オレと先輩の甘い関係

いちみりヒビキ

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(10)そして

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それから、晴れてオレは先輩の家で同棲することになった。
これで毎日先輩と一緒に居られる。
オレが簡単な荷物を運び込むと、先輩はオレをギュッと抱きしめた。

「すまなかったな、和希。ようやく、お前と一緒に暮らせる」
「……謝らないでください、先輩。オレ、通い婚も結構よかったですよ」

「そっか……そう言ってくれると嬉しいよ」

先輩は、晴れやかな表情を浮かべた。
オレも満足。
だって、先輩のぽっかり空いた穴をやっと塞ぐことができたのだから……。


先輩はミユさんの部屋を指差して、

「和希、ミユの部屋を片づけるから、お前の部屋にしろよ」

と提案した。
オレは、首を横に振る。

「先輩、無理にミユさんの思い出を無くさないでもいいです。きっと天国で見ていると思うので。荷物はそのままで机だけ使わせて下さい」

と、オレが言うと、先輩は、

「そうか? それなら……」

と、うれしそうな顔をした。
オレは、そんな先輩に思いっきり抱きつくと、すぐに先輩の腕を引っ張った。

向かう先は二人の部屋。
愛の巣。
オレは、先輩の服を脱がしにかかる。

「ところで先輩。今夜は、一晩中、先輩を抱きますけどいいですか?」
「ちょ、ちょっと、お前、どうしたいきなり」

いつになく積極的なオレに戸惑う先輩。
ちょっと顔を赤らめる。

同棲生活、初夜なんだ。
こんなのは当然の事。

「それと、いろんな体位で先輩のことをイカせまくります!」
「なっ、お前……恥ずかしいことを……まぁ、俺は嬉しいけど……」

先輩は、耳まで赤くした。
珍しく先輩が照れている。オレはだんだん調子に乗ってくる。

(ミユさん、天国からちゃんと見ていてよ。オレが先輩を愛するところを)

ミユさんは手で顔を覆いながら、指の間で覗き見る。
そんな姿を思い浮かべ思わず笑った。

「なんだ、和希。うれしそうだな」
「もちろんっすよ。さぁ、先輩。オレの舐めてください」

オレは裸になりながら、すでにおっきくなったペニスを突きだして言った。 
先輩は、オレのペニスを優しく握る。

「じゃあ、俺も念入りにしゃぶってやるからな。和希、気持ちよくなって直ぐに出すなよ」

先輩は、不敵な笑みでそう言うと、舌舐めをした。
先輩のフェラは、先端から裏筋。そしてカリを這って行く。

オレは、威勢の良い事を言ったものの先輩の愛撫に体をビクビクさせた。
オレの気持ちのいいところは、丸裸。
既に、先輩に攻略され尽くされている。

先輩は、ハムっと口に頬張ると、いやらしい音を立てながらしゃぶり始めた。
脚にギュッと力を入れて、今にも爆発しそうな快感に必死に抗おうとする。
でも、それももう限界。

「あっ、先輩……気持ちいいっす。やっぱり、オレ、ヤバいかも」
「ははは。何だ、もう弱音か? そんなんで俺を一晩中抱けるのか?」

「せっ、先輩、お手柔らかにお願いします」

先輩は上目遣いにオレを見上げる。
先輩と目があった。
そして、一斉に吹き出す。

「あははは」

何故か、そこにミユさんの笑い声も混じっている気がした。
ミユさん、よく見ててよ。オレ、絶対に先輩を幸せにするからさ。

オレは、先輩をベッドに押し倒すと先輩の唇に唇を押し付ける。

「先輩、オレが前に言ったこと、覚えていますか?」
「ん?」

「先輩が、オレの嫁になるっていうやつです」
「ああ、あれか。でも、俺は本当にお前に何もしてやれないぞ」

「何を言っているんですか! こんなに俺を幸せにしてくれているじゃないですか! 先輩、大好きです!」

オレはそう言って先輩の体に覆いかぶさった。
そして独占欲丸出しでギュッと抱きしめる。
先輩は、全部オレの物、なのだと……。



*オレと先輩の甘い関係 終わり

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