創造魔法で想像以上に騒々しい異世界ライフ

埼玉ポテチ

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第百四十七話

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 家に帰るとギンガが待っていた。ギンガは子犬の姿のままは不味いだろうと言う事で若干大きめになっている。中型犬位だろうか?近所にはこれで成犬なんですと言って居る。

 実はリュートも20歳位で姿が固定している。これは不老不死になった証拠なのだが、エリシアも何故か年を取らない。2センチ程背が伸びたと本人は言っているが、今も変わらず若いと言うか幼く見える。

 年を取らない種族が居るのだろうか?だとするとリュートも誤魔化すのが楽なのだが。

「おい、お主匂うぞ。」

「え?」

 慌てて自分の服の匂いを嗅ぐが良く解らない。

「アンデットの匂いだな。やり合ったのか?」

「ああ、ちょっと仕事でな。」

「ここの所、この周囲の森にもアンデットが少しずつ増えている様だ、何かの予兆で無ければ良いが。」

 ギンガがそんな事を言うので、ダンジョンの話をした。

「ほう?ノーライフキングが居たのか?」

「ああ、だが不思議な事にそのダンジョンのラスボスはスライムだったぞ。」

「ダンジョンのボスがスライムと言うのは初めて聞くな。」

「だろう?俺も驚いたよ。しかも不死身のスライムだ。弱点である核が無かった。」

「そのスライムもアンデット化していたのかもしれんな。」

「スライムがアンデット化するなんて事があるのか?」

「実はアンデットの生態については良く解らんことが多いのだ。なのでスライムがアンデット化する事もありうるかもしれんと言う話だ。」

「まあ、ダンジョン核は抜いたのでダンジョンはその内死ぬだろう。問題はそれでもアンデットが出るかどうかだな。」

「ふむ、我も気を付けてみて置こう。」

「頼むぞ。」

 ギンガは最近ふらりと森へ行く事が増えた。元々森の守護者みたいな物だったからなぁ。適当に強い魔物を間引いて、森の均衡を保っているのだろう。

 流石に今の大きさでは肩に乗せて歩くわけにも行かない。そう言えばここの所一緒に狩に行く回数も減ってるな。近い内にアンデットの様子見ついでに行ってみるか。

 ギンガに匂うと言われたので着替えてから、ルーイの将棋の相手をする。だいぶ上達して来たので近い内に学院へ持たせてみるかと予定を立てる。その後は食事を作り夕食を食べる。

 翌日は子爵邸に行き執務をこなす。今日はここで寝泊まりするので、食事も料理人の作った物になる。ここの料理人もだいぶ腕を上げた様で、満足して眠りに就く。週に1度とは言え、家族と離れて暮らすのは色々と心配だ。

 翌朝、朝食を取ってから家に帰った。

 既にルーイは学院へ行っていて、エリシアも出かけるので、エルナをお願いと押し付けられた。

 最近エリシアは冒険者稼業に週に2日位の割合で戻っている。レベル的にはミント達現役Sランクに引けを取らないと言って居るが、若干弱くなっている自覚はあるらしく、昔の様な無茶はしなくなった。

 今は『暁の乙女』に同行しているが、慣れたらソロで行くらしい。まあ、その時は一度同行して戦い方を見ようと思って居る。もしくはギンガを付けると言う事も検討中だ。

 エルナは相変わらず教えた事をどんどん吸収して行くので、教えていて面白い。今日は剣に属性魔法を纏わせる、属性剣を教えている。そう言えばルーイは教えなくても色々と試してくるが、エルナは自分で考えると言うより俺の魔法をどんどん吸収している感じだ。

「なぁ、エルナ。自分で考えて新しい魔法を造ってみるって言うのは難しいか?」

「う~ん、エルナはまだ魔法のお勉強をしてないから、魔法の作り方が解らないのです。」

「ん?家に魔法の本が色々あるだろう?あれは読んで無いのか?」

「兄様がエルナには難しいって言ってたのです。エルナも魔法の本は良く解らないのであまり好きではありません。」

 そうか、しかし、ルーイは6歳の頃には家にある魔法の本をすべてマスターしていた気がする。もっと難しい本は無いか聞かれた事もある。

 ルーイが普通なのかエルナが普通なのか、常識で考えればエルナだな。ルーイの魔法の知識は普通じゃない。

 その分エルナには剣の才能があるのでバランスは取れているが、ルーイはこのまま魔法特化で良いのだろうか?

 2時間程稽古をして、エルナに軽い物を食べさせる。午後は商店街に行くつもりだ。今日はエルナも連れて行こう。

 そう言えば何時もなら教会かエリシアに勉強を教えて貰っているので、この時間に外出する事は滅多に無いな。

 エルナは楽しそうにリュートの後を追いかけて歩いている。商店街に着くと微笑ましい視線が向けられる。なんかくすぐったい。

 今日はエリシアが狩りに出たので夕食はガッツリと肉にしよう。『暁の乙女』達も来るだろう。肉屋で多めに肉を調達する。

 八百屋で野菜や果物も調達する。今日は時間もあるしじっくりと煮込んだビーフシチューもどきを作ろう。バッファローの肉を大きめにカットすればボリューム的にも満足できるものが出来るはずだ。

 買い物がてら補充もしながら、商店街を一通り歩き、家へと帰る。

 家に着くとエルナを助手に料理を始める。まずバッファローの肉をこぶし大位におおざっぱにカットし、茹でて行く。1時間程茹でて柔らかくなったら一旦肉を取り出し。今度は野菜を煮込む。野菜の形が崩れて来たら、ワインと肉を入れ更に煮込む。
 
 その間にバターと小麦粉を炒めてデミグラスソースを作る。セロリが無いので他のハーブで代用する。フォン・ド・ヴォーは作り置きしてあるのでそれを使う。

 簡易デミグラスソースが完成したら、鍋に加え、とろみが出るまで煮て行く。

 シチューとして食べるならとろみが強い方が良いが、今回は肉を食べる為の料理法なのでやや汁気を残して作る。一旦火を止め味が入るのを待つ。

 待ってる間にデザートを作ろうと思う。実はごま油の製造に成功したので、あんまんを作りたい。ごま油は一部の地域では普通に使用されていた。そこからレシピを購入して再現した物だ。

 あんまんの皮はパン生地と大して変わらない。パンと違うのは薄力粉が入る事とベーキングパウダーを使う事位だろう。

 前に肉まんを作ったので作り方は解っている。問題は材料を集めるのが大変だったことだ。ベーキングパウダーは無いので重曹を使う。これは具現化魔法で作った。

 中の餡は小豆餡にごま油を混ぜて作る。今回はより本格的な味にするため練りごまも混ぜてみる。生地と餡が出来たのでエルナにあんまんの形にして貰う。エルナは小さい時から俺の料理を見ているので意外に器用に色々とこなす。今回も一度手本を見せたら、どんどんとあんまんを増産している。20個位出来たので最後の発酵をさせる、これは30度くらいに温度を保つ必要があるので、火魔法で温度を上げた袋の中に入れて置く。

 まずルーイが帰って来る。ルーイには今日学院で合った事をざっと聞く。そうこうしているとエリシアたちが帰って来た。

 一気に騒がしくなる。まずは冷えたエールを4つ出す。何にか解らないが乾杯している。

 次に温めなおしたビーフシチューもどきを出す。これは子供たちの分も合わせて7人分だ。皆、ガッツリとした肉料理にかぶり付いている。じっくりと煮込んだ肉はナイフが無くてもフォークだけで崩れる程柔らかく煮えている。

 皆が肉と格闘している間にあんまんを蒸して行く。7人居るので1回に7個蒸す。多分、2回蒸す事になるだろう。

 蒸している合間にキッチンで俺も食事を取る。

 10分位するとお替りの声が聞こえたので、ちょっと待ってろとチューハイを出して置く。

 15分程蒸したあんまんをテーブルの上にどんと出して。2回目の蒸しに入る。一旦リビングに戻って

「肉と甘味どっちをお替りする?」

 そう聞くと酔っ払い4人は両方~と答えていた。子供たちはお腹いっぱいの様だ。

 教育上どうなんだ?
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