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㉖酵母-8-
しおりを挟む「「「「では・・・」」」」
四人はフォークで刺したシーフードピザを口に運ぶ。
「海老と烏賊のプリッとした食感と旨味が溶け込んでいるクリームみたいな白いソースとチーズ、パリッとした食感の生地。全てが一つになって、まるで舌の上で楽を奏でているようだ・・・」
「確かにこれはワインの肴になるな。いや、シュルツベルクの名物として売り出すというのもありじゃないのか?」
「それ、いいですね!海の幸を使ったパン、売れると思います」
南方のパンも具材を変えるだけで馳走になるとランスロットが言っていたが、それは事実だった。
シーフードピザが気に入ったのか、アルバートとアルベリッヒがお代わりを頼む。
「最後は、カスタードプリンに似たクリームを載せた平たいパン・・・」
「「「「では・・・」」」」
給仕達が一口サイズに切り分けたピザを口に運ぶ。
口に広がるのはカスタードプリンに似たクリームのコクのある甘さ、パンに似た生地の柔らかくてもちっとした食感。
ケーキやタルトとは異なるスイーツに四人はただ舌鼓を打っている。
「カスタードプリンに似たクリームと果物って合うのではないかしら?」
甘いクリームと、甘さの中に酸味を感じさせる果物との相性はいいはずだ。
夏の果物の一つである葡萄は皮が付いたままで、桃は切って持ってくるようにと、ロスワイゼが給仕の一人に命じる。
「お待たせいたしました」
暫く待っていると、給仕の一人が葡萄と桃を盛っている皿を持ってきた。
給仕の一人がテーブルに置いていくと、四人は早速カスタードクリームに葡萄を載せたピザを食べてみる。
「これは・・・」
「やはり、このクリームと果物って相性がいいのね」
タルトとは違った食感に、カスタードプリンに似たクリームの適度な甘さにロスワイゼが満面の笑みを浮かべる。
次に四人は桃を載せたピザを口に運んだ。
葡萄の時のように、桃とクリームは相性が良かった。
「俺は桃とクリームのピザが好みだな」
「私はクリームだけのピザの方が好みだ」
「僕は全部ですね」
桃とクリームという組み合わせ、葡萄とクリームという組み合わせ、クリームだけにはクリームの、それぞれの良さがあるのだと男性陣は談笑しあうのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「サユキお嬢様、レイモンド様。旦那様達に酵母液を使って作ったパンと、海の幸とカスタードプリンに似たクリームを載せた平たいパンは好評でしたよ」
「良かった・・・」
給仕の言葉に紗雪は安堵の息を漏らす。
「紗雪殿、明日の試食で父上達に出すパンとピザは決まっているのか?」
「ええ。明日の試食にツナ・・・マグロのオイル漬けを使った包みピザ・・・カルツォーネと、明後日の試食にちくわを使った総菜パンにしようと思っているの」
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