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神様の思い出1
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白く包まれた冬の時期、勇人と狛犬は身体を震わせながらも職場である伊勢神宮の奥の社殿へと来ていた。
「最近は外働きだらけで疲れましたね。」
「そうだな、たまには事務作業とかでもいいよな。」
そう言いながら、事務室のコタツで暖まる勇人と狛犬とか
するとそこに天照大御神がやってきた
「こらー!なにぬくぬくしておるのじゃー!」
「たまにはいいじゃないですか。天照様も一緒にどうです?」
「妾もーって違うわ!仕事じゃ仕事!」
天照がコタツのテーブルの上に手のひらを出した、すると手のひらから沢山の手紙が現れた。
勇人と狛犬は咄嗟に身体を起こし驚いた表情を見せた
「なんなんですかこの量の手紙は!」
「お主の活躍があってこその成果じゃな、多くの神々からの依頼や、配達物等が届いているぞ」
「ちょっと待ってください。それってつまり、めっちゃ忙しくなるってことですよね。」
「?、そうじゃが?」
「無理無理無理!!」
「無理じゃないやるのじゃ!」
すると、天照は一瞬で消えていった
「そんなぁ…」
勇人は不貞腐れた顔をしながらコタツのテーブルの上に顎をのっけた。
「勇人様ゆっくりでいいので1つずつ片付けて行きましょう。」
「そうだな、俺にしか出来ない仕事だからな。1つずつ片付けて行くか」
勇人はまず、手紙と荷物に区分しその後、各地方毎に区分した。
神様というのは、自由に行き来する事が出来ない…今まで出会ってきた神様がそうだった。
だが天照大御神や大国主と言った、有名な神様は縛りがないらしい
勇人は1つずつ地方ごとに区分け作業をした。
北は青森、南は鹿児島まで
多くの手紙が届いており、その中には神様から神様へ
神様から神社の宮司へ
神様から人への手紙も多くはなかった。
だがやはり人から神様への手紙はなかった
区分け作業していると、一通だけ宛先も届け主も書いてない手紙が出てきた
「これはどうするんだ?」
「何も書いていない手紙は届ける事が出来ませんね」
「中身を見ても良いかな?」
「ダメですよ!誰が届けたかわからないとはいえ、中身を見るなんて神様に失礼です。」
大きく頬を膨らませながら怒った顔を見せる狛犬
「冗談だよ、そんな怒らないでくれ俺が悪かったって」
狛犬に怒られた事もあり勇人は落ち込んだ顔を見せる。そんな会話をしていると後ろから天照大御神が大きなあくびをかきながら現れた。
「なんじゃ騒がしいの、お前らがうるさくて気持ちよく眠れんわ」
「それはこっちが言いたいですよ。今まで寝ていたのですね。さっきまで忙しいとか言っていたのに」
「妾は寝なければ力を維持することができんのじゃ!これも仕事の一環じゃ!」
天照大御神も狛犬と同じく大きく頬を膨らませる。
「ま、おふざけはこのくらいにして、何かあったようじゃの、何があったのじゃ?」
勇人は何も書かれていない手紙を見せ、どうすれば良いのか悩んでいたことを話す。
「なるほどの、宛先も届け主も書かれておらん手紙か、妾もそこまで確認できておらんかったのは申し訳ないの」
「どうすれば良いのでしょう?返すにしても届け主も書かれていなければ返す事もできないですよ。」
「それもそうじゃが、一度中身を見るというのはどうじゃろうか。」
「天照様まで勇人様と同じことを言ってます。」
「仕方なかろう、このまま放置するのも気が引けるだけじゃならば中身を開けて誰が書いているかを確認し、本人に返すか又は届け先に届けるかできるはずじゃ。」
「その後にまた封を閉じればいい、ということですね。」
「そういうことじゃ、狛犬よお主の気持ちもようわかる。その人の気持ちが思いが溢れてしまうことが嫌なのだろう?」
狛犬は下を向いたまま小さく頷いた
「妾もできれば見たくはない、しかし届けない限りは本人も然り、待っている奴も悲しみに染まる可能性もありえる。それも又お主は嫌じゃろう」
優しく背中に手を置きゆっくりと撫でる
狛犬は徐々に身体を倒し涙を流しはじめる。
「其方のその優しさは美しい、相手に寄り添う気持ちは簡単にできることではない、その優しさは忘れるでないぞ。」
ゆっくりと狛犬を抱きしめ背中を優しく撫でる姿はやはり「八百万の母」そのものだった。
「勇人よ、この子のいない所で開けて確認するのじゃ」
声には出さずに脳に直接語りかけてきた。
勇人は天照大御神の目を見て頷き、手紙を持ったまま狛犬に気づかれないようにその場を離れた。
「最近は外働きだらけで疲れましたね。」
「そうだな、たまには事務作業とかでもいいよな。」
そう言いながら、事務室のコタツで暖まる勇人と狛犬とか
するとそこに天照大御神がやってきた
「こらー!なにぬくぬくしておるのじゃー!」
「たまにはいいじゃないですか。天照様も一緒にどうです?」
「妾もーって違うわ!仕事じゃ仕事!」
天照がコタツのテーブルの上に手のひらを出した、すると手のひらから沢山の手紙が現れた。
勇人と狛犬は咄嗟に身体を起こし驚いた表情を見せた
「なんなんですかこの量の手紙は!」
「お主の活躍があってこその成果じゃな、多くの神々からの依頼や、配達物等が届いているぞ」
「ちょっと待ってください。それってつまり、めっちゃ忙しくなるってことですよね。」
「?、そうじゃが?」
「無理無理無理!!」
「無理じゃないやるのじゃ!」
すると、天照は一瞬で消えていった
「そんなぁ…」
勇人は不貞腐れた顔をしながらコタツのテーブルの上に顎をのっけた。
「勇人様ゆっくりでいいので1つずつ片付けて行きましょう。」
「そうだな、俺にしか出来ない仕事だからな。1つずつ片付けて行くか」
勇人はまず、手紙と荷物に区分しその後、各地方毎に区分した。
神様というのは、自由に行き来する事が出来ない…今まで出会ってきた神様がそうだった。
だが天照大御神や大国主と言った、有名な神様は縛りがないらしい
勇人は1つずつ地方ごとに区分け作業をした。
北は青森、南は鹿児島まで
多くの手紙が届いており、その中には神様から神様へ
神様から神社の宮司へ
神様から人への手紙も多くはなかった。
だがやはり人から神様への手紙はなかった
区分け作業していると、一通だけ宛先も届け主も書いてない手紙が出てきた
「これはどうするんだ?」
「何も書いていない手紙は届ける事が出来ませんね」
「中身を見ても良いかな?」
「ダメですよ!誰が届けたかわからないとはいえ、中身を見るなんて神様に失礼です。」
大きく頬を膨らませながら怒った顔を見せる狛犬
「冗談だよ、そんな怒らないでくれ俺が悪かったって」
狛犬に怒られた事もあり勇人は落ち込んだ顔を見せる。そんな会話をしていると後ろから天照大御神が大きなあくびをかきながら現れた。
「なんじゃ騒がしいの、お前らがうるさくて気持ちよく眠れんわ」
「それはこっちが言いたいですよ。今まで寝ていたのですね。さっきまで忙しいとか言っていたのに」
「妾は寝なければ力を維持することができんのじゃ!これも仕事の一環じゃ!」
天照大御神も狛犬と同じく大きく頬を膨らませる。
「ま、おふざけはこのくらいにして、何かあったようじゃの、何があったのじゃ?」
勇人は何も書かれていない手紙を見せ、どうすれば良いのか悩んでいたことを話す。
「なるほどの、宛先も届け主も書かれておらん手紙か、妾もそこまで確認できておらんかったのは申し訳ないの」
「どうすれば良いのでしょう?返すにしても届け主も書かれていなければ返す事もできないですよ。」
「それもそうじゃが、一度中身を見るというのはどうじゃろうか。」
「天照様まで勇人様と同じことを言ってます。」
「仕方なかろう、このまま放置するのも気が引けるだけじゃならば中身を開けて誰が書いているかを確認し、本人に返すか又は届け先に届けるかできるはずじゃ。」
「その後にまた封を閉じればいい、ということですね。」
「そういうことじゃ、狛犬よお主の気持ちもようわかる。その人の気持ちが思いが溢れてしまうことが嫌なのだろう?」
狛犬は下を向いたまま小さく頷いた
「妾もできれば見たくはない、しかし届けない限りは本人も然り、待っている奴も悲しみに染まる可能性もありえる。それも又お主は嫌じゃろう」
優しく背中に手を置きゆっくりと撫でる
狛犬は徐々に身体を倒し涙を流しはじめる。
「其方のその優しさは美しい、相手に寄り添う気持ちは簡単にできることではない、その優しさは忘れるでないぞ。」
ゆっくりと狛犬を抱きしめ背中を優しく撫でる姿はやはり「八百万の母」そのものだった。
「勇人よ、この子のいない所で開けて確認するのじゃ」
声には出さずに脳に直接語りかけてきた。
勇人は天照大御神の目を見て頷き、手紙を持ったまま狛犬に気づかれないようにその場を離れた。
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