41 / 105
41.更なる要求
しおりを挟む
「G20サミットのお土産の製作ですか。」
久々に来たから何かと思えば、水無瀬さんは依頼を持って来た。
「巫女が居ないことで困ったのは日本だけではありませんから。」
「お祈りの練習になりますね。」
「強さは、に、でお願いします。」
巫女がお祈りで物に力を込める時の強弱は、いろはにほへとちりぬるを、でランク付けされている。
今回は、に、だから、上から四番目になる。
私にはそれがどれだけ負担になる物かわからない。
明さんの言葉に、後ろで控えていた雅楽代さんが言葉を重ねた。
「それは欲を出し過ぎです。政府は無茶しか言いませんね。」
「協力すると仰ったのは神凪さんです。」
雅楽代さんは水無瀬さんを鼻で笑った。
「自分を脅しに使うとは面白いですね。俺の願いは叶わないぞって言いたいんでしょう?」
水無瀬さんが雅楽代さんを睨んだ。
どれだけ負担になることかは分からないけど、肌に感じるこれが殺気なんだったら、相当に重いことだと生唾を飲んだ。
「あんたが体良くあの狸親父に利用されているから、馬鹿みたいにお人好しな楓様まで傀儡にされている、いい加減諦めたらどうだ。あんなこと。」
「黙れ。」
「あの狸親父はあんたの願いを叶える気なんかありゃしない。あんたが一番良くわかってるだろ。」
「だとしても、私は止まる訳にはいかないんですよ。」
「ゴールの無いマラソンなのに?」
「雅楽代さん。その辺にしてください。楓さんが怯えてらっしゃいます。楓さん、どうされますか?」
「受けますよ。ゴールのないマラソンでも。」
「楓様」
「雅楽代さん、今は黙っててください。決めるのは楓さんです。」
「神凪さん、ありがとうございます。それでは、品物の説明をさせて頂きます。」
水無瀬さんが帰るなり、雅楽代さんは私の前に立った。
「楓様、政府が巫女を利用することで不利益になる人間が沢山います。場合によっては命を落とす者だって居るんです。水無瀬さんの為だけに世界と命を振り回しているんですよ。」
「なら、代替案を出してください。水無瀬さんの願いが叶って誰も振り回さない代替案を。」
「何代生まれ変わっても頑固な方だ。」
「楓さん、それについては俺達も考えてる。もうしばらく待っててくれたら、必ず案を出すから。」
「明さん、ありがとう。」
「こんなことを繰り返していたら、死にますよ。」
「それでも、これが私の指針なんです。」
雅楽代さんの言い分は正論だった。
でもどうしても水無瀬さんの願いは叶えたかった。
ゴールのないマラソンを延々伴走しても。
久々に来たから何かと思えば、水無瀬さんは依頼を持って来た。
「巫女が居ないことで困ったのは日本だけではありませんから。」
「お祈りの練習になりますね。」
「強さは、に、でお願いします。」
巫女がお祈りで物に力を込める時の強弱は、いろはにほへとちりぬるを、でランク付けされている。
今回は、に、だから、上から四番目になる。
私にはそれがどれだけ負担になる物かわからない。
明さんの言葉に、後ろで控えていた雅楽代さんが言葉を重ねた。
「それは欲を出し過ぎです。政府は無茶しか言いませんね。」
「協力すると仰ったのは神凪さんです。」
雅楽代さんは水無瀬さんを鼻で笑った。
「自分を脅しに使うとは面白いですね。俺の願いは叶わないぞって言いたいんでしょう?」
水無瀬さんが雅楽代さんを睨んだ。
どれだけ負担になることかは分からないけど、肌に感じるこれが殺気なんだったら、相当に重いことだと生唾を飲んだ。
「あんたが体良くあの狸親父に利用されているから、馬鹿みたいにお人好しな楓様まで傀儡にされている、いい加減諦めたらどうだ。あんなこと。」
「黙れ。」
「あの狸親父はあんたの願いを叶える気なんかありゃしない。あんたが一番良くわかってるだろ。」
「だとしても、私は止まる訳にはいかないんですよ。」
「ゴールの無いマラソンなのに?」
「雅楽代さん。その辺にしてください。楓さんが怯えてらっしゃいます。楓さん、どうされますか?」
「受けますよ。ゴールのないマラソンでも。」
「楓様」
「雅楽代さん、今は黙っててください。決めるのは楓さんです。」
「神凪さん、ありがとうございます。それでは、品物の説明をさせて頂きます。」
水無瀬さんが帰るなり、雅楽代さんは私の前に立った。
「楓様、政府が巫女を利用することで不利益になる人間が沢山います。場合によっては命を落とす者だって居るんです。水無瀬さんの為だけに世界と命を振り回しているんですよ。」
「なら、代替案を出してください。水無瀬さんの願いが叶って誰も振り回さない代替案を。」
「何代生まれ変わっても頑固な方だ。」
「楓さん、それについては俺達も考えてる。もうしばらく待っててくれたら、必ず案を出すから。」
「明さん、ありがとう。」
「こんなことを繰り返していたら、死にますよ。」
「それでも、これが私の指針なんです。」
雅楽代さんの言い分は正論だった。
でもどうしても水無瀬さんの願いは叶えたかった。
ゴールのないマラソンを延々伴走しても。
25
あなたにおすすめの小説
有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!!
お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。
皆様、お気に入り登録ありがとうございました。
現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。
真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。
狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。
私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。
なんとか生きてる。
でも、この世界で、私は最低辺の弱者。
なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた
いに。
恋愛
"佐久良 麗"
これが私の名前。
名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。
両親は他界
好きなものも特にない
将来の夢なんてない
好きな人なんてもっといない
本当になにも持っていない。
0(れい)な人間。
これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。
そんな人生だったはずだ。
「ここ、、どこ?」
瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。
_______________....
「レイ、何をしている早くいくぞ」
「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」
「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」
「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」
えっと……?
なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう?
※ただ主人公が愛でられる物語です
※シリアスたまにあり
※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です
※ど素人作品です、温かい目で見てください
どうぞよろしくお願いします。
黒騎士団の娼婦
星森
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
転生先は男女比50:1の世界!?
4036(シクミロ)
恋愛
男女比50:1の世界に転生した少女。
「まさか、男女比がおかしな世界とは・・・」
デブで自己中心的な女性が多い世界で、ひとり異質な少女は・・
どうなる!?学園生活!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる