【R18】花頭症候群 ~花盛りの女たちと、翻弄される男たちのあれやこれや

優奎 日伽 (うけい にちか)

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2. 杏里 ~逃がさないから覚悟して?

杏里 ⑧ 【R18】

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 抓んで転がしている蕾はさらに膨らみ、真っ赤に腫れ上がっていた。蜜口はヒクヒク蠢き、溢れる蜜をぢゅっと吸うと音に反応してまた溢れ、切りがないほど潤沢だ。
 蜜口から真っ赤な蕾へと舐め上げ、舌先で突っつくと腰を震わせた瑠珠の鼻に掛かった啼き声が漏れ、杏里は悦に目を細め、ゆっくりと彼女の隘路に長い指を沈めていく。

 溜め込んだ熱で充血し、膣内なかはひどく熱く泥濘ぬかるんでいた。
 杏里が少し指を動かしただけで卑猥な水音をさせ、蜜口からトロトロと流れ出る。
 この膣内に雄を挿入したら、どんなにか気持ち良いだろう。

 何度も妄想する杏里のジーンズの中の滾りが苦しくて仕方ない。
 瑠珠が覚えていなくても良いから、いっそのこと突っ込んでやろうかと考えたのは、数えてもう何桁目になるだろうか。そのくらい毎日、毎時間、時には毎分の勢いで妄想し捲っている。

(けど、酔って記憶がないとか、脱童貞なかった事にされたら凹むし、覚えてて貰わないと困る! 合意の上で、且つ俺から逃げ出せないように、それをネタに周り固めてかなきゃなんないんだからさ)

 一度は涙を飲んで身を引いた。
 あわよくばと狙っていたのも事実ではあるけれど。

(それで充分だろ?)

 今度ばかりは、瑠珠に逃げ道を作ってやる心算は欠片もない。
 ただ最後の砦を杏里がいつまで死守できるのか、些か……いや。かなり不安だ。

「……マジ挿入はいりてぇ」

 そんなボヤキがつい零れる。
 杏里の指で快楽を抉り出される瑠珠の甲高い嬌声が、部屋に響く。
 瑠珠は自分ではどうにも出来ない快感に涙を流し、脚をくの字に突っ張って、浮かした腰を振り出した。貪欲に彼の指を食らわんとする淫壁が、ぎゅうぎゅうと締め付けてくる。出来る事なら、この昂った半身を締め付けて欲しい所だけど。

 指の抽送を激しくすると、瑠珠が小さく「ひぃん」と啼いて全身を痙攣させ、直ぐに硬直した。
 暫くすると彼女の身体はひと震えして弛緩し、ベッドに崩れていく。脱力しきった瑠珠のとろんとした眼差しが、瞼に隠されそうになって杏里は焦った。

「ダメ! まだ寝かさないよ。今度は俺もちょっと気持ち良くさせて」

 挿れないから、と自分に言い聞かせながら、杏里はジーンズの前を弛ませて、青筋を立てて怒り狂ったような雄芯を露にした。
 目にした瑠珠の口元が僅かに引く付き、四肢に力が入らない癖に逃げようとする。彼女の両膝裏に腕を回し、くの字にして引き寄せた。

「ぁ……やぁん……ま…まって」
「待たない」

 閉じた瑠珠の脚を持ち上げ、クレバスに沿って雄芯を這わせると、両脚を抱き締める。もっちりと吸い付くような内腿が、程良い感触で杏里を挟み込んだ。視覚だけでイってしまいそうな卑猥な姿態。堪らず切先から溢れていた先走りと、瑠珠の愛蜜でそれはヌルリと滑り、腫れ上がって敏感過ぎるくらい敏感で繊細な蕾と、しっとりと杏里を包み込む花弁に我を忘れた。
 厭らしい音が杏里の耳を犯し、電気のような痺れが背筋を走り廻る。

「あん、だめ…イッたばっ…か」
「逃げるな! 動いたら間違って膣内に挿入った瞬間、出るぞッ」

 冗談ではなく。
 “出すぞ” じゃなくて、“出るぞ” が何とも情けないと思うが、如何せん経験値が低いのだから仕様がない。それだけ彼女の膣内は蕩けて潤み、杏里は張り詰めた雄芯に余裕がない。
 瑠珠が微かに肌を震わせて、逃げ動くことを止めた。



 はふはふと熱っぽい吐息。
 彼女の両手が、顔の周りで所在な気にウロウロしていた。
 瑠珠の脚を抱え直し、杏里は滾った淫茎を花弁に押し当てると、ゆっくり腰を前後する。甘美で香しい蜜が絡まりながら、花弁が雄芯を包み込む気持ちの良さに頭がくらくらした。

「須股でこんだけ気持ち良かったら、瑠珠ン中めちゃくちゃヤバくない?」

 眉根をくっと寄せて見下ろした。

「し……らない、よぉ」
「早く試したい」

 右手の甲の皮を軽く噛んだ瑠珠が、泣きそうに顔をクシャッとして、すんと鼻を鳴らしたのと同時に、抱き締めた彼女の脚に口付け、少しだけ強く吸ってみた。
 左の内腿の、膝裏よりちょっとだけ上の位置に、小さなピンクの花弁が散る。その出来栄えに杏里の唇が綻んだ。
 特別でなければ、決して付けられない所。

(瑠珠は気付くかな? 気付いたら、今日の事、思い出してくれるかな?)

 切先が蕾に擦れる度、瑠珠の腰がぴくんと波打つ。
 肌と肌がぶつかる音。
 乱れて吐き出される甘やかな呼気と喘ぎ。
 劣情に高鳴って脈打つ雄が歓喜する。
 小さな揺らめきが徐々に波立ち、瑠珠は身体を善がらせて腰を突き上げて来た。

「っあ……だめだめだめっ……いっちゃ…ぅ………んんっ」
「俺も……っ…は……ッ」

 無我夢中で腰を打ち付け、最後に蕾を抉って瑠珠へと伸し掛かる。言葉にし難い震えと痺れとが、半身から暴れ狂ったかのように解放され、彼女の腹に白濁が吐き出された。
 自分で慰めるのとは違う得も言われぬ快感に、次から次へと襲ってくる吐精感。
 擦り付けては吐き出され、これが繋がった時にはどうなるのか考えて、我が事ながらちょっと引いた。

 杏里の下で小刻みに揺れる瑠珠が息を整え、細い息を長く吐きながらゆっくりと瞼を閉ざして行く。その口元が満足そうに端を上げるや、ふっと息遣いが穏やかな寝息に変わった。

「…やっぱ寝ちゃったか」

 杏里が汚してしまった所を丁寧に拭き取りながら、一瞬で眠りに落ちた彼女に微笑む。
 今日はよく持った方かも知れない。
 これでまた明日にはリセットされているのかと思うと、鼻の奥がツンとした。

「るぅみ~ぃ。早く酒入ってない時も、俺のこと欲しがってよぉ」

 そうしたらメチャクチャ大事な宝物を存分に愛したい。
 汗で張り付いた前髪を人差し指で退け、幼子のように眠る瑠珠の顔を眺める。

「十八になったら、覚悟してよ? どんどん攻めていくから」

 聞こえてない彼女に宣言する。
 彼女の頬にキスを落とし、杏里はベッドから降りると、起こさないようにそっと寝室から出て行った。



 爆睡している瑠珠の身体を拭き清め、彼女の身支度を整えてから十分も経たずに黒珠が迎えにやって来た。
 そしてその第一声が「やったか?」の確認だ。
 杏里に姉を任せた時の、最近の決まり文句となっている。これはこれで、弟として如何なものかと思わなくもないが、恩恵に与っている身としては、感謝の言葉は有っても文句はない。

「やってない」
「はあ? もおいい加減にやっちまえよ。真珠と違ってさ、瑠珠が気のない奴に毎度迫るようなふしだらな女だと、俺は思いたくないんだけど。それに。やってる最中に酒が抜けて、正気に戻るかも知れないだろ?」
「そーは言ってもさ、戻らなかったら? 次の日には忘れられてるなんて嫌じゃん。脱童貞はしっかり記憶に残して貰う! でもって言い逃れできない様にして、まるっと瑠珠の時間を頂く。婚姻届けは貰って来たし」

 黒珠を後ろに伴って、客間の扉を開ける。
 身支度を整えた後に、彼女をこちらに移動して来た。いくらツーカーの仲だと言っても、情事の後の部屋には招き辛い。一応いまも換気はしているけれど。

 黒珠は躊躇うことなくベッドに歩み寄り、暢気に寝入っている姉を見下ろして小さく溜息を吐くと、戸口に立っている杏里を振り返る。

「根回し良いな」
「当然。十八まで一週間切った。瑠珠の良心に付け込んで、後はいつ書いて貰うかだけだから」
「瑠珠の事だから、杏里を弄んだって言っとけば、間違いなく否は言えなくなるだろうな。可愛い杏里に押し迫られたら弱いだろうし?」
「可愛いゆーな」

 ぐにゃぐにゃする瑠珠を背中に乗せ、ニヤつく黒珠を睨む。

「瑠珠にしたら、俺ですら可愛い部類に入るんだから、そう気にするなって」

 目の前の “可愛い” と言うには程遠い男前を見て、杏里はガックリと項垂れた。
 男くさい風貌の黒珠で可愛いと言われるのだから、杏花にそっくりな女顔の杏里など、言うに及ばずだろう。
 黒珠の言葉は続く。

「杏里の顔は瑠珠のお気に入りなんだから、逆手に取れば良いだろ」
「素直に喜べない」
「いーや。そこは喜んどけ。コイツは面食いだからな」
「……知ってる」

 瑠珠を軽々と背負った黒珠が前を通り過ぎ、玄関に向かって歩き出す後ろを追う。
 黒珠がスニーカーの踵を踏んづけて履くのを見るともなく見、振り返った彼が「じゃあな。おやすみ」と薄く微笑んだのを見送って、杏里は「シーツ替えよ」と一抹の寂しさを感じながら寝室に向かった。


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