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2章

6話

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「お帰りなさいませティア様」

3名の侍従に迎えられて、ティアの足は止まった。

「はい、お帰りなさいませティア様。この宮の主はティア様ですから」
「え…」

キラに言われてゆっくりと頷いた。
言葉に詰まったら頷けばいい。
そう言われていたティアはそれに倣って頷く。

「新しくティア様付きの侍従になりました、ナチ、サラ、ルリです」
「誠心誠意お仕えします」

3人は揃って頭を下げた。

「必ず私を含むふたり以上でティア様の傍につきます、組み合わせはその時に依るかと思いますが、当分の間は私が入りますから」
「ありがとう、無理はしないで?私は自分のことは大概はできるから、出来ないことを手伝って欲しい。よろしく」

お願いしますと言いそうになって、キラの目が光った。
慌てて言葉を飲み込むと、キラが満足したように頷いた。

「どうぞ、レイジュ様も間もなくいらっしゃいます。お茶をお持ちいたしますね?」

キラを筆頭に四人が下がると、ティアは部屋の窓際にある長椅子に座った。
いつもと違うこの服を早く脱ぎたい。
なぜ、こんな服をキラは選んだのだろう。
見たことがない、自分には似合わなそうな服なのに。
あまりにもきらびやかで汚してしまいそうな気がしてハラハラするのだ。

「ティア様、こちらをどうぞ…」

軟らかな香りの花のお茶。
ティアの好きな香りを選んでキラがだしてくれた。

「ありがとう…私は大丈夫だから、キラ達も休んで?疲れたでしょう?レイジュのお茶は私がいれるから」
「では、こちらに一式を…何かあればお呼びください」

キラは静かに下がっていく。
レイジュが来る…そう聞くだけで気持ちが昂る。
今日は何を話してくれるのか。
楽しみなのだとティアはゆっくりとお茶をすすった。
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