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レンヴァル村の戦い
ランカスト・バニッシュ2
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私が使っていたバスタード・ソードを構えたユトムンダス相手に、デュランダルの一撃を振り下ろす。
ガキキキキィィィィィン!
先程とは逆に、私が振り下ろしたデュランダルをユトムンダスがバスタード・ソードで受け止める。
「うおおおぉぉぉぉぉ!」
デュランダルを地面に当てた反動で鋭く振り上げ、私はユトムンダスに連続攻撃を仕掛けた。
しかし左腕に捕われたテューネに攻撃を当てる訳にはいかない為、どうしてもユトムンダスの右側に攻撃が集中する。
その為、その斬撃は尽くユトムンダスに読まれてしまう。
なんとか腕から逃れようと暴れるテューネの動きも、太いユトムンダスの腕はビクともしない。
(なんとか、テューネを奴の腕から解放しなければ! このままじゃ攻撃が当たらない……)
ユトムンダスも片腕での攻撃なので、その剣撃の軌道は私も読み易かった。
ただ私は必死に戦っている状態で、ユトムンダスは遊んでるかのように余裕がある。
私の劣勢は、誰の目にも明らかだった。
その状況を肌で感じた私は、デュランダルに力を込める。
村の外周では、ベルヘイム騎士達が10体程度のヨトゥン兵と戦っていた。
激しい戦いの音は聞こえてくるが、1人も突破出来ない。
ベルヘイム正規騎士は、誰1人レンヴァル村に入って来れていなかった。
ソフィーアが登場してから、ガヌロンの声が大きく聞こえる様になっている。
焦っているのか、慌てているのか……だが、今の私に構っている余裕はない。
ベルヘイム正規騎士を頼るのは止める……そう、心に誓ったのだから。
村の外の状況を一瞬だけ見たソフィーアも、私に向かって首を横に振る。
そしてソフィーアは、急に持っていたレイピアをユトムンダスの目の前に投げつけた。
「おっと、何のつもりだ? やけくそか?」
目の前に飛んできたレイピアをゆっくり弾き飛ばしたユトムンダスの右腕に、ソフィーアが飛び付いた。
「ランカスト!」
ユトムンダスの力なら、ソフィーアの身体など簡単に振り払える。
レイピアの動きに合わせて、私の動きを隠すように飛び込むソフィーアの身体。
瞳を動かす動作、レイピアを弾く動作。
それらの計算されたソフィーアの動きが、ユトムンダスを思い通りに動かす。
そしてその動き方で、私の姿を隠した。
自らの左肩をランカストに見せる程度の隙を、ユトムンダスは作ってしまう。
ソフィーアは、自らの身体の全てでランカストの動きを隠す。
自分が、どの方向に弾き飛ばされるか?
自ら地面を蹴って、ユトムンダスの動きを誘導する。
ソフィーアの自己犠牲の動きに、私は強く唇を噛む。
この一撃は、外せない。
何が起きても……テューネを救う!
私が持っているのは、普通の剣ではない。
神剣デュランダルの一撃ならば、その左肩を貫通するに充分な威力があるはずだ。
信じて……突き出した。
「ぐわあああぁぁぁ!」
思いもよらない激痛に、ユトムンダスはテューネとソフィーアを同じ方向に投げ飛ばしていた。
私は色気を出さず、最短でテューネを助ける動きをする。
テューネを助ける……それが身を投げ出したソフィーアの願いだと、分かっていたからだ。
投げ飛ばされた2人は軽傷で済んだようであり、私が見た時には立ち上がる動作を始めている。
安堵した私とは逆に、ユトムンダスは怒りを表にしていた。
本来、傷を負うような戦いではない。
それが、未熟な人間達に傷を負わされたのだ。
その怒りは、ソフィーアへと向けられている。
「小娘が……やってくれたな! 遊んでやってれば、いい気になりやがって! まずは、貴様から殺してやる!」
ユトムンダスの長い腕が、ソフィーアを襲う!
剣先はソフィーアの頭を、捉えようとしていた。
遠くで、ガヌロンの叫びが響く。
「騎士見習い! ソフィーを助けろ!」
ユトムンダスの斬撃は、ガヌロンの目にはゆっくりと見えていただろう。
それ程の絶望だったのだろう……ガヌロンの膝は、地に落ちた。
だがガヌロンの声が届く前に、私は既に動き出している。
言われるまでもない……デュランダルを強く握り、ユトムンダスの剣を止めようとした。
その時、私は違和感を感じる。
狙いが……違う。
(剣先を止めた瞬間、柄でテューネの頭を叩くつもりか! 傷付けられた腹いせに、テューネに攻撃するつもりだ。私達が絶望する姿を見る為に!)
バスタード・ソードを止めければ、ソフィーアが斬られる。
止めれば、その反動を利用してテューネの頭を砕く。
どちらにしても、どちらかは……
その瞬間、ソフィーアが頷いたように私には見えた。
(そうよ、ランカスト。私より、テューネを救って! 7国の騎士の血筋を……ノアの力を守って! 必ずユトムンダスを倒して、村人たちも救ってね……)
ソフィーアは自分は助からないとを悟り、一筋の涙が頬を伝う。
テューネを救いに入る私の姿を見たガヌロンは、頭を抱える。
「馬鹿な……貴様、ソフィーを見殺しにするつもりか! 貴様の婚約者だろうが! 子供より、ソフィーを助けろ! 貴様の娘への愛は、そんな程度なのか!」
ガヌロンの叫び声は、虚しく空に響き渡った。
ふざけるな……
ふざけるな!
「うおおおおぉぉぉぉぉぉ!」
私は気迫を込めて、デュランダルを振り下ろした。
デュランダルが先に届けば、バスタード・ソードの動きを止められるかもしれない。
バキン!
私の耳に……頭に、金属が割れる音が響き渡る。
間に合え……
間に合え!
バシャっ!
デュランダルが、ユトムンダスの肩から腹までを斬り裂いた。
同時に、私の身体とデュランダルに鮮血が降り注ぐ。
その瞬間、はっきりと聞こえた。
女性の……ソフィーアの断末魔が。
強制的に、私の耳に深く突き刺さる。
見なくても、分かってしまう。
大好きな人の声だ。
この世で一番聞きたくない、大好きな人の最後の声。
「くそおおおおぉぉぉぉ!」
強烈に叩かれる肩と、耳元で響く声……
ランカストの瞳に、色が戻っていく。
同時に、その心も元の世界に戻っていった……
ガキキキキィィィィィン!
先程とは逆に、私が振り下ろしたデュランダルをユトムンダスがバスタード・ソードで受け止める。
「うおおおぉぉぉぉぉ!」
デュランダルを地面に当てた反動で鋭く振り上げ、私はユトムンダスに連続攻撃を仕掛けた。
しかし左腕に捕われたテューネに攻撃を当てる訳にはいかない為、どうしてもユトムンダスの右側に攻撃が集中する。
その為、その斬撃は尽くユトムンダスに読まれてしまう。
なんとか腕から逃れようと暴れるテューネの動きも、太いユトムンダスの腕はビクともしない。
(なんとか、テューネを奴の腕から解放しなければ! このままじゃ攻撃が当たらない……)
ユトムンダスも片腕での攻撃なので、その剣撃の軌道は私も読み易かった。
ただ私は必死に戦っている状態で、ユトムンダスは遊んでるかのように余裕がある。
私の劣勢は、誰の目にも明らかだった。
その状況を肌で感じた私は、デュランダルに力を込める。
村の外周では、ベルヘイム騎士達が10体程度のヨトゥン兵と戦っていた。
激しい戦いの音は聞こえてくるが、1人も突破出来ない。
ベルヘイム正規騎士は、誰1人レンヴァル村に入って来れていなかった。
ソフィーアが登場してから、ガヌロンの声が大きく聞こえる様になっている。
焦っているのか、慌てているのか……だが、今の私に構っている余裕はない。
ベルヘイム正規騎士を頼るのは止める……そう、心に誓ったのだから。
村の外の状況を一瞬だけ見たソフィーアも、私に向かって首を横に振る。
そしてソフィーアは、急に持っていたレイピアをユトムンダスの目の前に投げつけた。
「おっと、何のつもりだ? やけくそか?」
目の前に飛んできたレイピアをゆっくり弾き飛ばしたユトムンダスの右腕に、ソフィーアが飛び付いた。
「ランカスト!」
ユトムンダスの力なら、ソフィーアの身体など簡単に振り払える。
レイピアの動きに合わせて、私の動きを隠すように飛び込むソフィーアの身体。
瞳を動かす動作、レイピアを弾く動作。
それらの計算されたソフィーアの動きが、ユトムンダスを思い通りに動かす。
そしてその動き方で、私の姿を隠した。
自らの左肩をランカストに見せる程度の隙を、ユトムンダスは作ってしまう。
ソフィーアは、自らの身体の全てでランカストの動きを隠す。
自分が、どの方向に弾き飛ばされるか?
自ら地面を蹴って、ユトムンダスの動きを誘導する。
ソフィーアの自己犠牲の動きに、私は強く唇を噛む。
この一撃は、外せない。
何が起きても……テューネを救う!
私が持っているのは、普通の剣ではない。
神剣デュランダルの一撃ならば、その左肩を貫通するに充分な威力があるはずだ。
信じて……突き出した。
「ぐわあああぁぁぁ!」
思いもよらない激痛に、ユトムンダスはテューネとソフィーアを同じ方向に投げ飛ばしていた。
私は色気を出さず、最短でテューネを助ける動きをする。
テューネを助ける……それが身を投げ出したソフィーアの願いだと、分かっていたからだ。
投げ飛ばされた2人は軽傷で済んだようであり、私が見た時には立ち上がる動作を始めている。
安堵した私とは逆に、ユトムンダスは怒りを表にしていた。
本来、傷を負うような戦いではない。
それが、未熟な人間達に傷を負わされたのだ。
その怒りは、ソフィーアへと向けられている。
「小娘が……やってくれたな! 遊んでやってれば、いい気になりやがって! まずは、貴様から殺してやる!」
ユトムンダスの長い腕が、ソフィーアを襲う!
剣先はソフィーアの頭を、捉えようとしていた。
遠くで、ガヌロンの叫びが響く。
「騎士見習い! ソフィーを助けろ!」
ユトムンダスの斬撃は、ガヌロンの目にはゆっくりと見えていただろう。
それ程の絶望だったのだろう……ガヌロンの膝は、地に落ちた。
だがガヌロンの声が届く前に、私は既に動き出している。
言われるまでもない……デュランダルを強く握り、ユトムンダスの剣を止めようとした。
その時、私は違和感を感じる。
狙いが……違う。
(剣先を止めた瞬間、柄でテューネの頭を叩くつもりか! 傷付けられた腹いせに、テューネに攻撃するつもりだ。私達が絶望する姿を見る為に!)
バスタード・ソードを止めければ、ソフィーアが斬られる。
止めれば、その反動を利用してテューネの頭を砕く。
どちらにしても、どちらかは……
その瞬間、ソフィーアが頷いたように私には見えた。
(そうよ、ランカスト。私より、テューネを救って! 7国の騎士の血筋を……ノアの力を守って! 必ずユトムンダスを倒して、村人たちも救ってね……)
ソフィーアは自分は助からないとを悟り、一筋の涙が頬を伝う。
テューネを救いに入る私の姿を見たガヌロンは、頭を抱える。
「馬鹿な……貴様、ソフィーを見殺しにするつもりか! 貴様の婚約者だろうが! 子供より、ソフィーを助けろ! 貴様の娘への愛は、そんな程度なのか!」
ガヌロンの叫び声は、虚しく空に響き渡った。
ふざけるな……
ふざけるな!
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私は気迫を込めて、デュランダルを振り下ろした。
デュランダルが先に届けば、バスタード・ソードの動きを止められるかもしれない。
バキン!
私の耳に……頭に、金属が割れる音が響き渡る。
間に合え……
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バシャっ!
デュランダルが、ユトムンダスの肩から腹までを斬り裂いた。
同時に、私の身体とデュランダルに鮮血が降り注ぐ。
その瞬間、はっきりと聞こえた。
女性の……ソフィーアの断末魔が。
強制的に、私の耳に深く突き刺さる。
見なくても、分かってしまう。
大好きな人の声だ。
この世で一番聞きたくない、大好きな人の最後の声。
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