66 / 217
幕間 変革の予兆編
それはセクハラです?
しおりを挟む
「近くの宿場町から専用の送迎馬車を走らせれば、集客には繋がるかもしれませんけど、それもまたお金のかかる話です。二兎追う者はなんとやらと言いますし、庶民相手の商売はまたの機会にするのがよろしいかと」
「そうじゃのう。欲張っては元も子もないか」
渋々といった感じだが、レーリアは納得したようだ。
「まあ、もし庶民向けの何かがしたいとおっしゃるんでしたら、遠方から来る観光客やのうて地元の人らに利用してもらうのが一番ですわ。そこの人らが観光資源のよさを知らんことには、よそのお客さんに売り込まれへんですからね」
「領民にか? 確かにそなたの言うことは一理あるが、それで儲かるのか?」
「観光客が落とすモンと比べれば少額かもしれませんけど、日々一定の収入が得られるので損はありません。ほら、景気や気候によってお客さんは増減しますけど、その土地に根付いてる人らの数はそう変わることはないでしょう?」
「なるほど。毎日少しでも利用客がいれば、最悪でも損失は抑えられるということか」
「ええ。設備投資を少額で済ませるなら、足湯がお勧めですわ。足を浸けるだけで全身温まって足腰がようなると、ポルカ村でも評判ええんです。温泉の湯で洗顔や清拭をすると肌ツヤがようなるんで、それを売るようにするのも案外儲かります。くわしくはお手元の資料でご確認ください」
「ほう……初期の投資額が高い割に料金設定が安いので、採算が合わんような気がしたが、結果的にはプラスに転じておるのう。おや、税収も上がっておるな」
「温泉が健康の源なんは、レーリア様もようご存知でしょう」
「ほほ、そうであったなぁ」
ポルカ村での足湯や温泉水の売り上げは、一部は税として公爵家に納められているが、ほとんどが村の公共事業や温泉設備の整備費用に回され、地元民に還元されている。
一見領主側に益がないように見えるが、村人たちが健康になり、生活環境を整えることで、仕事のパフォーマンスが上がって総合的な税収も上がる、というわけだ。
「どうです、悪い話やないでしょう? ああ、それと、温泉の通るパイプを地中に巡らせてると、冬場でも下からほんのり温かいですし、雪が積もりにくい効果があります」
「バードヒルの冬は厳しいからのう。先の大雪の時も随分民は苦労したようじゃ。それがあれば暮らしが楽になるのう。温泉とは民草にも大きな恩恵があるのじゃな」
「左様ですわ。ああそれと、その熱を利用すれば宿の暖房費も浮きますし、温室を作れば年中きれいな花が楽しめる植物園もできますね。観光の目玉になると思いますよ」
「なんと、そういう使い道もあるのか。かように利用価値が高いものを掘り当てるとは、わらわはついておるのう」
ご機嫌に笑いながら、羽扇をゆるゆるとあおぐレーリア。
女王様然としたその姿は、一線を退いてなお王妃の貫禄がありありと感じられる。
「今日は実に有意義な話を聞けた。そなたはほんによう頭の回る娘じゃのう。ミリアルドがあのような女狐に入れ込みさえせなんだら、そなたが王妃の座を得ていたであろうに。あやつは父親に似て女を見る目がないわ」
「いやいや、ウチでは到底そんな大役務まりませんわ。アーメンガート嬢が引き受けてくれて、命拾いしたと思うてるくらいです」
謙遜しているわけではなく、嘘偽りない本音だ。
王妃教育となれば、勉強も行儀作法も通常の何倍も厳しくなるだろう。今でもやっとこさ合格をもらってるほどなのに、そんなの絶対にクリアできるわけがない。ましてやそれが好きでもない相手のためなんて、なおのことモチベーションが上がるわけがない。
ジゼルが半泣きになりながらも頑張ってきたのは、未来の自分への投資でもあるが、家族が恥をかかないようにという気持ちも強い。結局人間は自分のためよりも、誰かのための方が頑張れるということだ。
そういう自身のスペックの問題以外にも、もしうっかりミリアルドの婚約者に選ばれていたら、断罪フラグをぶっ立ててしまいかねなかった。
一般的な悪役令嬢のように、優れた美貌があればまた違っただろうが、大阪弁を操るぽっちゃりブサ猫では、王子様とのロマンスもへったくれもない。あれこれチートっぽいことをやっても「デブスのくせに生意気だ」と反感を買うだけで、微塵も好感度が上がりそうにない。
あの時アーメンガートが闖入してきて、本気で命拾いしたと思っていい。
一方的に敵視され喧嘩を売られているのは迷惑しているが、こちらの断罪フラグを折ってくれたことには感謝している。
ジゼルも社交界に出入りするうちに、あのお茶会前から自分がミリアルドの婚約者に内々定していたことは、薄っすらと聞き及んでいた。
だから両親は景気よく送り出したのだろうし、それでいて、アーメンガートが選ばれたと知って「裏切られた」と騒がなかったのは、なんだかんだでジゼルを嫁に出したくなかったからに違いない。
愛されていると言えば聞こえはいいが、上級貴族なのに出世欲や権威欲がなさすぎてちょっと心配になる……などと横道にそれた思考を巡らせつつ、一口大の焼き菓子を頬張っていると、
「そうか? まあ、ミリアルドではそなたの伴侶としては役者不足ではあるな。そうじゃ、わらわの愚息のどちらかをもらってくれんかのう。王妃は無理でも、王子妃ならよかろう。いずれは臣下に下る気楽な稼業じゃ」
「ぶほっ、げほっ……!?」
余った野菜をおすそ分けします、みたいな軽い口調で結婚話を持ちかけられ、飲み込みかけの焼き菓子の欠片が変なところに入って大いにむせた。
彼女の息子といえば、どんなボンクラだろうと一応はこの国の王子だ。ミリアルドが即位すればいずれ臣籍降下する身ではあるが、そんな酒の席のノリじみたもので結婚していい相手ではない。
「まあまあ。大丈夫ですか、ジゼル様」
「けほ、あ、はい……」
慌てたマリーから水を受け取り、お行儀が悪いと思いつつもグイッと飲み干して洗い流す。
「いや、あの、ウチはともかく、息子さんらからしたら不幸以外の何物でもないかと……こんな妙チクリンなデブスを嫁にもらうとか、最低最悪の罰ゲームやないですか」
「そうかのう? ほれ、よく言うじゃろう『美人は飽きるがブスは慣れる』と」
「レーリア様、全っ然フォローになっておりません」
有名な格言を発するレーリアに、マリーが語気強く突っ込んだ。
「うーむ、真理をついた言葉だと思うのじゃが……お、そこの従者はどう思う?」
「……はい? 私ですか?」
真顔をつくろいつつもこっそり笑いをかみ殺していたテッドは、急に話を振られて目をしばたかせたが、王妃からの問いかけだというのに、これといった動揺もなく返答した。
「そうですね……まあ、確かに言い得て妙ではありますね。私も長くお仕えして慣れましたからねぇ、お嬢様の特徴的すぎるご尊顔に」
「あんなぁ。その遠回しな言い方、逆に傷つくんやけど」
「それは失礼しました、世界で一番美しいお嬢様」
「見え透いた嘘はもっと傷つくわ」
これまで散々聞えよがしな悪口陰口を耳にしてきたので、その程度の発言で傷つくほどやわな心はしていないが。
「おや、これはまた随分息の合った主従じゃのう。恋仲か?」
「え……」
いつもの主従漫才を見ながらニヤニヤ顔で問うてきたレーリアに、ジゼルは意識せず虚無の顔になり、地を這うような低い声を出してしまった。
それだけで場の空気が凍り付く。
ここでジゼルがポッと頬を赤らめ、「い、嫌ですわ、レーリア様ったらぁ!」とまんざらでもない顔をすれば、ラブコメのお約束な展開になったのかもしれないが、そもそもテッドに対してそんな感情を微塵も持ち合わせていないし、彼が婿など貧乏くじ以外の何物でもない。
「も、もう、レーリア様。ご冗談が過ぎますわ。お若い方をからかうのはほどほどになさいませ」
「う、うむ。そうじゃな。ほほほ、なぁに年寄りの戯言じゃ。気にするでないぞ」
直接言葉にしたわけではないが、ジゼルの言わんとすることを気配で感じ取ったのか、マリーが引きつった笑みを浮かべながら取りなすように言うと、レーリアも同調して乾いた笑い声をあげる。
五年以上傍にいるのに、微塵も意識されていないなんて誰が予想しただろうか。
レーリアはこっそり不甲斐ない息子をねめつけるが、それをそよ風ほどのようにしか感じていない涼しい顔で佇んでいた。
我が子ながらいい根性をしている――と感心している場合ではない。
愛娘の傍に血の繋がらない男を置くことを、最後まで渋っていたケネスを言いくるめ……もとい宥めて息子を従者にさせたのは、社会勉強という側面もあったが、ほかならぬ彼の強い希望でもあった。
「そうじゃのう。欲張っては元も子もないか」
渋々といった感じだが、レーリアは納得したようだ。
「まあ、もし庶民向けの何かがしたいとおっしゃるんでしたら、遠方から来る観光客やのうて地元の人らに利用してもらうのが一番ですわ。そこの人らが観光資源のよさを知らんことには、よそのお客さんに売り込まれへんですからね」
「領民にか? 確かにそなたの言うことは一理あるが、それで儲かるのか?」
「観光客が落とすモンと比べれば少額かもしれませんけど、日々一定の収入が得られるので損はありません。ほら、景気や気候によってお客さんは増減しますけど、その土地に根付いてる人らの数はそう変わることはないでしょう?」
「なるほど。毎日少しでも利用客がいれば、最悪でも損失は抑えられるということか」
「ええ。設備投資を少額で済ませるなら、足湯がお勧めですわ。足を浸けるだけで全身温まって足腰がようなると、ポルカ村でも評判ええんです。温泉の湯で洗顔や清拭をすると肌ツヤがようなるんで、それを売るようにするのも案外儲かります。くわしくはお手元の資料でご確認ください」
「ほう……初期の投資額が高い割に料金設定が安いので、採算が合わんような気がしたが、結果的にはプラスに転じておるのう。おや、税収も上がっておるな」
「温泉が健康の源なんは、レーリア様もようご存知でしょう」
「ほほ、そうであったなぁ」
ポルカ村での足湯や温泉水の売り上げは、一部は税として公爵家に納められているが、ほとんどが村の公共事業や温泉設備の整備費用に回され、地元民に還元されている。
一見領主側に益がないように見えるが、村人たちが健康になり、生活環境を整えることで、仕事のパフォーマンスが上がって総合的な税収も上がる、というわけだ。
「どうです、悪い話やないでしょう? ああ、それと、温泉の通るパイプを地中に巡らせてると、冬場でも下からほんのり温かいですし、雪が積もりにくい効果があります」
「バードヒルの冬は厳しいからのう。先の大雪の時も随分民は苦労したようじゃ。それがあれば暮らしが楽になるのう。温泉とは民草にも大きな恩恵があるのじゃな」
「左様ですわ。ああそれと、その熱を利用すれば宿の暖房費も浮きますし、温室を作れば年中きれいな花が楽しめる植物園もできますね。観光の目玉になると思いますよ」
「なんと、そういう使い道もあるのか。かように利用価値が高いものを掘り当てるとは、わらわはついておるのう」
ご機嫌に笑いながら、羽扇をゆるゆるとあおぐレーリア。
女王様然としたその姿は、一線を退いてなお王妃の貫禄がありありと感じられる。
「今日は実に有意義な話を聞けた。そなたはほんによう頭の回る娘じゃのう。ミリアルドがあのような女狐に入れ込みさえせなんだら、そなたが王妃の座を得ていたであろうに。あやつは父親に似て女を見る目がないわ」
「いやいや、ウチでは到底そんな大役務まりませんわ。アーメンガート嬢が引き受けてくれて、命拾いしたと思うてるくらいです」
謙遜しているわけではなく、嘘偽りない本音だ。
王妃教育となれば、勉強も行儀作法も通常の何倍も厳しくなるだろう。今でもやっとこさ合格をもらってるほどなのに、そんなの絶対にクリアできるわけがない。ましてやそれが好きでもない相手のためなんて、なおのことモチベーションが上がるわけがない。
ジゼルが半泣きになりながらも頑張ってきたのは、未来の自分への投資でもあるが、家族が恥をかかないようにという気持ちも強い。結局人間は自分のためよりも、誰かのための方が頑張れるということだ。
そういう自身のスペックの問題以外にも、もしうっかりミリアルドの婚約者に選ばれていたら、断罪フラグをぶっ立ててしまいかねなかった。
一般的な悪役令嬢のように、優れた美貌があればまた違っただろうが、大阪弁を操るぽっちゃりブサ猫では、王子様とのロマンスもへったくれもない。あれこれチートっぽいことをやっても「デブスのくせに生意気だ」と反感を買うだけで、微塵も好感度が上がりそうにない。
あの時アーメンガートが闖入してきて、本気で命拾いしたと思っていい。
一方的に敵視され喧嘩を売られているのは迷惑しているが、こちらの断罪フラグを折ってくれたことには感謝している。
ジゼルも社交界に出入りするうちに、あのお茶会前から自分がミリアルドの婚約者に内々定していたことは、薄っすらと聞き及んでいた。
だから両親は景気よく送り出したのだろうし、それでいて、アーメンガートが選ばれたと知って「裏切られた」と騒がなかったのは、なんだかんだでジゼルを嫁に出したくなかったからに違いない。
愛されていると言えば聞こえはいいが、上級貴族なのに出世欲や権威欲がなさすぎてちょっと心配になる……などと横道にそれた思考を巡らせつつ、一口大の焼き菓子を頬張っていると、
「そうか? まあ、ミリアルドではそなたの伴侶としては役者不足ではあるな。そうじゃ、わらわの愚息のどちらかをもらってくれんかのう。王妃は無理でも、王子妃ならよかろう。いずれは臣下に下る気楽な稼業じゃ」
「ぶほっ、げほっ……!?」
余った野菜をおすそ分けします、みたいな軽い口調で結婚話を持ちかけられ、飲み込みかけの焼き菓子の欠片が変なところに入って大いにむせた。
彼女の息子といえば、どんなボンクラだろうと一応はこの国の王子だ。ミリアルドが即位すればいずれ臣籍降下する身ではあるが、そんな酒の席のノリじみたもので結婚していい相手ではない。
「まあまあ。大丈夫ですか、ジゼル様」
「けほ、あ、はい……」
慌てたマリーから水を受け取り、お行儀が悪いと思いつつもグイッと飲み干して洗い流す。
「いや、あの、ウチはともかく、息子さんらからしたら不幸以外の何物でもないかと……こんな妙チクリンなデブスを嫁にもらうとか、最低最悪の罰ゲームやないですか」
「そうかのう? ほれ、よく言うじゃろう『美人は飽きるがブスは慣れる』と」
「レーリア様、全っ然フォローになっておりません」
有名な格言を発するレーリアに、マリーが語気強く突っ込んだ。
「うーむ、真理をついた言葉だと思うのじゃが……お、そこの従者はどう思う?」
「……はい? 私ですか?」
真顔をつくろいつつもこっそり笑いをかみ殺していたテッドは、急に話を振られて目をしばたかせたが、王妃からの問いかけだというのに、これといった動揺もなく返答した。
「そうですね……まあ、確かに言い得て妙ではありますね。私も長くお仕えして慣れましたからねぇ、お嬢様の特徴的すぎるご尊顔に」
「あんなぁ。その遠回しな言い方、逆に傷つくんやけど」
「それは失礼しました、世界で一番美しいお嬢様」
「見え透いた嘘はもっと傷つくわ」
これまで散々聞えよがしな悪口陰口を耳にしてきたので、その程度の発言で傷つくほどやわな心はしていないが。
「おや、これはまた随分息の合った主従じゃのう。恋仲か?」
「え……」
いつもの主従漫才を見ながらニヤニヤ顔で問うてきたレーリアに、ジゼルは意識せず虚無の顔になり、地を這うような低い声を出してしまった。
それだけで場の空気が凍り付く。
ここでジゼルがポッと頬を赤らめ、「い、嫌ですわ、レーリア様ったらぁ!」とまんざらでもない顔をすれば、ラブコメのお約束な展開になったのかもしれないが、そもそもテッドに対してそんな感情を微塵も持ち合わせていないし、彼が婿など貧乏くじ以外の何物でもない。
「も、もう、レーリア様。ご冗談が過ぎますわ。お若い方をからかうのはほどほどになさいませ」
「う、うむ。そうじゃな。ほほほ、なぁに年寄りの戯言じゃ。気にするでないぞ」
直接言葉にしたわけではないが、ジゼルの言わんとすることを気配で感じ取ったのか、マリーが引きつった笑みを浮かべながら取りなすように言うと、レーリアも同調して乾いた笑い声をあげる。
五年以上傍にいるのに、微塵も意識されていないなんて誰が予想しただろうか。
レーリアはこっそり不甲斐ない息子をねめつけるが、それをそよ風ほどのようにしか感じていない涼しい顔で佇んでいた。
我が子ながらいい根性をしている――と感心している場合ではない。
愛娘の傍に血の繋がらない男を置くことを、最後まで渋っていたケネスを言いくるめ……もとい宥めて息子を従者にさせたのは、社会勉強という側面もあったが、ほかならぬ彼の強い希望でもあった。
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつもりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。