50 / 95
50.追放テイマーと恋愛の湯
しおりを挟む
ハファルル王国は、別名『温泉王国』って呼ばれていて、国内にたくさんの温泉街が存在している。
温泉がたくさんあるから、いろんな効能のお湯が出てるんだけど。
とにかく種類が多いし、前世では聞いたことの無いような不思議なお湯もいっぱいあるみたい。
えーと、例えばなんだけど。
『金運上昇』とか『魔力向上』、果ては『勇者になれるお湯』とか。
……。
…………。
……どんなお湯なんだろう?
……色々能力が上がるとか?
「なに温泉紹介みて難しい顔してるのよ、ショコラ」
「さっさと温泉行くよ!」
「だって、ほら。こんなに種類があるんだよ? どこに入るか迷うじゃん!」
リサとコーディーにパンフレットを開いて見せた。
二人は、顔を見合わせてニヤリと笑う。
ちょっとなんなのよ、その笑顔。
「えー。そんなのきまってるじゃない」
「うんうん」
「決まってるって、どこに行くつもりなの?」
「「恋愛の湯よ!!」」
なにそれ。
お湯と恋愛がどうつながるのよ。
温泉王国……おそるべし。
「ショコラお姉さま、私もご一緒していいですか!」
ダリアちゃんが目を輝かせて手をにぎってきた。
「うん。じゃあ、行こうか。その恋愛の湯に!」
「やったぁ! 楽しみ!」
ダリアちゃんは、嬉しそうにぴょんぴょん跳ね回っている。
恋愛かぁ。
転生してから全然縁がないんだよね。
ううん、ちがう。転生前からだよ、私!!
女神エステル様。
勇者のスキルとかまったく興味なし、お返しするので。
恋愛運を、ちょこっとでいいから上げてくれないかなぁ。
……なんて。
私は遠い目で、嬉しそうにはしゃぐ三人を見つめていた。
**********
「ほら、ショコラ。来て正解じゃない? これは恋愛に効きそうだわ~」
「ホントホント。うん、私さらにアイドルになれる気がする!」
「さらにって。どうなりたいのよ、コーディーは」
「もちろん、村一番のアイドルに決まってるじゃない! ショコラには負けないんだから!!」
「……アンタさ、体形的には完全に負けてるわよ」
「うるさいわね、これから成長するのよ!」
ホント仲良しだよね、リサとコーディーって。
恋愛の湯は、大きな岩がたくさんある露天風呂で、薄いピンク色をしている。
浮かんでいるのはバラの花かな?
すごくいい匂い。
ふぅ、なんだか……癒される。
「お姉さま、お姉さま。これで……シャルル様と仲良くなれるかな?」
「うーん、ダリアちゃん可愛いから大丈夫よ」
「……そうかな?」
「うんうん、私も応援するね!」
私はダリアちゃんを思い切り抱きしめる。
頬が真っ赤なのはきっと温泉のせいだけじゃないよね。
ホントに可愛いなぁ。
お相手が魔王っていうのは、悩ましいとこだけど。
でも、悪い人じゃないんだよね。
がっちりとした筋肉質の体格と黒髪さわやか風イケメンの容姿なのに、ちょょっと残念な感じが、逆にカワイイというか。
「さて、ショコラ。そろそろアンタの本命を聞きましょうか?」
リサが固まった笑顔のまま、両手を広げてゆっくりと近づいてきた。
「え? 本命って?」
なにこれ。
ちょっとその表情、怖いんだけど。
思わず後ずさりしたところを、今度はコーディーに後ろから抱きつかれる。
「ホントよ。村の男の子によく聞かれるんだから! ショコラの本命は誰なのよ?」
「ちょっとくすぐったいってば!!」
「コーディー、そのまま押さえてて。ふふふ、ほら大人しく白状しなさい!!」
「ショコラちゃん、諦めて白状しちゃおうよぉ」
「本命とかそういうのないから! 私二人みたいにモテないし!」
二人の動きが一瞬止まった。
なに、この沈黙。
「……アンタ、本気で言ってるのよね?」
「うーん。変わってないわね、ショコラ」
「お姉さまって、昔からこうなんですか?」
「ちょっと、どういう意味よ!」
なんでそんな気の毒そうな顔で見られないといけないの、私!?
「ショコラちゃん、見つけましたわ! やっぱり、私たちは赤い糸で結ばれてるのね!」
三人に言い返そうとした瞬間、大きな声が露天風呂に響きわたった。
「ミルフィナちゃん!」
「ああ、二人で恋愛の湯に入れる日がくるなんて。これはもう愛の力ですわ」
彼女は、湯舟に入ると私に抱きついてきた。
紫色のキレイな髪がふわっと顔にかかって、甘いお菓子のような香りに包まれる。
「まさか……アンタの本命って」
「そうなの? ショコラおめでとう!」
ちょっとまって、大親友。
どういう結論でそうなったよ!
**********
「いい湯だったねぇ、ところで気になってたんだけどさ」
「ん。なに?」
私たちは、自分たちの部屋に戻っていた。
夕飯なんだろ。
楽しみだなぁ。
「その剣、そんなに大切なの? 温泉にも持って行ってたけど」
「あー、それ私も思ってた」
私は、リサの質問に、おもわず持っていたパンフレットを落としそうになる。
「あー。ほら、護身用っていうか。一応さ魔王軍の主ってことになってるし」
「ふーん、やっぱり大変だねぇ」
「私はアイドルだから、武器なんて持たないけど~」
――ウソだけど。
――思いっきりウソだけど。
だって、この聖剣……。
一定以上離れると、勝手に近くに出現するんだもん!!
なにこれ。
もう完全に呪いのアイテムだよ!
「まぁ、魔界の主も大変よね。私らは楽しい避難生活でラッキーくらいだけどさ」
「だねー。みんなおもいきり楽しんでるよね」
え。
「……もしかして、気づいてないと思ってたの?」
「……うん」
大親友は、一瞬きょとんとした表情をした後、大きな声で笑い出した。
「普通の旅行で、巨大な馬車を何台も使ったりしないでしょ。しかも村人全員参加だったしさぁ」
「この時期に魔王軍が護衛までしてくれて、一週間以上も滞在するなんて。誰でも気づくと思わない?」
コーディーはおなかを抱えながら、最新の勇者新聞を差し出してくる。
そこには大きな見出しでこう書かれていた。
『フォルト村に向けて、正義の勇者軍が集結完了! まもなく王妃奪還作戦開始か!?』
……。
…………。
魔王城のみんなで考えた完璧なプランだったのに!!
温泉がたくさんあるから、いろんな効能のお湯が出てるんだけど。
とにかく種類が多いし、前世では聞いたことの無いような不思議なお湯もいっぱいあるみたい。
えーと、例えばなんだけど。
『金運上昇』とか『魔力向上』、果ては『勇者になれるお湯』とか。
……。
…………。
……どんなお湯なんだろう?
……色々能力が上がるとか?
「なに温泉紹介みて難しい顔してるのよ、ショコラ」
「さっさと温泉行くよ!」
「だって、ほら。こんなに種類があるんだよ? どこに入るか迷うじゃん!」
リサとコーディーにパンフレットを開いて見せた。
二人は、顔を見合わせてニヤリと笑う。
ちょっとなんなのよ、その笑顔。
「えー。そんなのきまってるじゃない」
「うんうん」
「決まってるって、どこに行くつもりなの?」
「「恋愛の湯よ!!」」
なにそれ。
お湯と恋愛がどうつながるのよ。
温泉王国……おそるべし。
「ショコラお姉さま、私もご一緒していいですか!」
ダリアちゃんが目を輝かせて手をにぎってきた。
「うん。じゃあ、行こうか。その恋愛の湯に!」
「やったぁ! 楽しみ!」
ダリアちゃんは、嬉しそうにぴょんぴょん跳ね回っている。
恋愛かぁ。
転生してから全然縁がないんだよね。
ううん、ちがう。転生前からだよ、私!!
女神エステル様。
勇者のスキルとかまったく興味なし、お返しするので。
恋愛運を、ちょこっとでいいから上げてくれないかなぁ。
……なんて。
私は遠い目で、嬉しそうにはしゃぐ三人を見つめていた。
**********
「ほら、ショコラ。来て正解じゃない? これは恋愛に効きそうだわ~」
「ホントホント。うん、私さらにアイドルになれる気がする!」
「さらにって。どうなりたいのよ、コーディーは」
「もちろん、村一番のアイドルに決まってるじゃない! ショコラには負けないんだから!!」
「……アンタさ、体形的には完全に負けてるわよ」
「うるさいわね、これから成長するのよ!」
ホント仲良しだよね、リサとコーディーって。
恋愛の湯は、大きな岩がたくさんある露天風呂で、薄いピンク色をしている。
浮かんでいるのはバラの花かな?
すごくいい匂い。
ふぅ、なんだか……癒される。
「お姉さま、お姉さま。これで……シャルル様と仲良くなれるかな?」
「うーん、ダリアちゃん可愛いから大丈夫よ」
「……そうかな?」
「うんうん、私も応援するね!」
私はダリアちゃんを思い切り抱きしめる。
頬が真っ赤なのはきっと温泉のせいだけじゃないよね。
ホントに可愛いなぁ。
お相手が魔王っていうのは、悩ましいとこだけど。
でも、悪い人じゃないんだよね。
がっちりとした筋肉質の体格と黒髪さわやか風イケメンの容姿なのに、ちょょっと残念な感じが、逆にカワイイというか。
「さて、ショコラ。そろそろアンタの本命を聞きましょうか?」
リサが固まった笑顔のまま、両手を広げてゆっくりと近づいてきた。
「え? 本命って?」
なにこれ。
ちょっとその表情、怖いんだけど。
思わず後ずさりしたところを、今度はコーディーに後ろから抱きつかれる。
「ホントよ。村の男の子によく聞かれるんだから! ショコラの本命は誰なのよ?」
「ちょっとくすぐったいってば!!」
「コーディー、そのまま押さえてて。ふふふ、ほら大人しく白状しなさい!!」
「ショコラちゃん、諦めて白状しちゃおうよぉ」
「本命とかそういうのないから! 私二人みたいにモテないし!」
二人の動きが一瞬止まった。
なに、この沈黙。
「……アンタ、本気で言ってるのよね?」
「うーん。変わってないわね、ショコラ」
「お姉さまって、昔からこうなんですか?」
「ちょっと、どういう意味よ!」
なんでそんな気の毒そうな顔で見られないといけないの、私!?
「ショコラちゃん、見つけましたわ! やっぱり、私たちは赤い糸で結ばれてるのね!」
三人に言い返そうとした瞬間、大きな声が露天風呂に響きわたった。
「ミルフィナちゃん!」
「ああ、二人で恋愛の湯に入れる日がくるなんて。これはもう愛の力ですわ」
彼女は、湯舟に入ると私に抱きついてきた。
紫色のキレイな髪がふわっと顔にかかって、甘いお菓子のような香りに包まれる。
「まさか……アンタの本命って」
「そうなの? ショコラおめでとう!」
ちょっとまって、大親友。
どういう結論でそうなったよ!
**********
「いい湯だったねぇ、ところで気になってたんだけどさ」
「ん。なに?」
私たちは、自分たちの部屋に戻っていた。
夕飯なんだろ。
楽しみだなぁ。
「その剣、そんなに大切なの? 温泉にも持って行ってたけど」
「あー、それ私も思ってた」
私は、リサの質問に、おもわず持っていたパンフレットを落としそうになる。
「あー。ほら、護身用っていうか。一応さ魔王軍の主ってことになってるし」
「ふーん、やっぱり大変だねぇ」
「私はアイドルだから、武器なんて持たないけど~」
――ウソだけど。
――思いっきりウソだけど。
だって、この聖剣……。
一定以上離れると、勝手に近くに出現するんだもん!!
なにこれ。
もう完全に呪いのアイテムだよ!
「まぁ、魔界の主も大変よね。私らは楽しい避難生活でラッキーくらいだけどさ」
「だねー。みんなおもいきり楽しんでるよね」
え。
「……もしかして、気づいてないと思ってたの?」
「……うん」
大親友は、一瞬きょとんとした表情をした後、大きな声で笑い出した。
「普通の旅行で、巨大な馬車を何台も使ったりしないでしょ。しかも村人全員参加だったしさぁ」
「この時期に魔王軍が護衛までしてくれて、一週間以上も滞在するなんて。誰でも気づくと思わない?」
コーディーはおなかを抱えながら、最新の勇者新聞を差し出してくる。
そこには大きな見出しでこう書かれていた。
『フォルト村に向けて、正義の勇者軍が集結完了! まもなく王妃奪還作戦開始か!?』
……。
…………。
魔王城のみんなで考えた完璧なプランだったのに!!
0
あなたにおすすめの小説
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる