愛を知らない少年たちの番物語。

あゆみん

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39話 家族の再開

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たった二週間のはずなのに、胸の奥ではとても久しぶりの再会のように感じていた。
玄関に足を踏み入れた瞬間、ぱっと花が咲くみたいにリサさんが駆け寄ってくる。

「太一ちゃん、歩夢ちゃん、ごめんなさいね! 二人とも本当に大丈夫だった?」

リサさんは心配そうな声で、そのまま俺と歩夢を両腕に抱き寄せる。

「俺たちは大丈夫」
「元気になってよかった」

歩夢と並んでそう返す。
それよりも、発情期明けで迎えに来てもらったことが少し申し訳なくて、言葉を続けようとしたら、リサさんは笑って「気分転換よ!」と歩く仕草を見せる。
本当に元気そうでよかった。

ただ、後ろではアイザックとディランが名残惜しそうに立っていた。

「もう帰っちまうのか。もっといてくれて良かったんだぞ?」
「アイザック、二人も本当はリサさんたちといたいだろう。でも、仲良くなれたばかりで、すぐお別れは寂しいね」

照れ隠しみたいな軽口に、けれど本音の寂しさが滲んでいる。
この二週間で、二人はすっかり俺にとっても親しい友人になっていた。

「また四人で集まろうな」

自分でも珍しいと思うほど素直な言葉が口から出た瞬間、アイザックの目が一瞬丸くなる。
けれどすぐに、あの悪戯っぽくて温かい笑みに変わった。

「はは、そうだな。楽しみにしてるぞ」
「歩夢くんも、またゆっくり話そう」
「うんっ…!」

約束を交わすと、別れ際の空気がひんやりしつつも、胸のあたりがぽっと温かかった。

───────────────────

家に戻ると、ベンさんがほっとしたように息を抜きながら迎えてくれる。

「二人とも、心配かけてすまないね。大丈夫だったかい?」

「大丈夫だよ」

答えながら、過ごした二週間の光景が胸の奥で次々と浮かんだ。
友達の家に泊まり込んでいるみたいな気楽さ、ヨーゼフさんとの深い時間、工房の香り…。
全部が新鮮で、どこか懐かしいようで、楽しかった。

その流れで、ヨーゼフさんの弟子入りを勧められ、受けることにしたと報告する。

「え! 太一ちゃん、オファー受けたの?!」

驚くリサさんの声が弾み、続いてベンさんも目を丸くする。

「今まで弟子を取らなかったあの人をその気にさせてしまうなんてやっぱり太一君はすごいね。私はいいと思うよ、いい経験になるし太一君がしたいならやりたいようにやってほしい」

「そうよね! 私も嬉しいわ。お祝いしましょう!」

子どもが一歩成長したと知ったみたいな明るい表情に、こそばゆさと誇らしさが同時に胸に広がる。
温かい家だと改めて思った。

リサさんは歩夢にも向き直る。

「歩夢ちゃんはどうだった? 楽しめた?」
「うん。知らない話をたくさん聞けて、すごく楽しかった」

「そうか。少し緊張しているように見えたからね、安心したよ」

思えば、俺も最初はどうなるか不安だった。
でも歩夢が笑って過ごしているのを横で見て、気がつくと俺まで安心していた。

晩御飯の食卓は久しぶりに賑やかで、皿が空いていくたびに会話も弾んでいく。
気がつけば夜更かしして、笑いながらその日の話を締めくくっていた。

たった二週間。
それだけの時間で、世界が少し広がった気がする夜だった。

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