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1章
4.入学初日、寮長に目を付けられる
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長旅の末、僕らはグランドワーズ魔法学校に到着した。
馬車を降りると、豪華絢爛な建物が視界に飛び込んでくる。細かな彫刻が施された外壁に、見上げるほど高い尖塔。まるで王宮のようだ。さすがは一流の魔法学校と言われるだけのことはある。
「ここが学校なんて信じられない……」
ぽけーっと建物を見上げながら正門をくぐると、隣を歩くリオンに手を引かれる。
「兄さん、前見て歩かないと危ないよ」
「ああ、悪い」
相変わらず、僕の弟はしっかりものだ。これではどっちが兄だか分からないな。
校舎へと繋がる舗装された一本道を歩いていると、周囲からやけに注目されていることに気付く。周りにいた男子生徒たちは、僕ら双子をちらちら見て、小声で会話をしていた。
「あいつら双子か? どっちも綺麗な顔をしているな」
「銀髪の方は儚げな雰囲気で、黒髪の方は愛らしい雰囲気だな」
「声をかけてみるか?」
聞こえてきた会話に、ギョッとしてしまう。リオンがモテるのは分かるけど、僕まで注目されるとは思わなかった。前世ではモテた試しがないから、注目されるのは気恥ずかしい。
ソワソワしていると、隣を歩いていたリオンがチッと舌打ちをする。
「さっそく湧いてきたな。ハエどもが……」
……んん? 聞き間違いかな? リオンがそんな汚い言葉を口にするはずがないよな?
周囲を威嚇するように睨みつけるリオンの横顔を、困惑しながら見つめる。すると、ひとりの男子生徒が、僕らの道を塞ぐように現れた。
「二人とも新入生だな。校舎に入る前に、所属寮に向かってくれ」
爽やかな笑顔を浮かべるオレンジ髪の好青年。彼は、攻略対象のひとりのロランだ!
学年は僕らの二つ上で、優しくて面倒見のいい兄貴分。生で見られるなんて、感激だ……!
見惚れていると、ロランは不思議そうに首を傾げる。
「どうした? 俺の顔に何かついているか?」
「ああっ、いえ! そういうわけでは……」
ガン見し過ぎたせいで、不審がられてしまったようだ。慌てて視線を泳がせていると、ロランはふっとおかしそうに笑った。
「緊張しているのか? 肩の力抜け。俺は、ガーネット寮の副寮長のロランだ。よろしくな」
ロランは、僕の緊張をほぐすように肩を揉んでくる。人懐っこくて距離感が近いところも、ロランの特徴だ。BLゲームとしてはおいしいシチュエーションだけど、自分がやられるとは思わなかった。
「ふふっ……くすぐったいですって」
「おお、だいぶ力が抜けてきたな」
ふにゃふにゃとした手付きで肩を揉まれると、くすぐったくて仕方がない。やめてくれ、と訴えるようにロランの黄色い瞳を見つめると、彼の顔つきが変わった。
「この気配……もしかしてお前……」
ロランが手を引っ込めて、僕と距離をとる。その表情は、先ほどまでの茶目っ気のある笑顔とはうって変わって、警戒するように強張っていた。
急にどうしたんだ? 異変にとまどっていると、隣にいたリオンが僕を庇うように前に出る。
「兄さんに触るな!」
リオンは鬼の形相を浮かべながら、大声で威嚇する。呆気に取られていると、パンッと近くで何かが爆発する音が聞こえた。
「な、なんだ、今の音……」
慌てて周囲を見渡すと、芝生に石の塊がいくつも落ちていることに気付く。そこから視線を上げると、首なしの胸像が台座の上に建っていた。
なんて趣味の悪い胸像だ……。傍にある石碑に視線を向けると、グランドワーズ魔法学校の現学長の名が刻まれている。現学長の胸像が首なしというのは妙な話だ。
首を捻っていると、ロランが石の塊を指さしながら、わなわなと震える。
「が、学長の頭が爆発した……」
…………爆発した?
ということは、もともとその胸像には頭が付いていて、先ほどの爆発で吹っ飛んだということか?
「あぁ……。感情が昂って、魔力が暴発したらしい」
リオンが、ボソッと自白する。胸像を破壊したのが弟だと知って、全身の血がサアアアッと引いていった。
入学初日で学長の胸像を破壊するなんて、とんでもないことだ。
「ど、ど、どうするんだよ!? こんなことがバレたら、大変なことに……」
「落ち着いて、兄さん。光魔法ですぐに修繕できるから」
取り乱す僕とは裏腹に、リオンはいたって冷静だ。
「ほ、本当に直せるんだよな?」
「うん。破片が全部揃っていればね」
修繕できると知ってホッとする。教師にバレる前に、さっさと元通りにしよう。
「いますぐ破片を集めよう」
芝生の上に散らばった石の塊を急いでかき集める。幸い破片は、比較的大きい状態で散らばっていたため、全部集めることも難しくなさそうだ。
破片を集める僕らを見て、ロランは苦笑いを浮かべる。
「急いで直したほうがいいぞ。寮長にバレたら大変なことになる」
寮長と聞いて、頭がフリーズする。ロランの言う寮長とは、あの男しかいない。
悠長にしている時間はない。いつもの倍速で動いて、破片をかき集めた。
「これで全部かな」
「リオン、早く直して!」
リオンが修繕に当たろうとした時、恐れていた自体が起きてしまった。
「何の騒ぎだ?」
地を這うような低い声が飛んでくる。恐る恐る振り返ると、ブロンドの長い髪を後ろで束ねた男がこちらを睨みつけていた。
切れ長の目元から覗くのは、獲物を狙うような真っ赤な瞳。シャープな凛々しい顔立ちは間違いなく美形の部類に入るが、殺伐とした近寄りがたいオーラを放っていた。
間違いない。鬼畜寮長、もといダミアン・ブラッドリーだ。
ブラッドリー公爵家は、広大な領地を統治する傍ら、貿易業でも莫大な財を成し、国内外にその名を轟かせている。つまり彼は、貴族界でも飛びぬけた金持ちの家の息子だ。吹けば飛ぶような我が男爵家とはわけが違う。
そしてダミアンは、恵まれた生まれに驕ることなく、学園内でも優秀な成績を修めている。とくに錬金術に長けており、各界から注目を集めるユニークな魔道具を開発していた。そうした秀才さが評価され、三回生になった現在はガーネット寮の寮長の座に君臨していた。手元では、寮長の証であるガーネットの指輪がきらりと光っている。
彼以上に家柄も学業も優れた生徒は、いまの学園にはいない。まさしく学園のキングと呼ぶにふさわしい存在だ。
だけどその正体は、歪んだ愛し方しか知らない激重執着鬼畜野郎だということを僕は知っている。この男と関わるのは、危険すぎる……!
ダミアンは、首なしの胸像を見て、不機嫌そうに眉を顰める。
「アレをやったのは誰だ?」
しんっと場が凍り付く。この場で名乗り上げたら、寮長に目を付けられるのは確実だ。一部始終を見ていたロランも、僕らに憐みの視線を向けていた。
主犯であるリオンにちらっと視線を向ける。てっきりリオンも怯えているかと思いきや、思いのほか冷静だ。面倒くさそうに「はあ……」とため息をついていた。
「素直に自首しよう」
僕だけに聞こえる声量で呟く。その肝っ玉の強さに驚いてしまった。
リオンはゆっくりと、ダミアンのもとに歩みを進める。ダミアンは、ギロリとリオンを睨みつけた。
この展開はマズい。ここでリオンが自白したら、ダミアンに目を付けられてしまう。
ゲーム内でも、似たようなシチュエーションでダミアンに監視されるようになり、個別ルートに突入していた。ここで名乗り出れば、ダミアンルートに直行だ。
弟の恋路は見守るつもりだけど、相手がダミアンとなれば話は別だ。愛する弟が監禁されるなんて冗談じゃない。ダミアンとの交際だけは、断固として反対だ!
ダミアンルートを回避するためにも、ここは僕が一肌脱ごう。じりじりと睨み合う二人の間に、飛び込んだ。
「が、学長の胸像を破壊したのは……僕です」
「兄さん!?」
リオンは驚いたように叫んでいたが、何も言うなと示すように右手で制する。すると、ダミアンの怒りの矛先が僕に変わった。
「貴様か。名前と所属寮を言え」
「アレン・マクミラン。本日からガーネット寮に入寮予定です」
寮の振り分けは、入学の段階でされている。家柄や魔力属性によって振り分けられる仕組みになっていて、僕ら兄弟はガーネット寮に入寮予定だ。
ちなみにゲーム内のリオンもガーネット寮に所属していたから、シナリオ通りとも言える。
僕がガーネット寮だと分かると、ダミアンはもう一度眉を顰める。
「うちの寮生か……。これ以上問題を起こされたら面倒だな」
ダミアンはつかつかと迫ってくると、僕の前で右手を伸ばす。身構えたものの、あっという間に首を掴まれて、締めあげられてしまった。
「ぐぅ……」
圧迫感と同時に、電流のような刺激に襲われる。あまりの激痛で意識が遠のきかけた時、投げ捨てられるように地面に放り出された。
「うわあっ!」
地面に尻を打ち付ける。痛みから解放されたものの、首元に違和感があった。
視線を落とすと、首輪が付けられていることに気付く。革製のベルトで、真ん中には赤い魔石がついている。
「こ、これって、まさか……」
似たような首輪は、ゲーム内でも目にしてきた。主人公のリオンを監視するために付けた、魔法の首輪だ。
震えながら顔を上げると、ダミアンは冷ややかな眼差しで僕を見下ろしていた。
「躾のなっていない駄犬には首輪が必要だ。それを付けている限り、悪さはできないと思え」
ダミアンはそう告げると、踵を返して校舎へ向かった。
後ろ姿が見えなくなった頃、僕は頭を抱えてしゃがみ込んだ。
「さ、最悪だ……」
入学早々に、魔法の首輪をつけられてしまった。この首輪がついている限り、四六時中ダミアンに監視される羽目になる。
馬車を降りると、豪華絢爛な建物が視界に飛び込んでくる。細かな彫刻が施された外壁に、見上げるほど高い尖塔。まるで王宮のようだ。さすがは一流の魔法学校と言われるだけのことはある。
「ここが学校なんて信じられない……」
ぽけーっと建物を見上げながら正門をくぐると、隣を歩くリオンに手を引かれる。
「兄さん、前見て歩かないと危ないよ」
「ああ、悪い」
相変わらず、僕の弟はしっかりものだ。これではどっちが兄だか分からないな。
校舎へと繋がる舗装された一本道を歩いていると、周囲からやけに注目されていることに気付く。周りにいた男子生徒たちは、僕ら双子をちらちら見て、小声で会話をしていた。
「あいつら双子か? どっちも綺麗な顔をしているな」
「銀髪の方は儚げな雰囲気で、黒髪の方は愛らしい雰囲気だな」
「声をかけてみるか?」
聞こえてきた会話に、ギョッとしてしまう。リオンがモテるのは分かるけど、僕まで注目されるとは思わなかった。前世ではモテた試しがないから、注目されるのは気恥ずかしい。
ソワソワしていると、隣を歩いていたリオンがチッと舌打ちをする。
「さっそく湧いてきたな。ハエどもが……」
……んん? 聞き間違いかな? リオンがそんな汚い言葉を口にするはずがないよな?
周囲を威嚇するように睨みつけるリオンの横顔を、困惑しながら見つめる。すると、ひとりの男子生徒が、僕らの道を塞ぐように現れた。
「二人とも新入生だな。校舎に入る前に、所属寮に向かってくれ」
爽やかな笑顔を浮かべるオレンジ髪の好青年。彼は、攻略対象のひとりのロランだ!
学年は僕らの二つ上で、優しくて面倒見のいい兄貴分。生で見られるなんて、感激だ……!
見惚れていると、ロランは不思議そうに首を傾げる。
「どうした? 俺の顔に何かついているか?」
「ああっ、いえ! そういうわけでは……」
ガン見し過ぎたせいで、不審がられてしまったようだ。慌てて視線を泳がせていると、ロランはふっとおかしそうに笑った。
「緊張しているのか? 肩の力抜け。俺は、ガーネット寮の副寮長のロランだ。よろしくな」
ロランは、僕の緊張をほぐすように肩を揉んでくる。人懐っこくて距離感が近いところも、ロランの特徴だ。BLゲームとしてはおいしいシチュエーションだけど、自分がやられるとは思わなかった。
「ふふっ……くすぐったいですって」
「おお、だいぶ力が抜けてきたな」
ふにゃふにゃとした手付きで肩を揉まれると、くすぐったくて仕方がない。やめてくれ、と訴えるようにロランの黄色い瞳を見つめると、彼の顔つきが変わった。
「この気配……もしかしてお前……」
ロランが手を引っ込めて、僕と距離をとる。その表情は、先ほどまでの茶目っ気のある笑顔とはうって変わって、警戒するように強張っていた。
急にどうしたんだ? 異変にとまどっていると、隣にいたリオンが僕を庇うように前に出る。
「兄さんに触るな!」
リオンは鬼の形相を浮かべながら、大声で威嚇する。呆気に取られていると、パンッと近くで何かが爆発する音が聞こえた。
「な、なんだ、今の音……」
慌てて周囲を見渡すと、芝生に石の塊がいくつも落ちていることに気付く。そこから視線を上げると、首なしの胸像が台座の上に建っていた。
なんて趣味の悪い胸像だ……。傍にある石碑に視線を向けると、グランドワーズ魔法学校の現学長の名が刻まれている。現学長の胸像が首なしというのは妙な話だ。
首を捻っていると、ロランが石の塊を指さしながら、わなわなと震える。
「が、学長の頭が爆発した……」
…………爆発した?
ということは、もともとその胸像には頭が付いていて、先ほどの爆発で吹っ飛んだということか?
「あぁ……。感情が昂って、魔力が暴発したらしい」
リオンが、ボソッと自白する。胸像を破壊したのが弟だと知って、全身の血がサアアアッと引いていった。
入学初日で学長の胸像を破壊するなんて、とんでもないことだ。
「ど、ど、どうするんだよ!? こんなことがバレたら、大変なことに……」
「落ち着いて、兄さん。光魔法ですぐに修繕できるから」
取り乱す僕とは裏腹に、リオンはいたって冷静だ。
「ほ、本当に直せるんだよな?」
「うん。破片が全部揃っていればね」
修繕できると知ってホッとする。教師にバレる前に、さっさと元通りにしよう。
「いますぐ破片を集めよう」
芝生の上に散らばった石の塊を急いでかき集める。幸い破片は、比較的大きい状態で散らばっていたため、全部集めることも難しくなさそうだ。
破片を集める僕らを見て、ロランは苦笑いを浮かべる。
「急いで直したほうがいいぞ。寮長にバレたら大変なことになる」
寮長と聞いて、頭がフリーズする。ロランの言う寮長とは、あの男しかいない。
悠長にしている時間はない。いつもの倍速で動いて、破片をかき集めた。
「これで全部かな」
「リオン、早く直して!」
リオンが修繕に当たろうとした時、恐れていた自体が起きてしまった。
「何の騒ぎだ?」
地を這うような低い声が飛んでくる。恐る恐る振り返ると、ブロンドの長い髪を後ろで束ねた男がこちらを睨みつけていた。
切れ長の目元から覗くのは、獲物を狙うような真っ赤な瞳。シャープな凛々しい顔立ちは間違いなく美形の部類に入るが、殺伐とした近寄りがたいオーラを放っていた。
間違いない。鬼畜寮長、もといダミアン・ブラッドリーだ。
ブラッドリー公爵家は、広大な領地を統治する傍ら、貿易業でも莫大な財を成し、国内外にその名を轟かせている。つまり彼は、貴族界でも飛びぬけた金持ちの家の息子だ。吹けば飛ぶような我が男爵家とはわけが違う。
そしてダミアンは、恵まれた生まれに驕ることなく、学園内でも優秀な成績を修めている。とくに錬金術に長けており、各界から注目を集めるユニークな魔道具を開発していた。そうした秀才さが評価され、三回生になった現在はガーネット寮の寮長の座に君臨していた。手元では、寮長の証であるガーネットの指輪がきらりと光っている。
彼以上に家柄も学業も優れた生徒は、いまの学園にはいない。まさしく学園のキングと呼ぶにふさわしい存在だ。
だけどその正体は、歪んだ愛し方しか知らない激重執着鬼畜野郎だということを僕は知っている。この男と関わるのは、危険すぎる……!
ダミアンは、首なしの胸像を見て、不機嫌そうに眉を顰める。
「アレをやったのは誰だ?」
しんっと場が凍り付く。この場で名乗り上げたら、寮長に目を付けられるのは確実だ。一部始終を見ていたロランも、僕らに憐みの視線を向けていた。
主犯であるリオンにちらっと視線を向ける。てっきりリオンも怯えているかと思いきや、思いのほか冷静だ。面倒くさそうに「はあ……」とため息をついていた。
「素直に自首しよう」
僕だけに聞こえる声量で呟く。その肝っ玉の強さに驚いてしまった。
リオンはゆっくりと、ダミアンのもとに歩みを進める。ダミアンは、ギロリとリオンを睨みつけた。
この展開はマズい。ここでリオンが自白したら、ダミアンに目を付けられてしまう。
ゲーム内でも、似たようなシチュエーションでダミアンに監視されるようになり、個別ルートに突入していた。ここで名乗り出れば、ダミアンルートに直行だ。
弟の恋路は見守るつもりだけど、相手がダミアンとなれば話は別だ。愛する弟が監禁されるなんて冗談じゃない。ダミアンとの交際だけは、断固として反対だ!
ダミアンルートを回避するためにも、ここは僕が一肌脱ごう。じりじりと睨み合う二人の間に、飛び込んだ。
「が、学長の胸像を破壊したのは……僕です」
「兄さん!?」
リオンは驚いたように叫んでいたが、何も言うなと示すように右手で制する。すると、ダミアンの怒りの矛先が僕に変わった。
「貴様か。名前と所属寮を言え」
「アレン・マクミラン。本日からガーネット寮に入寮予定です」
寮の振り分けは、入学の段階でされている。家柄や魔力属性によって振り分けられる仕組みになっていて、僕ら兄弟はガーネット寮に入寮予定だ。
ちなみにゲーム内のリオンもガーネット寮に所属していたから、シナリオ通りとも言える。
僕がガーネット寮だと分かると、ダミアンはもう一度眉を顰める。
「うちの寮生か……。これ以上問題を起こされたら面倒だな」
ダミアンはつかつかと迫ってくると、僕の前で右手を伸ばす。身構えたものの、あっという間に首を掴まれて、締めあげられてしまった。
「ぐぅ……」
圧迫感と同時に、電流のような刺激に襲われる。あまりの激痛で意識が遠のきかけた時、投げ捨てられるように地面に放り出された。
「うわあっ!」
地面に尻を打ち付ける。痛みから解放されたものの、首元に違和感があった。
視線を落とすと、首輪が付けられていることに気付く。革製のベルトで、真ん中には赤い魔石がついている。
「こ、これって、まさか……」
似たような首輪は、ゲーム内でも目にしてきた。主人公のリオンを監視するために付けた、魔法の首輪だ。
震えながら顔を上げると、ダミアンは冷ややかな眼差しで僕を見下ろしていた。
「躾のなっていない駄犬には首輪が必要だ。それを付けている限り、悪さはできないと思え」
ダミアンはそう告げると、踵を返して校舎へ向かった。
後ろ姿が見えなくなった頃、僕は頭を抱えてしゃがみ込んだ。
「さ、最悪だ……」
入学早々に、魔法の首輪をつけられてしまった。この首輪がついている限り、四六時中ダミアンに監視される羽目になる。
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