クラス M

東門 大

文字の大きさ
6 / 17
第一章 かずま

第6話 入部審査(1)

しおりを挟む
 パソコンでの入力が終わってから三分程度待つと、フローリングの部屋の更に奥の部屋から女子がぞろぞろと出てきた。その中の一人が部屋の中央にある椅子に腰かけた。茶色く染められた髪は長く、化粧もしているのか、とても中学生には見えなかった。体も僕よりも大きく見え、威圧感しか感じられなかった。

 その両側に髪を青く染めた痩せ型の女子と、少し小柄な赤い髪の女子が立った。

「浅丘萌絵さん、登録ありがとう。それでは、これから、その付き人が我がサッカー部にふさわしい人間か見させてもらいます。それでは萌絵さんもこちらへ」

 青い髪の女子はそう言うと、萌絵様に手招きした。萌絵様はフローリングの部屋に上がり、僕は土間のようなロッカールームに一人残された。

「では、これから入部審査を行います」

 赤髪の女子が話し始めた。

「お前、名前は?」

 そう聞かれた僕はとっさに答えた。

「桜川主馬です」

 赤髪の子は首を傾げ、萌絵様を見た。

「違うでしょう!    さっき教えた名前を言うの!」

「すみません。まだ、きちんと躾けてないものですから」

 萌絵様は赤髪に頭を下げた。それを見た僕は、言いたくなかったが、あの名前を口にした。

「ビッツ……です」

「そう、ビッツね。付き人らしい良い名前です。ではビッツ、着ているものを脱いで……審査はそれからです」

 僕はてっきりサッカーの技能でも見るのかと思ったら、またしても裸になれという命令だった。昨日は全部脱いでからステージに押し出されたが、今日は十五人くらいいる女子の前でのストリップだった。僕は女子達の視線を感じながら、上着とズボンを脱ぎ、パンツ一枚になった。

「早くそれも脱ぎなさい」

 赤髪が叱るように催促してきた。

 僕は躊躇いながら、パンツを脱いだ。

「ふっ、本当に名前通りね」

 椅子に座っているボスらしき女子が、ボソッと言った。

 僕が屈辱に耐えていると、青髪がどこからかテニスボールを出してきた。

「このボールを拾いなさい」

 そう言うと僕の後方にボールを投げたので、僕はそれを拾い、青髪に渡した。

「手を使ってはダメ。口で拾うのよ。ほら、四つん這いになって」

 青髪は、僕に犬のようにボールを拾ってこいと言っているのだ。その後、またボールが投げられたが、僕は動かなかった。そんな犬のような真似をするくらいなら、サッカー部に入れなくてもいい。そう思った。でも……

「何をしているの?    言われた通りになさい!」

 萌絵様の激しいお叱りの言葉で、僕の体は反応し、ボールに向かった。

「遅い!    もう一度!」

「ボールを渡したら、ちんちんポーズしなさい」

 それは計七回も繰り返された。僕は女子の中傷に耐えながら、言われるまま犬になりきった。

「従順ではあるようね」

 椅子の女子が右手をあげるとようやく終了した。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

完全なる飼育

浅野浩二
恋愛
完全なる飼育です。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...