転生したら第13皇子⁈〜構ってくれなくて結構です！蚊帳の外にいさせて下さい！！〜

第1章 とにかく普通と平穏を 騒がしいのはお断り！

10.蚊帳外計画始動！

「催し、物？」

侍従が差し出してきた紙。
受け取り見るが、何やら印がしてあるだけで、特に他は何も書いてない。
何だ？これ。

「リリヤ。これ……」
「御前演武会ごぜんえんぶかいの知らせですわ」
「ご？」
「近衛騎士や城づめの兵士、護衛兵などが手合わせ、試合をして武を競うのですわ。王族、貴族、豪族方の前で行われます」

催し物ってより、見世物みたいだ。

「血生臭いの、やなんだけど…行かなきゃ駄目か？」
「多少のケガや流血はあります。ですが、重傷を負わせたり、ましてや相手を殺せば処罰を受けますわ。そんなに酷いことは起こりません。どうしても、お嫌でしたら欠席はできますが……」
「が？」
「貴妃様がご謹慎中の上、カナデ様まで逆らい国帝陛下のご不興を買わないとも知れません」

確かに得策じゃないか。
平穏平凡に暮らしたいが、国帝陛下父親とやらの怒りを買えばどんな処遇が待っているか分からない。
無事でいてこそ意味がある。

「それに…」
「まだ、何か？」
「高貴な方々が一堂に会しますから、カナデ様の後ろ盾も上手くすれば……あわよくば、国帝陛下の覚え返り咲き、王位継承権復活もあり得ますわ！」

王位継承権云々うんぬんはどうでもいい。つうか、そんな面倒いのは正直御免だ。
でも、後ろ盾を見つけられるかもしれないのは魅力的だ。最悪、俺から声をかけることはできなくても、豪族や貴族の姫に見初められれば……

「カレスも、来るよな？」
「皇子殿下方は全員ご参加です。皇太子殿下と、第2皇子殿下は試合にも参加なさいますわ。カレス様は第3皇子なので、国帝陛下のお側に。カナデ様は13皇子なので、王席の末席になります」

カレスとは離れてる事にホッとする。
まぁ、えらい奴らが大勢集まるそんな場所で、いかがわしい事を仕掛けるわけはないだろう。
隅の方で大人しくしてれば問題なさそうだ。

「カナデ様はこういう催し物にあまりご参加なさいませんでしたから、国帝陛下がお喜びになるかもしれません」

リリヤの言葉はまるで取ってつけたようだ。
俺がこうなる前の”カナデ”に何があったのかはいまだに分からない。
それでも、王位継承権剥奪はくだつは尋常じゃない。
そんな処罰を下した息子に、父親が会いたがるとは思えないな。

「ま、俺は何事もなく、平凡に暮らせればそれでいいや」

何があったのかは追々知ればいい。
今はそれより、モブ人生設計計画のが重要！

「よし！参加する！んでもって、強力な後ろ盾ゲットして、俺は空気の如く生きる！」
「空気では駄目ですわ！せめて王侯らしく、、あまり大人しすぎても王族としては命とりになります！」
「そんなもん？」
「そのようなものです！」

面倒い事は嫌だ。
目立つのも嫌。構われんのなんか冗談じゃねぇ。
男は願い下げ。できれば女性だって……
でも、それじゃ生きてかれないんなら、100歩譲ってまだ女の人のがいい。
我慢すんだから、ひっそり生きるくらい許して欲しいもんだぜ。
これだから、皇子なんかやだっつうんだよ！

「人生、蚊帳の外に居たいんだけど……」
「はい？」

ボソッと呟いた俺の言葉はリリヤに届かず、訝しまれたが、小さく溜め息をついて首を振る。

「なぁ～んでもない！」

当たり障りなく誤魔化した。

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「参加を？」
「あぁ、そのようだ」
「ふ～ん…？会うのは始めてだから楽しみだ」
「兄上方……どうぞ、お手柔らかに願います」