11 / 35
『勇者ヴァルの物語』では語られない物語
女神の青 第三話
しおりを挟む
ラインハルトとラオーシュに相談した数日後、俺はレオミュール王国にある南トーカ廃都市遺跡群に来ていた。
その遥か深層の回廊を歩いている。
古代遺跡とは名ばかりに、煌々と照らされた通路を進んでいく。
ここは、魔力を通す網目のようなものが張り巡らされていて、そこへ魔力を流すといろいろな作用が起こるんだ。この通路の明かりもそれの一環というわけだ。
ここは人の出入りがなく、昔のままの状態だ。
今日は、その奥にある大きな格納庫のような所を目指している。
以前ここへ来たのは十二年も前のことだから、いきなり格納庫に転移するのは憚られた。何がいるか分からないから、大事を取ったのだ。
薄れかかった記憶を頼りに、更に奥へと進んでいく。
魔力を流し重い扉を押し開けて、広く開けた場所に出る。
目的の格納庫だ。
ここは大型のゴーレムが保管されていた場所なのだろうと考えている。
古代遺跡はゴーレムに守られている箇所が多く、大小様々な種類がいた。
それを考えるに、この広く天井の高い格納庫は、大型ゴーレムを置いておく場所だったのだろうと考えられた。
と言っても調べようがないから、分からないままなんだけどな。
通路とは別に明かりが管理されているのか、中は薄暗かった。
そのまま、静かに中へと入り込む。少し歩くだけで埃が舞った。相変わらずここからは人の出入りはないようだな。
ああ、さすがに十二年放置すればいるか。
小さく溜息が溢れた。
腰の剣に手をかけつつ、ゆっくりと前方へ歩みを進める。
前とは違う色だ。
大きさも一回り、いや二回りは小さいか。
俺の倍もないだろう。
まだ子供だな。
俺は気配隠蔽を解き、声を張った。
「この縄張りの新しい主はお前か」
俺の気配を感じ取ったのだろう。
俺が声を出す前に素早く顔を振り上げたそれは、大きな牙を剥き出して唸った。
凄まじい怒気が辺りを支配する。
金の瞳は警戒と怒りに熱を帯び、青の鱗の隙間からはあらゆるものを燃やし尽くさん覇気が漏れ出る。
はは、小さいとは言え、さすがドラゴン。
だが、その程度ならなんてことはない。
俺は少しだけ手加減して、威圧をかけた。
倒しに来たわけじゃない。
ただそこら辺に転がっている宝石を見に来ただけなんだ。
俺の、目には見えない、しかし体を押し潰さんばかりの威圧を受け、青い鱗の主の怒気も覇気も霧散する。一歩一歩ゆっくりと近づけば、消えた熱気が怯えに変わっていくのが分かった。
賢い子は嫌いじゃないぞ。
「俺は前の主を討ち倒した者だ。この縄張りを求めてきたのではない。話は聞けるか」
低い声で声を通らせると、小さな唸り声と共に『分かった』と返事が聞こえた。
ドラゴンは知能が高い。俺の言っていることは伝わっているようだ。
ドラゴンは喉から出る声では俺たちとは会話はできない。魔力を使った念話を用い、魔力を介せば言語が違っても対話できる。それで返事を返してきたのだ。
「賢さは身を守ってくれる。お前の選択は必ずお前を助くだろう」
そう言った後、ゆっくりと威圧を消した。
『なんなんだ、お前……』
警戒と不審と不安と、様々な感情が混ざった中に僅かな好奇心が見え隠れする。
俺が近寄っていくと、静かに体を横たわらせた。
首をもたげて俺の動向を探っているようだ。
『ただの人じゃないな』
「そういうお前は竜の神子だな。何故こんなところにいる」
青の鱗に金の瞳。
竜の中で女神の信託を受ける個体が授かる色だ。
青は正に女神と同じく、空のように青く、海のように青い。
そしてその青の最中に輝く太陽のような金。
それが竜の神子に与えられる色だった。
ブルードラゴンの青色とは根本として色が違う。
本来なら竜の孤島で蝶よ花よと育てられる個体のはずなんだが、なぜここにいる。
『私は竜の神子の色をしているだけで、神子ではないのだそうだ。今の女王が私を島から追い出した』
あー、なるほど。
今代の王は、雌の個体だったか。それなら少し混沌に寄って、女神を遠ざけようとしているのだな。雌のドラゴンは、まあなんというか、気性が荒いことが多い。
「お前は神託を受けたことはないのか」
『神託、は、よく分からない』
そういうことか。
この神子はまだ力が覚醒していないのだな。それでそのまま追い出された。
神子として覚醒していれば、圧倒的な王者の相で他のドラゴンどもを従え、女王の圧力を跳ね返すことができただろう。どんなに若い個体だったとしてもだ。
あの女神のつぶやきが聞こえるのを良しとするかは人それぞれだが、それによって与えられる恩恵を損ねるのは、面倒な能力の与えられ損となるだろう。
「少し魔力を流してみてもいいか?」
『私に断る権利があるとでも?』
神子は顔を眇めて不審げに俺を見る。
そう思うのは仕方ないか。
先程のやり取りで、すっかり力関係ができてしまったようだしな。
「もちろん断っても構わない。正直なところ、女神の使徒たるは、必ずしも良いことにつながるとは思えんのでな」
俺の言い分に、金の瞳をやや伏せ思案しているようだ。
『いや、頼むとしよう。私がどのような力を与えられ、どうあらんと求められたのかは知っておく必要があるだろう。拒む理由がない』
「そうか、分かった。失礼する」
一言断ると、まだ薄っすらと熱を残した青の鱗に手を触れる。細い線を辿るように、青いドラゴンの生体魔力を読んでいく。これはまだ魔力の流れが通りきっていないようだな。
狭くて硬い箇所を解すように、魔力の熱を循環させていく。
こいつ、ドラゴンのくせに、魔力の導線が雑すぎないか。そりゃあ、女神が言葉を降ろそうとしても降りないわけだ。
ドラゴンの牙の隙間から、熱気を帯びた呼気が漏れる。
体温が上がってきている。
生体魔力が活性化し始めたのだろう。もう少し練り上げれば、後は自分でできるようになるだろうな。
そう思って、残りの作業を終わらせようとした時。
がふんっと大きな音がしたかと思うと、大きな口が俺に向けて開かれていた。
こいつ、やりやがったな。
そのまま、熱い呼気と共に強烈な魔力と計り知れない灼熱が吹き出した。
――竜の息吹。
俺が魔力循環をしている隙に吐き出しやがった。
しかも、俺の循環のお陰で魔力の通りは良くなっているわ、魔力自体は活性化してるわで、こいつにとっては今までの何倍以上も強いブレスが放てたことだろう。
『くくく、私の前で隙を見せるからだ。まあ、この言葉も届いておらぬだろうがな』
「届いているから安心しろ」
ぺっぺっと服の埃を払う。俺が防御結界を張れないとでも思っているのか。ブレスは防いだものの、その余波で埃を被ってしまった。あまり汚して家に戻りたくないんだがなぁ。
熱波と炎が消え去り、徐々に煙と水蒸気がはけていく。
互いに姿を認めることができた。
相手は金の瞳を大きく開き、口端からブレスの残滓を溢しながら俺に向けて唸り声を上げた。
『なんで生きてるんだ、……なんでだよ!』
ああ、やっと口調が崩れたな。
ドラゴンって種族は難しい言葉を使えば小さい種族から偉く思われると思い込みがちだから、堅苦しい言葉を使うことを好む。
でもお前、まだ子供だろ。そのがたいで年長者を気取っても無駄な背伸びだ。
俺は一呼吸して、天井しか見えないが天を仰ぎ、声をかける。
「サフィーア、なんとかしないとお前の大事な竜の神子を、お前の元に送ってしまうぞ」
それを言った途端、神子が瞠目し瞬きし、俺の方を信じられないものを見るような目で見つめた。
『女神だって名乗る女の声が、お前に手を出したら粉微塵の塵芥にされて消え去っちゃうから……、喧嘩を売るのはやめてって、言ってる……』
「くっ、くはは、もっとマシな説明はないのか、サフィーアよ」
思わず笑い声が溢れる。
『歴代の勇者と魔王合わせても一番強いし、なんなら今まで見てきた生命の中でたぶん最強だから、お願い死なないでって……、泣き出した、んだが……』
様が浮かんで笑ってしまう。
『お前! なんとかできるなら、泣きやめさせろ!』
「分かった分かった。……サフィーア、殺さないから泣いてやるな」
俺が少し穏やかに虚空へ語りかける。
しばらくすると竜の神子は小さく安堵の溜息を吐いた。
『泣きやんだ……』
「それは行幸」
『お前、なんなんだよ……』
「俺はただの勇者だよ」
『ただじゃないよそれ……』
青いドラゴンは項垂れるように首を振った。
その遥か深層の回廊を歩いている。
古代遺跡とは名ばかりに、煌々と照らされた通路を進んでいく。
ここは、魔力を通す網目のようなものが張り巡らされていて、そこへ魔力を流すといろいろな作用が起こるんだ。この通路の明かりもそれの一環というわけだ。
ここは人の出入りがなく、昔のままの状態だ。
今日は、その奥にある大きな格納庫のような所を目指している。
以前ここへ来たのは十二年も前のことだから、いきなり格納庫に転移するのは憚られた。何がいるか分からないから、大事を取ったのだ。
薄れかかった記憶を頼りに、更に奥へと進んでいく。
魔力を流し重い扉を押し開けて、広く開けた場所に出る。
目的の格納庫だ。
ここは大型のゴーレムが保管されていた場所なのだろうと考えている。
古代遺跡はゴーレムに守られている箇所が多く、大小様々な種類がいた。
それを考えるに、この広く天井の高い格納庫は、大型ゴーレムを置いておく場所だったのだろうと考えられた。
と言っても調べようがないから、分からないままなんだけどな。
通路とは別に明かりが管理されているのか、中は薄暗かった。
そのまま、静かに中へと入り込む。少し歩くだけで埃が舞った。相変わらずここからは人の出入りはないようだな。
ああ、さすがに十二年放置すればいるか。
小さく溜息が溢れた。
腰の剣に手をかけつつ、ゆっくりと前方へ歩みを進める。
前とは違う色だ。
大きさも一回り、いや二回りは小さいか。
俺の倍もないだろう。
まだ子供だな。
俺は気配隠蔽を解き、声を張った。
「この縄張りの新しい主はお前か」
俺の気配を感じ取ったのだろう。
俺が声を出す前に素早く顔を振り上げたそれは、大きな牙を剥き出して唸った。
凄まじい怒気が辺りを支配する。
金の瞳は警戒と怒りに熱を帯び、青の鱗の隙間からはあらゆるものを燃やし尽くさん覇気が漏れ出る。
はは、小さいとは言え、さすがドラゴン。
だが、その程度ならなんてことはない。
俺は少しだけ手加減して、威圧をかけた。
倒しに来たわけじゃない。
ただそこら辺に転がっている宝石を見に来ただけなんだ。
俺の、目には見えない、しかし体を押し潰さんばかりの威圧を受け、青い鱗の主の怒気も覇気も霧散する。一歩一歩ゆっくりと近づけば、消えた熱気が怯えに変わっていくのが分かった。
賢い子は嫌いじゃないぞ。
「俺は前の主を討ち倒した者だ。この縄張りを求めてきたのではない。話は聞けるか」
低い声で声を通らせると、小さな唸り声と共に『分かった』と返事が聞こえた。
ドラゴンは知能が高い。俺の言っていることは伝わっているようだ。
ドラゴンは喉から出る声では俺たちとは会話はできない。魔力を使った念話を用い、魔力を介せば言語が違っても対話できる。それで返事を返してきたのだ。
「賢さは身を守ってくれる。お前の選択は必ずお前を助くだろう」
そう言った後、ゆっくりと威圧を消した。
『なんなんだ、お前……』
警戒と不審と不安と、様々な感情が混ざった中に僅かな好奇心が見え隠れする。
俺が近寄っていくと、静かに体を横たわらせた。
首をもたげて俺の動向を探っているようだ。
『ただの人じゃないな』
「そういうお前は竜の神子だな。何故こんなところにいる」
青の鱗に金の瞳。
竜の中で女神の信託を受ける個体が授かる色だ。
青は正に女神と同じく、空のように青く、海のように青い。
そしてその青の最中に輝く太陽のような金。
それが竜の神子に与えられる色だった。
ブルードラゴンの青色とは根本として色が違う。
本来なら竜の孤島で蝶よ花よと育てられる個体のはずなんだが、なぜここにいる。
『私は竜の神子の色をしているだけで、神子ではないのだそうだ。今の女王が私を島から追い出した』
あー、なるほど。
今代の王は、雌の個体だったか。それなら少し混沌に寄って、女神を遠ざけようとしているのだな。雌のドラゴンは、まあなんというか、気性が荒いことが多い。
「お前は神託を受けたことはないのか」
『神託、は、よく分からない』
そういうことか。
この神子はまだ力が覚醒していないのだな。それでそのまま追い出された。
神子として覚醒していれば、圧倒的な王者の相で他のドラゴンどもを従え、女王の圧力を跳ね返すことができただろう。どんなに若い個体だったとしてもだ。
あの女神のつぶやきが聞こえるのを良しとするかは人それぞれだが、それによって与えられる恩恵を損ねるのは、面倒な能力の与えられ損となるだろう。
「少し魔力を流してみてもいいか?」
『私に断る権利があるとでも?』
神子は顔を眇めて不審げに俺を見る。
そう思うのは仕方ないか。
先程のやり取りで、すっかり力関係ができてしまったようだしな。
「もちろん断っても構わない。正直なところ、女神の使徒たるは、必ずしも良いことにつながるとは思えんのでな」
俺の言い分に、金の瞳をやや伏せ思案しているようだ。
『いや、頼むとしよう。私がどのような力を与えられ、どうあらんと求められたのかは知っておく必要があるだろう。拒む理由がない』
「そうか、分かった。失礼する」
一言断ると、まだ薄っすらと熱を残した青の鱗に手を触れる。細い線を辿るように、青いドラゴンの生体魔力を読んでいく。これはまだ魔力の流れが通りきっていないようだな。
狭くて硬い箇所を解すように、魔力の熱を循環させていく。
こいつ、ドラゴンのくせに、魔力の導線が雑すぎないか。そりゃあ、女神が言葉を降ろそうとしても降りないわけだ。
ドラゴンの牙の隙間から、熱気を帯びた呼気が漏れる。
体温が上がってきている。
生体魔力が活性化し始めたのだろう。もう少し練り上げれば、後は自分でできるようになるだろうな。
そう思って、残りの作業を終わらせようとした時。
がふんっと大きな音がしたかと思うと、大きな口が俺に向けて開かれていた。
こいつ、やりやがったな。
そのまま、熱い呼気と共に強烈な魔力と計り知れない灼熱が吹き出した。
――竜の息吹。
俺が魔力循環をしている隙に吐き出しやがった。
しかも、俺の循環のお陰で魔力の通りは良くなっているわ、魔力自体は活性化してるわで、こいつにとっては今までの何倍以上も強いブレスが放てたことだろう。
『くくく、私の前で隙を見せるからだ。まあ、この言葉も届いておらぬだろうがな』
「届いているから安心しろ」
ぺっぺっと服の埃を払う。俺が防御結界を張れないとでも思っているのか。ブレスは防いだものの、その余波で埃を被ってしまった。あまり汚して家に戻りたくないんだがなぁ。
熱波と炎が消え去り、徐々に煙と水蒸気がはけていく。
互いに姿を認めることができた。
相手は金の瞳を大きく開き、口端からブレスの残滓を溢しながら俺に向けて唸り声を上げた。
『なんで生きてるんだ、……なんでだよ!』
ああ、やっと口調が崩れたな。
ドラゴンって種族は難しい言葉を使えば小さい種族から偉く思われると思い込みがちだから、堅苦しい言葉を使うことを好む。
でもお前、まだ子供だろ。そのがたいで年長者を気取っても無駄な背伸びだ。
俺は一呼吸して、天井しか見えないが天を仰ぎ、声をかける。
「サフィーア、なんとかしないとお前の大事な竜の神子を、お前の元に送ってしまうぞ」
それを言った途端、神子が瞠目し瞬きし、俺の方を信じられないものを見るような目で見つめた。
『女神だって名乗る女の声が、お前に手を出したら粉微塵の塵芥にされて消え去っちゃうから……、喧嘩を売るのはやめてって、言ってる……』
「くっ、くはは、もっとマシな説明はないのか、サフィーアよ」
思わず笑い声が溢れる。
『歴代の勇者と魔王合わせても一番強いし、なんなら今まで見てきた生命の中でたぶん最強だから、お願い死なないでって……、泣き出した、んだが……』
様が浮かんで笑ってしまう。
『お前! なんとかできるなら、泣きやめさせろ!』
「分かった分かった。……サフィーア、殺さないから泣いてやるな」
俺が少し穏やかに虚空へ語りかける。
しばらくすると竜の神子は小さく安堵の溜息を吐いた。
『泣きやんだ……』
「それは行幸」
『お前、なんなんだよ……』
「俺はただの勇者だよ」
『ただじゃないよそれ……』
青いドラゴンは項垂れるように首を振った。
10
あなたにおすすめの小説
真空ベータの最強執事は辞職したい~フェロモン無効体質でアルファの王子様たちの精神安定剤になってしまった結果、執着溺愛されています~
水凪しおん
BL
フェロモンの影響を受けない「ベータ」の執事ルシアンは、前世の記憶を持つ転生者。
アルファ至上主義の荒れた王城で、彼はその特異な「無臭」体質ゆえに、フェロモン過多で情緒不安定な三人の王子たちにとって唯一の「精神安定剤」となってしまう。
氷の第一王子、野獣の第二王子、知略の第三王子――最強のアルファ兄弟から、匂いを嗅がれ、抱きつかれ、執着される日々。
「私はただの執事です。平穏に仕事をさせてください」
辞表を出せば即却下、他国へ逃げれば奪還作戦。
これは、無自覚に王子たちを癒やしてしまった最強執事が、国ぐるみで溺愛され、外堀を埋められていくお仕事&逆ハーレムBLファンタジー!
悪役令嬢の兄でしたが、追放後は参謀として騎士たちに囲まれています。- 第1巻 - 婚約破棄と一族追放
大の字だい
BL
王国にその名を轟かせる名門・ブラックウッド公爵家。
嫡男レイモンドは比類なき才知と冷徹な眼差しを持つ若き天才であった。
だが妹リディアナが王太子の許嫁でありながら、王太子が心奪われたのは庶民の少女リーシャ・グレイヴェル。
嫉妬と憎悪が社交界を揺るがす愚行へと繋がり、王宮での婚約破棄、王の御前での一族追放へと至る。
混乱の只中、妹を庇おうとするレイモンドの前に立ちはだかったのは、王国騎士団副団長にしてリーシャの異母兄、ヴィンセント・グレイヴェル。
琥珀の瞳に嗜虐を宿した彼は言う――
「この才を捨てるは惜しい。ゆえに、我が手で飼い馴らそう」
知略と支配欲を秘めた騎士と、没落した宰相家の天才青年。
耽美と背徳の物語が、冷たい鎖と熱い口づけの中で幕を開ける。
「役立たず」と追放された神官を拾ったのは、不眠に悩む最強の騎士団長。彼の唯一の癒やし手になった俺は、その重すぎる独占欲に溺愛される
水凪しおん
BL
聖なる力を持たず、「穢れを祓う」ことしかできない神官ルカ。治癒の奇跡も起こせない彼は、聖域から「役立たず」の烙印を押され、無一文で追放されてしまう。
絶望の淵で倒れていた彼を拾ったのは、「氷の鬼神」と恐れられる最強の竜騎士団長、エヴァン・ライオネルだった。
長年の不眠と悪夢に苦しむエヴァンは、ルカの側にいるだけで不思議な安らぎを得られることに気づく。
「お前は今日から俺専用の癒やし手だ。異論は認めん」
有無を言わさず騎士団に連れ去られたルカの、無能と蔑まれた力。それは、戦場で瘴気に蝕まれる騎士たちにとって、そして孤独な鬼神の心を救う唯一の光となる奇跡だった。
追放された役立たず神官が、最強騎士団長の独占欲と溺愛に包まれ、かけがえのない居場所を見つける異世界BLファンタジー!
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。
続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』
かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、
転生した高校時代を経て、無事に大学生になった――
恋人である藤崎颯斗と共に。
だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。
「付き合ってるけど、誰にも言っていない」
その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。
モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、
そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。
甘えたくても甘えられない――
そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。
過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの
じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。
今度こそ、言葉にする。
「好きだよ」って、ちゃんと。
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
異世界で聖男と呼ばれる僕、助けた小さな君は宰相になっていた
k-ing /きんぐ★商業5作品
BL
病院に勤めている橘湊は夜勤明けに家へ帰ると、傷ついた少年が玄関で倒れていた。
言葉も話せず、身寄りもわからない少年を一時的に保護することにした。
小さく甘えん坊な少年との穏やかな日々は、湊にとってかけがえのない時間となる。
しかし、ある日突然、少年は「ありがとう」とだけ告げて異世界へ帰ってしまう。
湊の生活は以前のような日に戻った。
一カ月後に少年は再び湊の前に現れた。
ただ、明らかに成長スピードが早い。
どうやら違う世界から来ているようで、時間軸が異なっているらしい。
弟のように可愛がっていたのに、急に成長する少年に戸惑う湊。
お互いに少しずつ気持ちに気づいた途端、少年は遊びに来なくなってしまう。
あの時、気持ちだけでも伝えれば良かった。
後悔した湊は彼が口ずさむ不思議な呪文を口にする。
気づけば少年の住む異世界に来ていた。
二つの世界を越えた、純情な淡い両片思いの恋物語。
序盤は幼い宰相との現実世界での物語、その後異世界への物語と話は続いていきます。
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
異世界転生した双子は今世でも双子で勇者側と悪魔側にわかれました
陽花紫
BL
異世界転生をした双子の兄弟は、今世でも双子であった。
しかし運命は二人を引き離し、一人は教会、もう一人は森へと捨てられた。
それぞれの場所で育った男たちは、やがて知ることとなる。
ここはBLゲームの中の世界であるのだということを。再会した双子は、どのようなエンディングを迎えるのであろうか。
小説家になろうにも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる