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【第二部 異世界転移奇譚 RENJI 2 】「気づいたらまた異世界にいた。異世界転移、通算一万人目と10001人目の冒険者。」
第165話 「我々」との決戦
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サタナハマアカは、ステラとピノアが泣いているのを見て、膝から崩れ落ちた。
「私はただおふたりのために……最善の策を……」
「お前はまだ産まれたばかりの赤ん坊だ。
だから、どんなに頭がよくても、人の気持ちがわかんねーだけだ。
気にすんな。失敗は誰にでもある」
アンフィスはそんな彼に声をかけ、
「レンジ、お前が自分やそのアリスって子に何をするつもりだったのか知らないし聞きたくもないが、お前はひとりで抱え込みすぎだ。
もっと仲間を頼れよ」
そして、レンジを叱責した。
「ジパングのふたりの女王は、アカシックレコードにアクセスすることはできても、その場所の存在は知らない、だって」
「太陽の巫女もなめられたものね。
まぁ、彼はまだ産まれたばかりのようだし、タカミやミカナが前の世界で持っていた力を知らないから、しかたないわ」
ジパングのふたりの女王、返璧マヨリと白璧リサは、
「誰も犠牲になる必要はないよ。
わたしたちは、世界の理を変える力を持ってるから」
「レンジやアリスという子の存在を、たった今『我々』から切り離したわ。
だから、『我々』を壊滅させてしまえば、この世界にふたりが存在し続けても何の問題もなくなったはずよ」
「『我々』のアジトも、アカシックレコードから、アジトだけをテラに移動させた。
いつでも攻め込めるよ」
ふたりの女王の言葉に、サタナハマアカは驚かされた。
「ツクヨミ、本当か?」
「はい、たった今、大東洋上空に、『我々』の存在を確認しました」
そんなことを可能にできる力を持つ人間がいることをサタナハマアカは知らなかった。
ひとりではできないようなことも、他に手段がないようなことも、人間は力を合わせることで打開できるのだ。
だから父は、人間を愛したのだとわかった。
「レンジ、あなたが何をしようとしていたか、わたしも聞きたくもないし、知りたくもない。
でも、あなたはきっと、わたしのためを思って、それをしようとしてくれたのはわかるわ」
「……ごめん」
「あとできついお仕置きをしてあげる」
「それじゃ、レンジが喜ぶだけじゃん。ドMなんだから」
「いいの、彼がわたしだけを見てくれるならそれで」
「わたしもいっしょに住むから。
イチャイチャしようとしたら邪魔するから」
「いいわよ。わたしはレンジとピノアといっしょにずっといたいもの」
「よっし、じゃあ、攻め込んじゃう?
『我々』とかいう奴ら、さっさとぶっ飛ばしてやろ」
ピノアの言葉に、その場にいた全員が、「おーっ」と掛け声をあげた。
だが、精霊たちの姿は、そのときにはもう、アメノトリフネのどこにもなかった。
「大和ショウゴのことはボクに任せてほしい」
と、イルルは言った。
「この世界に来た彼と最初に出会ったのはボクだし、彼が『我々』の元へ行くのを見送ったのもボクだ」
「じゃあ、サトシのことは私に任せてくれるか?」
ブライが言った。
「どうしてお父さんがレンジのお父さんのことを?」
ピノアの問いに、
「あちらのふたりの女王に頼んで、この時代にいる間だけ、君たちが知る愚かな父親の記憶を一時的に取り戻させてもらった。
だから、君たちの名前もわかるよ、ピノア、ステラ。
私は本当に申し訳ないことをしてしまったね。
元の世界に帰れば記憶はなくなるが、私は同じ過ちを犯すことはない。約束する」
頼もしい仲間たちだった。
「じゃあ、他の奴らはニーズヘッグたちにまかせて、わたしとレンジで親玉を潰せばいいんだね」
「わたしは?」
「ステラはお留守番だよ。
お腹の中の子に何かあったら大変だもの」
ステラは、そうね、と寂しそうに言った。
だが、不安は何もなかった。
「私はただおふたりのために……最善の策を……」
「お前はまだ産まれたばかりの赤ん坊だ。
だから、どんなに頭がよくても、人の気持ちがわかんねーだけだ。
気にすんな。失敗は誰にでもある」
アンフィスはそんな彼に声をかけ、
「レンジ、お前が自分やそのアリスって子に何をするつもりだったのか知らないし聞きたくもないが、お前はひとりで抱え込みすぎだ。
もっと仲間を頼れよ」
そして、レンジを叱責した。
「ジパングのふたりの女王は、アカシックレコードにアクセスすることはできても、その場所の存在は知らない、だって」
「太陽の巫女もなめられたものね。
まぁ、彼はまだ産まれたばかりのようだし、タカミやミカナが前の世界で持っていた力を知らないから、しかたないわ」
ジパングのふたりの女王、返璧マヨリと白璧リサは、
「誰も犠牲になる必要はないよ。
わたしたちは、世界の理を変える力を持ってるから」
「レンジやアリスという子の存在を、たった今『我々』から切り離したわ。
だから、『我々』を壊滅させてしまえば、この世界にふたりが存在し続けても何の問題もなくなったはずよ」
「『我々』のアジトも、アカシックレコードから、アジトだけをテラに移動させた。
いつでも攻め込めるよ」
ふたりの女王の言葉に、サタナハマアカは驚かされた。
「ツクヨミ、本当か?」
「はい、たった今、大東洋上空に、『我々』の存在を確認しました」
そんなことを可能にできる力を持つ人間がいることをサタナハマアカは知らなかった。
ひとりではできないようなことも、他に手段がないようなことも、人間は力を合わせることで打開できるのだ。
だから父は、人間を愛したのだとわかった。
「レンジ、あなたが何をしようとしていたか、わたしも聞きたくもないし、知りたくもない。
でも、あなたはきっと、わたしのためを思って、それをしようとしてくれたのはわかるわ」
「……ごめん」
「あとできついお仕置きをしてあげる」
「それじゃ、レンジが喜ぶだけじゃん。ドMなんだから」
「いいの、彼がわたしだけを見てくれるならそれで」
「わたしもいっしょに住むから。
イチャイチャしようとしたら邪魔するから」
「いいわよ。わたしはレンジとピノアといっしょにずっといたいもの」
「よっし、じゃあ、攻め込んじゃう?
『我々』とかいう奴ら、さっさとぶっ飛ばしてやろ」
ピノアの言葉に、その場にいた全員が、「おーっ」と掛け声をあげた。
だが、精霊たちの姿は、そのときにはもう、アメノトリフネのどこにもなかった。
「大和ショウゴのことはボクに任せてほしい」
と、イルルは言った。
「この世界に来た彼と最初に出会ったのはボクだし、彼が『我々』の元へ行くのを見送ったのもボクだ」
「じゃあ、サトシのことは私に任せてくれるか?」
ブライが言った。
「どうしてお父さんがレンジのお父さんのことを?」
ピノアの問いに、
「あちらのふたりの女王に頼んで、この時代にいる間だけ、君たちが知る愚かな父親の記憶を一時的に取り戻させてもらった。
だから、君たちの名前もわかるよ、ピノア、ステラ。
私は本当に申し訳ないことをしてしまったね。
元の世界に帰れば記憶はなくなるが、私は同じ過ちを犯すことはない。約束する」
頼もしい仲間たちだった。
「じゃあ、他の奴らはニーズヘッグたちにまかせて、わたしとレンジで親玉を潰せばいいんだね」
「わたしは?」
「ステラはお留守番だよ。
お腹の中の子に何かあったら大変だもの」
ステラは、そうね、と寂しそうに言った。
だが、不安は何もなかった。
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