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⑤恋人の日-6-
しおりを挟む恋人の日が終わってしまった次の日
「ミスリル?指輪を着けてくれないのか?」
何となく距離が一歩近づいたのに、その証を着けていない事実にヴィクトワールが静かに落ち込む。
「指輪?着けているわよ?こうやって、革紐に通してね」
だって、クレッセント学園はホモの巣窟よ?
指輪を着けていたら、余計な詮索をされてしまうもの
そう言ったミスリルが、ペンダントという形で首に下げている指輪をヴィクトワールに見せる。
「・・・・・・悪かった」
自分の想いをミスリルに告げる事しか考えていなかったヴィクトワールは、目立たない形で着けられるアクセサリーを贈ればよかったと、謝罪の言葉を告げる。
「いいのよ。私は恋人の日に告白をしてくれただけではなく、こうやって形にしてくれた事実が嬉し「酷い!俺との事は遊びだったんだな!?」
「済まない。確かに君の事は可愛いと思っている。だけど、私は自分の気持ちに嘘は吐けなかったんだ!!」
「今日も寒いね」
「でも、僕達の愛の前では寒さなんて無意味だよ」
((か、可愛い!?ゴツイの間違いじゃないのか!?))
「ミスリル?冬なのに暑苦しいと感じるのは俺だけなのか・・・?」
「暑苦しいというより、むさ苦しいような・・・?」
「そうとも言うな・・・。今日のランチの後のデザートは、濃厚なバニラのアイスクリームにしないか?」
「暖かい部屋で食べるアイスクリームって、夏とは違った味わいがあって美味しいのよね・・・」
〇ーミネーターを演じた某俳優を思わせる体型の男子生徒達だけではなく、顎が割れているオネエ教師とバーコードヘアーでメタボな教師達の熱愛を目撃してしまった二人。
現実逃避してしまったミスリルとヴィクトワールの目は、死んだ魚のものと化していた。
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