旦那様は、転生後は王子様でした

編端みどり

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第三十四話

「マリー、ローランがキレた」

「またマリアベルが何かやらかしたの?!」

「ローランの婚約者に、泥棒猫と詰め寄った」

「うっわあ……ローラン様怒ったでしょう……」

クリスティーナ様がミシェル様の膝の上に抱かれて紅茶を飲みながら震えています。

あの後クリスティーナ様に聞いたのですが、ゲームではローラン様はずいぶん腹黒かったそうです。現在のローラン様は分かりませんが、セドリックとミシェル様がずいぶん頷いておられましたから、近い性格なのかもしれませんね。

「ああ、ローランはすぐにでも婚約者と婚姻させろと言い出した」

「そんな事可能なの?」

「……王家が許可すれば可能だ。2人は成人間近だからな。この世界は離婚は出来ない。貴族とはいえ妻は1人だ。結婚してしまえば付け入る隙はなくなる」

王族は側妃を持てますが、貴族は持てません。まぁ、愛人を持つ貴族は居るみたいですけど、子の継承権はありませんし、所詮お遊びです。

愛人の子を養子にする事はあるみたいですけどね。何でもかんでもクリーンにとはいきません。

「それで、許可は出したんですか?」

「父上と、宰相が協議中だ」

「なんか、マリアベル様が悪役令嬢みたいですよね。私も、何であんたがミシェル様の婚約者なのよって言われましたよ~。周りはドン引きしてたのに、なんで気が付かないんですかね?」

「クリスティーナ……それ、いつの話?」

「み、ミシェル……? ど、どうしたの? えっとね、3日くらい前かな? 別に手を出されたりしてないから大丈夫だよ」

「その後、何か危険はなかった?」

「あー……昨日は何故か植木鉢が落ちて来た。でも私結構反射神経良いんだよ! お友達が当たりそうになったから助けたの。そういえば、落とした人現れなかったなぁ」

クリスティーナ様! それは明らかに狙われておりますわ!

おそらくクリスティーナ様を狙っていたから影が対象を逸らしたのですね。それがお友達に当たりそうになったからクリスティーナ様がお助けしたのでしょう。

これ、後で対策を練った方がよろしくありませんか? セドリックが頷いているからおそらく大丈夫ですわね。

ミシェル様の目が据わっておられるのに、クリスティーナ様は気付かれていないのでしょうか?

「クリスティーナは、マリアベル嬢に危険は感じなかったの?」

「危険? なんで? マリアベル様は別に……キャンキャン吠えてる小型犬って感じ」

「ミシェル、クリスティーナ嬢は前世でもこんな感じだ。自分の興味がない事にはとことん無関心なんだ」

「へぇ……そうなの。なんか兄上からクリスティーナの事を説明されるのは腹が立つなぁ。ねぇクリスティーナ、もっと君の事を僕に教えてくれる?」

「ち、近い! ミシェル! 顔が近い!!!」

「さ、僕は父上の所に行くよ。マリーもおいで?」

「分かりましたわ」

「さすが兄上だね」

「馬に蹴られたくないからな」

「なんかこのセリフ以前に聞いた事あるよぉぉ!」

クリスティーナ様の叫び声がしましたが、すぐに静かになりましたのでおそらくミシェル様から口付けでもされているのでしょう。

ミシェル様も、セドリックと負けず劣らず独占欲が強いようですわね……。

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