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爆誕!殿下と側近のハートフルを目指せ!⑥

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アルヴェンが手をかざすと、ポワ…と光の玉が浮かぶ。炎魔法と風魔法の融合だ。
ほへ~相変わらずすんごい技使うな、とクラリスは思った。魔法術はくそめんどくさいof the yearみたいな暗号の積み重ねなので省略するが、重ね魔法というのはすんごい難しい。どれくらい難しいかと言うと棒を念術で浮かび上がらせようとするくらいには難しい。もっと言えば普通の人はできない。それをあっさりやってのけるのだから王太子っていう人は………!
でもそういう完璧パーフェクトヒューマンの王太子が、唯一勝てないのが側近。口でももちろんそういった意味でも勝てない殿下が「くっ…」ってなるのは絶対いい文化だと思う。くっ殺はどの時代も最高の文明なのである。
まあこれは全てクラリスの妄想なのであるが。

そんなことをつらつらクラリスが考えていると、部屋の温度がふわりと上がった。気分で言うのなら暖房が着いたような心持ちだった。

「さすがです、殿下」

「これくらいでいいかな………。どう?クラリス、寒くないかな」

「さすがですわ、殿下」

私もカルロスと合わせて言うと、殿下がふ、と微笑んだ。カルロスは微妙そうな顔だ。セリフをそのままパクられればそうなるのも分かるが、しかしクラリスは勢いの激しいオタク。止まったら死ぬ。マグロなのである。微妙そうな顔をしたカルロス=嫉妬!!と結びつけてのである。暴走するオタクほど手がつけられないものはない。クラリスはいつも後になって少しやりすぎたかも……と反省するタイプの人間である。だけどその反省を行かせたことがない。悲しい性質である。

「それで………と、」

その時アルヴィンがクラリスの手をがっつり掴んだ。あら?いつの間にこんなに近くにいたかしら……とクラリスは首を傾げる。だけど最高にそれところではない。
アルヴィンは顔は笑ってるものの目は笑っていなかった。簡単に言うとちょっぴりおこである。絶対零度のような吹雪いた視線を向けられればさすがのクラリスもわかる。あ~~~~~これはオワタ!?かな!?とクラリスは考えた。ちなみにクラリスのネット用語はほぼほぼ死語で構成されている。これは彼女が昭和時代に亡くなったとかそういう話ではない。ただ単に彼女がインターネットババアなのである。
いつまでも古い用語を忘れられないのである………!ハートを作ってと言われれば手でハートを作るし未だにやばたにえんだって言う。いや、口には出さないけど。心ではいつもフルスロットルなのである!

「え、ええと………何でございましょう、殿下………」

しおらしくクラリスは告げた!心は全くしおらしくないのに、これぞ演技力!中学生の時に木という大役を任せられたクラリスの精一杯の演技である!
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