エッチな玩具オナニーがやめられないのにコミュつよイケメン従弟(ぶっちゃけ苦手)と同居することになってしまった

松任 来(まっとう らい)

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21 間一髪

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(そんな、外にいる気配が全くなかった……)

そう思ってから気が付く。考えてみれば、こっちの物音がダイニングに聞こえないなら向こうの気配もこちらには伝わりにくいということだ。
(迂闊だった……)
全身から血の気が引く。先に就寝していたと思ったのだが、トイレにでも起きたのだろうか。
慌てた暖雪は、思考もまとまらないまま「な、なんだよ?」と大きな声でドアの向こうに応えてしまった。
直後に強く後悔する。

(しまった……。寝たふりしとけばやりすごせたかもしれないのに)
血の気が引いていくのを感じる。なんで自分はこうなのだろうか。
「雪ちゃん?ごめん、さっきトイレの流れる音がしたから、まだ起きてるかなと思って」

(……そうか。玩具の振動音は低いから聞こえなくても、トイレの水流す音とかは響くんだ)
「……起きてる?今大丈夫?」
(ど、どうしよう。開けないとまずいか?)
今扉の前に行くには、パジャマを着なおさなければならない。ローションがべったりついてしまうが、そんなことに構ってはいられないだろう。

(その前にまずはエネマグラとローションをベッド下に隠さなきゃ……)
一瞬のうちにいくつもの考えが頭を巡り、思考がまとまらない。「ええーと……」と言いながら暖雪があたふたしていると……。

「いや、いいよここで。あのさ、明日雪ちゃん何か予定ある?」
そんな風に、大海が扉の向こうから柔らかく語りかけてくる。
ドアを開けてほしいと、催促されることはなかった。
「ない、けど……」
戸惑いを悟られないよう気を付けながらとりあえずそう返すと、相手の声のトーンが一段階上がったのが感じられた。

「そっか」

不思議だ。扉越しでも、大海のあの笑顔がくっきりと目の前に浮かんでくるようだった。
 
「じゃあさ、二人でどっか出かけない?俺この辺りに何があるか見てみたいし。少しぶらぶらしたいなと思うんだけど」
そんな誘いを受ける。その申し出自体には特に断る理由はない。夕飯の時には伝えそびれたが、もとより明日は大海を日本に慣れさせるため外に連れ出してやるつもりでいたのだ。
「わ、分かった。適当な時間に出よう」

感情を隠し、手短に返した暖雪の言葉に。
「うん、りょうかーい」
そんな、緩い声が返ってきた。

「おやすみ、雪ちゃん」
「おやすみ……」

就寝の挨拶を交わした後、今度こそ大海は自室に消えていった、……はずである。そう推察できたものの、暖雪は丸々一分ほど、じっと毛布にくるまって動けずにいた。それからそろそろと動き出し、頭から毛布をかぶった状態のままそっと扉を開けてリビングを覗きこむ。
真っ暗なリビングには、動くものの気配はない。数m先にある大海の部屋も、扉を閉ざされしんと静まり返っているように感じる。
「……はあ~」
再び鍵をかけて部屋に籠り、暖雪はがっくりと脱力した。

とんでもないことになるところだった。自分の抜けっぷりが憎い。
そもそも、大海はきっと人と絡むのが大好きなのだ。そのような性格だから、顔を合わせることまではしなくともわざわざああして接触しにくる。
そのような感覚のない暖雪にとっては、そんな行動に度肝を抜かれてしまうのであった。
(……あいつが外出中か風呂にでも入ってる時じゃないとできないってことだな)

同居を始めたばかりのこの期間は、特に気を付けるべきかもしれない。
(……それにしても)
毛布を、胸元でぎゅっと握りしめた。
「あいつ……。ちゃんと頼んだこと守ってくれたんだな」
ぼんやりと、暖雪は考えた。
“家の中であってもプライベート空間には容易く入ってこないでほしい”という同居前の暖雪の望みを、大海はきちんと尊重してくれた。大海本人は、他者との垣根を気負いなく超えてくるタイプにも関わらず、だ。
それはちょうど、人と同じスピードで歩けない暖雪の隣で、急かすことなく歩幅を合わせて進んでくれるように。

「……」
ほっと、気が緩んだ。何だかものすごく、暖かいものに触れた気がしたのだ。
すうっとリラックスした感覚に包まれた。なんだったらもうこのまま寝てしまえそうだ。
だが、横になると、やはりどうも下腹部の重さが気になる。
それだけではない。奇妙な感情に包まれているのを悟った。さっき大海にオナニーを見られそうになったというのに、その気が失せるどころか、ゆるりと身体の力が抜けた、でも頭はほどよく覚醒している、ある意味で一番オナニーにふさわしいコンディションになっている。
まだ同居して一日目だというのに、こんなに彼に気を許せてしまうのはどういったことだろう。
(……まだそんな、空気みたいな存在になってるわけないんだけどな)

やはり、あの屈託のない笑顔がそうさせるのか。警戒心を解いているのか。
しっくりはこないものの、そう結論づける。
そして、この段階になって途端にどっと頭が重くなってきた。ゆるゆるとベッドに向かい、だが自然と手はエネマグラに伸びる。
(今ならすぐにイける)
そんな確信があり、暖雪は今度は一番使い慣れた非電動タイプのエネマグラを取り出した。

そしてその確信通り、実にスムーズに挿入まで至り、絶好のポイントを手繰り寄せてものの五分で終了させることに成功した。
そのまま、ふわふわとした心地の良いものに浸るようにして、暖雪は落ちるように眠りの世界に入っていったのだった。
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