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クワイエット・テラー
青い希望 Ⅴ
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ミソノは、ルミナの背後で、事の行く末を不安そうな表情で見守っていた。レインはどうしているかと思い、迎撃チームの隊員が溜まっている場所に目を向けると、レインの姿がなかった。
慌てて指令フロア中を見渡すと、ちょうど指令フロアのエントランスへの階段を上ってそこから出ていこうとしているレインの姿があった。ミソノが一目散にそんなレインのもとに駆けつける。
「ちょっと、アンタ!」
レインはミソノに声をかけられ、ビクッとした。レインは「ああ、見つかってしまった」と言わんばかりに、肩を落とした。
「どこに行くのよ!?」
「ああ、ちょっとね」レインはぎこちない表情で答えた。
「ちょっとって何よ!こんな大事なときに作戦本部を抜け出すなんて!」
「まあ、なんというか……サバカの仕事を手伝いに行こうと思っただけさ」
「サバカって!」
ミソノは思わず声のトーンが大きくなってしまい、慌てて口を抑えた。そして、なるべく小声になるように努めて話した。
「マトリウム炉の侵入者のこと?そんなの放っておきなさいよ!いくら馬鹿なアンタでも、今はどっちを優先すべきか分からないというわけではないでしょう?」
「でもたった今待機命令が出たばかりだろう。ここにいてもやれることはないさ」
ミソノは、頭を抱えて、卒倒しそうなぐらい体をのけぞらせ、大げさに呆れ果てているというジェスチャーを見せた。
「あんたロイス顧問のおっしゃられたことを聞いてなかったわけ?次のパメラがダメだったら今度こそ私たちの出番よ!皆出動に備え始めているわ!あんた今バックれたら顰蹙もんよ」
ミソノは必死でレインを行かせないように説得するが、レインはすました顔をしていて、自分の行動に対して何の疑いも持っていないようでなった。
「みんな、あんなにパメラを信じていたのにな。今じゃ誰1人信用していない」
「それは!」そう言ってミソノは一瞬言葉が詰まった。
「それは?」
「こういう状況になってしまったんだから、仕方がないじゃない……」
ミソノの口調に勢いがなくなっていた。レインは今が好機と見た。
「それじゃあ、少し行ってくるよ。心配は無用だよ。」
「だめよ!アンタがいなくなったら、責められるのは私よ!私に迷惑をかけるんだから!」
ミソノは眉間にしわを寄せて、必死に食い下がった。
「そんな顔しなくてもいいじゃないか」レインはやや困惑した表情を見せて言った。「じゃあ、こうしよう。今を持って、ミソノは俺のお目付役を解任する!ご苦労であった!」
レインはおざなりの敬礼をして、ミソノを振りきって、作戦本部をこっそりと出て行った。ミソノは、レインの行動が全く理解できなかった。
「もう勝手にすれば!どうなっても助けてやらないからね!」
そう吐き捨てて、レインを冷たい目で見送った。
一方、フロアの中心部ではロイスとヒクマを中心に、作戦の練り直しが始まっていた。限られた時間の中で、あらゆる事態を想定して、各自の役割を確認しあっている。そんな中、ルミナは、1人エントランスの扉に佇むミソノを見つけた。
「レインはどうかしたの?」
ルミナが肩を落としているミソノに声をかけた。
「え?あの、それは……」
ミソノは突然ルミナに話しかけられ、狼狽した。
「なんかさっきの迎撃戦のときに腰を少しやったとかで、医務室の方に向かったんだと思います!こんな大事なときに、本当にどうしようもない男でして!」
ミソノはとっさに嘘をついた。憧れの人に対して嘘をつくことは心がとても痛いことであるはずなのに、言った後どうしてレインなんかのためにとミソノはひどく後悔した。
「そう」ルミナは優しく微笑んだ。「じゃあ、レインの分まであなたが頑張らないとね」
「は、はい!」
ミソノが元気よく返事をした直後のことだった。
急にフロア内が真っ青に染まる。目が眩むほどの鮮烈な青だ。そして数秒後、遠くから大きな爆発音が数回、断続的に聞こえてきた。不意を突かれて、SOMMEの隊員らは、悲鳴にも似た声をあげる。
「パメラ・ブライズ!」ルミナが叫んだ。
「明らかに1度目をはるかに超える出力だ!」ロイスも声を張り上げた。「MIOの連中!なんという無茶を……!」
「アラヤ!すぐに淀み反応をチェックして!」ルミナがアラヤを急かした。
「今の一撃で、こちらのシステムにも影響が出ています!コンピュータが思うように反応してくれません!すぐには無理かもしれません!」
アラヤが一心不乱にSOMMEのメインコンピュータを操作しながら答えた。
「いいわ!最善を尽くして!」
ルミナが正面モニターの前に駆けつけて、目視で根絶者の状態を確認しようとした。しかし、一度目以上に厚い煙が根絶者を包み隠している。
「何も見えない……」
ルミナはロイスの方をちらりと見た。ロイスは、改めてMIOを止められなかったことを後悔しているようで、呆然と立ち尽くしていた。ルミナは、こういうときこそ指揮官として冷静にならねばと自分に言い聞かせた。
ヒクマがルミナに声をかける。
「こんな状態じゃあ、上空からの攻撃は無理だな」
「そうね。行きつまりよ。煙が晴れるのを待つしかないわ。待ってばかりで、もどかしいけれど」
ヒクマは腕を組み、いつもに増して真剣な表情で言った。
「すごい威力だ。どんだけマトリウム炉に負荷がかかったんだろうな……」
ルミナは、ヒクマのその言葉にピンときた。
「もしかして、あの遅れて聞こえた爆発音は……!」
ルミナがそう言うと、ヒクマもルミナの言わんとしていることに気づいた。
「パメラ・ブライズがイサゴージュにぶつかった衝撃じゃなくて、マトリウム炉が爆発した音か!」
ヒクマはロイスにこれ以上心労を与えないように、ルミナにしか聞こえないぐらいの小声で言った。
「あなたにしては、珍しい気配りね。きっとすでに該当地区のセドレットが動いているはずよ。彼らに任せましょう」
「そうだな。」
次々と起こる難題に、ルミナたちが気を揉んでいると、アラヤの声が司令室内に響き渡った。
「分析、なんとかできました!淀み反応は……ゼロです!」
がっくりと肩を落として放心状態だったロイスが、その報告で息を吹き返した。ロイスよりも先にヒクマがアラヤに言った。
「どういうことだよ!?死んだってことか!?」
「わ、わかりません」アラヤは一旦自分を落ち着かせて言った。「死んでいるかもしれません。仮に死んでいなくても、死んでいる状態にかなり近いと思われます。」
「瀕死ってことか?」
「瀕死というのも違います。瀕死でしたら、少ないながらも淀み反応があるはずですから」
アラヤは冷静に答えた。それとは対照的に、ヒクマは興奮気味に問いかける。
「それは、好ましい状況なのか!?」
「数値だけ見れば、好ましいと言えるでしょう。ただ、1度目でもパメラ・ブライズの攻撃を受けた後、淀み反応は下がっていました。今回もそのパターンであるとしたら……」
アラヤがその先の言葉を言いあぐねていると、ロイスが口を挟んだ。
「不気味な状態だな。」
「ええ、油断はできませんね。」
ルミナがアラヤの代わりに答えた。
「MIOはこの状況をどう捉えているでしょうか?」
「おそらく、もう勝った気でいるだろうな。今すぐにでも祝勝のワインでも乾杯したいところだろう。もちろん、本当にそうであるなら、それに越したことはないが。」
ロイスも、これで本当に決着がついたならば、今すぐにでもMIOの本部に向かって、ゼーヴらにさきほどの非礼を詫び、一杯酌み交わすことを厭わないと思っていた。しかし、ロイスをはじめ、そこにいたほとんどの者が、これで決着がついたということに対しては懐疑的であった。
「私たちの見解を伝えるべきでは?」
ルミナがそういうと、ロイスは頭を振った。
「いや、我々の見解など聞く耳持たないだろう。さっきの対応を見ればわかる。それに彼らのブレーンは研究所だ。私たちが口を挟むとややこしいことになりかねん」
「そんなこと言っている場合ですか!」ヒクマはとっさにそう口に出てしまったが、すぐに己の無礼な物言いに気づいて「すいません」と謝罪した。
「いや、謝るのは私のほうだ。上層部のシガラミを打破できない私を許してくれ。」
ロイスらが、アラヤの示したデータについて話し合っている間に、厚い煙は晴れていた。データと真実が一致しているか、それともデータとかけ離れた状況がそこに現れるのか、緊張感が張り詰める中、真剣な眼差しが正面モニターに注ぎ込まれていた。
ようやく、根絶者の頭部が露わになったとき、全員の期待に満ちた表情に影を落とした。
「なんじゃこりゃ……」ヒクマがボソッとつぶやいた。
根絶者の頭部は依然としてそこにあり、埋め込まれている球体全てが破れただけのようだ。橙色の液体が激しくあたりに飛び散り、残液がどろどろと滴り落ちているだけだった
慌てて指令フロア中を見渡すと、ちょうど指令フロアのエントランスへの階段を上ってそこから出ていこうとしているレインの姿があった。ミソノが一目散にそんなレインのもとに駆けつける。
「ちょっと、アンタ!」
レインはミソノに声をかけられ、ビクッとした。レインは「ああ、見つかってしまった」と言わんばかりに、肩を落とした。
「どこに行くのよ!?」
「ああ、ちょっとね」レインはぎこちない表情で答えた。
「ちょっとって何よ!こんな大事なときに作戦本部を抜け出すなんて!」
「まあ、なんというか……サバカの仕事を手伝いに行こうと思っただけさ」
「サバカって!」
ミソノは思わず声のトーンが大きくなってしまい、慌てて口を抑えた。そして、なるべく小声になるように努めて話した。
「マトリウム炉の侵入者のこと?そんなの放っておきなさいよ!いくら馬鹿なアンタでも、今はどっちを優先すべきか分からないというわけではないでしょう?」
「でもたった今待機命令が出たばかりだろう。ここにいてもやれることはないさ」
ミソノは、頭を抱えて、卒倒しそうなぐらい体をのけぞらせ、大げさに呆れ果てているというジェスチャーを見せた。
「あんたロイス顧問のおっしゃられたことを聞いてなかったわけ?次のパメラがダメだったら今度こそ私たちの出番よ!皆出動に備え始めているわ!あんた今バックれたら顰蹙もんよ」
ミソノは必死でレインを行かせないように説得するが、レインはすました顔をしていて、自分の行動に対して何の疑いも持っていないようでなった。
「みんな、あんなにパメラを信じていたのにな。今じゃ誰1人信用していない」
「それは!」そう言ってミソノは一瞬言葉が詰まった。
「それは?」
「こういう状況になってしまったんだから、仕方がないじゃない……」
ミソノの口調に勢いがなくなっていた。レインは今が好機と見た。
「それじゃあ、少し行ってくるよ。心配は無用だよ。」
「だめよ!アンタがいなくなったら、責められるのは私よ!私に迷惑をかけるんだから!」
ミソノは眉間にしわを寄せて、必死に食い下がった。
「そんな顔しなくてもいいじゃないか」レインはやや困惑した表情を見せて言った。「じゃあ、こうしよう。今を持って、ミソノは俺のお目付役を解任する!ご苦労であった!」
レインはおざなりの敬礼をして、ミソノを振りきって、作戦本部をこっそりと出て行った。ミソノは、レインの行動が全く理解できなかった。
「もう勝手にすれば!どうなっても助けてやらないからね!」
そう吐き捨てて、レインを冷たい目で見送った。
一方、フロアの中心部ではロイスとヒクマを中心に、作戦の練り直しが始まっていた。限られた時間の中で、あらゆる事態を想定して、各自の役割を確認しあっている。そんな中、ルミナは、1人エントランスの扉に佇むミソノを見つけた。
「レインはどうかしたの?」
ルミナが肩を落としているミソノに声をかけた。
「え?あの、それは……」
ミソノは突然ルミナに話しかけられ、狼狽した。
「なんかさっきの迎撃戦のときに腰を少しやったとかで、医務室の方に向かったんだと思います!こんな大事なときに、本当にどうしようもない男でして!」
ミソノはとっさに嘘をついた。憧れの人に対して嘘をつくことは心がとても痛いことであるはずなのに、言った後どうしてレインなんかのためにとミソノはひどく後悔した。
「そう」ルミナは優しく微笑んだ。「じゃあ、レインの分まであなたが頑張らないとね」
「は、はい!」
ミソノが元気よく返事をした直後のことだった。
急にフロア内が真っ青に染まる。目が眩むほどの鮮烈な青だ。そして数秒後、遠くから大きな爆発音が数回、断続的に聞こえてきた。不意を突かれて、SOMMEの隊員らは、悲鳴にも似た声をあげる。
「パメラ・ブライズ!」ルミナが叫んだ。
「明らかに1度目をはるかに超える出力だ!」ロイスも声を張り上げた。「MIOの連中!なんという無茶を……!」
「アラヤ!すぐに淀み反応をチェックして!」ルミナがアラヤを急かした。
「今の一撃で、こちらのシステムにも影響が出ています!コンピュータが思うように反応してくれません!すぐには無理かもしれません!」
アラヤが一心不乱にSOMMEのメインコンピュータを操作しながら答えた。
「いいわ!最善を尽くして!」
ルミナが正面モニターの前に駆けつけて、目視で根絶者の状態を確認しようとした。しかし、一度目以上に厚い煙が根絶者を包み隠している。
「何も見えない……」
ルミナはロイスの方をちらりと見た。ロイスは、改めてMIOを止められなかったことを後悔しているようで、呆然と立ち尽くしていた。ルミナは、こういうときこそ指揮官として冷静にならねばと自分に言い聞かせた。
ヒクマがルミナに声をかける。
「こんな状態じゃあ、上空からの攻撃は無理だな」
「そうね。行きつまりよ。煙が晴れるのを待つしかないわ。待ってばかりで、もどかしいけれど」
ヒクマは腕を組み、いつもに増して真剣な表情で言った。
「すごい威力だ。どんだけマトリウム炉に負荷がかかったんだろうな……」
ルミナは、ヒクマのその言葉にピンときた。
「もしかして、あの遅れて聞こえた爆発音は……!」
ルミナがそう言うと、ヒクマもルミナの言わんとしていることに気づいた。
「パメラ・ブライズがイサゴージュにぶつかった衝撃じゃなくて、マトリウム炉が爆発した音か!」
ヒクマはロイスにこれ以上心労を与えないように、ルミナにしか聞こえないぐらいの小声で言った。
「あなたにしては、珍しい気配りね。きっとすでに該当地区のセドレットが動いているはずよ。彼らに任せましょう」
「そうだな。」
次々と起こる難題に、ルミナたちが気を揉んでいると、アラヤの声が司令室内に響き渡った。
「分析、なんとかできました!淀み反応は……ゼロです!」
がっくりと肩を落として放心状態だったロイスが、その報告で息を吹き返した。ロイスよりも先にヒクマがアラヤに言った。
「どういうことだよ!?死んだってことか!?」
「わ、わかりません」アラヤは一旦自分を落ち着かせて言った。「死んでいるかもしれません。仮に死んでいなくても、死んでいる状態にかなり近いと思われます。」
「瀕死ってことか?」
「瀕死というのも違います。瀕死でしたら、少ないながらも淀み反応があるはずですから」
アラヤは冷静に答えた。それとは対照的に、ヒクマは興奮気味に問いかける。
「それは、好ましい状況なのか!?」
「数値だけ見れば、好ましいと言えるでしょう。ただ、1度目でもパメラ・ブライズの攻撃を受けた後、淀み反応は下がっていました。今回もそのパターンであるとしたら……」
アラヤがその先の言葉を言いあぐねていると、ロイスが口を挟んだ。
「不気味な状態だな。」
「ええ、油断はできませんね。」
ルミナがアラヤの代わりに答えた。
「MIOはこの状況をどう捉えているでしょうか?」
「おそらく、もう勝った気でいるだろうな。今すぐにでも祝勝のワインでも乾杯したいところだろう。もちろん、本当にそうであるなら、それに越したことはないが。」
ロイスも、これで本当に決着がついたならば、今すぐにでもMIOの本部に向かって、ゼーヴらにさきほどの非礼を詫び、一杯酌み交わすことを厭わないと思っていた。しかし、ロイスをはじめ、そこにいたほとんどの者が、これで決着がついたということに対しては懐疑的であった。
「私たちの見解を伝えるべきでは?」
ルミナがそういうと、ロイスは頭を振った。
「いや、我々の見解など聞く耳持たないだろう。さっきの対応を見ればわかる。それに彼らのブレーンは研究所だ。私たちが口を挟むとややこしいことになりかねん」
「そんなこと言っている場合ですか!」ヒクマはとっさにそう口に出てしまったが、すぐに己の無礼な物言いに気づいて「すいません」と謝罪した。
「いや、謝るのは私のほうだ。上層部のシガラミを打破できない私を許してくれ。」
ロイスらが、アラヤの示したデータについて話し合っている間に、厚い煙は晴れていた。データと真実が一致しているか、それともデータとかけ離れた状況がそこに現れるのか、緊張感が張り詰める中、真剣な眼差しが正面モニターに注ぎ込まれていた。
ようやく、根絶者の頭部が露わになったとき、全員の期待に満ちた表情に影を落とした。
「なんじゃこりゃ……」ヒクマがボソッとつぶやいた。
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