87 / 151
第八十七話
しおりを挟む
ユーカとイルミを伯爵邸に招いた。応接室へ通すと大きさにまた驚く。
「で、何で伯爵になってるの?」
座るや否やイルミが噛みついて来る。
ユーリは、話についていけてないユーカも居るので、子爵邸の話から始める。子爵邸を賃貸で借りてイルミに家具を選んでもらった事や、その後戦争があり、それに無理やり参加させられた事、戦争で功績を上げて伯爵になり、この家を買った事などを順に話していく。
「で、新しいこの伯爵家の家具類を2人に選んでもらおうと今日招いた訳です。」
何故か2人に睨まれると敬語になるユーリである。
「用件は解ったけどなんで黙ってたの?」
「黙ってた訳じゃなくて、急に決まったんだよ。」
2人からジト目で見られるユーリ。スマホを2台出して2人に渡す。
「これがあれば今後こう言う事が無くなるから。」
そう言って通信機の使い方を教えて行く。新製品の魔道具に興味を惹かれだんだん機嫌が良くなってくる。
「これは面白いね。毎日ユーリ君に連絡していい?」
む?毎日?2人から?
「それより、2人は進路どうするの?」
「進路?」
「ユーカはもう14歳になったんでしょ?僕もイルミも来月には14歳になるし、そしたら、婚約になるよね?」
途端に2人の顔が真っ赤になる。
「学院は辞めたくないけど、15歳になったら結婚するから、どの道辞める事になるのかな?」
「卒業するのを待って、結婚でも構わないけど?」
「それもなんか嫌だな。」
こう言う時イルミはハッキリと物を言うので気持ちが良い。
「まあ、そんなに先を考えなくても良いから、とりあえず3年生に進級するかどうかが知りたいかな。」
「私はユーリ君が言う通りにしようかと。」
「あ、ユーカ、それはズルいよ~」
「じゃあ、イルミはどうするの?」
「私は・・・どうしようユーリ君?」
「僕はなるべく2人の意見を尊重したいんだけどね。」
「でも、相手がある事だから、一人では決められないよ。」
ユーカが泣きそうな声で呟く。
「そうなんだよね。」
イルミも同意見らしい。
「ん~、困ったな。とりあえず順番に行こうか?まず、進級するのは何のため?」
「魔法使いになる為かな?」
「だよね。でも2人は既に今年の卒業生より実力があるし、魔法師団でも十分やって行ける。宮廷魔導士も夢じゃない。学院に固執する意味は無いと思うよ。でもね、友達を作るのなら学院は貴重な場所になる。」
「確かにそうね。」
イルミの言葉にユーカも頷く。
「一方、14歳で学院を辞めて花嫁修業をする場合。一応貴族の夫人としての教育を受ける事になるね。でも、これは15歳で結婚しても同じ事をやらされるから早いか遅いかの違いだけだね。ただし、1つだけ利点がある。僕と行動する時間が増えるって事かな。」
「なんでそれが利点なの?」
「僕なら魔法も教えられるし、商売も教えられるよ。」
「確かに利点だわ。」
ユーカとイルミが真剣に悩んでいる。
「実はね今度面白い商会を始めたんだ。物を売らない商会なんだけど、興味ある?」
「なにそれ?」
「まあ、学院販売部みたいな物なんだけど、販売は全部人任せで、商品の開発だけをする商会なんだ。」
「口コミの無い学院販売部って感じ?」
「そうだね。ただ、今までは学生をターゲットに商品を作っていたけど、今度はもう少し年齢層の高い所を狙って商品を開発する事になるよ。」
2人がしばし黙り込む。
意を決したようにユーカが手を上げて発言する。
「それっておやつは出ますか?」
って、そこが重要なの?
「僕が居る時は出せるけど、僕は今後領地の開発も行わないといけないので毎日確実とは言い切れないかな。」
「マジックバッグ」
「え?」
「マジックバッグがあれば毎日おやつが食べられる。」
「解りました。アイテムボックスを付与したストッカーをキッチンに用意するよ。それでどう?」
「私はそれでOK。イルミはどうする?」
「報酬は?」
「成果が出るまでは月に金貨1枚。成果が出始めたら歩合制だね。イルミは雑貨屋イルミもあるから、かなり儲かると思うよ。」
「やる。」
「解った。じゃあ明日にでも商会に連れて行くよ。時間は今日と同じで良い?」
「「うん!」」
2人が良い返事をした所で、話題を元に戻す。
「ところで、この家の家具や調度品なんだけど、2人で良さそうな物を選んでくれないかな?お金は気にしなくて良いから、良さそうな物を買ってこの家に運ぶ様に店の人に言ってくれればよいからね。2人の事は執事のフロッシュさんに話してあるから、それで通じるよ。あと、少し現金も渡して置くので小物で良い物があったらそれも買って置いて。」
「解った。じゃあ、何が足りないか、家の中を見せてくれる?」
「構わないよ自由に見て回って。」
イルミとユーカが、あちこち見て回ってる間にユーリは一服する。今日はコーヒーの気分だ。
20分程すると2人が戻って来た。
「この家大きすぎ!全部は無理だから、まず、1階から始めるわ。」
「ですね。それからお風呂に見慣れない物があったのですが何でしょう?」
「見慣れない物?」
「なんと言うかホースの様な物の先に持つところが付いた様な物です。」
「ああ、それはシャワーだよ。新しい商会にも付いているからそこで体験すると良いよ。」
「シャワー?」
「体や頭に着いた泡を洗い流す道具だね。」
「シャンプーや石鹸と相性が良さそうな道具ね。」
すぐにそこに直結するのはイルミの頭の良さを証明している。
「とりあえず今日は買い物に集中してね。商会は明日連れて行くから、仕事の話はその時に。」
「解りました~」
「じゃあ、馬車を貸すから買い物したらそのまま家に帰って良いよ。」
「そう言えば、あの馬車も何気に凄くない?」
「まあ、ちょっとばかり改造したからね。その内販売するかもね。」
2人を見送り、何かあったら通信機で連絡する様に伝える。
そう言えばグラストフの領主邸の執事が決まったって言ってたな。フロッシュさんに尋ねてみると、既に使用人もだいぶ揃って来ている様だ。これは一度会いに行かないとな。ちなみに名前は、マードルさんと言うらしい。フロッシュさん曰く若いがかなりの切れ者らしい。会うのが楽しみだ。
明日は午後にバート商会に行くので午前中にグラストフへ行こう。
「で、何で伯爵になってるの?」
座るや否やイルミが噛みついて来る。
ユーリは、話についていけてないユーカも居るので、子爵邸の話から始める。子爵邸を賃貸で借りてイルミに家具を選んでもらった事や、その後戦争があり、それに無理やり参加させられた事、戦争で功績を上げて伯爵になり、この家を買った事などを順に話していく。
「で、新しいこの伯爵家の家具類を2人に選んでもらおうと今日招いた訳です。」
何故か2人に睨まれると敬語になるユーリである。
「用件は解ったけどなんで黙ってたの?」
「黙ってた訳じゃなくて、急に決まったんだよ。」
2人からジト目で見られるユーリ。スマホを2台出して2人に渡す。
「これがあれば今後こう言う事が無くなるから。」
そう言って通信機の使い方を教えて行く。新製品の魔道具に興味を惹かれだんだん機嫌が良くなってくる。
「これは面白いね。毎日ユーリ君に連絡していい?」
む?毎日?2人から?
「それより、2人は進路どうするの?」
「進路?」
「ユーカはもう14歳になったんでしょ?僕もイルミも来月には14歳になるし、そしたら、婚約になるよね?」
途端に2人の顔が真っ赤になる。
「学院は辞めたくないけど、15歳になったら結婚するから、どの道辞める事になるのかな?」
「卒業するのを待って、結婚でも構わないけど?」
「それもなんか嫌だな。」
こう言う時イルミはハッキリと物を言うので気持ちが良い。
「まあ、そんなに先を考えなくても良いから、とりあえず3年生に進級するかどうかが知りたいかな。」
「私はユーリ君が言う通りにしようかと。」
「あ、ユーカ、それはズルいよ~」
「じゃあ、イルミはどうするの?」
「私は・・・どうしようユーリ君?」
「僕はなるべく2人の意見を尊重したいんだけどね。」
「でも、相手がある事だから、一人では決められないよ。」
ユーカが泣きそうな声で呟く。
「そうなんだよね。」
イルミも同意見らしい。
「ん~、困ったな。とりあえず順番に行こうか?まず、進級するのは何のため?」
「魔法使いになる為かな?」
「だよね。でも2人は既に今年の卒業生より実力があるし、魔法師団でも十分やって行ける。宮廷魔導士も夢じゃない。学院に固執する意味は無いと思うよ。でもね、友達を作るのなら学院は貴重な場所になる。」
「確かにそうね。」
イルミの言葉にユーカも頷く。
「一方、14歳で学院を辞めて花嫁修業をする場合。一応貴族の夫人としての教育を受ける事になるね。でも、これは15歳で結婚しても同じ事をやらされるから早いか遅いかの違いだけだね。ただし、1つだけ利点がある。僕と行動する時間が増えるって事かな。」
「なんでそれが利点なの?」
「僕なら魔法も教えられるし、商売も教えられるよ。」
「確かに利点だわ。」
ユーカとイルミが真剣に悩んでいる。
「実はね今度面白い商会を始めたんだ。物を売らない商会なんだけど、興味ある?」
「なにそれ?」
「まあ、学院販売部みたいな物なんだけど、販売は全部人任せで、商品の開発だけをする商会なんだ。」
「口コミの無い学院販売部って感じ?」
「そうだね。ただ、今までは学生をターゲットに商品を作っていたけど、今度はもう少し年齢層の高い所を狙って商品を開発する事になるよ。」
2人がしばし黙り込む。
意を決したようにユーカが手を上げて発言する。
「それっておやつは出ますか?」
って、そこが重要なの?
「僕が居る時は出せるけど、僕は今後領地の開発も行わないといけないので毎日確実とは言い切れないかな。」
「マジックバッグ」
「え?」
「マジックバッグがあれば毎日おやつが食べられる。」
「解りました。アイテムボックスを付与したストッカーをキッチンに用意するよ。それでどう?」
「私はそれでOK。イルミはどうする?」
「報酬は?」
「成果が出るまでは月に金貨1枚。成果が出始めたら歩合制だね。イルミは雑貨屋イルミもあるから、かなり儲かると思うよ。」
「やる。」
「解った。じゃあ明日にでも商会に連れて行くよ。時間は今日と同じで良い?」
「「うん!」」
2人が良い返事をした所で、話題を元に戻す。
「ところで、この家の家具や調度品なんだけど、2人で良さそうな物を選んでくれないかな?お金は気にしなくて良いから、良さそうな物を買ってこの家に運ぶ様に店の人に言ってくれればよいからね。2人の事は執事のフロッシュさんに話してあるから、それで通じるよ。あと、少し現金も渡して置くので小物で良い物があったらそれも買って置いて。」
「解った。じゃあ、何が足りないか、家の中を見せてくれる?」
「構わないよ自由に見て回って。」
イルミとユーカが、あちこち見て回ってる間にユーリは一服する。今日はコーヒーの気分だ。
20分程すると2人が戻って来た。
「この家大きすぎ!全部は無理だから、まず、1階から始めるわ。」
「ですね。それからお風呂に見慣れない物があったのですが何でしょう?」
「見慣れない物?」
「なんと言うかホースの様な物の先に持つところが付いた様な物です。」
「ああ、それはシャワーだよ。新しい商会にも付いているからそこで体験すると良いよ。」
「シャワー?」
「体や頭に着いた泡を洗い流す道具だね。」
「シャンプーや石鹸と相性が良さそうな道具ね。」
すぐにそこに直結するのはイルミの頭の良さを証明している。
「とりあえず今日は買い物に集中してね。商会は明日連れて行くから、仕事の話はその時に。」
「解りました~」
「じゃあ、馬車を貸すから買い物したらそのまま家に帰って良いよ。」
「そう言えば、あの馬車も何気に凄くない?」
「まあ、ちょっとばかり改造したからね。その内販売するかもね。」
2人を見送り、何かあったら通信機で連絡する様に伝える。
そう言えばグラストフの領主邸の執事が決まったって言ってたな。フロッシュさんに尋ねてみると、既に使用人もだいぶ揃って来ている様だ。これは一度会いに行かないとな。ちなみに名前は、マードルさんと言うらしい。フロッシュさん曰く若いがかなりの切れ者らしい。会うのが楽しみだ。
明日は午後にバート商会に行くので午前中にグラストフへ行こう。
12
あなたにおすすめの小説
まったく知らない世界に転生したようです
吉川 箱
ファンタジー
おっとりヲタク男子二十五歳成人。チート能力なし?
まったく知らない世界に転生したようです。
何のヒントもないこの世界で、破滅フラグや地雷を踏まずに生き残れるか?!
頼れるのは己のみ、みたいです……?
※BLですがBがLな話は出て来ません。全年齢です。
私自身は全年齢の主人公ハーレムものBLだと思って書いてるけど、全く健全なファンタジー小説だとも言い張れるように書いております。つまり健全なお嬢さんの癖を歪めて火のないところへ煙を感じてほしい。
111話までは毎日更新。
それ以降は毎週金曜日20時に更新します。
カクヨムの方が文字数が多く、更新も先です。
召喚失敗から始まる異世界生活
思惟岳
ファンタジー
庭付き一戸建て住宅ごと召喚されたせいで、召喚に失敗。いったん、天界に転送されたジュンは、これからどうしたいかと神に問われた。
「なろう」さまにも、以前、投稿させていただいたお話です。
ペンネームもタイトルも違うし、かなり書き直したので、別のお話のようなものですけれど。
インターネットで異世界無双!?
kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。
その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。
これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜
伽羅
ファンタジー
【幼少期】
双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。
ここはもしかして異世界か?
だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。
ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。
【学院期】
学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。
周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる