異世界から転生

異世界へ

「落ちる！」
そう思うと、僕は瞬時に飛行魔法の呪文を唱えた。
そして、ゆっくりと地面に降り立った。
転生先が空中なんて聞いてないよ。
もし、あのまま落ちてたら大怪我してたな。
「そんなことより、ここはどこだ？」
見慣れない場所だった。
「どこかの町か？」
建物の形も、標識に書いてある文字も
見たことが無いものばかりだった。
「ここが異世界か。」
そういえば、さっき魔法を使ってから違和感があるのだ。
僕は試しに魔力探知を使ってみた。
「えっ！」
僕の周囲に魔力マナがないのだ。
僕の世界では常に周りに魔力があった。
だから、自分の魔力が無くなっても周りの魔力を吸収することで、回復することができたのだ。
ということは、
「使った魔力が回復できないのか。これは、やばいな。」
僕は急いでステータスを開こうとした。
反応しない。
「不具合かな？もう一回開いてみよう。」
いつもなら、すぐに開くはずのステータスが反応しない。
「まさか、この世界ではステータスが開けないのか。」
たしか、一番最後にステータスを見たのは、転生前だよな。
その時、魔力は満タンだった。
そのあと、飛行魔法と魔力探知を使った。
他に魔法は使ってないよな。
だとすると、
「よかった。まだ、全然大丈夫だ。」
とはいえ、魔力の回復ができない中で魔法を使うのは危険だ。
あまり使わないようにしよう。

「あぁ、ステータスもみれない、魔力もないような世界で、僕にどうしろと言うんだよ。レイラ。」