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10.追放テイマーは秘密を知る
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私は、手を握られた状態で硬直していた。
目の前には、金髪のイケメン王子。
……どうしよう、これ。
……なんだか意識しちゃって、手がほどけないんだけど。
ベリル王子は、嬉しそうにニッコリと微笑む。
私は慌てて顔を横に逸らした。
――あれ?
部屋の窓に誰かいる?
よく見ると、紫色の髪をした女の子がこちらをのぞき込んでいた。
彼女は私と目があうと、慌てた表情でさっと姿を隠す。
「ベリル様、ストップ! 今窓から誰か覗いてなかった?」
「……窓? 誰もいないけど?」
あらためて、窓をみてみると。
誰もいない。
……気のせいだったのかな。
でも、なんだか。
家の外から色んな音が聞こえてくる。
たくさんの人の話し声と、動物の鳴き声?
「お、お客さんがきてるのかも。ちょっと外見てくるね」
「ちょっとまってショコラ。むやみに扉を開けないで……」
ふぅ。危なかった。
まだ胸がドキドキいってるよ。
どうしたんだろ……私。
大きく深呼吸をして扉を開けると。
真っ白な豪華な馬車と、びしっと左右に整列した騎士達。
そして。
紫色の長い髪をなびかせた、可愛いらしい女の子が立っていた。
………。
…………ハイ?
「やっとお会いできました! これはもう運命ですわね!」
彼女は、大きな目を潤ませると、両手を広げて嬉しそうに飛び込んで来た。
ふわりと、全身が甘い匂いに包まれる。
えええ!?
なんでいきなり、すごい美少女に抱きつかれているの、私。
「ミルフィナ……なんでここに?」
「それは、お兄さまの後を追いかけてきたからですわ」
お兄様? それにミルフィナって?
……えーと。
もしかして。
この国の第一王女、ミルフィナ様!?
ミルフィナ様は、私に頬をよせてうれしそうにつぶやいた。
「うふふ、ずっとお慕いしておりました、ショコラさま!」
**********
村から少し離れた丘の上の、一部屋しかいない小さな家。
田舎でゆっくりスローライフを楽しむためのマイホームなのに。
――なぜか。
部屋の雰囲気に不釣り合いな、キラキラした人物が二人も座っている。
「ミルフィナ、お兄ちゃんたちはこれから忙しいんだけど?」
「知っておりますわ。これから運送ギルドのお仕事なのですね」
知ってるって、なんだか当然みたいにいわれたんだけど。
あれ? もしかして。
ベリル王子と同じで、チョコやアイスちゃんに聞いたのかなぁ。
「あの、ミルフィナさまも、竜に変身したり動物とお話したりできるのですか?」
「……え?」
「ショコラ、それはまずい!」
ミルフィナ様は、可愛らしい大きな瞳をさらに大きくして、口元を押さえる。
「お兄さま、まさか王族の秘密をお話になられたのですか?!」
「うん。話したっていうかさ。見られた?」
「ええっ? お兄さま、それは本当なのですか?」
「……あの、やっぱりナイショだったんですか?」
私はおそるおそる、ミルフィナ様に聞いてみる。
「もちろんですわ! 王族が竜の血をひいた一族だなんて!」
「こら、ミルフィナ!」
「あー、それで竜に変身できるんですね?」
私は納得すると、ポンと手のひらを叩いた。
そっか、王家って竜の血を引いてたんだ。
すごいなぁ、さすがファンタジー世界。
「……もしかして、ご存じなかったのですか?」
「えーと、変身できることだけは聞いてたんですけど」
ミルフィナ様はぶるぶると体を震わせる。
「お兄さま、どうしましょう! 王家の秘密を話してしまいました!」
「あー、いいんじゃないかな。どうせバレてたようなものだし」
やっぱり、ナイショだったんだ。
そうだよね、竜に変身できると血をひいてるとか、すごいと思うもん。
あれ、でも……。
「ベリル様。王家の秘密なのに、先日街中で変身してましたよね?」
「うわぁ、ショコラ、その話は!!」
「……お兄さま?!」
ミルフィナさまは、驚いた表情で口元を押さえる。
「あれはさ、ショコラを喜ばせようと……それだけで頭がいっぱいでさ……」
少し頬を染めて、うつむいて言葉を続ける。
「でも、誰も見られてないのを確認してから変身してるから、平気だよ?」
……もう。
そんなに顔を真っ赤にして見つめられたら。
こっちまで……頬があつくなるじゃない。
私の表情を見たミルフィナ様が、頬をぷくっと膨らました。
「わ、わたくしだって負けませんわ!」
彼女の足元がキラキラ輝くと、光が全身を包んでいく。
これってもしかして?
彼女は紫色の小さなドラゴンに変身した。
ほっそりとした体に、キレイな翼。
頭には小さな角がちょこんとのっていている
「うふふ、どうです? わたくしのドラゴン姿」
小さなドラゴンは、私の頬をぺろりと舐めてきた。
うわぁぁ、なにこの生き物。
可愛い。可愛すぎるんですけど!!
おもわず、ぎゅっと抱きしめた。
「うわぁ、それ反則だろ、ミルフィナ!」
「勝負はもうはじまっているのですわ、お兄さま!」
「くそ、負けるもんか!」
王子もまんまるな赤いドラゴンに変身した。
お腹にある調教した証がキラキラと光を放っている。
「お兄さま……そのお腹の模様……どうされたのですか?」
そうだった!
変身したら、私がテイムした事がばれちゃうじゃん!
「ああ、これはね……」
私は慌てて、まんまるなベリル王子にかけよると、両手で口をふさいだ。
「あはは、きっとオシャレなんじゃないかな? ほら、お兄さんカッコいいから!」
ミルフィナ様は人間の姿に戻ると、抱きかかえられた王子をじっと見つめる。
うわぁ。
もし知られたらどうなんだろう……。
王族をテイムするとか……。
死罪? やっぱり死罪ですか?!
「あの、ショコラ様?」
「なんでしょう?」
「今の、調教印ですわよね?」
私は目の前が真っ暗になったのを感じた。
あー、終わったのね。
私の異世界生活……。
……せめて最後に一目だけでも……勇者様にお会いしたかったな。
目の前には、金髪のイケメン王子。
……どうしよう、これ。
……なんだか意識しちゃって、手がほどけないんだけど。
ベリル王子は、嬉しそうにニッコリと微笑む。
私は慌てて顔を横に逸らした。
――あれ?
部屋の窓に誰かいる?
よく見ると、紫色の髪をした女の子がこちらをのぞき込んでいた。
彼女は私と目があうと、慌てた表情でさっと姿を隠す。
「ベリル様、ストップ! 今窓から誰か覗いてなかった?」
「……窓? 誰もいないけど?」
あらためて、窓をみてみると。
誰もいない。
……気のせいだったのかな。
でも、なんだか。
家の外から色んな音が聞こえてくる。
たくさんの人の話し声と、動物の鳴き声?
「お、お客さんがきてるのかも。ちょっと外見てくるね」
「ちょっとまってショコラ。むやみに扉を開けないで……」
ふぅ。危なかった。
まだ胸がドキドキいってるよ。
どうしたんだろ……私。
大きく深呼吸をして扉を開けると。
真っ白な豪華な馬車と、びしっと左右に整列した騎士達。
そして。
紫色の長い髪をなびかせた、可愛いらしい女の子が立っていた。
………。
…………ハイ?
「やっとお会いできました! これはもう運命ですわね!」
彼女は、大きな目を潤ませると、両手を広げて嬉しそうに飛び込んで来た。
ふわりと、全身が甘い匂いに包まれる。
えええ!?
なんでいきなり、すごい美少女に抱きつかれているの、私。
「ミルフィナ……なんでここに?」
「それは、お兄さまの後を追いかけてきたからですわ」
お兄様? それにミルフィナって?
……えーと。
もしかして。
この国の第一王女、ミルフィナ様!?
ミルフィナ様は、私に頬をよせてうれしそうにつぶやいた。
「うふふ、ずっとお慕いしておりました、ショコラさま!」
**********
村から少し離れた丘の上の、一部屋しかいない小さな家。
田舎でゆっくりスローライフを楽しむためのマイホームなのに。
――なぜか。
部屋の雰囲気に不釣り合いな、キラキラした人物が二人も座っている。
「ミルフィナ、お兄ちゃんたちはこれから忙しいんだけど?」
「知っておりますわ。これから運送ギルドのお仕事なのですね」
知ってるって、なんだか当然みたいにいわれたんだけど。
あれ? もしかして。
ベリル王子と同じで、チョコやアイスちゃんに聞いたのかなぁ。
「あの、ミルフィナさまも、竜に変身したり動物とお話したりできるのですか?」
「……え?」
「ショコラ、それはまずい!」
ミルフィナ様は、可愛らしい大きな瞳をさらに大きくして、口元を押さえる。
「お兄さま、まさか王族の秘密をお話になられたのですか?!」
「うん。話したっていうかさ。見られた?」
「ええっ? お兄さま、それは本当なのですか?」
「……あの、やっぱりナイショだったんですか?」
私はおそるおそる、ミルフィナ様に聞いてみる。
「もちろんですわ! 王族が竜の血をひいた一族だなんて!」
「こら、ミルフィナ!」
「あー、それで竜に変身できるんですね?」
私は納得すると、ポンと手のひらを叩いた。
そっか、王家って竜の血を引いてたんだ。
すごいなぁ、さすがファンタジー世界。
「……もしかして、ご存じなかったのですか?」
「えーと、変身できることだけは聞いてたんですけど」
ミルフィナ様はぶるぶると体を震わせる。
「お兄さま、どうしましょう! 王家の秘密を話してしまいました!」
「あー、いいんじゃないかな。どうせバレてたようなものだし」
やっぱり、ナイショだったんだ。
そうだよね、竜に変身できると血をひいてるとか、すごいと思うもん。
あれ、でも……。
「ベリル様。王家の秘密なのに、先日街中で変身してましたよね?」
「うわぁ、ショコラ、その話は!!」
「……お兄さま?!」
ミルフィナさまは、驚いた表情で口元を押さえる。
「あれはさ、ショコラを喜ばせようと……それだけで頭がいっぱいでさ……」
少し頬を染めて、うつむいて言葉を続ける。
「でも、誰も見られてないのを確認してから変身してるから、平気だよ?」
……もう。
そんなに顔を真っ赤にして見つめられたら。
こっちまで……頬があつくなるじゃない。
私の表情を見たミルフィナ様が、頬をぷくっと膨らました。
「わ、わたくしだって負けませんわ!」
彼女の足元がキラキラ輝くと、光が全身を包んでいく。
これってもしかして?
彼女は紫色の小さなドラゴンに変身した。
ほっそりとした体に、キレイな翼。
頭には小さな角がちょこんとのっていている
「うふふ、どうです? わたくしのドラゴン姿」
小さなドラゴンは、私の頬をぺろりと舐めてきた。
うわぁぁ、なにこの生き物。
可愛い。可愛すぎるんですけど!!
おもわず、ぎゅっと抱きしめた。
「うわぁ、それ反則だろ、ミルフィナ!」
「勝負はもうはじまっているのですわ、お兄さま!」
「くそ、負けるもんか!」
王子もまんまるな赤いドラゴンに変身した。
お腹にある調教した証がキラキラと光を放っている。
「お兄さま……そのお腹の模様……どうされたのですか?」
そうだった!
変身したら、私がテイムした事がばれちゃうじゃん!
「ああ、これはね……」
私は慌てて、まんまるなベリル王子にかけよると、両手で口をふさいだ。
「あはは、きっとオシャレなんじゃないかな? ほら、お兄さんカッコいいから!」
ミルフィナ様は人間の姿に戻ると、抱きかかえられた王子をじっと見つめる。
うわぁ。
もし知られたらどうなんだろう……。
王族をテイムするとか……。
死罪? やっぱり死罪ですか?!
「あの、ショコラ様?」
「なんでしょう?」
「今の、調教印ですわよね?」
私は目の前が真っ暗になったのを感じた。
あー、終わったのね。
私の異世界生活……。
……せめて最後に一目だけでも……勇者様にお会いしたかったな。
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