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2章
閑話.彼の心の内を読み取れない(ダミアンside)
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入浴を済ませて自室に入ると、先に戻っていたアレン・マクミランが俺のベッドですやすやと眠っていた。
呑気なものだ。つい先ほど、俺に襲われたのを忘れたのか?
あまりの警戒心のなさに呆れながらも、彼を起こさないようにそっとベッドに腰掛けた。
無防備な寝顔を眺めながら、先ほどのやりとりを思い出す。
『もしかして寮長は、僕のことが好きなんですか?』
――好き。彼に向けている感情が、そんな浮ついたものだとは思わなかった。
確かに俺は、この男に興味を持っている。離れていても何をしているのか気になってしまうし、危険な目に遭いそうなら他の仕事を放り出してでも助けに行きたくなる。
彼が他の人間に微笑みかけると無性に腹が立つし、誰かと触れ合っている姿を目の当たりにすると胸が張り裂けそうになる。
俺は、首輪を付けて彼を支配しているつもりでいたが、実際には俺のほうが彼に支配されていた。
好きという感情は、これほどまでに儘らないものなのか……。自分の感情はたいていコントロールできると思っていたが、彼に対する感情だけは抑えられない。頭で考えるよりも先に、身体が動いてしまうのだ。
今日だってそうだ。彼の心を自分だけに向けさせたいと思うあまり、強引に身体の関係に持ち込もうとしていた。今考えれば、最低な行為だ。
軽蔑されてもおかしくない状況だというのに、この男は俺を憎むことはなかった。それどころか『僕のことが好きなら、普通の恋をしましょう』なんて提案してきた。
意味が分からない。そもそも彼は、俺に恋心を抱いているわけではない。彼の心の内を読んでも、恋心は微塵も感じ取れなかった。
まあ、年相応の性的欲求は持ち合わせていて、それを身近にいる俺で発散しようとする兆候は見られたが……。
アレン・マクミランは、なぜ普通の恋をしようなどと提案したのか? 確かめようにも魔石が割れてしまった今では、彼の心の内は読み取れない。真意が分からないからこそ、余計に気になってしまった。
そっと手を伸ばし、柔らかな彼の唇に触れる。ふにふにと指先で弄んでいると、庭園で口づけをしたことを思い出した。
あの時の感触が蘇って、じくりと胸が疼く。
好きでもない男から一方的に唇を奪われて、彼は嫌悪感を抱かなかったのだろうか? 尻に指を突っ込んだ時は本気で拒絶されたが、口づけをした時はあまり嫌がる素振りは見せなかった。その違いは何なんだ?
アレン・マクミランの気持ちがまるで分からない。分からないことが、もどかしくて、苦しかった。
息遣いを感じるほどそばにいると、また唇を奪って身体をまさぐりたい衝動に駆られる。だけど実行に移すわけにはいかない。恐らくそれは、彼のいう〝普通〟には該当しないだろう。
邪念を振り払うように、俺はアレン・マクミランから離れて、ソファに寝そべる。
普通の恋とやらができるようになれば、彼の気持ちが少しは分かるようになるのだろうか? もしも彼の心の中に、ほんの一欠けらでも俺に対する恋心が存在するならば……。
それだけで、救われるような気がした。
呑気なものだ。つい先ほど、俺に襲われたのを忘れたのか?
あまりの警戒心のなさに呆れながらも、彼を起こさないようにそっとベッドに腰掛けた。
無防備な寝顔を眺めながら、先ほどのやりとりを思い出す。
『もしかして寮長は、僕のことが好きなんですか?』
――好き。彼に向けている感情が、そんな浮ついたものだとは思わなかった。
確かに俺は、この男に興味を持っている。離れていても何をしているのか気になってしまうし、危険な目に遭いそうなら他の仕事を放り出してでも助けに行きたくなる。
彼が他の人間に微笑みかけると無性に腹が立つし、誰かと触れ合っている姿を目の当たりにすると胸が張り裂けそうになる。
俺は、首輪を付けて彼を支配しているつもりでいたが、実際には俺のほうが彼に支配されていた。
好きという感情は、これほどまでに儘らないものなのか……。自分の感情はたいていコントロールできると思っていたが、彼に対する感情だけは抑えられない。頭で考えるよりも先に、身体が動いてしまうのだ。
今日だってそうだ。彼の心を自分だけに向けさせたいと思うあまり、強引に身体の関係に持ち込もうとしていた。今考えれば、最低な行為だ。
軽蔑されてもおかしくない状況だというのに、この男は俺を憎むことはなかった。それどころか『僕のことが好きなら、普通の恋をしましょう』なんて提案してきた。
意味が分からない。そもそも彼は、俺に恋心を抱いているわけではない。彼の心の内を読んでも、恋心は微塵も感じ取れなかった。
まあ、年相応の性的欲求は持ち合わせていて、それを身近にいる俺で発散しようとする兆候は見られたが……。
アレン・マクミランは、なぜ普通の恋をしようなどと提案したのか? 確かめようにも魔石が割れてしまった今では、彼の心の内は読み取れない。真意が分からないからこそ、余計に気になってしまった。
そっと手を伸ばし、柔らかな彼の唇に触れる。ふにふにと指先で弄んでいると、庭園で口づけをしたことを思い出した。
あの時の感触が蘇って、じくりと胸が疼く。
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邪念を振り払うように、俺はアレン・マクミランから離れて、ソファに寝そべる。
普通の恋とやらができるようになれば、彼の気持ちが少しは分かるようになるのだろうか? もしも彼の心の中に、ほんの一欠けらでも俺に対する恋心が存在するならば……。
それだけで、救われるような気がした。
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