交通量調査物語

がしげげ

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3、交通量調査デビューへ

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交通量調査の本番前日、つまり調査日の前日。
正午付近にロードリサーチから電話があった。

「明日の調査は予定通り実施となりましたので、よろしくお願いします。」

聞くところによると、この連絡は実施連絡といって、調査会社が翌日調査の実施可否について連絡する目的と、調査員が間違いなく調査に参加するよう念押しの目的もあるらしい。

ちなみに、先日の研修で説明があったが、天候によっては調査の延期や中止もあり得るらしい。

とにかく今回は無事に実施確定となったのだ。

明日は人生初めての交通量調査。
ほんのわずかに楽しみにしている自分がそこにいた。

調査日当日…

天気予報はややはずれ、起床した5時の時点で既に雲っていた。
雨が降る前のアスファルトの臭いがする中、僕は調査地点の最寄り駅に向かった。

5時40分頃到着。

往復で交通費は700円か…
てことは、実質の稼ぎは8300円…

想定内でも少し痛いな。

ポツポツ。

ポツポツポツポツ…

最悪だ…
雨が降ってきた…

研修で言われた通り雨ガッパを持ってきてはいたが、初調査が雨とは…
僕はとりあえず雨ガッパを着た。

すると背後から

「調査ですか?」

と声をかけられた。
そこにはジャケットを着た40代前後の男性が立っていた。

「は、はい。交通量調査に来ました、前田です。」

「よろしくお願いしまーす、高橋です。こっちの車に乗ってください。」

高橋氏は今日の現場の「監督員」だった。

駅のロータリーには白いハイエースが停まっていて、後部座席のドアが開いていた。
社内からは年配の男性数人の顔が見える。
ここに集合した他の調査員か。

「お、おはようございます。」

そう言いながら乗車しようとすると、

「おはようございます。」
「おざっす。」
「よろしくー。」

意外にも暖かい挨拶が帰って来た。
そして、僕の乗車をきっかけにして、高橋氏が運転席に乗り込み、車が動き出した。

助手席は空いていて、後部座席2列にはそれぞれ3人ずつが座り、かなり窮屈な社内だ。

最近どこかで嗅いだ生乾きの臭い、年配独特の加齢臭が漂う社内は、決して居心地の良い場所では無かった。

高橋氏の手慣れた運転で5分ほど移動し、僕たちは調査地点と思われる交差点に着いた。

着くと同時に車のドアを開け、速やかに下車した。
外の空気がこんなに美味しいとは…

僕が一度深呼吸を終えた時、高橋氏は既にトランクの扉を開け、様々な物品を搬出していた。

パイプ椅子、カウンター等が入った手提げ袋。

手際良く、準備を進めるその姿はベテランであることを物語っていた。

丁度6時。

「じゃあ、この腕章を付けて円になって下さい。」

黄色いビニール地にか「調査員」とかかれた腕章を手渡された。
安全ピンで付けるタイプ。
そこそこお気に入りの服を着てきたことが失敗だった…








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