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1章
10話 町では撫子大人気
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やっと、町に着いた。小さい町だが町の入り口には門兵らしき者も立っている。
これは身分証明が無いから、なんやかんや言われるパターンのやつだな!やっときたな。
門兵が早速俺達に気付き近づいてくる。
「あ、デュアリス殿、お出掛けでしたか。此方のもの達は?」
デュアリス?誰だデュアリスって、兵士の視線は撫子を見ている。ああ、ナデシコ・デュアリスだったな。
門兵は撫子、俺、獣人を順に眺めると獣人で視線を止め、眉間に皺を寄せる。恐らく、相当にボロいフードを被っているしさっきまで地面で拘束されて居て土汚れに塗れている。
「ええ、私のきょうだい・・・・・です。訳あって別の国で暮らして居まして………」
嘘はついて居ない、嘘は。そう言っておけば俺達の事をどっちも弟とでも思うだろう。
門兵はしかめた顔をパッと明るくする、
「ああ!そうでしたか!済みません、これも仕事でしてね。どうぞ皆さんお通り下さい。」
あっさりと、通される。そうだよな、この町に住んでるんだもんな、殿ってのは気になるが。
さて、この町の名前は〝ラルンド〟ルース・ラルンド辺境伯が治める土地だからだ。
町の中を進んでいく、此処までかなりの人数に話しかけられた、撫子が。
なんだ、この町で有名人なのか?
それはそうとして、件の獣人は、結局連れてきた。物乞いをするくらいだ、行く所も無い。
取り敢えず撫子の家で話を聞こうと言う訳だ。町の中ではずっと俯いて歩いて居る、まあ、仕方ないだろう、仲間が殺されたんだ。
町に着いて1時間程歩いただろうか、人目があるせいでスピードを出して歩けない。うーんゆっくり歩くのも逆に疲れる。
考え事をしながら歩く、トンっと、撫子の背中にぶつかる、ふわりと香る撫子の髪の匂い。シャンプーやリンスなど無いのに、何故か、良い香りがする。
「兄様着きました、此方になります。」
「え?ここ?」
撫子の視線の先には館、と言うにふさわしい建物。門から建物まで100メートルはあるか?
門には門番が1人立っている。
「お帰りなさいませナデシコ様、いま門を開けます。」
門番が動くと、ギイっと音を立て、門が開く。
なんでも無いように、撫子が建物へ向かって進んで行く。扉の前に着くと慣れたように。扉に付いたドアノッカーをゴンゴンと鳴らす。しばらく待つと館の扉が中から開き。
「お帰りなさいませナデシコ御嬢様、御用事はお済みになった様ですね?」
「ええ、無事、用事は済んだわ。ちょうど向こうにいる時で良かったわ。だいぶ留守にしてしまってゴメンなさい、食事とお風呂の準備をお願いね?」
んん?なんか、色々とツッコミどころが凄いぞ?何この豪邸?誰この人?なんか俺の顔を見て慈しむ様な、なんと言うか え?
取り敢えずこの女性がめちゃくちゃ美人なエルフ、と言う事は理解した、耳が例の耳だからね。というか、撫子の態度よ、俺の前ではわざわざ、丁寧に接してるのか?
「それでそちらの方は・・・?」
「ちょっと成り行きでね?一応お客様として扱ってあげてね。」
獣人を見やると、その女性が撫子に尋ねる。
女性、いやメイド服を着ているから、名が解るまでメイドと呼ぼう。いや、何故か撫子もメイド服を着ているが。
と思っているとちょうど良く。
「それで、お嬢様は何故メイドの格好を?」
「向こうで着替えたのよ、兄様のお世話をさせて頂くんですもの、当然だと思うでしょう?」
ニッコリ、と言った様子だ。それを見て、メイドも微笑む、確かにと言った感じでゆっくりと頷く、
おい、お前ら本当にそれで良いのか?獣人がこっちを見る。なんだお前達は何やってると言った目だ、
そんな目で俺を見るな。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これは身分証明が無いから、なんやかんや言われるパターンのやつだな!やっときたな。
門兵が早速俺達に気付き近づいてくる。
「あ、デュアリス殿、お出掛けでしたか。此方のもの達は?」
デュアリス?誰だデュアリスって、兵士の視線は撫子を見ている。ああ、ナデシコ・デュアリスだったな。
門兵は撫子、俺、獣人を順に眺めると獣人で視線を止め、眉間に皺を寄せる。恐らく、相当にボロいフードを被っているしさっきまで地面で拘束されて居て土汚れに塗れている。
「ええ、私のきょうだい・・・・・です。訳あって別の国で暮らして居まして………」
嘘はついて居ない、嘘は。そう言っておけば俺達の事をどっちも弟とでも思うだろう。
門兵はしかめた顔をパッと明るくする、
「ああ!そうでしたか!済みません、これも仕事でしてね。どうぞ皆さんお通り下さい。」
あっさりと、通される。そうだよな、この町に住んでるんだもんな、殿ってのは気になるが。
さて、この町の名前は〝ラルンド〟ルース・ラルンド辺境伯が治める土地だからだ。
町の中を進んでいく、此処までかなりの人数に話しかけられた、撫子が。
なんだ、この町で有名人なのか?
それはそうとして、件の獣人は、結局連れてきた。物乞いをするくらいだ、行く所も無い。
取り敢えず撫子の家で話を聞こうと言う訳だ。町の中ではずっと俯いて歩いて居る、まあ、仕方ないだろう、仲間が殺されたんだ。
町に着いて1時間程歩いただろうか、人目があるせいでスピードを出して歩けない。うーんゆっくり歩くのも逆に疲れる。
考え事をしながら歩く、トンっと、撫子の背中にぶつかる、ふわりと香る撫子の髪の匂い。シャンプーやリンスなど無いのに、何故か、良い香りがする。
「兄様着きました、此方になります。」
「え?ここ?」
撫子の視線の先には館、と言うにふさわしい建物。門から建物まで100メートルはあるか?
門には門番が1人立っている。
「お帰りなさいませナデシコ様、いま門を開けます。」
門番が動くと、ギイっと音を立て、門が開く。
なんでも無いように、撫子が建物へ向かって進んで行く。扉の前に着くと慣れたように。扉に付いたドアノッカーをゴンゴンと鳴らす。しばらく待つと館の扉が中から開き。
「お帰りなさいませナデシコ御嬢様、御用事はお済みになった様ですね?」
「ええ、無事、用事は済んだわ。ちょうど向こうにいる時で良かったわ。だいぶ留守にしてしまってゴメンなさい、食事とお風呂の準備をお願いね?」
んん?なんか、色々とツッコミどころが凄いぞ?何この豪邸?誰この人?なんか俺の顔を見て慈しむ様な、なんと言うか え?
取り敢えずこの女性がめちゃくちゃ美人なエルフ、と言う事は理解した、耳が例の耳だからね。というか、撫子の態度よ、俺の前ではわざわざ、丁寧に接してるのか?
「それでそちらの方は・・・?」
「ちょっと成り行きでね?一応お客様として扱ってあげてね。」
獣人を見やると、その女性が撫子に尋ねる。
女性、いやメイド服を着ているから、名が解るまでメイドと呼ぼう。いや、何故か撫子もメイド服を着ているが。
と思っているとちょうど良く。
「それで、お嬢様は何故メイドの格好を?」
「向こうで着替えたのよ、兄様のお世話をさせて頂くんですもの、当然だと思うでしょう?」
ニッコリ、と言った様子だ。それを見て、メイドも微笑む、確かにと言った感じでゆっくりと頷く、
おい、お前ら本当にそれで良いのか?獣人がこっちを見る。なんだお前達は何やってると言った目だ、
そんな目で俺を見るな。
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