しょうたと家のないおじさん

居場所がない中学生

あまり見たことがない

　僕がお父さんに会うことはほとんどない。僕が起きるより早く仕事に行き、僕が寝るより遅く帰ってくる。お父さんにはあまり休みがない。3ヶ月に1～2回あれば良いほうだ。だから僕がお父さんに会うことはほとんどない。
　お父さんはこんなに頑張って働いているのに、僕の家はあまり裕福じゃない。だからボロボロのアパートに住んでいるし、ゲームのひとつも買ってもらえない。

　僕は将来、お父さんみたいな仕事にはつきたくないと思う。大変なだけで、お金持ちにもなれず、新しいお店ができたからと言って、引越しをしなければならないような、そんな仕事にはつきたくない。
　その為に僕は必死になって勉強している。テストでは、有名な塾に通っている子たちにも負けないくらいの点数を取る。

　僕が必死になって勉強するもうひとつの理由。テストの点数や成績は、僕の努力をちゃんと認めてくれる。僕のことをちゃんと評価してくれる。それが嬉しい。だから頑張れる。
　
　とは言え勉強ばかりでは息が詰まるので、僕には時々息抜きが必要だった。
　家で漫画を読むことが僕にとっての息抜きだった。けれど近頃はお母さんから聞かれたくないことを色々質問されたりすることで居心地が悪くなり、あまり家にはいたくなかった。
　
　休みの日、天気が良かったので公園に行った。思っていた以上に気持ちが良かった。太陽は暖かかったし、風は優しかった。

　それから僕は勉強の合間にしばしば公園に行くようになり、そこでのんびりと息抜きをすることにした。