46 / 151
第四十六話
しおりを挟む
季節は廻り、ユーリ達は2年生になった。
通常、1年生から2年生に進級する場合、Aクラスの庶民の数は激減する。しかし、今年は例年と様相が違った。なんとAクラスの庶民の数が10人に増えていたのだ。これは明らかにユーリの作った参考書の影響だろう。1年の学年末に進級テストがある。そのテストの結果が通常ではありえない平均数値を叩き出していた。これは1年生に限らず、5年生までの全ての生徒にも言えるのだが、例年より魔力量が多く、座学の点数も良い。特に魔力量に関しては顕著で、新2年生は卒業生より高い平均値を出している。
例年の卒業生の魔力量の平均は300程度。しかし、今年の新2年生は既にそれを上回る数値を叩き出している生徒が多数居る。特に庶民に多い。中には500超えのバケモノも居ると言う話だ。まあ、ユーリたち4人は事前にユーリの魔法で魔力量を偽装したのだが。結果、1~5年生の中で2年生が一番魔力量が多いと言う事になってしまい。教師陣は頭を抱えるのであった。更に他の学年でも生徒によって魔力量に大差がついてしまい。一律に教えるのが難しくなってしまった。
「ねえ、ユーリ。今年も参考書販売するの?」
最近平民3人組はユーリを呼び捨てにしている。それだけ仲間意識が高くなったのだとユーリは嬉しく思う。
「いや、今年はやめて置こうかと。なんか効果が高すぎて色々問題が起こってるらしいし。」
「勿体ないね。他の商品は販売続けるんでしょ?」
「そうだね。また新製品も考えないとね。」
そんな、話をしていると、ユーリに校長室から呼び出しが掛かった。
「校長から呼び出しって、何したの?」
「いや、何もした覚えは無いけど。」
校長室へ急ぐと、校長の他にも教師が何人か居た。
「何の御用でしょうか?」
「あ~、ユーライナ君。ちょっと聞きたいのだが、今年も参考書の販売はするのかね?」
「いえ、今の所考えていません。ちょっと効果が大きすぎる様なので。」
「それなら、学校に販売しては貰えないだろうか?」
「学校へですか?」
「副読本として1年生全員に配りたい。他の学年でも教師が読んで参考資料としたいと言っている。」
「何冊くらい必要なんですか?」
「出来れば300冊は欲しい。」
ユーリはマジックバッグを出し校長の机の上に置いた。
「魔力操作の参考書ですよね?この中に300冊入ってます。バッグは後で返して下さいね。」
「すまんね。ところで、学年末テストのアレは実力かね?」
「あ~、そう言う事にして置いてくれると助かります。」
「ふむ。解った。そうして置こう。」
これで貸し借り無しって事だろう。校長、意外と食えない男である。
校長室から戻り教室へ入ると3人組が駆け寄って来た。
「なんだった?」
「参考書を教科書に使いたいそうだ。」
「へぇ。以外に校長も見る目あるね。あれはこのまま埋もれさせたら勿体ないからね。」
「ところで、新しくAクラスに上がって来た平民だけど、みんな商会関係者?」
「7人中6人はね。1人は確か、貴族の妾腹の子だったと思うよ。」
「へぇ。流石に情報には敏感だね。」
ユーリは商会の子供たちとなるべく接点を作って置きたいと考えている。そこで、部活動を発足させようと考えている。
「部活動って認められてるよね?」
「そうだね、確か部員が5人以上で、教員会議で承認されれば活動できるはず。」
「部員5人か、今の所4人だから、最低一人は勧誘しないとな。誰か候補居る?」
「ん~、6人とも中規模商会の子供だから、私は面識ないんだよね。ユーカは?」
「私は、リット商会のキルケさんとは家が近いので多少の面識はあります。」
「僕はゾーン商会の息子とは面識がありますが、本当に数回会った事がある程度ですね。」
「なるほど、そうなると総当たりで全員に勧誘掛けるしかないな。」
ユーリたちは4人で6人に勧誘を掛けて回った。結果2人が入部してくれる事になった。こうして2年になっても学院販売部は継続する事になるのだ。
正式な部活として認められた事で1つだけ恩恵があった。それは部室を貰えたことだ。今までは、地下の練習場で会議をしていたのだ。これからは教室のある棟で堂々と会議が出来るし、部室を販売場所として使っても問題が無い。
ちなみに地下の練習場は新部員の2人にも開放した。
新部員は女子1名、ユーカの知り合いのキルケさん。それから男子1名、調理器具を扱っているメルア商会のアルトの2名だ。もう少し部の名前が知られて来たら1年生からも部員を募っても良いと考えている。
「キルケさんとアルトは僕の書いた魔力操作の参考書買ってくれたんだよね?」
「はい、あれのお陰でAクラスになれました。他にもリップとか鏡も買いましたよ。」
「僕も参考書は4冊全部買いましたよ。あと石鹸とシャンプーも常用しています。」
ありがたい事である。やはり商会の子女だけあって流行り物に敏感なんだろう。
「と言う事で、2人に新入部の儀式をして貰います。」
「儀式、ですか?」
「大丈夫痛くないし、後で良いことあるよ。はい、放課後に全員練習場へ集合!」
「って、ユーリ、まさかアレをやるの?」
「そうだよ、不公平は良く無いでしょ?」
「そうだけど、大丈夫かな?」
会話を聞いて、何をされるんだろうとビビる新入部員2人だった。
通常、1年生から2年生に進級する場合、Aクラスの庶民の数は激減する。しかし、今年は例年と様相が違った。なんとAクラスの庶民の数が10人に増えていたのだ。これは明らかにユーリの作った参考書の影響だろう。1年の学年末に進級テストがある。そのテストの結果が通常ではありえない平均数値を叩き出していた。これは1年生に限らず、5年生までの全ての生徒にも言えるのだが、例年より魔力量が多く、座学の点数も良い。特に魔力量に関しては顕著で、新2年生は卒業生より高い平均値を出している。
例年の卒業生の魔力量の平均は300程度。しかし、今年の新2年生は既にそれを上回る数値を叩き出している生徒が多数居る。特に庶民に多い。中には500超えのバケモノも居ると言う話だ。まあ、ユーリたち4人は事前にユーリの魔法で魔力量を偽装したのだが。結果、1~5年生の中で2年生が一番魔力量が多いと言う事になってしまい。教師陣は頭を抱えるのであった。更に他の学年でも生徒によって魔力量に大差がついてしまい。一律に教えるのが難しくなってしまった。
「ねえ、ユーリ。今年も参考書販売するの?」
最近平民3人組はユーリを呼び捨てにしている。それだけ仲間意識が高くなったのだとユーリは嬉しく思う。
「いや、今年はやめて置こうかと。なんか効果が高すぎて色々問題が起こってるらしいし。」
「勿体ないね。他の商品は販売続けるんでしょ?」
「そうだね。また新製品も考えないとね。」
そんな、話をしていると、ユーリに校長室から呼び出しが掛かった。
「校長から呼び出しって、何したの?」
「いや、何もした覚えは無いけど。」
校長室へ急ぐと、校長の他にも教師が何人か居た。
「何の御用でしょうか?」
「あ~、ユーライナ君。ちょっと聞きたいのだが、今年も参考書の販売はするのかね?」
「いえ、今の所考えていません。ちょっと効果が大きすぎる様なので。」
「それなら、学校に販売しては貰えないだろうか?」
「学校へですか?」
「副読本として1年生全員に配りたい。他の学年でも教師が読んで参考資料としたいと言っている。」
「何冊くらい必要なんですか?」
「出来れば300冊は欲しい。」
ユーリはマジックバッグを出し校長の机の上に置いた。
「魔力操作の参考書ですよね?この中に300冊入ってます。バッグは後で返して下さいね。」
「すまんね。ところで、学年末テストのアレは実力かね?」
「あ~、そう言う事にして置いてくれると助かります。」
「ふむ。解った。そうして置こう。」
これで貸し借り無しって事だろう。校長、意外と食えない男である。
校長室から戻り教室へ入ると3人組が駆け寄って来た。
「なんだった?」
「参考書を教科書に使いたいそうだ。」
「へぇ。以外に校長も見る目あるね。あれはこのまま埋もれさせたら勿体ないからね。」
「ところで、新しくAクラスに上がって来た平民だけど、みんな商会関係者?」
「7人中6人はね。1人は確か、貴族の妾腹の子だったと思うよ。」
「へぇ。流石に情報には敏感だね。」
ユーリは商会の子供たちとなるべく接点を作って置きたいと考えている。そこで、部活動を発足させようと考えている。
「部活動って認められてるよね?」
「そうだね、確か部員が5人以上で、教員会議で承認されれば活動できるはず。」
「部員5人か、今の所4人だから、最低一人は勧誘しないとな。誰か候補居る?」
「ん~、6人とも中規模商会の子供だから、私は面識ないんだよね。ユーカは?」
「私は、リット商会のキルケさんとは家が近いので多少の面識はあります。」
「僕はゾーン商会の息子とは面識がありますが、本当に数回会った事がある程度ですね。」
「なるほど、そうなると総当たりで全員に勧誘掛けるしかないな。」
ユーリたちは4人で6人に勧誘を掛けて回った。結果2人が入部してくれる事になった。こうして2年になっても学院販売部は継続する事になるのだ。
正式な部活として認められた事で1つだけ恩恵があった。それは部室を貰えたことだ。今までは、地下の練習場で会議をしていたのだ。これからは教室のある棟で堂々と会議が出来るし、部室を販売場所として使っても問題が無い。
ちなみに地下の練習場は新部員の2人にも開放した。
新部員は女子1名、ユーカの知り合いのキルケさん。それから男子1名、調理器具を扱っているメルア商会のアルトの2名だ。もう少し部の名前が知られて来たら1年生からも部員を募っても良いと考えている。
「キルケさんとアルトは僕の書いた魔力操作の参考書買ってくれたんだよね?」
「はい、あれのお陰でAクラスになれました。他にもリップとか鏡も買いましたよ。」
「僕も参考書は4冊全部買いましたよ。あと石鹸とシャンプーも常用しています。」
ありがたい事である。やはり商会の子女だけあって流行り物に敏感なんだろう。
「と言う事で、2人に新入部の儀式をして貰います。」
「儀式、ですか?」
「大丈夫痛くないし、後で良いことあるよ。はい、放課後に全員練習場へ集合!」
「って、ユーリ、まさかアレをやるの?」
「そうだよ、不公平は良く無いでしょ?」
「そうだけど、大丈夫かな?」
会話を聞いて、何をされるんだろうとビビる新入部員2人だった。
12
あなたにおすすめの小説
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
インターネットで異世界無双!?
kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。
その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。
これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。
ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします
ランド犬
ファンタジー
異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは
――〈ホームセンター〉
壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。
気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。
拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?
貧乏奨学生の子爵令嬢は、特許で稼ぐ夢を見る 〜レイシアは、今日も我が道つき進む!~
みちのあかり
ファンタジー
同じゼミに通う王子から、ありえないプロポーズを受ける貧乏奨学生のレイシア。
何でこんなことに? レイシアは今までの生き方を振り返り始めた。
第一部(領地でスローライフ)
5歳の誕生日。お父様とお母様にお祝いされ、教会で祝福を受ける。教会で孤児と一緒に勉強をはじめるレイシアは、その才能が開花し非常に優秀に育っていく。お母様が里帰り出産。生まれてくる弟のために、料理やメイド仕事を覚えようと必死に頑張るレイシア。
お母様も戻り、家族で幸せな生活を送るレイシア。
しかし、未曽有の災害が起こり、領地は借金を負うことに。
貧乏でも明るく生きるレイシアの、ハートフルコメディ。
第二部(学園無双)
貧乏なため、奨学生として貴族が通う学園に入学したレイシア。
貴族としての進学は奨学生では無理? 平民に落ちても生きていけるコースを選ぶ。
だが、様々な思惑により貴族のコースも受けなければいけないレイシア。お金持ちの貴族の女子には嫌われ相手にされない。
そんなことは気にもせず、お金儲け、特許取得を目指すレイシア。
ところが、いきなり王子からプロポーズを受け・・・
学園無双の痛快コメディ
カクヨムで240万PV頂いています。
みそっかす銀狐(シルバーフォックス)、家族を探す旅に出る
伽羅
ファンタジー
三つ子で生まれた銀狐の獣人シリル。一人だけ体が小さく人型に変化しても赤ん坊のままだった。
それでも親子で仲良く暮らしていた獣人の里が人間に襲撃される。
兄達を助ける為に囮になったシリルは逃げる途中で崖から川に転落して流されてしまう。
何とか一命を取り留めたシリルは家族を探す旅に出るのだった…。
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
レンタル従魔始めました!
よっしぃ
ファンタジー
「従魔のレンタルはじめました!」
僕の名前はロキュス・エルメリンス。10歳の時に教会で祝福を受け、【テイム】と言うスキルを得ました。
そのまま【テイマー】と言うジョブに。
最初の内はテイムできる魔物・魔獣は1体のみ。
それも比較的無害と言われる小さなスライム(大きなスライムは凶悪過ぎてSランク指定)ぐらいしかテイムできず、レベルの低いうちは、役立たずランキングで常に一桁の常連のジョブです。
そんな僕がどうやって従魔のレンタルを始めたか、ですか?
そのうち分かりますよ、そのうち・・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる