40 / 44
クワイエット・テラー
合流/発火 Ⅲ
しおりを挟む
レインはフロントガラスにバックモニターを表示させた。そして、そこに映されていたものを見て、レインはマイカの前で初めて表情を曇らせ、深いため息をついた。
「あ~ぁ、見つかっちゃったみたいだな」
レインとマイカの乗るエアリアルクルーズの後方に、型の異なるエアリアルクルーズがさらに4台ぴったりと付いてきていた。そちらのほうが、若干サイズが大きいように思われた。そして、各々フロントバンパーの部分にMIOの文字があった。
「MIOだって!味方なの?」
「まぁ味方っちゃ、味方だよ」レインは冷めた表情で言った。
「私たち追われているの!?」
「そうみたいだね」
「私、また捕まっちゃうの?」
「捕まったらデートが終わっちゃうだろ?」
レインは強がってみせたものの、顔は真剣そのものだった。クルーズのスピードに緩急をつけながら追手を撒こうと試みる。マイカは操縦席につかまりながら、後方をいちいち確認する。謎の追走集団もレインの加速にしっかりと対応してきた。レインの逃げは何度もあっさりと捕まってしまう。
「ぜんっぜん追いつかれてるけど!」マイカは煽るように言った。
「そりゃあ、あちらのクルーズはフラッグシップ機だからね。俺は強いマシンが嫌いなんだよ!」
そう言って、レインは直角にカーブし、進行方向を変えながら下降し、イサゴージュの起こした粉塵の中へと隠れた。
「どんなもんだい!」
レインは得意げな顔で小さくガッツポーズをした。
「ちょっと待ってよ!味方なんでしょ?あなた、逃げて大丈夫なの!?」マイカがレインを気遣う。
「う~ん」とレインは得意の少し考えるそぶりを見せる。しかし、マイカには、これまで数十分いっしょにいただけなのに、実際は何も考えていないのだとなんとなく分かった。
「大丈夫かどうかって言われたら大丈夫じゃないかなあ」
はっきりしない答えをするレインにマイカは改めて頼りなさを感じた。
「あなたの立場が悪くならないか心配してあげてるのよ!」
「心配無用だよ!」レインはクルーズを今度は一転上昇させた。
「俺たち2人が主役なんだから!外野に邪魔されてたまるか!」
粉塵を突破して再び視界が開けてきた。
しかし、その瞬間レインの表情が歪んだ。レインたちが乗るクルーズと同時に左右2台ずつフラッグシップ機のクルーズがぴったり並走していたのである。マイカは呑気にも「うわあ」と感嘆の声を上げた。
「しつこい連中だな!」
レインは何度もハンドルを切り、進行方向を変えては急加速する運転を繰り返し、追手を振り払おうとした。これまでで1番荒い運転であったが、見事にレインの動きに正確に対応してきて、全く引きちぎれる感じはしなかった。
「もう……あきらめたら?」マイカは目を回しながら言った。
レインはマイカに失望されたように感じ、スピードを緩めてしまった。
「やっぱりテクニックじゃどうにもならないか。機材の差は大きいな」
レインは心から落胆しているようであった。しかし、その落胆はただ単に逃げ切れなかったことに対するものではなかったようにマイカは思えた。
マイカはふとレインから視線を外すと、左側に並走している、現実世界で言えばミニバンぐらいの大きさのクルーズから、1人のメガネをかけた女性がドアのところに立って身を乗り出して何か叫んでいるのに気づいた。その女性は、マイカにとってクラスメイトのみどりを彷彿とさせる容姿であった。
「なんか言ってるよ!」
マイカは左側を指差しながら、レインに言った。俯いていたレインは顔を起こし、マイカが指差した方を見た。
「ミソノだ」
「あなたのお仲間?」
「ああ、そうだよ。怒ってるみたいだな。ちょっとインレスを一部解除するよ」
レインがインレスのセキュリティレベルを1段階下げると、ミソノの声がマイカの耳にも届いた。
「レイン・ファリナ!もう逃げられないわよ!観念して、大人しく我々に従いなさい!」
レインは無表情のまま大声で叫ぶ。
「はいはい、わかってます。観念しますよっ!」
ミソノは、後部シートで困惑した表情のマイカと目が合った。ミソノはメガネをずり上げてマイカにも声をかける。
「あなたがデウスの使者、イセリックですね!お待ちしておりました!我々MIOに協力していただきたく思います!」
マイカはキョトンとした。レインは無言のままムスッとしていた。
「あなたと同じこと言ってる。」
「そうだね」レインは笑みをこぼしながらも残念そうに言った。「俺はもう特別な存在じゃなくなっちゃったみたいだね……」
マイカは寂しそうなレインの後ろ姿を見て、何か声をかけてあげたかったが、マイカにはこういう時何といえばよいか適切な言葉が見つからなかった。
「レイン・ファリナ!」ミソノの大きな声がまた飛んできた。「ビャクシンタワーのグリーンテラスに誘導するから!ついてきなさい!」
ミソノがクルーズの中に引っ込むと、4台のクルーズはそのままレインたちを追い越し、イサゴージュの進行方向の先にあるパラタイン放送局のツインタワーに向かって飛んでいった。カーチェイスの間に、根絶者は思っていた以上に歩みを進めていた。レインはこれ以上抵抗することなく、4台のクルーズの後を追った。
「私はどうなっちゃうの?」
マイカはおどおどとしながら、レインに訊ねた。
「大丈夫。悪いようにはされないさ。あの人たちもきっと君を救世主だと思ってるはずだ。少なくとも君がここに来たばっかりにされたような仕打ちを受けることはないよ」
「あなたはどうなっちゃうの?」
「俺の心配をしてる場合じゃないだろう?」
レインはそう言ったきり、黙り込んでしまった。
パラタイン放送局のグリーンテラスは、高層ビルの中層階に設けられた広場であった。西洋風の庭園のような作りになっていて、ライヴイベントが行われるかのようなステージも敷設されていた。
SOMMEのクルーズ4台が駐車すると、レインも少し離れた広場の端に近いところに駐車した。すぐにレインと全く同じプロテクターをつけた人間が大勢でレインのクルーズの前に立ちはだかった。
レインがまず先にクルーズから出た。そして、機内で外に出るのをためらっているマイカに優しく手を差し出した。マイカはレインの手をとって、外に出る。
SOMMEの隊員たちはすかさず銃を構える。マイカはギョッとして、反射的にレインの背後に隠れた。しかし、銃口が向けられた先は明らかにレインに集中していた。
「ずいぶんな扱いだなぁ」
レインは不機嫌そうに両手をあげた。レインが一様に銃を構えるSOMMEの隊員をざっと眺めると、ミソノもそこにいた。ミソノは冷たい目でレインを睨みつけていた。
「そんな目で見るなよ。俺は今までいつだって君の忠告に従って来ただろ?一度冒険に出たぐらいで俺に銃を向けるのか」
ミソノの目から涙が滲んだ。ミソノは感情を押し殺して叫んだ。
「そちらの女性を渡しなさい!」
レインは目を閉じて、ふぅっとため息をつき、ミソノたちに背を向けた。そして、マイカに言った。
「短かったけど、君とデートできて楽しかったよ」
マイカはどうしたらいいかわからず困惑した表情で、レインの顔をただ黙って見つめていた。このとき、銃を構え続けるSOMMEの隊員たちの後ろから遅れて、武装していないひとりの大柄な男が現れた。副指揮官ヒクマ・ターラントだ。ヒクマは銃を降ろすよう部下たちに命令する。
レインはマイカを残して、クルーズの操縦席に乗り込んだ。
「じゃあ、マイカ」そう言ってレインは、もじもじしているマイカに微笑んだ。「いつかまた会おう」
レインはクルーズのエンジンを入れる。同時にインレスが作動した。クルーズが浮かび上がり始めると、マイカは声を振り絞って、絶体絶命的状況にあった自分をここまで導いてきてくれたその少年の名を呼んだ。
「レイン!ありがとう!」
インレスが作動していたので、その声が届いたかどうかは定かではなかったが、マイカは照れ臭そうにしているレインの表情を確認することができた。レインのクルーズはそのまま空高く舞い上がり、どこかへ飛んでいった。
マイカはレインのクルーズが見えなくなると、すぐそこまで迫ってきている根絶者の方に視線をやった。ゆっくりと、だが確実にマイカとイサゴージュの差は詰まっていた。マイカは不思議とその禍々しい姿を直視できるようになっていた。
「もう怖くない。ここまで来たんだから」
マイカはそう自分に言い聞かせた。
「あ~ぁ、見つかっちゃったみたいだな」
レインとマイカの乗るエアリアルクルーズの後方に、型の異なるエアリアルクルーズがさらに4台ぴったりと付いてきていた。そちらのほうが、若干サイズが大きいように思われた。そして、各々フロントバンパーの部分にMIOの文字があった。
「MIOだって!味方なの?」
「まぁ味方っちゃ、味方だよ」レインは冷めた表情で言った。
「私たち追われているの!?」
「そうみたいだね」
「私、また捕まっちゃうの?」
「捕まったらデートが終わっちゃうだろ?」
レインは強がってみせたものの、顔は真剣そのものだった。クルーズのスピードに緩急をつけながら追手を撒こうと試みる。マイカは操縦席につかまりながら、後方をいちいち確認する。謎の追走集団もレインの加速にしっかりと対応してきた。レインの逃げは何度もあっさりと捕まってしまう。
「ぜんっぜん追いつかれてるけど!」マイカは煽るように言った。
「そりゃあ、あちらのクルーズはフラッグシップ機だからね。俺は強いマシンが嫌いなんだよ!」
そう言って、レインは直角にカーブし、進行方向を変えながら下降し、イサゴージュの起こした粉塵の中へと隠れた。
「どんなもんだい!」
レインは得意げな顔で小さくガッツポーズをした。
「ちょっと待ってよ!味方なんでしょ?あなた、逃げて大丈夫なの!?」マイカがレインを気遣う。
「う~ん」とレインは得意の少し考えるそぶりを見せる。しかし、マイカには、これまで数十分いっしょにいただけなのに、実際は何も考えていないのだとなんとなく分かった。
「大丈夫かどうかって言われたら大丈夫じゃないかなあ」
はっきりしない答えをするレインにマイカは改めて頼りなさを感じた。
「あなたの立場が悪くならないか心配してあげてるのよ!」
「心配無用だよ!」レインはクルーズを今度は一転上昇させた。
「俺たち2人が主役なんだから!外野に邪魔されてたまるか!」
粉塵を突破して再び視界が開けてきた。
しかし、その瞬間レインの表情が歪んだ。レインたちが乗るクルーズと同時に左右2台ずつフラッグシップ機のクルーズがぴったり並走していたのである。マイカは呑気にも「うわあ」と感嘆の声を上げた。
「しつこい連中だな!」
レインは何度もハンドルを切り、進行方向を変えては急加速する運転を繰り返し、追手を振り払おうとした。これまでで1番荒い運転であったが、見事にレインの動きに正確に対応してきて、全く引きちぎれる感じはしなかった。
「もう……あきらめたら?」マイカは目を回しながら言った。
レインはマイカに失望されたように感じ、スピードを緩めてしまった。
「やっぱりテクニックじゃどうにもならないか。機材の差は大きいな」
レインは心から落胆しているようであった。しかし、その落胆はただ単に逃げ切れなかったことに対するものではなかったようにマイカは思えた。
マイカはふとレインから視線を外すと、左側に並走している、現実世界で言えばミニバンぐらいの大きさのクルーズから、1人のメガネをかけた女性がドアのところに立って身を乗り出して何か叫んでいるのに気づいた。その女性は、マイカにとってクラスメイトのみどりを彷彿とさせる容姿であった。
「なんか言ってるよ!」
マイカは左側を指差しながら、レインに言った。俯いていたレインは顔を起こし、マイカが指差した方を見た。
「ミソノだ」
「あなたのお仲間?」
「ああ、そうだよ。怒ってるみたいだな。ちょっとインレスを一部解除するよ」
レインがインレスのセキュリティレベルを1段階下げると、ミソノの声がマイカの耳にも届いた。
「レイン・ファリナ!もう逃げられないわよ!観念して、大人しく我々に従いなさい!」
レインは無表情のまま大声で叫ぶ。
「はいはい、わかってます。観念しますよっ!」
ミソノは、後部シートで困惑した表情のマイカと目が合った。ミソノはメガネをずり上げてマイカにも声をかける。
「あなたがデウスの使者、イセリックですね!お待ちしておりました!我々MIOに協力していただきたく思います!」
マイカはキョトンとした。レインは無言のままムスッとしていた。
「あなたと同じこと言ってる。」
「そうだね」レインは笑みをこぼしながらも残念そうに言った。「俺はもう特別な存在じゃなくなっちゃったみたいだね……」
マイカは寂しそうなレインの後ろ姿を見て、何か声をかけてあげたかったが、マイカにはこういう時何といえばよいか適切な言葉が見つからなかった。
「レイン・ファリナ!」ミソノの大きな声がまた飛んできた。「ビャクシンタワーのグリーンテラスに誘導するから!ついてきなさい!」
ミソノがクルーズの中に引っ込むと、4台のクルーズはそのままレインたちを追い越し、イサゴージュの進行方向の先にあるパラタイン放送局のツインタワーに向かって飛んでいった。カーチェイスの間に、根絶者は思っていた以上に歩みを進めていた。レインはこれ以上抵抗することなく、4台のクルーズの後を追った。
「私はどうなっちゃうの?」
マイカはおどおどとしながら、レインに訊ねた。
「大丈夫。悪いようにはされないさ。あの人たちもきっと君を救世主だと思ってるはずだ。少なくとも君がここに来たばっかりにされたような仕打ちを受けることはないよ」
「あなたはどうなっちゃうの?」
「俺の心配をしてる場合じゃないだろう?」
レインはそう言ったきり、黙り込んでしまった。
パラタイン放送局のグリーンテラスは、高層ビルの中層階に設けられた広場であった。西洋風の庭園のような作りになっていて、ライヴイベントが行われるかのようなステージも敷設されていた。
SOMMEのクルーズ4台が駐車すると、レインも少し離れた広場の端に近いところに駐車した。すぐにレインと全く同じプロテクターをつけた人間が大勢でレインのクルーズの前に立ちはだかった。
レインがまず先にクルーズから出た。そして、機内で外に出るのをためらっているマイカに優しく手を差し出した。マイカはレインの手をとって、外に出る。
SOMMEの隊員たちはすかさず銃を構える。マイカはギョッとして、反射的にレインの背後に隠れた。しかし、銃口が向けられた先は明らかにレインに集中していた。
「ずいぶんな扱いだなぁ」
レインは不機嫌そうに両手をあげた。レインが一様に銃を構えるSOMMEの隊員をざっと眺めると、ミソノもそこにいた。ミソノは冷たい目でレインを睨みつけていた。
「そんな目で見るなよ。俺は今までいつだって君の忠告に従って来ただろ?一度冒険に出たぐらいで俺に銃を向けるのか」
ミソノの目から涙が滲んだ。ミソノは感情を押し殺して叫んだ。
「そちらの女性を渡しなさい!」
レインは目を閉じて、ふぅっとため息をつき、ミソノたちに背を向けた。そして、マイカに言った。
「短かったけど、君とデートできて楽しかったよ」
マイカはどうしたらいいかわからず困惑した表情で、レインの顔をただ黙って見つめていた。このとき、銃を構え続けるSOMMEの隊員たちの後ろから遅れて、武装していないひとりの大柄な男が現れた。副指揮官ヒクマ・ターラントだ。ヒクマは銃を降ろすよう部下たちに命令する。
レインはマイカを残して、クルーズの操縦席に乗り込んだ。
「じゃあ、マイカ」そう言ってレインは、もじもじしているマイカに微笑んだ。「いつかまた会おう」
レインはクルーズのエンジンを入れる。同時にインレスが作動した。クルーズが浮かび上がり始めると、マイカは声を振り絞って、絶体絶命的状況にあった自分をここまで導いてきてくれたその少年の名を呼んだ。
「レイン!ありがとう!」
インレスが作動していたので、その声が届いたかどうかは定かではなかったが、マイカは照れ臭そうにしているレインの表情を確認することができた。レインのクルーズはそのまま空高く舞い上がり、どこかへ飛んでいった。
マイカはレインのクルーズが見えなくなると、すぐそこまで迫ってきている根絶者の方に視線をやった。ゆっくりと、だが確実にマイカとイサゴージュの差は詰まっていた。マイカは不思議とその禍々しい姿を直視できるようになっていた。
「もう怖くない。ここまで来たんだから」
マイカはそう自分に言い聞かせた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】ドアマットに気付かない系夫の謝罪は死んだ妻には届かない
堀 和三盆
恋愛
一年にわたる長期出張から戻ると、愛する妻のシェルタが帰らぬ人になっていた。流行病に罹ったらしく、感染を避けるためにと火葬をされて骨になった妻は墓の下。
信じられなかった。
母を責め使用人を責めて暴れ回って、僕は自らの身に降りかかった突然の不幸を嘆いた。まだ、結婚して3年もたっていないというのに……。
そんな中。僕は遺品の整理中に隠すようにして仕舞われていた妻の日記帳を見つけてしまう。愛する妻が最後に何を考えていたのかを知る手段になるかもしれない。そんな軽い気持ちで日記を開いて戦慄した。
日記には妻がこの家に嫁いでから病に倒れるまでの――母や使用人からの壮絶な嫌がらせの数々が綴られていたのだ。
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後
空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。
魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。
そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。
すると、キースの態度が豹変して……?
七日後に神罰が落ちる。上層部は「下を切り捨てろ」と言った——私は全員を逃がす
蒼月よる
ファンタジー
七日後、この港に神罰が落ちる。
追放された元観測士イオナだけが、その事実を知っていた。
しかも災害は自然現象ではない——誰かが、意図的に引き起こそうとしている。
港の上層部はすでに手を打っていた。「下層区画を緩衝被害区として切り捨てる」秘密契約。被害を最小限に見せかけ、体制を守る冷徹な計画だ。
イオナは元護送隊長ガルム、荷運び組合長メラとともに動き出す。
犯人を暴き、証拠を公開し、住民を逃がし、工廠を止める——すべてを七日で。
被害を「選ぶ」管理か、全員を「残す」運用か。
追放観測士の、七日間の港湾カウントダウン・サスペンス。
この作品は以下の箇所にAI(Claude Code)を利用しています。
・世界観・設定の管理補助
・プロット段階の壁打ち
・作者による執筆後の校正
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる