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21話 指輪と歩夢
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あれ、俺……なんでベッドにいるんだ?
「太一兄ちゃん、おはよう。」
聞き慣れた声に振り返ると、歩夢が椅子に腰かけてこっちを見ていた。
「あれ、歩夢?なんで俺、ベッドで寝てるんだ? さっきまで工房にいて……それで……っあ、指輪!」
そこまで言って全部思い出した。
完成した指輪を見せに行こうとして、力尽きて倒れたんだった。
てか指輪は!?壊れてないよな……?
「ゆ、指輪ってこれ?」
そっとハンカチを差し出す歩夢。
その中には、間違いなく俺が仕上げた、あの銀のリングがあった。
「そ、それだ!歩夢、俺ついに完成させたんだ!早くベンさんたちにも見せに行こう!」
興奮のまま歩夢の手をつかみ、二人でリビングへ向かった。
───────────────────
「太一ちゃん!体は大丈夫?ぐっすり眠っていたようだけど。」
「最近根を詰めていたからな。声をかける隙がなかったが……休むことは大事だよ。」
ベンさんとリサさんに心配される。
たしかに倒れるまで作業したのはやりすぎだったかもしれない。
でも、あの瞬間に仕上がったからこそ今がある。
「心配かけてごめん。次はちゃんと休むよ。それより──これ!やっと完成したんだ!」
「これはまた綺麗な……。」
ベンさんが手に取り、石を光に透かす。
隣からリサさんも覗き込む──と思ったら、急に声の熱が変わった。
「っ!太一ちゃん、本当に大丈夫なの?」
「へっ?大丈夫ですよ?」
「言ってなかったけど、わたし鑑定スキルを持ってるの。
物の性質や魔力の流れを見られるスキルよ。」
へぇ、便利だな……なんて呑気に考えていたら、リサさんがため息をつく。
「この指輪、かなり強力よ。ここまでの阻害効果を組み込むには相当な魔力が必要だったはず。」
「たしかに、完成直前に一気に魔力を持っていかれた感じはありました。」
「やっぱり……。太一ちゃん、魔力は命と同じよ。もし魔力切れを起こしたら、最悪死んでしまうこともある」
そう言われて初めて理解する。
そんな危ない橋を知らずに渡っていたのか。
「そんな危ないことしてたなんて知らなくて……ごめん、次から気をつける」
「これは私たちの説明不足でもある。すまない、太一くん。」
二人とも本気で心配してくれている。
これからは気をつけないと。
そう反省していたところに、歩夢の声がそっと入ってきた。
「太一兄ちゃん。」
「どうした?」
「この指輪、僕貰ってもいいの?」
その瞳が、いつになく素直に輝いていた。
本気で欲しいんだな、と一目でわかった。
「あぁ。これは歩夢のために作ったんだ。 歩夢が好きそうな、シンプルなデザインにしたつもりだ。……つけてみるか?」
「うん…!」
控えめだけど、嬉しさが溢れている。
その顔を見るだけで徹夜の苦労なんて吹き飛ぶ。
歩夢は細い指にゆっくりとリングを通した。
僕とベンさんとリサさんは息を呑んで見守る。
そして──。
「太一兄ちゃん、ありがとう。僕、大切にする。」
まるで花が咲いたような可愛らしい笑顔。
やばい。
歩夢がこんなに笑うの、いつぶりだ?
努力してよかった。心からそう思う。
ふと横にいたベンさんとリサさんを見ると、二人とも違った反応を見せる。
「これは想像以上だな……攫われないか心配だ。 いや、俺がそいつらを殺れば問題ないな」
ベンさんが「俺」って言った…、それに殺る!?
普段の温厚なベンさんとは思えない物騒な発言だ。
それに対して、リサさんはというと──。
「やだぁぁ!!歩夢ちゃん可愛い!ほんと天使みたいね!」
両手でほっぺを押さえながら身をよじっていた。
……気持ちはすごくわかる。
とにかく指輪は完成した。
そして歩夢が笑ってくれた。
それだけで、今は十分だった。
「太一兄ちゃん、おはよう。」
聞き慣れた声に振り返ると、歩夢が椅子に腰かけてこっちを見ていた。
「あれ、歩夢?なんで俺、ベッドで寝てるんだ? さっきまで工房にいて……それで……っあ、指輪!」
そこまで言って全部思い出した。
完成した指輪を見せに行こうとして、力尽きて倒れたんだった。
てか指輪は!?壊れてないよな……?
「ゆ、指輪ってこれ?」
そっとハンカチを差し出す歩夢。
その中には、間違いなく俺が仕上げた、あの銀のリングがあった。
「そ、それだ!歩夢、俺ついに完成させたんだ!早くベンさんたちにも見せに行こう!」
興奮のまま歩夢の手をつかみ、二人でリビングへ向かった。
───────────────────
「太一ちゃん!体は大丈夫?ぐっすり眠っていたようだけど。」
「最近根を詰めていたからな。声をかける隙がなかったが……休むことは大事だよ。」
ベンさんとリサさんに心配される。
たしかに倒れるまで作業したのはやりすぎだったかもしれない。
でも、あの瞬間に仕上がったからこそ今がある。
「心配かけてごめん。次はちゃんと休むよ。それより──これ!やっと完成したんだ!」
「これはまた綺麗な……。」
ベンさんが手に取り、石を光に透かす。
隣からリサさんも覗き込む──と思ったら、急に声の熱が変わった。
「っ!太一ちゃん、本当に大丈夫なの?」
「へっ?大丈夫ですよ?」
「言ってなかったけど、わたし鑑定スキルを持ってるの。
物の性質や魔力の流れを見られるスキルよ。」
へぇ、便利だな……なんて呑気に考えていたら、リサさんがため息をつく。
「この指輪、かなり強力よ。ここまでの阻害効果を組み込むには相当な魔力が必要だったはず。」
「たしかに、完成直前に一気に魔力を持っていかれた感じはありました。」
「やっぱり……。太一ちゃん、魔力は命と同じよ。もし魔力切れを起こしたら、最悪死んでしまうこともある」
そう言われて初めて理解する。
そんな危ない橋を知らずに渡っていたのか。
「そんな危ないことしてたなんて知らなくて……ごめん、次から気をつける」
「これは私たちの説明不足でもある。すまない、太一くん。」
二人とも本気で心配してくれている。
これからは気をつけないと。
そう反省していたところに、歩夢の声がそっと入ってきた。
「太一兄ちゃん。」
「どうした?」
「この指輪、僕貰ってもいいの?」
その瞳が、いつになく素直に輝いていた。
本気で欲しいんだな、と一目でわかった。
「あぁ。これは歩夢のために作ったんだ。 歩夢が好きそうな、シンプルなデザインにしたつもりだ。……つけてみるか?」
「うん…!」
控えめだけど、嬉しさが溢れている。
その顔を見るだけで徹夜の苦労なんて吹き飛ぶ。
歩夢は細い指にゆっくりとリングを通した。
僕とベンさんとリサさんは息を呑んで見守る。
そして──。
「太一兄ちゃん、ありがとう。僕、大切にする。」
まるで花が咲いたような可愛らしい笑顔。
やばい。
歩夢がこんなに笑うの、いつぶりだ?
努力してよかった。心からそう思う。
ふと横にいたベンさんとリサさんを見ると、二人とも違った反応を見せる。
「これは想像以上だな……攫われないか心配だ。 いや、俺がそいつらを殺れば問題ないな」
ベンさんが「俺」って言った…、それに殺る!?
普段の温厚なベンさんとは思えない物騒な発言だ。
それに対して、リサさんはというと──。
「やだぁぁ!!歩夢ちゃん可愛い!ほんと天使みたいね!」
両手でほっぺを押さえながら身をよじっていた。
……気持ちはすごくわかる。
とにかく指輪は完成した。
そして歩夢が笑ってくれた。
それだけで、今は十分だった。
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