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第13話 これがSSランクの実力
しおりを挟む「その馬車止まれ!中に乗っている者は全員降りろ!」
デュランが叫ぶ
ここは従う方がいいだろう。
今の俺の力がこいつにどこまで通用するか
試してやろうか
デュランが俺たち5人の前に立つ。
「お前ら、この道の奥から来たと言う事はA級危険区域に入ったのか?あそこはそのランクの奴がいないと入れないぞ」
アルフが慌てながら答える。
「このカイアスさんはAランクです。白夜草採取の為に、護衛をお願いしたんです。無事に採取もできました!」
「ほう?まだ20にもなってなさそうなのに、あそこから帰還したのか?なかなか見所があるな!君らが育っているならウェグリアも安泰だろう。止めてすまなかったな!もう行っていいぞ?」
「はい。ありがとうございます」
アルフ達はお礼を言い馬車に戻ろうとする。
その時、
「おい。お前は待て」
俺の目の前に槍が向けられる。
アルフが慌てて止めに入ろうとする。
「なんだ?」
「お前?スキルはなんだ?何を持っている?」
また意味の分からない質問だ。
やはり気付いているのか?
デュランは続ける。
「お前ら!俺はこいつに用がある。先に帰ってくれ!いいな」
「俺は大丈夫だ!妹にそれを早く届けるんだ。頼むぞ?」
はい!という返事と共にアルフ達は離れて行き見えなくなった。
草原には2人だけ。
「さて。これでゆっくり話ができるな
お前、本当に何者だ?なぜ、俺が彼らと話している時、殺気を出した?」
殺気にすら勘付くのか。流石SSランクか
「俺はスキルの強弱で全てが決まるこの国が嫌いだ。お前らSSランクはその象徴だ。」
「なるほど?何故そこまで嫌うのかは知らないが、殺気はやめておけ!相手が相手なら冗談ではすまないぞ?もう行っていいぞ」
セーレに勘付いた訳ではないのか?
セーレ、俺はこいつに勝てるか?
「いや…分からない。こいつのスキルが何なのか。私に気付かないなら加護を受けていないという事なのか…。何にせよSSランクはスキルが規格外だ。やるならいきなり全開で行けよ?」
「あーーそうだな。本気で行かないと。それにこのチャンスを逃すようでは俺の目的は達成できないだろう。」
「おい!さっきから何をブツブツ話してる」
「………セーレ。……………80%!」
俺の姿が黒い霧に包まれる。身体が熱い?!
身体が変化する。
50%の姿よりも魔神に近い姿になる。
角は生え、髪はセーレのように伸びた。
牙も生えている。
全身がズキズキする。これが80%か!
長く維持するのは難しい!
「なんだその姿は?やるのか?いいだろう!後悔しながら死ね!」
デュランがこちらに走り出す。
「お前が死ねー!!」
俺も叫ぶ!
〈服従〉
「命ずる!動くな止まれ!」
バチンッ!!
「イッテェ!なんだ?!スキルの攻撃か?」
一瞬怯みはしたが、こちらに突進してくる。
〈服従〉が効かない?!
「カイアス!こいつ加護持ちだ。〈服従〉を弾きやがった!それ以外で応戦しろ!相手のスキルが判明するまでは距離を取れ!80%なら10種のスキルを使えるだろう!」
そんなこと言われてもデュランの移動速度が速すぎる!ギリギリで反応するのが精一杯だ!
10種のスキルを全力で浴びせてやる!
〈浮遊〉〈雷帝〉〈炎帝〉〈刀剣〉
〈並列思考〉〈超再生〉
デュランの槍を刀剣で弾き、なんとか空に飛び、空中から攻撃する。
「一方的に痛めつけてやる!落雷!豪炎!」
雷の槍と炎の砲弾がデュランに向かう。
「遅いな」
デュランはいとも簡単に避ける。
そして俺に向かって石を投げた。
「何してんだ?そんな物が当たるわけ…………ガッ?!」
俺の頭に石が直撃した。血が流れる。
何が起きた?
あいつのスキルか?
〈並列思考〉のおかげで2つのことを完全に独立して考える事ができる。攻撃しながら、防御とスキルを解析する。
雷と炎、召喚した剣を浮遊で操り、 デュランにぶつけるが全く当たらない。
何故だ?!何故当たらない?
あいつのスキルはなんだ?
このままではジリ貧だ。80%もいつまで続けられるか分からない。
せめてスキルが分かれば対策も出来るのに!
「不思議そうだな?何故俺に攻撃が当たらなくて、俺の攻撃は当たるのか。今もなんとか回避出来ているようだが、それも長くは持たないのだろう?」
「クソ!命ずる!岩よ。無数の槍となり襲い掛かれ!」
「無駄だ!」
デュランは自分の前に槍を構え、円状に回す。そして、全ての岩を弾き飛ばした。
マズい!今の実力では勝てないか…
「カイアス。あいつのスキルは何か分からないが、前に同じようなスキルの使い手がいた。もし失敗したら致命傷をもらっちまうが、賭けてみないか?このままではいつか負けてしまう。」
セーレ…。もうお前を信じるしかない。
どうすればいい?
「いいかい?次の攻撃の時に………」
なんだと?!それはただの自殺だ!でも…
信じると決めた!
やってやる!!
応援ありがとうございます!
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