2 / 53
2
しおりを挟む
◇
「注目の的だったな、紡久」
俺の名を呼んだ友人の友樹が、小さな瞳をさらに細めて笑った。
恥をかいた俺を見て面白がる姿に、内心イラつきながらも友樹の小指を見る。
「……ある」
「は?」
友樹の指に絡まっているのは、俺と同じ赤い糸だった。
もちろん俺の赤い糸とは繋がっていないけど、その糸は長く伸び、窓から外へと飛び出ている。
糸の先を視線でたどってみるも果てが見えず、諦めて視線を友樹の冴えない顔に戻した。
もしこれが運命の赤い糸というロマンチックな物だとしたら、現実とは時に残酷だ。
「友樹、高校生の間は彼女が出来ないみたいだぞ」
「はあ!? なんだおまえ。いきなり失礼なヤツだな!」
友樹が机の上に置いていた教科書を掴み、思いきり角で殴られた。
目の前で星が散り、視界が揺れながらも涙目で友樹を睨みつける。
角はダメだろ、一番やっちゃダメだろ。
「注目の的だったな、紡久」
俺の名を呼んだ友人の友樹が、小さな瞳をさらに細めて笑った。
恥をかいた俺を見て面白がる姿に、内心イラつきながらも友樹の小指を見る。
「……ある」
「は?」
友樹の指に絡まっているのは、俺と同じ赤い糸だった。
もちろん俺の赤い糸とは繋がっていないけど、その糸は長く伸び、窓から外へと飛び出ている。
糸の先を視線でたどってみるも果てが見えず、諦めて視線を友樹の冴えない顔に戻した。
もしこれが運命の赤い糸というロマンチックな物だとしたら、現実とは時に残酷だ。
「友樹、高校生の間は彼女が出来ないみたいだぞ」
「はあ!? なんだおまえ。いきなり失礼なヤツだな!」
友樹が机の上に置いていた教科書を掴み、思いきり角で殴られた。
目の前で星が散り、視界が揺れながらも涙目で友樹を睨みつける。
角はダメだろ、一番やっちゃダメだろ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
36
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる