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第二部2章 策略忘却 欲望渦巻く炎の王室の章

*やるなら条件呑んで下さい(泣)

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「とりあえず、炎の光は回収できたな」
「あぁ。魔導の行方が完全に掴めんと聞いた時は、さすがにどうするかと思ったがな」
「でも、何個か謎が残った。ヴィクターがそもそも魔族なんかになった経緯。第一皇子の謎の死。先代炎の魔導は結局見つかってないし………考え出したら、キリがねぇよ。あ!謎って言や、第一皇子が王様の部屋に来た兵の中に、バルドたちは何で居たわけ?」
「ヴィクトールだ」
「ヴィクター?」

どゆこと?

「お前が部屋からいなくなったのはすぐに分かったからな。セレストたちを連れて捜しに行こうとしたら、ヴィクトールに助けを求められた」
「え…でも、俺とエティに薬盛ったのヴィクターで、俺とエティ地下のあの部屋に閉じ込めたのもヴィクター………」
「第一皇子がお前らに何かしようとしてるのは分かったらしく、隙をついて逃がそうとして次に行ったらお前ら二人ともいなかったそうだ。で、お前を捜してた俺のとこに来たんだ。あとは、何処かへ向かう第一皇子の一行に、兵士として潜り込んだ」

それであの場にいたわけか。
とりあえず、何はなくても解決はしたが……

「サラタータはどうなるんだろ?」
「知らんな。ここから先は、完全にこの国の問題だ。クレイドル俺たちに出来る事はもうねぇよ」
「そっか……エティ、大丈夫かな?」
「それこそ知らん!ヴィクトールもいるし、実質、皇子はあの阿保だけだ。何とかならんでもするしかねぇだろ」

バルド……相変わらず冷たいな。

「これからどうするわけ?炎の光は回収したし…クレイドルに帰る?」
「いや……ここからなら、ラシルフが近いからラシルフにそのまま行く。カーティスから光をブン取ってから帰る」

ブン取るって……皇子が使う言葉じゃねぇよ。

「じゃ、久しぶりにタータに会えるんだな。楽しみ。サラタータでお土産買って行こうっと!」

ルンルン♪ホクホクしてたら、体がフワリと浮いた。

「へっ?」

状況を確認する間もなく、あっという間に寝室のベッドに運ばれる。
乱暴ではないながら、ドサリと降ろされ目を白黒。
何事?どゆこと?

「忘れてんじゃねぇだろな?」
「え?え?」
「「え?え?」じゃねぇ。今回もまた性懲りもなくまんまと拐われやがって。何で、そう誰彼構わずホイホイついてくんだ?お前は!!」
「え?だって、ヴィクターだし?知らない奴じゃ…」
「阿保皇子の側近ってだけで、ほぼ知らん奴だろが!少しは警戒しろ!」

えぇーーーーー?!それ、無理くりじゃね?
そんな警戒しろったって、誰が怪しくて怪しくないなんて分かんねぇよ。

「無茶言うなよ!それじゃ最初から疑ってかかんなきゃならなくなるだろ?!」
「全部警戒しろとは言ってねぇ。少しだ!少しでいいから警戒混ぜろ!お前の場合は、警戒心皆無だ!」
「………………………」

うわーーーー……言い切られた~~~……でも、反論できない。
うぅっ…何か納得できん……
体を起こそうとしたら、そのままのしかかられる。
ちょっ!?何か、今更だけどやな予感!

「バルド?!何する気だ?!」
「は?何って、この状況で聞くか?聞かんでも分かるだろ?」

分かる……分かるが分かりたくない!

「ちょっ、まっ……!何でッ?!何でそうなるわけ?」
「何でって、言いつけ破ったんだ。当然、仕置きだろう?」

当然……じゃ、なーーーーーーーーーーい!!

「ストーーーップ!たんま!待って、待って!待てって!待てっつってんだろがッ!」
「うるっせぇな……何だ?」

いや、うるさく…はあるかもしれんが、そうじゃないだろ?!

「何で、お仕置き?!おかしくね?俺、今回悪くないし!確かに拐われたけど、俺のせいじゃないし!」

言いつけだって破ろう思って破ってない!むしろ、お国事情に巻き込まれ、俺の方が被害者だ。
拐われて酷い目にあったの俺なのに、俺がお仕置きされるとか……そっちの方が酷すぎる。

「とにかく!お仕置きはない!絶対、ない!理不尽すぎるだろ?!」
「それこそ、ねぇな。仕置きでもしとかんと、お前は覚えもしないだろうが」
「横暴だッ!!」
「何とでも?」

マズい!
マズいマズいマズい!非常にマズい!

「納得したなら、いいな?」
「ま、待って!ちょっと、待って!条件!!」
「は?」
「条件出すから!条件、呑んでくれるなら……」
「………一応、聞こうか?」

胡乱ながらも、一旦バルドが引いてくれた。ひとまず安心。なし崩しに突入は免れた。

「え、っと……まず、何か入れんのナシ!酒だとか、ぶ…どぅ…だとか…とにかく!そういうのやだ!あと、縛ったりとか体の自由奪うのもダメ!ベッド以外ですんのもやだし、変な体位もしたくない!しつっこく焦らされんのも勘弁!えぇ、っと、それから…」
「……………………」

うわぁ~~~~ん!バルドの目がこあい。
分かってるよ!俺、かなり自分が滅茶苦茶な事言ってるって!
俺がバルドなら「ふざけんな!ゴラァ!!」ってなるもん!
でも!でもでもでも~~~~~!!ここは譲れねぇ!
バルドに好き勝手されたら、俺は明日一日中、口から半分魂吐き出した状態になる!断言できる!

「仕置きになんねぇだろが?……ったく!要は普通に抱いて仕置きしろと?」
「……ぅ……はい…」

うぅっ…抱くって言うなよ~。

「言ってる事、滅茶苦茶で矛盾してるって分かってるか?」
「……………………」
「……ハァ~…!分かった。抱かれんのに文句はないんだな?」
「………ない、ょ」
「条件、ね。まぁ、呑んでやる。もういいか?そろそろ限界だ。ずっと触れてねぇから、アヤお前が欲しくて我慢できねぇ」

何か、一瞬考え込んでからのニヤッの笑みが気になるんですけど?
問いかける前に引き寄せられる。
大丈夫……だよな?条件出したし……?

「条件通りで抱いてやるよ……条件通りで、な?」

小さく囁くその言葉に、開きかけた唇は久方ぶりのそれにより塞がれて、言葉を紡ぐ事ができなかった。






*次は☆で~す!果たして、条件通りに事は運ぶのやら(^◇^;)??
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