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第二章

4.冷静になりました

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「マイス! ポーション効いたよ! もう大丈夫!」

レナさんから通信が入って、僕はホッとした。今回の冒険は、素材の採取だったから必要なものを採取したらすぐに帰って来るそうだ。

アオイさんは意識も戻ったし、自分で回復もしたから冒険は続けられると主張したけど僕ら3人で必死で止めた。

本当は依頼を中断してすぐ帰って来て欲しいくらいなんだと大声で怒鳴ったら、さすがに諦めてくれた。

今日の夕方には帰って来るそうだ。

「良かった……」

「マイス、アオイ ダイジョウブ?」

「ああ、キュビさん、もう大丈夫ですよ……」

「マイス ナキスギ」

「すいません、すいません……」

「ギルド ニ ポーション アッテ ヨカッタナ」

「本当ですよ。焦って買いすぎちゃって……、あ」

「ドウシタ」

その時、冒険者ギルドでのあれこれを思い出した。あの時は頭に血が昇ってたけどあの冒険者の人達、大丈夫だったかな? 思いっきり急所に蹴りを入れたんだけど。

そういえば、あとで謝りに行くって言ってたまま放置してた。やばい……。冷静になると僕の行動はかなりおかしかった。なんで高価なのに100個もポーション買ったの?! 理由の説明もしなかったし……そりゃ絡まれるよ!

「キュビさん、冒険者ギルドに謝罪に行ってきます」

「シャザイ? マイス ナニシタ?」

「絡まれたので急所に攻撃して逃走しました」

「マイスノ チカラデ キュウショ ニ コウゲキ ナンテ アワレダナ」

「あぁぁ! そうですよね! 手加減なんてしませんでしたよ! そんな余裕なかったし!」

「オトコカ?」

「全員男性ですね」

「モウ ダメ カモナ」

「何が?! 何がダメなの?!」 

「マイス ノ チカラ ナラ モウ フノウ カモ」

僕、力と体力だけはあるんだよ! 見習い生活なんて体力がないとできない。大工もしてたし大荷物もしょっちゅう持ってたから、自然と筋力はついた。

あの時は転移を邪魔されて、ものすごくイラついてたから、急所に思いっきり蹴り入れたんだよね。あんなの僕なら絶対食らいたくない。やばい、あの冒険者さんたちに謝らないと。ってか、不能?! なんかとんでもない事した?!

「キュビさん、謝罪って菓子折り持っていけばいいですか?」

「ケーキ! ケーキガ イイゾ!」

「それキュビさんが食べたいだけですよね……」

でも、ケーキは良いかも。たまにマリカさんに差し入れするけど、美味しそうだと言ってる冒険者さんたちも多いし。急いで多めに焼く。ついでにみんなの分とキュビさんの分も焼いて、キュビさんに味見してもらって、味も問題なかったからマジックバックに入れて持っていく。何人攻撃したか覚えてないし、多めに持って行かないと。
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