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第2章 水と炎の激愛、揺れる光の惑い編

*可愛い侍女は、話聞きません(涙)

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*1と2-②の間に入る予定だった、アヤと侍女のやり取りです。読んでも読まんでも、本編差し障りありません。



部屋の扉が開かれると、入って来たのは、

「アヤ様、失礼いたしますわ」

アリッサとローレンだった。アリッサは両手に何やら抱えており、ローレンも何か荷物を持っている。

「お召し物をお持ちしました」

着替えか。そういえばと、今更ながら見渡したが、ここは俺が用意されてた部屋じゃない。寝台は豪華で無駄にでかい。調度品というのだろう家具類は、華美になりすぎず品の良い、俺みたいなど素人でも一目で上質とわかる代物だ。
誰の部屋なのかは、言わなくてもわかる。

「お召し替え、お手伝いいたしますか?」

アリッサに聞かれ、答えようとした俺はそこで、はたと止まる。
今、俺はシャツ一枚身につけていたが、よく考えたら体はどこもサラサラしていた。痛みはあるが、ベタつきはない。

「アリッサ、聞いていいか?」
「はい、何か?」
「その…昨夜、俺を、あ~、っと」

シャツの裾をよじりながら言う俺に、アリッサは最初首を傾げていたが、やがてピンときたらしく、ニッコリ微笑んだ。

「アヤ様、昨夜、私とローレンは湯室とこの部屋への入室は許可されておりませんわ」
「ってことは……」
「アヤ様を身綺麗になさったのは、おそらく殿下でいらっしゃいますわ」

セレスト様が着替えを云々かんぬん言ってるアリッサの声は、俺の耳に届いてない。
ヤバい。今すぐ、シーツの海に潜って沈みたい。
恥ずかしすぎる!後始末を相手以外にされるなんて嫌だが、相手にされるのも同じくらい嫌だ。
バルド、あいつ、確か、な、な、中…出ししてたはずで………

「わーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
「アヤ様?!」

突然大声あげて、枕元をガスガス殴り出した俺に、アリッサとローレンがオロオロしていた。
ごめんなさい。でも、無理。俺にはこの羞恥をしれっとやり過ごすスキルがありません。
おそらく、俺が気絶した後に綺麗にしてくれたのだろうとは分かるが、記憶がないからいいとはならない。
ひとしきり暴れ、ゼェハァ息をする俺に、ローレンが恐る恐る声をかけてきた。

「アヤ様、お加減がすぐれませんか?痛み止めのお薬など、お持ちいたします?」

ちょっと、そっとしてほしい。何で体が痛いのか、労られたりしちゃったら、ナニがあったか、知ってるのね~って遠い目する事になるから。

うぅ、心配そうなローレンの瞳がかえっていたたまれない。

「アヤ様、お体が痛いでしょうけど、お召し替えいたしましょう?申し訳ありませんが、殿下がお待ちですの」
「そ、なんだ……」
「セレスト様とお話しなさっておいでですけど。着替えが終わったら、ご案内するよう申しつかっておりますわ」
「…あ~、じゃ、着替える。待たせるのもなんだし」
「かしこまりました、お手伝いいたしますわ」
「あ、いや、それは~その…遠慮します」
「………………チッ」

気のせいか?今……ーーー

「アリッサ、さん?今、舌打「そうですわね!私とした事が、うっかりですわ。殿下の愛の後を見てもいいのは、ご当人だけですわ。では、大変ざんね……申し訳ありませんが、私たち、一度外に出ておりますので、着替え終わったらお声かけ下さいませ」
「…………………………」

何か突っ込んじゃいけない気がする。
とりあえず、サクッと流す事にし、俺は着替えの山に手をかけた。
用意されたのは首が詰まったタイプの服に、今日は細身のパンツだった。ただ、

「何で、ノースリーブ?手袋付きって…」

なんか女の子っぽい。アリッサもローレンも、俺の性別分かってるよな?
ブツクサ言いながらシャツを脱ぐと、俺はそのまましばし固まる。
肌のいたるところに散るのは、

「キスマーク……?うわ、何これ、え、こんなとこにも?」

見える範囲は胸元から脇腹も、足の付け根は特に……
多分、この調子だと見えないあらぬ所まで。
男どころか、女の子とだってした事ないから、これがはたして普通なのかも分からない。
ただ、今、自分の体が激しくいかがわしいものになってるのだけは分かる。
だって、見てらんない!
何とか見ないようにして着替え終え、アリッサとローレンを呼んだ。
二人とも俺を見ると、目をキラキラさせて手を取り合い喜ぶ。

「お似合いですわ~、アヤ様。肩と手袋の間の肌が見える場所、隠れてるからこそ、出てる部分の色気!バッチリですわね!」
「アリッサ、やっぱりこの色で正解だったわね。少し黄味がかった、白!無垢と思わせて、実はというはかとない意味を含む色。狙い通りだわ~」

いやいやいやいやいやいや!!おかしいから!二人とも、言ってる意味おかしいよ?!
アリッサ、色気って何?俺には、んなもん無いし!
無垢?実は?狙わないで下さい、ローレン!

「さ、アヤ様参りましょう。殿下がお待ちですわ。可愛らしいお姿で、殿下のお心しっかりガッチリ鷲掴み!」
「いや、あの…ちが「大丈夫です!今のアヤ様なら。あ、もちろん、今まで以上にという意味ですわ」
「いや、だから、俺とバルドはそういう関係じゃな…「「さ!参りましょう」」

可愛らしい笑みで、綺麗にハモった侍女二人に、俺は敢えなく撃沈した。チーーーーーーン!


これ、何回目?




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