いた。
クラトスを見るその目はやはり、まっすぐな眼差しを向けている。
「私の杖はこれです。」そう言ってアストレアは自身の右目を指さした。
「目?」
「はい、目です。私の右目、義眼なんです。
義眼をそのまま杖にしたって感じですね。」
義眼の杖。その単語にクラトスは聞き覚えがあった。
”義眼の魔女”。それはほぼ全ての属性魔法を使いこなす特異な魔女。
そんな彼女が使っている杖が奪われた右目にあてがった義眼であるということ。
その杖を”義眼の杖”と呼ぶことを。
「もしかしてアストレア。君があの”義眼の魔女”なのか?」
「そ、そうなんでかね?
そのような異名って言うんですかね。付いているのは知ってはいるんですけど、直接そのように呼ばれたことはなかったので。
あ、それから私は別に強くないですよ。」
「義眼の魔女と呼ばれるのは、嫌だっただろうか。
申し訳ないことをした。噂に聞いていた魔法使いがまさか目の前の人物だとわかると興奮してしまったよ。
そして君は異常なほど強い。
先程のサラマンダー討伐でそれはわかっている。」
「いえ、私は強くないのです。
これは私のギルドカードです。見ていただいて構いませんよ。
ランク自体は討伐数が多いのでSランクなんですが、ランクは経験を積めば基本的にはどのランク帯にでも行けるので参考にならないんですけど。」
ギルドカードとは、ギルドが発行する身分証明書の一つである。
ギルドカードには今までギルドを通して討伐した魔物を閲覧できる機能や自身の店を保有している場合は店舗情報などが記されている。
また魔物の討伐数や国への貢献度、店舗の繁盛度合いに応じてランク分けが行われており、ギルドカード発行時に付与されるFランクから、最高ランクであるSランクの7段階に分けられている。
Sランクに到達するためには、Sランク以上に相当する魔物の討伐を10体以上する必要がある。
「Sランク・・・・。
確かに、ギルドカードの情報ではSランクとなっているが、これでは強いと言っているようなものではないか。」
「討伐魔物を見てみてください。
一応Sランク以上の魔物の討伐経験はありますが、BからEランクの討伐実績がほとんどないんです。
私の魔法では、そのランク帯の魔物を倒すことが出来ないんですよね。」
「何を言っている。
先程Aランクの特殊個体サラマンダーを討伐したばかりじゃないか。」
Aランクといっても、特殊個体のサラマンダー。
魔物も魔法が使えるが、特級魔法が使える魔物はそういるものではない。
つまりAランクと言っても、特級魔法が扱えるサラマンダーは測定が出来ていないだけでSランクに相当する魔物である。
「あれは違いますよ。
確かに魔法でサラマンダーの足を貫いて行動を制限しましたが、あれは貫通したように見えただけで、実際にはそうではないんです。
鱗に覆われている外殻は非常に硬いんですけど、肉の部分は非常に柔らかいんです。
だから鱗の間を狙って、魔法を放ったまでです。」
「そうは言っても、そんな簡単にできる芸当ではないだろ。
それにサラマンダーを燃やすほどの高火力を叩き出してたじゃないか。」
クラトスの言葉に少し間を置き、諦めたようにため息をついてからアストレアは語り始めた。
「私の使う魔法については他言無用でお願いします。
これはクラトスさんが私にクラトスさんの扱う魔法について教えていただいたので、お教えするだけです。」
「お、おう。」
「私の使う魔法は大きく2つです。
1つは”エンチャント”です。サラマンダー討伐のときに私がなにか飛ばしていたのに気がついていたと思います。あれはガラス玉を飛ばしていたんですが、私はガラス玉にエンチャントを施してそれを使うことで戦っているんです。」
そう言いながらアストレアはベルトにつけられていた魔導ポシェットからガラス玉を取り出し、それをクラトスへと渡した。
「私はクラトスさんのように連撃を主体とした攻撃であったり、出来たとしても一発の威力はかなり低いんです。これは私の実力不足なんですけど、魔法陣を組むのに時間がかかるんです。
だから事前にガラス玉にエンチャントを施して、それを魔物に投げつけることで攻撃をしています。ただこれだとエンチャントというより時限式魔術付与に近いんですけどね。
ただガラス玉に込められる魔法は限度があるので、攻撃自体は出来てもそれが致命傷になることはほとんどないんです。
そこでもう一つの魔法です。」
「なるほど、このガラス玉にエンチャントをね・・・。すごい技術だ。
俺も護衛軍に務めているから、盾や防護服に魔法防御力上昇や物理防御力上昇とかのエンチャントをすることはあるのだが、エンチャントを攻撃の手段として使うことはほとんどないんだ。
しかもエンチャントには、エンチャントする素材がどれだけ魔力に耐えきれるかによってエンチャントする内容や魔力量を変えたりするだろ。
俺等護衛軍はエンチャントする素材は物理的にも大きいが、耐えきれる魔力量も多い。つまりそれだけエンチャントするのが簡単なんだ。
俺がこんな小さなガラス玉にエンチャントしようもんなら、一瞬で粉々になるぞ。
それでもう一つの魔法というのは?」
「私が最後に詠唱していた魔法です。
あれは少し複雑な魔法なんですが、簡単にお伝えすると魔法攻撃のカウンター魔法です。
向こうが放った魔法の対象を自分ではなく、相手にそのままお返しするってイメージでしょうか。
つまりあの時サラマンダーを燃やし尽くしたのは、私の魔法ではなく、サラマンダー自身が放った魔法によるものなんです。」
そんな話をしていると、アストレア工房にたどり着いた。
工房に着くなり、「2、3時間ほどお待ちください。店内は自由に見ていただいてかましませんので。」と言い残し、工房の奥へと姿を消していった。
確かに西の森からの帰路で杖の重さや大きさについての要望は伝えたが、それだけで良かったのだろうかと若干の疑問を抱きながらも、することが無いため、店内を物色するクラトス。
アストレアのおすすめを希望したのはクラトスなので、基本的にどんな杖が来ても文句は言わないつもりだが、それでも多少は気になってしまう。そんな思いが行動にも表れているのか店内を物色する足取りは何度も同じところを見返すように、行ったり来たりを繰り返している。
杖のサンプルを置いていない殺風景な店内だと思っていたが、意外にも店内には杖の補助道具が少ないながらも置いてあった。
(これはホルダーだろうか。ホルダーだけでこんなにも種類が・・・。
基本的に同じデザインだが、使われている素材が違う。
魔法使いの得意な系統魔法に応じて、素材を変えるということだろうか。
ホルダーも杖と同じように、魔法使いにあったモノを選ぶべきなのだろう。)
そんなことを考えながら、ショーケースの中を覗く。
(そう言えば、杖の仕立てっていくらするんだ?)
ずっと幼少期に仕立ててもらった指揮棒《タクト》型の杖を使ってきたから、そもそもの杖の値段をクラトスは知らない。しかもサラマンダーの角という超高級素材と来た。
いくら王家直属護衛軍の中佐でそれなりの給料をもらっていると言っても、サラマンダーの角を素材屋から買う場合、数ヶ月分必要になるくらいしか手取りはもらっていない。それだけサラマンダーの角は高級品なのだ。
更にそれを加工して、杖として仕立てるときた。給料1年分は覚悟したほうがいいのかも知れないと感じ、急に胃が痛くなる。
そんなこんなで3時間が経過し、工房の奥からアストレアが出てきた。
「クラトスさん、大変お待たせいたしました。
試しに使っていただきたいので、地下までお越しいただけますか?」
クラトスは軽く頷き、また工房の奥へと戻っていくアストレアの後をついていく。
工房の外観からして、お世辞にも広いとは言えない店内の展示スペースを考えると、工房の奥は1畳にも満たない広さだと推測していたが、奥にあったのは地下へと続く階段のみ。
細く暗い階段を降りた先には、一階の十倍以上はありそうな空間が広がっていた。
四角のよくある四角形のスペースであり、その一角には小スペースながらも杖を仕立てる用であろうデスクと杖を作るために使うであろう素材が飾られている棚が数台。デスクの上には無造作に置かれた杖の仕様書とも思われる書類と、クラトスのために仕立てたであろう箒型の杖がそこにはあった。
杖は炎系統の魔法を使うため、赤を基調としたデザインかとクラトスは想像していたが、実際には青と白を基調としたデザインであった。派手な装飾はなくシンプルなデザインであるが、クラトスがアストレアに要望を出したそのものだった。
「見惚れていただきありがとうございます。
お察しのとおり、こちらがクラトスさんのために仕立てた杖になります。
手に取っていただいて、問題ないかご確認ください。あとこの地下空間は壁全体に魔法障壁を貼っております。多少の魔法であれば耐えられるかと思いますので、実際に魔法を使用していただいて構いません。」
クラトスはデスクへと歩み、箒型の杖を手に取った。
先程貸してもらった予備の杖ほどの軽さはなく、片手で持っても不自由なく戦えるちょうど良い質量だ。そして初めて持つ杖何にもかかわらず、何故か手に馴染む。
驚きの表情を浮かべていると、アストレアは語りかけてきた。
「手に馴染みますか?
勝手なことをして申し訳ございません。クラトスさんがずっと使っていた指揮棒《タクト》型の杖を加工させていただきました。
思い入れがあるようでしたので、新しい杖の素材として使わせていただきました。
青と白で金属とガラスを主に使った杖に茶色が混ざっているのはそのためです。
そしてこれを。」
そうしてアストレアは木製と金属がねじれたような腕輪を手渡しした。
「これは?」
「こちらもクラトスさんの杖を加工して作った新しい杖です。
お伝えした通り杖の形はさまざまで、これは腕輪の形を模した杖になります。
箒型の杖は炎系統に特化した魔法を扱うための杖です。ただクラトスさんのお話では風系統の魔法を補助に使うというお話でした。作成した杖では風系統の魔法を十分に使うことは出来ないでしょう。そこでこの腕輪型の杖です。
これはクラトスさん。あなたの杖を大事にしてきた思いに敬意を込めて作らせていただきました。着けてみてください。」
クラトスは腕輪を受け取り、自身の右腕に装着する。
そのままデスクにある箒型の杖を手に取り、地下の中心へと歩を進める。
一息ついたクラトスは杖を振りかざし、自身を中心に50を超える魔法陣を一度に展開した。初級と中級魔法の同時発動で魔法陣展開にかかった時間は1秒にも満たない。そのまま地下の壁に向けて連撃。
魔法発動までの時間が今までと比べ物にならないだけではなく、威力も段違いであった。
クラトスは今までとは違う自身の魔法に戸惑いと驚きの感情を両方を同時に感じたのも束の間、勢いよく振り向きそのままアストレアへと駆けて行き、手を取った。
「アストレア、君に杖の仕立てを依頼して本当に良かった。
俺が今まで使っていた杖もまさかリメイクしてもらえるなんて思ってもいなかった。
本当にありがとう。」
今にも泣きそうな勢いでクラトスはアストレアに対して手を取りながら礼を告げた。アストレアは手を握り返し「よかった」と微笑みながら一言。
「あ、あの。仕立ててもらった後に言うのはおかしな話なのだが、杖の仕立てはいくらするんだ?
正直杖の仕立てを依頼するのは初めてで相場がわからないんだ。
それにサラマンダーの角のためにサラマンダーを討伐したり、腕輪の杖も作ってもらったりしてるだろ。
高額になるとは思うのだが、分割などはできるだろうか?」
「も、申し訳ございません。
金額をお伝えする前に杖を仕立ててしまいました。
本来であれば目安となる金額をお伺いした後に可能なデザインや装飾品を決めたりするのですが、」
「いえ、あなたのおすすめでお願いしたいと言ったのは俺です。
最初に金額を聞いておくべきでした。こちらこそすみません。」
徐々に青ざめていくアストレアをみて、クラトスはそれを慰めるかのように咄嗟にそう言った。
アストレアは申し訳ないという表情を浮かべながらも、金額を伝えた。
「お、お会計は3万ゴールドになります。
ただ今回は私の不手際もありましたので、2万ゴールドでいかがでしょうか?」
「は?」
「ごごごごごめんなさい。1万ゴールドでいかがでしょうか?」
「違う違う!今のは咄嗟に出てしまっただけで、別に高額で怒っているわけじゃない。
むしろ安すぎる。アストレア、君は素材の価値を知っているのか?
サラマンダーの素材でも比較的手に入りやすい鱗や爪でも1つで2万ゴールドするんだぞ。それが角となれば5万、10万どころの話ではない。
加えて君が素材として使った角は通常個体のサラマンダーじゃない。特殊個体のサラマンダーだ。しかも青角だ。
色によって素材の価値が変わるという話は素材に詳しくない俺でも知っている。」
サラマンダーの通常色の角から始まり、赤角、白角、青角の順に価値や価格が上がっていく。
炎がオレンジ色より青色の方が高温であるように、炎系統の素材は基本的にこの色関係で素材の価値が決まり、その価格の差は赤と青とでは10倍以上にもなる。
つまりアストレアが特殊個体のサラマンダーの青角から作り上げた杖を1万ゴールドで販売しようとしていると言うことは異常とも言える行動である。
「いえ、素材の価値や価格は存じております。
ただそれは素材屋で入手した場合の価格です。
ですが私は自分でサラマンダーを討伐して自分で剥ぎ取りを行っています。
他の仲介が発生しないため、通常の素材価格より少しお安く出しております。それにサラマンダーの討伐はギルドを通しているので、別途討伐料金をいただいているんです。
それだけでも採算は取れているので、気にされないでください。」
「それとこれとは別の話だ。
俺はこんなにもすごい杖を持ったことすらない。俺は杖にお金を出したいわけじゃない。アストレア、君に対価としてお金を支払いたいんだ。
討伐料金で採算が取れているとかはどうでもいい。
しかも俺がずっと大切にしていた杖を2つの杖に生まれ変わらせてくれた。それだけでも支払う価値がある。」
クラトスのその言葉を聞いて、取り合っていた手を互いに離した。
数秒の沈黙の後、アストレアは烏羽色のフードを脱ぎ去り、リヴィド色の髪が露になる。まっすぐ見つめるその義眼はアップルグリーンで、初めて見る左の本物の目は義眼に近いアイスグリーン。唇は薄くシミやそばかす、ニキビなどがないきれいな肌。
フードの隙間から見る影で表情の読み取れない表情ではなく、邪魔するものがないレイン・アストレアの表情が見える。
「ありがとうございます。
ですが、お伝えした通り1万ゴールドでお願いします。」
「おい、聞いていたのか?」
「そ、その代わり、必ず定期的にメンテナンスにお越しください。
頻度は3ヶ月に1回ほどでしょうか。ただ特級魔法を使ったり、明らかに魔法を使いすぎたと感じたら頻度関係なくメンテナンスに来てください。
それからもし、私の杖が良いものと感じたら部下の皆様にもこの工房を紹介してください。」
「わかった。必ず定期メンテナンスに伺おう。
そして部下だけじゃなく、軍全体にレイン・アストレア。君の工房を紹介すると約束しよう。」
二人は互いに向かい合いながら、微笑み合う。
(義眼の魔女とはこんなにも可愛らしい女性だったのか。
フードで見えていなかったが、きれいに笑うんだな。
ん?女性?
それもそうか、義眼の魔女と呼ばれているくらいだから女性か。
そうか、、、女性か、、、
え、じょじょじょじょじょじょじょじょじょじょじょ女性?????
俺さっき、アストレアの手を取って。
婚姻前で手なんて繋いでもいいのか?
って、婚姻?????けけけけけけけけけ結婚するのか?
どどどどどどどどどどうしたらいいんだぁぁ???)
クラトスは目を丸くして、手が震えだし動揺を隠せないでいた。
暴れる手を制御出来ずにいながらも、ベルトについていた赤黒いポシェットから大金貨10枚を取り出し、それをアストレアに渡すと、そのまま勢いよく地上に続く階段を駆け上がり、「また来ます」と大声で叫びながら工房を飛び出す。
アストレアは呆気に取られながらも、渡された大金貨を握りしめながら軽く微笑んだ。
一方勢いよく工房を飛び出したクラトスは顔を真っ赤にしながら、仕立ててもらった杖を大事に握りしめキダ王国の石畳を駆けていた。
炎系統の魔法の才能を買われ、学生時代から軍に所属していたクラトスは男ばかりの環境で育ってきた。女性との会話と言ったら軍の食堂スタッフか討伐で赴くギルドの受付スタッフ程度。触れるどころか、話をするのすら滅多にない。
中佐という役職を持っていながらサン・クラトスの身体は未だに固い鉄壁の防御に守られていたのであった。
つまり彼は、ほぼ初めて女性と今日手を繋いだのである。
ギルドに討伐証明であるサラマンダーの爪を提出すると、特殊個体だったこともありスタッフは慌ただしくしていたが、アストレアは気にすることなく淡々と手続きを終わらせていた。
アストレアの慣れた感じを見るに、アストレアにとって特殊個体の討伐は珍しいことではないのだろう。特殊個体討伐に伴う報奨金を受け取ってから、アストレアはクラトスと共にアストレア工房へ歩みを進める。
「そう言えばクラトスさん、お時間は大丈夫ですか?
今から早速杖の作成に取り掛かろうかと思うのですが、どんなに頑張っても3時間はかかってしまいます。」
「え、あぁ。構わないぞ。
むしろ杖の作成にはもっと時間がかかると思っていたよ。
それよりアストレア、君の強さは一体何なんだ?そして結局君の杖はなんなんだ?
魔法を使っているのはわかったが、杖を手にしたことは無いように思えたぞ。」
クラトスの問いを聞くと、アストレアは立ち止まりクラトスの方へと向いた。
クラトスを見るその目はやはり、まっすぐな眼差しを向けている。
「私の杖はこれです。」そう言ってアストレアは自身の右目を指さした。
「目?」
「はい、目です。私の右目、義眼なんです。
義眼をそのまま杖にしたって感じですね。」
義眼の杖。その単語にクラトスは聞き覚えがあった。
”義眼の魔女”。それはほぼ全ての属性魔法を使いこなす特異な魔女。
そんな彼女が使っている杖が奪われた右目にあてがった義眼であるということ。
その杖を”義眼の杖”と呼ぶことを。
「もしかしてアストレア。君があの”義眼の魔女”なのか?」
「そ、そうなんでかね?
そのような異名って言うんですかね。付いているのは知ってはいるんですけど、直接そのように呼ばれたことはなかったので。
あ、それから私は別に強くないですよ。」
「義眼の魔女と呼ばれるのは、嫌だっただろうか。
申し訳ないことをした。噂に聞いていた魔法使いがまさか目の前の人物だとわかると興奮してしまったよ。
そして君は異常なほど強い。
先程のサラマンダー討伐でそれはわかっている。」
「いえ、私は強くないのです。
これは私のギルドカードです。見ていただいて構いませんよ。
ランク自体は討伐数が多いのでSランクなんですが、ランクは経験を積めば基本的にはどのランク帯にでも行けるので参考にならないんですけど。」
ギルドカードとは、ギルドが発行する身分証明書の一つである。
ギルドカードには今までギルドを通して討伐した魔物を閲覧できる機能や自身の店を保有している場合は店舗情報などが記されている。
また魔物の討伐数や国への貢献度、店舗の繁盛度合いに応じてランク分けが行われており、ギルドカード発行時に付与されるFランクから、最高ランクであるSランクの7段階に分けられている。
Sランクに到達するためには、Sランク以上に相当する魔物の討伐を10体以上する必要がある。
「Sランク・・・・。
確かに、ギルドカードの情報ではSランクとなっているが、これでは強いと言っているようなものではないか。」
「討伐魔物を見てみてください。
一応Sランク以上の魔物の討伐経験はありますが、BからEランクの討伐実績がほとんどないんです。
私の魔法では、そのランク帯の魔物を倒すことが出来ないんですよね。」
「何を言っている。
先程Aランクの特殊個体サラマンダーを討伐したばかりじゃないか。」
Aランクといっても、特殊個体のサラマンダー。
魔物も魔法が使えるが、特級魔法が使える魔物はそういるものではない。
つまりAランクと言っても、特級魔法が扱えるサラマンダーは測定が出来ていないだけでSランクに相当する魔物である。
「あれは違いますよ。
確かに魔法でサラマンダーの足を貫いて行動を制限しましたが、あれは貫通したように見えただけで、実際にはそうではないんです。
鱗に覆われている外殻は非常に硬いんですけど、肉の部分は非常に柔らかいんです。
だから鱗の間を狙って、魔法を放ったまでです。」
「そうは言っても、そんな簡単にできる芸当ではないだろ。
それにサラマンダーを燃やすほどの高火力を叩き出してたじゃないか。」
クラトスの言葉に少し間を置き、諦めたようにため息をついてからアストレアは語り始めた。
「私の使う魔法については他言無用でお願いします。
これはクラトスさんが私にクラトスさんの扱う魔法について教えていただいたので、お教えするだけです。」
「お、おう。」
「私の使う魔法は大きく2つです。
1つは”エンチャント”です。サラマンダー討伐のときに私がなにか飛ばしていたのに気がついていたと思います。あれはガラス玉を飛ばしていたんですが、私はガラス玉にエンチャントを施してそれを使うことで戦っているんです。」
そう言いながらアストレアはベルトにつけられていた魔導ポシェットからガラス玉を取り出し、それをクラトスへと渡した。
「私はクラトスさんのように連撃を主体とした攻撃であったり、出来たとしても一発の威力はかなり低いんです。これは私の実力不足なんですけど、魔法陣を組むのに時間がかかるんです。
だから事前にガラス玉にエンチャントを施して、それを魔物に投げつけることで攻撃をしています。ただこれだとエンチャントというより時限式魔術付与に近いんですけどね。
ただガラス玉に込められる魔法は限度があるので、攻撃自体は出来てもそれが致命傷になることはほとんどないんです。
そこでもう一つの魔法です。」
「なるほど、このガラス玉にエンチャントをね・・・。すごい技術だ。
俺も護衛軍に務めているから、盾や防護服に魔法防御力上昇や物理防御力上昇とかのエンチャントをすることはあるのだが、エンチャントを攻撃の手段として使うことはほとんどないんだ。
しかもエンチャントには、エンチャントする素材がどれだけ魔力に耐えきれるかによってエンチャントする内容や魔力量を変えたりするだろ。
俺等護衛軍はエンチャントする素材は物理的にも大きいが、耐えきれる魔力量も多い。つまりそれだけエンチャントするのが簡単なんだ。
俺がこんな小さなガラス玉にエンチャントしようもんなら、一瞬で粉々になるぞ。
それでもう一つの魔法というのは?」
「私が最後に詠唱していた魔法です。
あれは少し複雑な魔法なんですが、簡単にお伝えすると魔法攻撃のカウンター魔法です。
向こうが放った魔法の対象を自分ではなく、相手にそのままお返しするってイメージでしょうか。
つまりあの時サラマンダーを燃やし尽くしたのは、私の魔法ではなく、サラマンダー自身が放った魔法によるものなんです。」
そんな話をしていると、アストレア工房にたどり着いた。
工房に着くなり、「2、3時間ほどお待ちください。店内は自由に見ていただいてかましませんので。」と言い残し、工房の奥へと姿を消していった。
確かに西の森からの帰路で杖の重さや大きさについての要望は伝えたが、それだけで良かったのだろうかと若干の疑問を抱きながらも、することが無いため、店内を物色するクラトス。
アストレアのおすすめを希望したのはクラトスなので、基本的にどんな杖が来ても文句は言わないつもりだが、それでも多少は気になってしまう。そんな思いが行動にも表れているのか店内を物色する足取りは何度も同じところを見返すように、行ったり来たりを繰り返している。
杖のサンプルを置いていない殺風景な店内だと思っていたが、意外にも店内には杖の補助道具が少ないながらも置いてあった。
(これはホルダーだろうか。ホルダーだけでこんなにも種類が・・・。
基本的に同じデザインだが、使われている素材が違う。
魔法使いの得意な系統魔法に応じて、素材を変えるということだろうか。
ホルダーも杖と同じように、魔法使いにあったモノを選ぶべきなのだろう。)
そんなことを考えながら、ショーケースの中を覗く。
(そう言えば、杖の仕立てっていくらするんだ?)
ずっと幼少期に仕立ててもらった指揮棒《タクト》型の杖を使ってきたから、そもそもの杖の値段をクラトスは知らない。しかもサラマンダーの角という超高級素材と来た。
いくら王家直属護衛軍の中佐でそれなりの給料をもらっていると言っても、サラマンダーの角を素材屋から買う場合、数ヶ月分必要になるくらいしか手取りはもらっていない。それだけサラマンダーの角は高級品なのだ。
更にそれを加工して、杖として仕立てるときた。給料1年分は覚悟したほうがいいのかも知れないと感じ、急に胃が痛くなる。
そんなこんなで3時間が経過し、工房の奥からアストレアが出てきた。
「クラトスさん、大変お待たせいたしました。
試しに使っていただきたいので、地下までお越しいただけますか?」
クラトスは軽く頷き、また工房の奥へと戻っていくアストレアの後をついていく。
工房の外観からして、お世辞にも広いとは言えない店内の展示スペースを考えると、工房の奥は1畳にも満たない広さだと推測していたが、奥にあったのは地下へと続く階段のみ。
細く暗い階段を降りた先には、一階の十倍以上はありそうな空間が広がっていた。
四角のよくある四角形のスペースであり、その一角には小スペースながらも杖を仕立てる用であろうデスクと杖を作るために使うであろう素材が飾られている棚が数台。デスクの上には無造作に置かれた杖の仕様書とも思われる書類と、クラトスのために仕立てたであろう箒型の杖がそこにはあった。
杖は炎系統の魔法を使うため、赤を基調としたデザインかとクラトスは想像していたが、実際には青と白を基調としたデザインであった。派手な装飾はなくシンプルなデザインであるが、クラトスがアストレアに要望を出したそのものだった。
「見惚れていただきありがとうございます。
お察しのとおり、こちらがクラトスさんのために仕立てた杖になります。
手に取っていただいて、問題ないかご確認ください。あとこの地下空間は壁全体に魔法障壁を貼っております。多少の魔法であれば耐えられるかと思いますので、実際に魔法を使用していただいて構いません。」
クラトスはデスクへと歩み、箒型の杖を手に取った。
先程貸してもらった予備の杖ほどの軽さはなく、片手で持っても不自由なく戦えるちょうど良い質量だ。そして初めて持つ杖何にもかかわらず、何故か手に馴染む。
驚きの表情を浮かべていると、アストレアは語りかけてきた。
「手に馴染みますか?
勝手なことをして申し訳ございません。クラトスさんがずっと使っていた指揮棒《タクト》型の杖を加工させていただきました。
思い入れがあるようでしたので、新しい杖の素材として使わせていただきました。
青と白で金属とガラスを主に使った杖に茶色が混ざっているのはそのためです。
そしてこれを。」
そうしてアストレアは木製と金属がねじれたような腕輪を手渡しした。
「これは?」
「こちらもクラトスさんの杖を加工して作った新しい杖です。
お伝えした通り杖の形はさまざまで、これは腕輪の形を模した杖になります。
箒型の杖は炎系統に特化した魔法を扱うための杖です。ただクラトスさんのお話では風系統の魔法を補助に使うというお話でした。作成した杖では風系統の魔法を十分に使うことは出来ないでしょう。そこでこの腕輪型の杖です。
これはクラトスさん。あなたの杖を大事にしてきた思いに敬意を込めて作らせていただきました。着けてみてください。」
クラトスは腕輪を受け取り、自身の右腕に装着する。
そのままデスクにある箒型の杖を手に取り、地下の中心へと歩を進める。
一息ついたクラトスは杖を振りかざし、自身を中心に50を超える魔法陣を一度に展開した。初級と中級魔法の同時発動で魔法陣展開にかかった時間は1秒にも満たない。そのまま地下の壁に向けて連撃。
魔法発動までの時間が今までと比べ物にならないだけではなく、威力も段違いであった。
クラトスは今までとは違う自身の魔法に戸惑いと驚きの感情を両方を同時に感じたのも束の間、勢いよく振り向きそのままアストレアへと駆けて行き、手を取った。
「アストレア、君に杖の仕立てを依頼して本当に良かった。
俺が今まで使っていた杖もまさかリメイクしてもらえるなんて思ってもいなかった。
本当にありがとう。」
今にも泣きそうな勢いでクラトスはアストレアに対して手を取りながら礼を告げた。アストレアは手を握り返し「よかった」と微笑みながら一言。
「あ、あの。仕立ててもらった後に言うのはおかしな話なのだが、杖の仕立てはいくらするんだ?
正直杖の仕立てを依頼するのは初めてで相場がわからないんだ。
それにサラマンダーの角のためにサラマンダーを討伐したり、腕輪の杖も作ってもらったりしてるだろ。
高額になるとは思うのだが、分割などはできるだろうか?」
「も、申し訳ございません。
金額をお伝えする前に杖を仕立ててしまいました。
本来であれば目安となる金額をお伺いした後に可能なデザインや装飾品を決めたりするのですが、」
「いえ、あなたのおすすめでお願いしたいと言ったのは俺です。
最初に金額を聞いておくべきでした。こちらこそすみません。」
徐々に青ざめていくアストレアをみて、クラトスはそれを慰めるかのように咄嗟にそう言った。
アストレアは申し訳ないという表情を浮かべながらも、金額を伝えた。
「お、お会計は3万ゴールドになります。
ただ今回は私の不手際もありましたので、2万ゴールドでいかがでしょうか?」
「は?」
「ごごごごごめんなさい。1万ゴールドでいかがでしょうか?」
「違う違う!今のは咄嗟に出てしまっただけで、別に高額で怒っているわけじゃない。
むしろ安すぎる。アストレア、君は素材の価値を知っているのか?
サラマンダーの素材でも比較的手に入りやすい鱗や爪でも1つで2万ゴールドするんだぞ。それが角となれば5万、10万どころの話ではない。
加えて君が素材として使った角は通常個体のサラマンダーじゃない。特殊個体のサラマンダーだ。しかも青角だ。
色によって素材の価値が変わるという話は素材に詳しくない俺でも知っている。」
サラマンダーの通常色の角から始まり、赤角、白角、青角の順に価値や価格が上がっていく。
炎がオレンジ色より青色の方が高温であるように、炎系統の素材は基本的にこの色関係で素材の価値が決まり、その価格の差は赤と青とでは10倍以上にもなる。
つまりアストレアが特殊個体のサラマンダーの青角から作り上げた杖を1万ゴールドで販売しようとしていると言うことは異常とも言える行動である。
「いえ、素材の価値や価格は存じております。
ただそれは素材屋で入手した場合の価格です。
ですが私は自分でサラマンダーを討伐して自分で剥ぎ取りを行っています。
他の仲介が発生しないため、通常の素材価格より少しお安く出しております。それにサラマンダーの討伐はギルドを通しているので、別途討伐料金をいただいているんです。
それだけでも採算は取れているので、気にされないでください。」
「それとこれとは別の話だ。
俺はこんなにもすごい杖を持ったことすらない。俺は杖にお金を出したいわけじゃない。アストレア、君に対価としてお金を支払いたいんだ。
討伐料金で採算が取れているとかはどうでもいい。
しかも俺がずっと大切にしていた杖を2つの杖に生まれ変わらせてくれた。それだけでも支払う価値がある。」
クラトスのその言葉を聞いて、取り合っていた手を互いに離した。
数秒の沈黙の後、アストレアは烏羽色のフードを脱ぎ去り、リヴィド色の髪が露になる。まっすぐ見つめるその義眼はアップルグリーンで、初めて見る左の本物の目は義眼に近いアイスグリーン。唇は薄くシミやそばかす、ニキビなどがないきれいな肌。
フードの隙間から見る影で表情の読み取れない表情ではなく、邪魔するものがないレイン・アストレアの表情が見える。
「ありがとうございます。
ですが、お伝えした通り1万ゴールドでお願いします。」
「おい、聞いていたのか?」
「そ、その代わり、必ず定期的にメンテナンスにお越しください。
頻度は3ヶ月に1回ほどでしょうか。ただ特級魔法を使ったり、明らかに魔法を使いすぎたと感じたら頻度関係なくメンテナンスに来てください。
それからもし、私の杖が良いものと感じたら部下の皆様にもこの工房を紹介してください。」
「わかった。必ず定期メンテナンスに伺おう。
そして部下だけじゃなく、軍全体にレイン・アストレア。君の工房を紹介すると約束しよう。」
二人は互いに向かい合いながら、微笑み合う。
(義眼の魔女とはこんなにも可愛らしい女性だったのか。
フードで見えていなかったが、きれいに笑うんだな。
ん?女性?
それもそうか、義眼の魔女と呼ばれているくらいだから女性か。
そうか、、、女性か、、、
え、じょじょじょじょじょじょじょじょじょじょじょ女性?????
俺さっき、アストレアの手を取って。
婚姻前で手なんて繋いでもいいのか?
って、婚姻?????けけけけけけけけけ結婚するのか?
どどどどどどどどどどうしたらいいんだぁぁ???)
クラトスは目を丸くして、手が震えだし動揺を隠せないでいた。
暴れる手を制御出来ずにいながらも、ベルトについていた赤黒いポシェットから大金貨10枚を取り出し、それをアストレアに渡すと、そのまま勢いよく地上に続く階段を駆け上がり、「また来ます」と大声で叫びながら工房を飛び出す。
アストレアは呆気に取られながらも、渡された大金貨を握りしめながら軽く微笑んだ。
一方勢いよく工房を飛び出したクラトスは顔を真っ赤にしながら、仕立ててもらった杖を大事に握りしめキダ王国の石畳を駆けていた。
炎系統の魔法の才能を買われ、学生時代から軍に所属していたクラトスは男ばかりの環境で育ってきた。女性との会話と言ったら軍の食堂スタッフか討伐で赴くギルドの受付スタッフ程度。触れるどころか、話をするのすら滅多にない。
中佐という役職を持っていながらサン・クラトスの身体は未だに固い鉄壁の防御に守られていたのであった。
つまり彼は、ほぼ初めて女性と今日手を繋いだのである。
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