カフェ・ユグドラシル

白雪の雫

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73.ソフトクリームメーカー-1-

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 話はディートヘルムの依頼で卵を使わない菓子を作っていた頃まで遡る。

『卵を使っていないアイスクリームの風味・・・何かに似ているのよね~』

『紗雪?もしかして俺が作ったアイスクリームは失敗だった、のか?』

 どこかで食べた事があると首を傾げている紗雪は夫の問いに、レイモンドが作る料理は相変わらず美味しいから問題ない。

 今回のアイスクリームは日本に居た頃に食べた事があるのだけど、それが何だったのかを思い出そうとしているのだと答える。

『・・・・・・そうだ!ソフトクリーム。この味、お店で売っているソフトクリームだったのよ』

『ソフトクリーム?ソフトクリームってフライドポテトと一緒に食べたあの?』

 以前、紗雪がネットショップで購入した渦巻を巻いたアイスクリームがそういう名前で呼ばれていた事をレイモンドが思い出す。

『ええ。でもあの時のソフトクリームは冷凍ボックスに入れておけば好きな時に食べられるものだったけど、私が言っているソフトクリームとは別のものなの』

『?』

『アイスクリームよりも柔らかくて滑らかで軽い口当たりで・・・すぐに食べないといけないアイスクリームね』

 論より証拠だと、ネットショップで手動のソフトクリームメーカーを購入した紗雪はソフトクリームを作る前に買ったばかりのそれを水洗いする。

『これ・・・半日くらい冷凍ボックスで冷やさないと使えないわ。試食するのは明日になるけどいいかしら?』

『それくらい構わないが?』





 次の日

 冷凍ボックスからソフトクリームメーカーを取り出した紗雪は、低温殺菌してから冷蔵ボックスで冷やした牛乳・砂糖・生クリーム・バニラビーンズで作っておいたソフトクリームの元を入れるとハンドルを回す。

 ハンドルを回す事、ニ十分

 渦巻を巻くようにしながら用意した深めの器に入れていく。

『食べてみて』

 紗雪が作ったソフトクリームは、フライドポテトと一緒に食べたソフトクリームと見た目は同じだ。

 しかしネットショップで購入したものと比べたら今回の方が柔らかそうに感じる。

 レイモンドは手にしたスプーンでソフトクリームを掬い口に運ぶ。

『・・・このソフトクリームというアイスクリームは、フライドポテトと一緒に食べたソフトクリームと比べると遥かに柔らかい。攪拌した事で滑らかな食感となり口当たりがより軽いものになっている・・・』

『でしょ?これをカフェ・ユグドラシルのメニューに加えたいの。・・・・・・上手くいけばその土地でしか食べられないソフトクリームが生まれるのではないかしら?』

 問題は個人で使うのであればこういうタイプでいいと思うが、商売となればネットショップで購入したソフトクリームメーカーは小さすぎるという事だ。

『ソフトクリームをメニューに加えるのは賛成だが、問題は容器の大きさだけではなく、この柔らかさと冷たさを維持出来るか?それと・・・魔道具を作れるか?だな』

 レイモンドはソフトクリームメーカーの問題点を挙げる。

『ソフトクリームメーカー・・・ベルンハルトお義兄様に作って欲しいのだけど、私達の話を聞いてくれる時間はあるかしら?』

『グスタフ兄上はソフトクリームメーカーを作る事を許可してくれると思うし、新しいものに興味を示すベルンハルト兄上であれば作ってくれるはずだ』

 完成するのが何時になるかはベルンハルト兄上の都合次第になるから何とも言い切れないな

『ベルンハルトお義兄様達に都合を確認してみるわ』

 ソフトクリームを新メニューに加えたい事とキルシュブリューテ王国に広めたいので協力して欲しい事、それを作る為の魔道具を作りたい旨を書いた手紙を式神にした紗雪は関係者達に飛ばす。








 ちなみにベルンハルトからの返事は『インスタントカメラを作る事に集中しているのだが、ある部分が上手くいかず難航している。話を聞けるのは春まで待って欲しい』だった。









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