交通量調査物語

がしげげ

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11、高橋氏からの誘い

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初めての交通量調査を終えた翌日。
貯金も無いに等しい僕は、手にした9000円で何かをする訳にもいかず「動かず金を使わない」しかなかった。

自宅でゴロゴロ。
夕方に少しだけ求人サイトのチェックぐらいかなぁ、と思っていた。
しかし困ったもんだ。
昨日からずっと篠田さんのことが頭にある。
これは恋なのだろうか…

ブーン!

基本マナーモードな僕の携帯が揺れる。
電話着信のようだ。

高橋氏からだった。

「もしもし、お疲れ様です。前田です。」

「高橋です。昨日はお疲れさん。召集じゃないんやけど、昼飯どうかな?もちろん奢るので。」

12時30分。
確かに、お腹は空いている。

「ありがとうございます!どこ行けば良いでしょうか?」

「そうやな、色々と話したいことがあるからファミレスでもいいかな?」

「どこでも大丈夫です。」

「じゃあ、京橋のグルメキッチンで30分後に。」

「分かりました。後程よろしくお願いします。」

それにしても、話とはなんだろう…
まぁ、逆に聞きたいこともあるし、丁度良かった。
自宅から近くのファミレスということもあり、僕は早速徒歩で向かった。



久し振りのグルメキッチンに到着した。
ほぼ同時に高橋氏も到着。

店の中に入り、禁煙席に案内された。

「まずは食べよか。好きなのどうぞ。あ、ドリンクバーも付けてや。」

ここに来たら、ミックスグリルは外せない。
そしてそれは高橋氏もだった。

ピンポーン。

「ご注文お決まりでしょうか?」 

「ミックスグリル、ライスとドリンクバーセットを2つ。」

「かしこまりました。ありがとうございます。」

お腹のコンディションは最高で、もうペコペコ。
僕らはとりあえずドリンクバーへ向かった。
ドリンクバーといえば、なぜか一杯目はコーラになる。
そして、貧乏性なのか、絶対にグラスなみなみに入れてしまう…
一方で高橋氏はブラックでアイスコーヒー。
所々で高橋氏は紳士的だ。
そして再び席に着いた。
着くと同時にセットのライスとサラダ、スープが運ばれる。
早い。
その後、グリルプレートも間髪入れずに到着。
早さが売りの某牛丼チェーンを越えた早さではないだろうか。

「いただきます。」

地元の話や趣味の話などをしながらも、僕たちは比較的静かに黙々と食事を済ませた。
それにしても、満足だ。
久し振りに贅沢をした気分だった。

そして本題。
高橋氏が話し始めた。

「とりあえず、仕事内容はやりながら慣れてくれたらいいんやけど、このチームの立ち位置も含めて、調査業界のことだけは先に話しとこうかなと思って。」

高橋氏に教えてもらった「調査業界のこと」とは、次のような内容だった。

・基本的に交通量調査の主催元は、国土交通省が多い。

・国土交通省の発注を受けるのは基本的に「民間の建設コンサルタント会社」であることが多い。

・建設コンサルタント会社から調査の委託を受けるのは「調査会社」で、関西には代表的な会社が数社ある。

・各調査会社は大抵僕らのような調査員のグループと繋がりがあり、調査の仕事があると、まずはそういったグループに声をかけるとのこと。
調査会社からすれば調査に慣れた人員をスムーズに確保でき、一からの説明も要らないため楽。
グループからすれば優先的に、そして比較的安定的に仕事がもらえる。

そういった、調査会社との繋がりのある調査員の事を、業界では「裏メン」とよんでいるのだそうだ。
言わば僕は裏メンになったということなのだ。
そして、僕が所属する高橋チームは、峯岸グループという集まりの中の1つだという。
峯岸グループは、調査会社であるロードリサーチの案件専門グループで、位置付け的には2番手のグループらしい。

序列一位:白石グループ(総調査員数 約50名)
序列二位:峯岸グループ(総調査員数 約20名)
序列三位:斎藤グループ(総調査員数 約15名)
 
※以下は大差無しであったり、個人なため省略。

調査案件が入った際にはこの優先順位で声がかかるのが現状だそうだ。

そして、大規模な調査で裏メンだけでは賄いきれない時に「一般募集」が行われる。
先日の僕のような流れで雇われるケースだ。

高橋氏の説明を聞き、全体的なイメージが沸いた。

次に、高橋氏は各グループのトップについても、その人物特徴を教えてくれた。

白石氏:ロードリサーチへの営業が凄い。
僕が知るところの大島氏など、ロードリサーチのスタッフに対して接待のような行為を頻繁に行っている。
そういった行為により、ロードリサーチのスタッフも仕事を任さないわけにはいかないようだ。
人として好かれているのではなく、力でグループをまとめている感がする。

峯岸氏:人柄が良いが、少し頼りない。
ロードリサーチへの接待などは基本無しだが、人柄が好かれているためロードリサーチからも重宝されている。

斎藤氏:あまり深く干渉しない、サバサバした性格。ロードリサーチ専門にはやっていないため、大規模な時や繁忙期など、奥の手としてロードリサーチから頼られることが多い。

と、色々と高橋氏から教えてもらった。

「御馳走様でした!」

一通り業界のことを教えてもらい、その日は解散となった。




    
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