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第六十九話
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王都へ戻ったユーリは人材確保に走り回った。ユーリが居れば町そのものはどうにでもなる。しかし、良い人材がいないとユーリが身動きできなくなってしまう。と言う事で、父上やアトマスさんなどに声を掛け、使えそうな人材は居ないか聞いて回り、実際に会って話をしてみる。
また、王都の屋敷の執事が決まっていた。これはイルミに頼んで置いたものだ。イルミがお父さんに頼んで商業ギルドで引っ張って来たらしい。早速執事に会って鍵を渡した。フロッシュさんと言う50歳半ばの人で、年齢の割にフットワークが軽い。この人にメイドや他の使用人を雇ってくれるように頼む。家格の問題で最大20名までとも伝える。住み込みで月に金貨1枚と言う条件を出したら。破格ですね、殺到しますよ。と言われた。
こうして徐々に人材を集めながら、グラストフの町の改造案も考える。忙しくてイルミやユーカに会えないのが辛い。
もう、1週間位学院を休んでいる。明日は行けるかな?
そんな事を考えていたら、宰相から明日の昼前に顔を出すようにと出頭命令をくらった。
翌日お昼になる前に改造馬車で王城へ登城する。この間の執務室へ通された。
「呼び出してすまんな。正式な辞令と領地の受渡し書が出来たので渡して置こうと思ってな。それから陛下が話があるそうだ。」
宰相が丸められた紙を2枚渡しながら言った。
「陛下がですか?」
扉が開いて国王陛下が一人で入って来た。普通お付きの人とか居ないのか?
「おう。オーバルバイン子爵息災か?」
「おかげさまで。何か用事があるとか?」
「うむ、巷で美味しい料理とやらが流行っているのをそちは知っておるか?」
「美味しい料理ですか?」
「この間そちが出した白いケーキの様な物じゃよ。」
「ああ、あれでしたらうちの商会で扱ってますよ。」
「む?出所はそちじゃったか。貴族用にも飲食店を作る様に指示を出したはずじゃが?」
「計画は進んでいますが、料理人が足りなくて、今、育成中です。」
「料理人が足りないじゃと?」
「特殊な料理法を使用していますので、料理人の育成に時間が掛かるのです。」
そう言うと陛下は目に見えてがっかりした顔をする。
「美味しい料理食べてみたかったのじゃが・・・」
「あ~、特別ですよ。」
そう言ってユーリは野菜たっぷりドレッシングたっぷりのローストビーフサンドとトロトロに煮込まれたビーフシチューを2人に振舞った。
「こ、これを庶民が食しておるのか?」
「うらやま、いや、けしからん。」
「こう言った料理で構わないのであれば『大地の恵亭』へ出前を頼んで下さい。うちのスタッフは口が固いですから。ちなみに今のセットで大銅貨1枚と言った所です。」
「なんと!すまんがこの間の白いケーキも貰えんか?」
「良いですよ。」
そう言ってケーキと冷たいレモンティーを出してみる。
「これは、冷たい紅茶。紅茶にこんな飲み方があったとは。」
「コーヒーも冷やすと美味しいですよ。」
「子爵は食に詳しいのだな。」
「食いしん坊なだけですよ。」
王城から子爵亭まで馬車で帰るとまだ時間は15時前。正式に領地になった事だしいっちょやるか。そう言ってグラストフに転移する。
グラストフの町の最北部に行くと壁がある。高さが3メートル位、幅は500メートル位あるだろう。これは魔物除けの壁だ。壁の外は北の森と呼ばれているが、実は『大樹海』へと繋がっている。ここからおよそ800キロに渡り樹海が続くのだ。樹海の先には7千メートル級の山脈がある。ドラゴンでなければ超えられないだろう。ワイバーン程度では無理だ。
と言う事でグラストフの領地を少し広げようと思う。場所は樹海だ。少しくらい広げても文句を言う奴は居ない。
壁も含め横2キロ北へ10キロ程魔法障壁とプロテクトで囲う。そして、改造した。ファイヤーストームを爆裂させる。数分で塵も残さず地面が現れる。
横2キロって意外と狭いな。今度は左右に3キロずつ同じように焼き払う。ガイアコントロールと言う地魔法を使用し、焼き払った場所を平らにする。石や岩などの障害物を地中に埋め。地中の柔らかい土を上層に持って来る。これで畑を作るのも楽だろう。次に樹海に面している部分に高さ5メートル幅1キロの分厚い壁を作成して完成だ。
これで北に10キロ領地が広がった。ついでなのでここに領主館を建てようと考え。実家の伯爵家をモデルに3階建ての立派な領主館を魔法で創造する。厩舎も大きめに設置し。魔改造馬車も3台置いてみる。馬が居ないのが残念だ。家の周りを樹木で囲い、南側に大きな門を作り完成だ。中身は買いそろえる事にする。お金を回さないとね。
泥棒に入られても困るのでプロテクトの魔法で家を丸ごとガードした。
翌日グラストフの町の住人が大騒ぎになるのだが、ユーリは満足感に浸っていた。そして、来た時同様転移で帰るのであった。
帰ってから、商業ギルドで使用人を雇えばよかったと後悔するユーリであったが、執事のフロッシュさんにその事を話したら。
「貴族の家と言うのは執事だけ雇えば良いのです。他の使用人やメイドは執事が集めますのでご心配なく。」
そう言われた。
「じゃあ、グラストフで執事を雇いたいんだけど、どうすれば良いの?」
「そこは旦那様の領地ですよね?でしたら、そちらも私にお任せください。」
「そう言うもんなの?」
「そういう物です。」
執事有能過ぎない?
また、王都の屋敷の執事が決まっていた。これはイルミに頼んで置いたものだ。イルミがお父さんに頼んで商業ギルドで引っ張って来たらしい。早速執事に会って鍵を渡した。フロッシュさんと言う50歳半ばの人で、年齢の割にフットワークが軽い。この人にメイドや他の使用人を雇ってくれるように頼む。家格の問題で最大20名までとも伝える。住み込みで月に金貨1枚と言う条件を出したら。破格ですね、殺到しますよ。と言われた。
こうして徐々に人材を集めながら、グラストフの町の改造案も考える。忙しくてイルミやユーカに会えないのが辛い。
もう、1週間位学院を休んでいる。明日は行けるかな?
そんな事を考えていたら、宰相から明日の昼前に顔を出すようにと出頭命令をくらった。
翌日お昼になる前に改造馬車で王城へ登城する。この間の執務室へ通された。
「呼び出してすまんな。正式な辞令と領地の受渡し書が出来たので渡して置こうと思ってな。それから陛下が話があるそうだ。」
宰相が丸められた紙を2枚渡しながら言った。
「陛下がですか?」
扉が開いて国王陛下が一人で入って来た。普通お付きの人とか居ないのか?
「おう。オーバルバイン子爵息災か?」
「おかげさまで。何か用事があるとか?」
「うむ、巷で美味しい料理とやらが流行っているのをそちは知っておるか?」
「美味しい料理ですか?」
「この間そちが出した白いケーキの様な物じゃよ。」
「ああ、あれでしたらうちの商会で扱ってますよ。」
「む?出所はそちじゃったか。貴族用にも飲食店を作る様に指示を出したはずじゃが?」
「計画は進んでいますが、料理人が足りなくて、今、育成中です。」
「料理人が足りないじゃと?」
「特殊な料理法を使用していますので、料理人の育成に時間が掛かるのです。」
そう言うと陛下は目に見えてがっかりした顔をする。
「美味しい料理食べてみたかったのじゃが・・・」
「あ~、特別ですよ。」
そう言ってユーリは野菜たっぷりドレッシングたっぷりのローストビーフサンドとトロトロに煮込まれたビーフシチューを2人に振舞った。
「こ、これを庶民が食しておるのか?」
「うらやま、いや、けしからん。」
「こう言った料理で構わないのであれば『大地の恵亭』へ出前を頼んで下さい。うちのスタッフは口が固いですから。ちなみに今のセットで大銅貨1枚と言った所です。」
「なんと!すまんがこの間の白いケーキも貰えんか?」
「良いですよ。」
そう言ってケーキと冷たいレモンティーを出してみる。
「これは、冷たい紅茶。紅茶にこんな飲み方があったとは。」
「コーヒーも冷やすと美味しいですよ。」
「子爵は食に詳しいのだな。」
「食いしん坊なだけですよ。」
王城から子爵亭まで馬車で帰るとまだ時間は15時前。正式に領地になった事だしいっちょやるか。そう言ってグラストフに転移する。
グラストフの町の最北部に行くと壁がある。高さが3メートル位、幅は500メートル位あるだろう。これは魔物除けの壁だ。壁の外は北の森と呼ばれているが、実は『大樹海』へと繋がっている。ここからおよそ800キロに渡り樹海が続くのだ。樹海の先には7千メートル級の山脈がある。ドラゴンでなければ超えられないだろう。ワイバーン程度では無理だ。
と言う事でグラストフの領地を少し広げようと思う。場所は樹海だ。少しくらい広げても文句を言う奴は居ない。
壁も含め横2キロ北へ10キロ程魔法障壁とプロテクトで囲う。そして、改造した。ファイヤーストームを爆裂させる。数分で塵も残さず地面が現れる。
横2キロって意外と狭いな。今度は左右に3キロずつ同じように焼き払う。ガイアコントロールと言う地魔法を使用し、焼き払った場所を平らにする。石や岩などの障害物を地中に埋め。地中の柔らかい土を上層に持って来る。これで畑を作るのも楽だろう。次に樹海に面している部分に高さ5メートル幅1キロの分厚い壁を作成して完成だ。
これで北に10キロ領地が広がった。ついでなのでここに領主館を建てようと考え。実家の伯爵家をモデルに3階建ての立派な領主館を魔法で創造する。厩舎も大きめに設置し。魔改造馬車も3台置いてみる。馬が居ないのが残念だ。家の周りを樹木で囲い、南側に大きな門を作り完成だ。中身は買いそろえる事にする。お金を回さないとね。
泥棒に入られても困るのでプロテクトの魔法で家を丸ごとガードした。
翌日グラストフの町の住人が大騒ぎになるのだが、ユーリは満足感に浸っていた。そして、来た時同様転移で帰るのであった。
帰ってから、商業ギルドで使用人を雇えばよかったと後悔するユーリであったが、執事のフロッシュさんにその事を話したら。
「貴族の家と言うのは執事だけ雇えば良いのです。他の使用人やメイドは執事が集めますのでご心配なく。」
そう言われた。
「じゃあ、グラストフで執事を雇いたいんだけど、どうすれば良いの?」
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「そう言うもんなの?」
「そういう物です。」
執事有能過ぎない?
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