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⑤恋人の日-5-
しおりを挟むミスリルを一糸纏わぬ姿にしたヴィクトワールは自分の唇を、舌を、肩から首筋、そして形のいい胸の膨らみへと這わせていく。
「ヴィ、ヴィクト、ワール・・・」
年頃の少女らしく膨らんでいる乳房を揉みほぐすようにしながら、紅く色づいている胸の突起に歯を立てて軽く噛む。
「あっ、やぁ・・・」
甘噛みされた事で感じてしまったのか、眉を寄せて切なそうな顔をしているミスリルの口唇からは、甘さを含んだ声が漏れてくる。
(んっ!)
「ミスリル、そんな事をすればお前の手が傷つく・・・」
何とか声を押し殺そうとミスリルは自分の掌で唇を覆うとするが、彼女の感じている声を聴きたいヴィクトワールは制服のネクタイを外すと、慣れた手つきで手に自由を奪った。
(!?)
「ヴィクトワール!?は、外して!」
ここは学生寮。
完全に人々が寝静まっている夜中ならともかく、こんな時間に情事の最中を思わせる声を漏らしてしまったら、自分達に待っているのは身の破滅だ。
「ミスリル、クレッセント学園では男同士の恋愛が当たり前のように繰り広げられている。しかも、今日は恋人の日だ」
誰も俺達に見向きなどしない
ミスリルは理性を働かせてヴィクトワールに自分の腕を縛っているネクタイを外して欲しいと訴えるが、快楽に喘いでいる姿を、声を堪能したい男は笑みを浮かべながら女の言葉を無視すると、再び愛する事に専念し始める。
「んぁ、あっ、はぁ・・・」
ヴィクトワールが指でそっとミスリルの秘部に触れてみると、自分によって与えられる愛撫で感じている為か、縛られている事に一種の快感を覚えてしまったのか、そこは既に糸が引くくらいに蜜で溢れていた。
「もしかして、興奮しているのか?」
ゾクッ・・・
指に纏わりついている蜜を舐め取るヴィクトワールの淫靡な仕種と雰囲気に呑まれたのか、獰猛な捕食者に食べられる被食者の気分になったのか、ミスリルの背筋に何とも言えない快感が走り抜ける。
「はぁ、んぅ・・・」
自分でもまともに見た事がない場所にヴィクトワールの視線を感じているのか、身体の奥が、子宮が疼いているミスリルから新たな蜜が溢れ出す。
「あっ!やぁ・・・っ!」
蜜で濡れているミスリルの女の部分が、身体を小刻みに震わせながらわざと音を立てて犯しているヴィクトワールの指を締め付ける。
「そ、そこ!そこは!・・・ひぃ!ひぁ!あぁ!」
男の指先が、ある部分に当たった事で潮を吹き出してしまったミスリルが一際甲高い声を上げ、身体を震わせながら達してしまった。
「・・・ミスリル」
「あっ・・・」
肩で息をしているミスリルの瞳に映るのは、血管が浮き出ている逞しくて凶悪な男根──・・・。
脈打つそれを目の前に突き立てられ、うっとりとしているミスリルの身体が男を求めるように疼いていく。
普段であれば唇と手を使うのだが、今のミスリルは両手が縛られているのでヴィクトワールの男根に触れる事は出来ない。しかし、彼女は躊躇う事なく口に含んだそれに舌を這わせる。
「んっ、ふっ、んぅ・・・」
「ミ、ミスリル・・・」
部屋に響く淫らな音が、甘さと切なさを含んだ声が、雌として蕩けている表情が、射精を促すかのように分身に絡みついている柔らかく濡れた舌が、ヴィクトワールの背筋を震わせる快楽が貫く。
「ミ、ミスリル・・・!」
くっ!
このまま口の中に射精して飲ませようと思ったが、彼女は自分の女である事をマーキングしたかったヴィクトワールは、口腔から己の分身を引き抜くとミスリルの顔に先端を向けた。
「あっ、あぁ・・・」
脈打つヴィクトワールの欲望の先端から撒き散らされる白い液体を、ミスリルは恍惚の色を浮かべて受け止める。
「ヴィクトワール・・・これ、外して」
このままでは、貴方を抱き締める事なんて出来ないわ
「ああ、そうだな・・・」
涙で瞳を潤ませながら懇願するミスリルの姿に愛しさを感じたヴィクトワールは、彼女の腕を縛っていたネクタイを外す。
「ミスリル・・・」
自分の背中に回される腕を感じたヴィクトワールはミスリルの口唇に口付ける──・・・。
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