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序章
第1話 怠惰な悪役王子に転生した件
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「そういえばアデル、盗賊の死体はどうした?」
「死体は私の魔法で全て燃やしました」
「流石はアデル、お主はどこでも活躍をしておるな」
「はい父上、私は兄とは違い、父上のご期待に必ずや応えてみせます!」
「うむ、それに比べてロランはいつまで寝ておるんじゃ!」
誰かの怒鳴り声と同時に俺は目を覚ますと、豪華な部屋の中にいた。
周りを見渡すと王の間のような場所で、俺の他に貴族のような服を着た偉い奴らが横一列に並んでいる。
「あれ? 俺なんでこんなところにいんの?」
「聞いておるかロラン! お主は弟に比べて出来損ないじゃのう!」
白髭を生やした爺さんが俺に色々言ってくるが、状況が全く掴めない俺はその場で固まることしか出来ない。
そもそもここどこなんだ、どうみたってゲームに出てくる王の間みたいだ。
(ん? ゲーム? そういえばこの風景、RPGで似たようなのが……)
記憶を探ってみると自分がよくやっていたRPGが頭に過った。
そして今までの事を思い返すと今の状況に察しがつく。
このシーンは現代で流行った大人気ゲーム、『剣と魔法のファンタジー』だ。
先ほど国王らしき人は俺に向かってロランと呼んだ。
つまり俺はロラン・レット・ハーキムに転生したって事か。
「全く、ロラン! お主は儂の期待をことごとく裏切りおって、恥ずかしいとは思わんのか!」
(ロランに転生……やばい、これはひょっとしてフラグイベントかも)
ロラン・レット・ハーキム。
ハーキム王国の第一王子であり、傲慢で人の話を全く聞かない最低クズの悪役王子だ。
そしてこのゲームの物語は第一王子であるロランが王位継承権を剥奪され、主人公である第二王子のアデルが王位を継承するという物だ。
アデルが王位を継承した後は俺を始末をし、ヒロインといちゃいちゃするという胸糞悪いストーリー。
ヒロインは3人いて、一人目は第三王女のリア、2人目は剣爵のセシル、三人目はS級の冒険者クレハだ。
第三王女のリアは白色の髪に、くりっとした大きい目が特徴で、かなり人気なキャラだった。
だが王位を争っている最中、第二王女アリスの刺客によって殺されるという結末になる。
剣爵のセシルはロングヘアにした黒色の長髪に、眠そうな目をしたクールな感じの女性だ。
過去に王国を救った剣士の名門『剣爵家』の跡取りであり、18歳でハーキム王国の近衛騎士団の隊長を務めている。
三人目のクレハは平民の出であり、剣を腰に携える赤髪の美少女。
セシルと同等のレベルでありながら、主人公アデルの専属メイドという贅沢な構成となっている。
(ヒロインが可愛すぎて、ついついやり込んでたゲームだけど、まさか俺がその悪役になるなんてな)
俺は前世でこのゲームを相当やり込んだ。
だから原作の知識はある程度あるのが救いだ。
知識があることで死滅フラグを回避できる可能性もある。
俺は自分の事について色々と考え始めた。
俺はロランに転生した、つまり俺はこれから第一王子として生きる事になる。
確かここから半年後、ロランはヒロインや主人公と同じ魔法学園に入るんだが、学園内で騒動を何度も起こす。
そんで主人公である第二王子のアデルと差をつけられて、王位継承権を剥奪されるんだよな。
ヒロインからも愛想を尽かされ、最終的には暗殺される。
せっかく転生したんだからもっと人生楽しみたい。
それに俺はまだ死にたくないし、推しといちゃいちゃしたい!
そう、俺の推しというのは第三王女のリアである。
リアは頭も良く、政治も出来る凄い女性だ。
俺はチラッとリアの方を見た。
「ロランお兄様?」
リアは俺に対して優しく微笑む、その笑顔は天使のように可愛い。
どうしたらリアを救うことが出来るだろうか、俺は必死に考える。
推しであるリアを救うにはどうしたら良いか、考えていると良いことを思いついた。
(そうだ! 俺がリアを王位に就かせればリアは死なないし、俺も国外追放されない!)
リアを王位に就かせる。
そうすれば俺は国外追放を免れる事が出来るだろう。
(推しの為に暗躍しよう、あとはリアに良い印象を与える事だな!)
俺はリアに向かって全力で微笑む。
俺の爽やかなスマイルで、リアも俺に惚れてしまうかもしれない。
「ろ、ロランお兄様? どうしたのですか?」
「いや、今日も可愛いなって思って」
「え」
少し引かれているように感じるが気にしない。
俺は推しのリアを救う為なら何でもする。
(よし、まずは魔法の訓練をしよう。今後の為にも必要だし、俺も舐められないよう強くならなきゃな)
ゲームでロランは魔法が使えない無能王子として有名だ。
しかし、ロランはただ鍛錬をしていないだけで、魔術を理解さえ出来れば実は凄い魔力を持っている。
ただ逆に運動神経は壊滅的なので魔法を極めるしかないだろう。
素晴らしい計画な上、面白くなりそうな未来に俺は思わずニヤニヤしてしまうのであった。
―――――――――
《大切なお知らせ!》
お読みいただきありがとうございます!
少しでも面白いと感じてくださったなら、 ぜひ今のうちに「お気に入り」をお願いします!
ご感想もいただけますと、最高のモチベになります!
よろしくお願いします!
「死体は私の魔法で全て燃やしました」
「流石はアデル、お主はどこでも活躍をしておるな」
「はい父上、私は兄とは違い、父上のご期待に必ずや応えてみせます!」
「うむ、それに比べてロランはいつまで寝ておるんじゃ!」
誰かの怒鳴り声と同時に俺は目を覚ますと、豪華な部屋の中にいた。
周りを見渡すと王の間のような場所で、俺の他に貴族のような服を着た偉い奴らが横一列に並んでいる。
「あれ? 俺なんでこんなところにいんの?」
「聞いておるかロラン! お主は弟に比べて出来損ないじゃのう!」
白髭を生やした爺さんが俺に色々言ってくるが、状況が全く掴めない俺はその場で固まることしか出来ない。
そもそもここどこなんだ、どうみたってゲームに出てくる王の間みたいだ。
(ん? ゲーム? そういえばこの風景、RPGで似たようなのが……)
記憶を探ってみると自分がよくやっていたRPGが頭に過った。
そして今までの事を思い返すと今の状況に察しがつく。
このシーンは現代で流行った大人気ゲーム、『剣と魔法のファンタジー』だ。
先ほど国王らしき人は俺に向かってロランと呼んだ。
つまり俺はロラン・レット・ハーキムに転生したって事か。
「全く、ロラン! お主は儂の期待をことごとく裏切りおって、恥ずかしいとは思わんのか!」
(ロランに転生……やばい、これはひょっとしてフラグイベントかも)
ロラン・レット・ハーキム。
ハーキム王国の第一王子であり、傲慢で人の話を全く聞かない最低クズの悪役王子だ。
そしてこのゲームの物語は第一王子であるロランが王位継承権を剥奪され、主人公である第二王子のアデルが王位を継承するという物だ。
アデルが王位を継承した後は俺を始末をし、ヒロインといちゃいちゃするという胸糞悪いストーリー。
ヒロインは3人いて、一人目は第三王女のリア、2人目は剣爵のセシル、三人目はS級の冒険者クレハだ。
第三王女のリアは白色の髪に、くりっとした大きい目が特徴で、かなり人気なキャラだった。
だが王位を争っている最中、第二王女アリスの刺客によって殺されるという結末になる。
剣爵のセシルはロングヘアにした黒色の長髪に、眠そうな目をしたクールな感じの女性だ。
過去に王国を救った剣士の名門『剣爵家』の跡取りであり、18歳でハーキム王国の近衛騎士団の隊長を務めている。
三人目のクレハは平民の出であり、剣を腰に携える赤髪の美少女。
セシルと同等のレベルでありながら、主人公アデルの専属メイドという贅沢な構成となっている。
(ヒロインが可愛すぎて、ついついやり込んでたゲームだけど、まさか俺がその悪役になるなんてな)
俺は前世でこのゲームを相当やり込んだ。
だから原作の知識はある程度あるのが救いだ。
知識があることで死滅フラグを回避できる可能性もある。
俺は自分の事について色々と考え始めた。
俺はロランに転生した、つまり俺はこれから第一王子として生きる事になる。
確かここから半年後、ロランはヒロインや主人公と同じ魔法学園に入るんだが、学園内で騒動を何度も起こす。
そんで主人公である第二王子のアデルと差をつけられて、王位継承権を剥奪されるんだよな。
ヒロインからも愛想を尽かされ、最終的には暗殺される。
せっかく転生したんだからもっと人生楽しみたい。
それに俺はまだ死にたくないし、推しといちゃいちゃしたい!
そう、俺の推しというのは第三王女のリアである。
リアは頭も良く、政治も出来る凄い女性だ。
俺はチラッとリアの方を見た。
「ロランお兄様?」
リアは俺に対して優しく微笑む、その笑顔は天使のように可愛い。
どうしたらリアを救うことが出来るだろうか、俺は必死に考える。
推しであるリアを救うにはどうしたら良いか、考えていると良いことを思いついた。
(そうだ! 俺がリアを王位に就かせればリアは死なないし、俺も国外追放されない!)
リアを王位に就かせる。
そうすれば俺は国外追放を免れる事が出来るだろう。
(推しの為に暗躍しよう、あとはリアに良い印象を与える事だな!)
俺はリアに向かって全力で微笑む。
俺の爽やかなスマイルで、リアも俺に惚れてしまうかもしれない。
「ろ、ロランお兄様? どうしたのですか?」
「いや、今日も可愛いなって思って」
「え」
少し引かれているように感じるが気にしない。
俺は推しのリアを救う為なら何でもする。
(よし、まずは魔法の訓練をしよう。今後の為にも必要だし、俺も舐められないよう強くならなきゃな)
ゲームでロランは魔法が使えない無能王子として有名だ。
しかし、ロランはただ鍛錬をしていないだけで、魔術を理解さえ出来れば実は凄い魔力を持っている。
ただ逆に運動神経は壊滅的なので魔法を極めるしかないだろう。
素晴らしい計画な上、面白くなりそうな未来に俺は思わずニヤニヤしてしまうのであった。
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