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日曜日
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日曜、茜の部屋。
俺と茜は、もはやお互いの家で過ごすのが通例になっていた。
しかし俺は今日、この親しんだ習慣を壊すかもしれない。
「なぁ茜、ちょっと……いいか?」
「ん、 なぁに?」
「俺……、茜が好きなんだっ」
くっついて座る無防備な茜に、俺は突然告った。
瀬戸という、はっきりとしたライバルが現れた。
今までの、すぐ諦めてくれた野郎どもが可愛く思えるしつこさで。
もう、余裕ぶっこいてる場合じゃない。
「うん、私も葵ちゃん好きだよ」
読んでいた本から顔を上げると、茜はキョトンとしたあとニッコリと微笑んだ。
あぁ、なんて可愛い笑顔なんだ。
と、見とれてる場合じゃない。
「俺の“好き”は、友達の“好き”じゃないぞ。
茜と付き合いたいって事だぞ、言っとくけど」
俺は一気に言って、そっと茜の顔を見た。
鳩が豆鉄砲……、って顔だ。
「葵ちゃん……」
茜の視線が、痛い。
もう、フラれてもいいからハッキリさせたい。
いや……やっぱ、フラれるのは……、クソッ。
俺、泣きすぎて身長縮むかも……。
「男として茜が好きなんだ。
茜と付き合いたい、恋人になりたいんだ、ダメか?」
何とか言ってくれ、すでに泣きそうだ。
「こい……、本当に?」
「そんなの、本当に……決まってんだろ」
俺は、茜を見られなかった。
「うん、私、葵ちゃんと恋人になる」
茜はソッと、俺の胸に頭を付けた。
こんな、こんな事が……俺ひっくり返るかも。
しかし自分で言うのも何だが、幼少期から培ってきた忍耐力には自信がある。
ガツガツしないぞ、穏やかにそうっと抱きしめるんだ。
「ホントは私、瀬戸くんが葵ちゃんにベタベタしてくるのに妬いてたんだ。
でもそれで気付けたの、葵ちゃんの事を特別に好きなんだって。
この前」
この前? 最近って事だよな、いつかな。
ま、まぁこの際いっか。
「ええと、付き合うとか、そういう意味で“好き”って事で、いいんだよな?」
確かめずにはいられない俺の言葉に、茜は頷いた。
照れているらしく、赤い顔だ。
可愛い、嬉しいっ、もうダメだと思った事もあったが……報われたんだ。
茜の艶やかやな唇から、俺は頑張って目を逸らした。
大事にするんだ、ガツガツしないって思ったばっかりだろ。
俺は、培った忍耐力を遺憾なく発揮した。
「葵ちゃんが告白してくれるなんて。
葵ちゃんは、いつから私を?」
「え、その……俺は、ずっと。
幼稚園ときから、ずっと……好きなんだ」
茜は俺をまっすぐ見た。
「それは男として、ってこと?
じゃあ私、今まで葵ちゃんを困らせてたんじゃ……」
茜は俯いた。
「もういいんだ。
結構、楽しかったし」
俺がそう言うと、茜は微笑んだ。
「よかった、私、悩んでたの。
葵ちゃんに気持ち悪がられたらって、不安で」
ん?
「だって、女同士だし」
な、なんですとっ。
「あ、茜? 俺っ、男っ」
俺は慌てすぎて、ろれつが回らなかった。
「うん分かってる、心は男の子なんだよね」
分かってねぇーーーっ。
マジか、茜にはまだ俺が女に見えてんのかっ?
嘘だろ……。
「あ、茜は、……女が好きなのか?
そ、その、今まで女を」
「ううん、葵ちゃんだけ。
他のコ好きになった事ないよ、恋愛とかの意味では。
だから、初恋は葵ちゃん」
それなら、って思っていいのか?
これ、もう……どうしたらいいんだよーっ。
ーおわりー
俺と茜は、もはやお互いの家で過ごすのが通例になっていた。
しかし俺は今日、この親しんだ習慣を壊すかもしれない。
「なぁ茜、ちょっと……いいか?」
「ん、 なぁに?」
「俺……、茜が好きなんだっ」
くっついて座る無防備な茜に、俺は突然告った。
瀬戸という、はっきりとしたライバルが現れた。
今までの、すぐ諦めてくれた野郎どもが可愛く思えるしつこさで。
もう、余裕ぶっこいてる場合じゃない。
「うん、私も葵ちゃん好きだよ」
読んでいた本から顔を上げると、茜はキョトンとしたあとニッコリと微笑んだ。
あぁ、なんて可愛い笑顔なんだ。
と、見とれてる場合じゃない。
「俺の“好き”は、友達の“好き”じゃないぞ。
茜と付き合いたいって事だぞ、言っとくけど」
俺は一気に言って、そっと茜の顔を見た。
鳩が豆鉄砲……、って顔だ。
「葵ちゃん……」
茜の視線が、痛い。
もう、フラれてもいいからハッキリさせたい。
いや……やっぱ、フラれるのは……、クソッ。
俺、泣きすぎて身長縮むかも……。
「男として茜が好きなんだ。
茜と付き合いたい、恋人になりたいんだ、ダメか?」
何とか言ってくれ、すでに泣きそうだ。
「こい……、本当に?」
「そんなの、本当に……決まってんだろ」
俺は、茜を見られなかった。
「うん、私、葵ちゃんと恋人になる」
茜はソッと、俺の胸に頭を付けた。
こんな、こんな事が……俺ひっくり返るかも。
しかし自分で言うのも何だが、幼少期から培ってきた忍耐力には自信がある。
ガツガツしないぞ、穏やかにそうっと抱きしめるんだ。
「ホントは私、瀬戸くんが葵ちゃんにベタベタしてくるのに妬いてたんだ。
でもそれで気付けたの、葵ちゃんの事を特別に好きなんだって。
この前」
この前? 最近って事だよな、いつかな。
ま、まぁこの際いっか。
「ええと、付き合うとか、そういう意味で“好き”って事で、いいんだよな?」
確かめずにはいられない俺の言葉に、茜は頷いた。
照れているらしく、赤い顔だ。
可愛い、嬉しいっ、もうダメだと思った事もあったが……報われたんだ。
茜の艶やかやな唇から、俺は頑張って目を逸らした。
大事にするんだ、ガツガツしないって思ったばっかりだろ。
俺は、培った忍耐力を遺憾なく発揮した。
「葵ちゃんが告白してくれるなんて。
葵ちゃんは、いつから私を?」
「え、その……俺は、ずっと。
幼稚園ときから、ずっと……好きなんだ」
茜は俺をまっすぐ見た。
「それは男として、ってこと?
じゃあ私、今まで葵ちゃんを困らせてたんじゃ……」
茜は俯いた。
「もういいんだ。
結構、楽しかったし」
俺がそう言うと、茜は微笑んだ。
「よかった、私、悩んでたの。
葵ちゃんに気持ち悪がられたらって、不安で」
ん?
「だって、女同士だし」
な、なんですとっ。
「あ、茜? 俺っ、男っ」
俺は慌てすぎて、ろれつが回らなかった。
「うん分かってる、心は男の子なんだよね」
分かってねぇーーーっ。
マジか、茜にはまだ俺が女に見えてんのかっ?
嘘だろ……。
「あ、茜は、……女が好きなのか?
そ、その、今まで女を」
「ううん、葵ちゃんだけ。
他のコ好きになった事ないよ、恋愛とかの意味では。
だから、初恋は葵ちゃん」
それなら、って思っていいのか?
これ、もう……どうしたらいいんだよーっ。
ーおわりー
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