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第七章:記憶の狭間に漂う姫君
第90話 残酷な言葉
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……。
……。
……。
──わたしが眠っている傍で人の話し声が聞こえる。
いったい誰かしら、とわたしは目を瞑ったまま意識をそちらに集中させる。
するとそれは若い男性の声で、……どうやらキースとカディスのようだった。
「キース、イルーシャはいつまでこの状態なんだ」
「……分からない。でも、イルーシャのこの症状は心の傷を受けたことから来ているのは確かだ」
「どうにかできないのか。このままではイルーシャが死んでしまう」
カディスが恋敵であったはずのキースの肩を掴んで頼み込んでいる。
──ありがとう。でもカディス、わたしはこのまま消えてしまいたいの。
「……」
キースは少し目を閉じてなにかを考えているようだったけれど、わたしにそれを窺うすべはない。
「──心因を取り除けば、あるいは」
それに対して、面白くなさそうにカディスが鼻を鳴らした。
「イルーシャを穢したロアディールの首でも取ってくればいいのか?」
「……いや、原因はロアディールじゃない。それも少しはあるかもしれないけれど、イルーシャはそれには耐えていた」
「では、なんだ」
カディスの詰問にキースが一瞬黙った後、その次にこう言った。
「イルーシャがこうなった原因は僕だ」
──キース、それは違うわ! こうなったのは、ただわたしが弱かっただけだわ。
「……なんだと?」
キースの言葉を受けて、カディスの表情がみるみる険しくなる。
──キース、あのことを言っては駄目!
「イルーシャがアークリッド王と睦まじくしているのを見て、僕は激しく嫉妬した。……だから我慢できずに彼女を何度も陵辱してしまった」
──キース!!
わたしが一番恐れていた状況が訪れてしまって、わたしは叫びたい気持ちでいっぱいだった。
でもまさか、キースの口からカディスにそのことが伝わるなんて。
「そして、それに耐えられなくなったらしいイルーシャは記憶を」
話の途中だったけれど、それまで唇を噛んで我慢していたらしいカディスがキースに殴りかかった。
「キースッ、貴様!!」
──駄目!! キース、避けて!
迫り来る拳を避けもしなかったキースは、そのままカディスに殴り飛ばされて、壁にぶつかった。そして、そのままずるずるとその体が崩れおちる。
──キース、なんてことを! それだけはカディスに言ってはいけなかったのに!
「どうしました!? 陛下、キース様!」
あまりの騒ぎに近衛騎士二人とそれに少し遅れてリイナがわたしの寝室に入ってくる。
さらにキースを殴ろうとしたカディスを近衛騎士達が羽交い締めにする。
「離せ!」
「いけません、陛下! キース様はあなた様の大事な従弟殿です!」
カディスは騎士達に取り押さえられながらも、なおもキースに殴りかかろうとしていた。
「それがなんだ。こいつは俺の信頼を裏切る真似をしたのだ。そしてイルーシャのもな。……離せ! 俺の命令が聞けないのか!?」
カディスがそう叫んだ後に、リイナの凛とした声が響いた。
「陛下、いい加減に落ち着いてくださいませ。ここはイルーシャ様の寝室なのですよ。喧嘩でしたら余所で存分におやりください」
それで頭に血が上っていたカディスは一瞬我に返ったらしく、ベッドで眠っているわたしをちらりと窺った。
「……っ、そうだったな。それではキースを俺の部屋へと引き立てろ。こいつの沙汰はそこで決める」
──あなた達は仲のよい友人だったのに。
まるで罪人を扱うようなカディスの口調にわたしは心が痛んだ。
近衛騎士達もわたしと同じ気持ちだったらしく、絶句している。
「どうした? この罪人を──」
やめて、そんな言葉は聞きたくない。
今すぐ目覚めてカディスを止めたいのに、この体は動かない。
「……それには及ばないよ。騒がしくして悪かったね」
キースはそう言うと、カディスや近衛騎士達と一緒に移動魔法で消えた。……おそらく移動先はカディスの部屋だろう。
一人残されたリイナが相変わらず眠り続けるわたしへと近寄ってくる。
「……イルーシャ様……」
リイナは慈愛に溢れた、けれどどこか哀しげな瞳でベッドの上のわたしを見つめると、ゆっくりとその手でわたしの髪を優しく梳いた。
「イルーシャ様、どうかあなた様が幸せでありますように──」
その祈りにも似たリイナの言葉にわたしは泣き出してしまいたくなる。
そして、わたしの意識はそこで暗転した。
「──イルーシャ」
わたしが泣きながら目を覚ますと、すぐ傍にはキースがいた。
それでわたしは、今までの映像が過去視ではなく、夢なのだと思った。
「……キース」
わたしは心底安心して、涙を流しながらも微笑んだ。
すると、キースもわたしに笑いかけ、その指で優しくわたしの涙を拭ってくれた。
「ごめんなさい……」
この場合、ありがとうと言うのが正しいのに、わたしは相変わらず彼に謝ることしか出来なかった。
すると、キースは少し苦笑しながら言ってきた。
「君は僕に謝ってばかりだね。……君がそんなに気に病む必要はないんだよ。悪いのは僕なんだからね」
でもわたしが今現在もキースを振り回しているのは確かなのだし、彼のその言葉は納得しかねた。
そう伝えたかったけれど、相変わらず熱に浮かされた体では思うように言葉が出ない。
「今日は君の病の原因を封じに来たんだ」
──それは封印ということ?
でも、わたしのどこを封じるというのかしら。
不思議に思ってわたしはキースの顔を見返した。すると、キースは得も言われぬような優しい顔になって、わたしの髪をゆっくりと梳いた。
「──イルーシャ、君を真実愛している」
信じられないキースの言葉にわたしの頬を涙が転がっていく。
では、今まであなたに嫌われていると思っていたのは、わたしの勘違いだったの?
わたし、わたしもキース、あなたを──
そう言いたいのに言葉がうまく出ない。
けれど、それに続いた彼の言葉に、わたしは思わず瞳を見開いた。
「でも、君が愛しているのはアークリッド王の残像だ。僕自身じゃない」
違うわ、わたしはあなたを愛してる。どうしてそれを分かってくれないの。
確かにあなたはアークの生まれ変わりだわ。でも、わたしはあなた自身を愛しているのに──
「イルーシャ……」
流れ続ける涙にキースはしばらく口づけていたけれど、やがてわたしから体を離した。
「──お別れだ、イルーシャ」
お別れってなに?
まさかあの映像は夢ではなかったと言うの?
「い、や……、いやよ、キース」
ようやくそこでわたしは自分の意思で言葉を紡いだけれど、もう遅かった。
キースがわたしの額に指を置くと、わたしは深い眠りに引きずりこまれてしまう。
こんなのは、いや。
ようやくあなたに愛されていると思えそうだったのに。
「……さよなら、イルーシャ。どうか幸せに」
意識を失う直前にそう呟くキースの声が聞こえた。
──どうしてそんな残酷なことを言うの?
わたしを幸せにするのは、あなたしかいないのに──
……。
……。
──わたしが眠っている傍で人の話し声が聞こえる。
いったい誰かしら、とわたしは目を瞑ったまま意識をそちらに集中させる。
するとそれは若い男性の声で、……どうやらキースとカディスのようだった。
「キース、イルーシャはいつまでこの状態なんだ」
「……分からない。でも、イルーシャのこの症状は心の傷を受けたことから来ているのは確かだ」
「どうにかできないのか。このままではイルーシャが死んでしまう」
カディスが恋敵であったはずのキースの肩を掴んで頼み込んでいる。
──ありがとう。でもカディス、わたしはこのまま消えてしまいたいの。
「……」
キースは少し目を閉じてなにかを考えているようだったけれど、わたしにそれを窺うすべはない。
「──心因を取り除けば、あるいは」
それに対して、面白くなさそうにカディスが鼻を鳴らした。
「イルーシャを穢したロアディールの首でも取ってくればいいのか?」
「……いや、原因はロアディールじゃない。それも少しはあるかもしれないけれど、イルーシャはそれには耐えていた」
「では、なんだ」
カディスの詰問にキースが一瞬黙った後、その次にこう言った。
「イルーシャがこうなった原因は僕だ」
──キース、それは違うわ! こうなったのは、ただわたしが弱かっただけだわ。
「……なんだと?」
キースの言葉を受けて、カディスの表情がみるみる険しくなる。
──キース、あのことを言っては駄目!
「イルーシャがアークリッド王と睦まじくしているのを見て、僕は激しく嫉妬した。……だから我慢できずに彼女を何度も陵辱してしまった」
──キース!!
わたしが一番恐れていた状況が訪れてしまって、わたしは叫びたい気持ちでいっぱいだった。
でもまさか、キースの口からカディスにそのことが伝わるなんて。
「そして、それに耐えられなくなったらしいイルーシャは記憶を」
話の途中だったけれど、それまで唇を噛んで我慢していたらしいカディスがキースに殴りかかった。
「キースッ、貴様!!」
──駄目!! キース、避けて!
迫り来る拳を避けもしなかったキースは、そのままカディスに殴り飛ばされて、壁にぶつかった。そして、そのままずるずるとその体が崩れおちる。
──キース、なんてことを! それだけはカディスに言ってはいけなかったのに!
「どうしました!? 陛下、キース様!」
あまりの騒ぎに近衛騎士二人とそれに少し遅れてリイナがわたしの寝室に入ってくる。
さらにキースを殴ろうとしたカディスを近衛騎士達が羽交い締めにする。
「離せ!」
「いけません、陛下! キース様はあなた様の大事な従弟殿です!」
カディスは騎士達に取り押さえられながらも、なおもキースに殴りかかろうとしていた。
「それがなんだ。こいつは俺の信頼を裏切る真似をしたのだ。そしてイルーシャのもな。……離せ! 俺の命令が聞けないのか!?」
カディスがそう叫んだ後に、リイナの凛とした声が響いた。
「陛下、いい加減に落ち着いてくださいませ。ここはイルーシャ様の寝室なのですよ。喧嘩でしたら余所で存分におやりください」
それで頭に血が上っていたカディスは一瞬我に返ったらしく、ベッドで眠っているわたしをちらりと窺った。
「……っ、そうだったな。それではキースを俺の部屋へと引き立てろ。こいつの沙汰はそこで決める」
──あなた達は仲のよい友人だったのに。
まるで罪人を扱うようなカディスの口調にわたしは心が痛んだ。
近衛騎士達もわたしと同じ気持ちだったらしく、絶句している。
「どうした? この罪人を──」
やめて、そんな言葉は聞きたくない。
今すぐ目覚めてカディスを止めたいのに、この体は動かない。
「……それには及ばないよ。騒がしくして悪かったね」
キースはそう言うと、カディスや近衛騎士達と一緒に移動魔法で消えた。……おそらく移動先はカディスの部屋だろう。
一人残されたリイナが相変わらず眠り続けるわたしへと近寄ってくる。
「……イルーシャ様……」
リイナは慈愛に溢れた、けれどどこか哀しげな瞳でベッドの上のわたしを見つめると、ゆっくりとその手でわたしの髪を優しく梳いた。
「イルーシャ様、どうかあなた様が幸せでありますように──」
その祈りにも似たリイナの言葉にわたしは泣き出してしまいたくなる。
そして、わたしの意識はそこで暗転した。
「──イルーシャ」
わたしが泣きながら目を覚ますと、すぐ傍にはキースがいた。
それでわたしは、今までの映像が過去視ではなく、夢なのだと思った。
「……キース」
わたしは心底安心して、涙を流しながらも微笑んだ。
すると、キースもわたしに笑いかけ、その指で優しくわたしの涙を拭ってくれた。
「ごめんなさい……」
この場合、ありがとうと言うのが正しいのに、わたしは相変わらず彼に謝ることしか出来なかった。
すると、キースは少し苦笑しながら言ってきた。
「君は僕に謝ってばかりだね。……君がそんなに気に病む必要はないんだよ。悪いのは僕なんだからね」
でもわたしが今現在もキースを振り回しているのは確かなのだし、彼のその言葉は納得しかねた。
そう伝えたかったけれど、相変わらず熱に浮かされた体では思うように言葉が出ない。
「今日は君の病の原因を封じに来たんだ」
──それは封印ということ?
でも、わたしのどこを封じるというのかしら。
不思議に思ってわたしはキースの顔を見返した。すると、キースは得も言われぬような優しい顔になって、わたしの髪をゆっくりと梳いた。
「──イルーシャ、君を真実愛している」
信じられないキースの言葉にわたしの頬を涙が転がっていく。
では、今まであなたに嫌われていると思っていたのは、わたしの勘違いだったの?
わたし、わたしもキース、あなたを──
そう言いたいのに言葉がうまく出ない。
けれど、それに続いた彼の言葉に、わたしは思わず瞳を見開いた。
「でも、君が愛しているのはアークリッド王の残像だ。僕自身じゃない」
違うわ、わたしはあなたを愛してる。どうしてそれを分かってくれないの。
確かにあなたはアークの生まれ変わりだわ。でも、わたしはあなた自身を愛しているのに──
「イルーシャ……」
流れ続ける涙にキースはしばらく口づけていたけれど、やがてわたしから体を離した。
「──お別れだ、イルーシャ」
お別れってなに?
まさかあの映像は夢ではなかったと言うの?
「い、や……、いやよ、キース」
ようやくそこでわたしは自分の意思で言葉を紡いだけれど、もう遅かった。
キースがわたしの額に指を置くと、わたしは深い眠りに引きずりこまれてしまう。
こんなのは、いや。
ようやくあなたに愛されていると思えそうだったのに。
「……さよなら、イルーシャ。どうか幸せに」
意識を失う直前にそう呟くキースの声が聞こえた。
──どうしてそんな残酷なことを言うの?
わたしを幸せにするのは、あなたしかいないのに──
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