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1章
158話
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「陛下、お時間をいただきありがとうございます」
俺は神殿から帰ってきて早々、カイルの前に居た。
神殿の神子の姿のまま正式な謁見の手続きをして。
カイルの前にいるのは王妃でも伴侶でもなくいち臣下として。
謁見の間に座すのは王であるカイルと、その横には宰相、そして書記官。
「良い、して何があった」
「急ぎの事にて申し訳ございません、龍神よりの神託がございましてそれを告に参じました」
本来ならば神殿を通すべき事だろうが、それはアスミタに任せ自分は一足先に出てきた。
「先王のいらっしゃる地の 竜神の力が弱くなっているとの事、私に出向の依頼がありました」
「そうか」
カイルは何かを考えているようでそのまま口を閉じた。
「テト、行けるか」
「はい」
「では、先触れを出しておく。必要なものを……」
「陛下、神具一式と、護衛数人で」
少しでも早くこの王都を立ちたい。
「ならぬ」
「問題ございません、護衛は私が選びます。本日中に必要なものをしたためますので、早期のご決裁をお願いいたします」
「テト!」
「御前失礼いたします。宰相様もお時間をいただきありがとうございました」
俺は頭を下げて立ち上がる。
カイルが腰を浮かせたのがわかったが、そのまま俺は部屋を出た。
やらなければならないことはいくらでもある。
久し振りの魔石作りも、やらなければと俺は廊下を歩き出す。
チリンと鳴った鈴の音にふと俺は神子装束のままだったのを思い出した。
「騎馬も久し振りだな……行けるか?」
不安はある。
だが、馬車で行けばそれ以上の時間はかかるし、カイルが整備をしてくれたから昔ほど砂漠の中を行く心配は無くなっている。
本当はは一人でも行きたいところだが、護衛をつけなければ絶対にカイルの許可は降りないとわかっているためそこは譲歩した。
「アスミタはまだ帰ってこない……かな」
神殿に置いてきたアスミタ。
俺の到着後迎えの馬車は送ったから問題は無いはずだ。
俺は自室に入ると神子装束を脱ぐ。
その最中に声が掛かった。
「王妃様」
その声は、あの場所にいた宰相だった。
「少しお待ちください」
神子装束を床に落とし、簡易な服に着替えると部屋の外に出る。
「どうぞ、アスミタにはまだ神殿に残ってもらっています」
「いえ、愚息には……今回の件ですが」
「アスミタは連れて行きません、筆頭侍従であるアスミタですから俺の事より陛下の身の回りの事を優先していただくのが仕事です」
そう言うと、宰相の目が光った気がした。
「では、わたくしが選んだ侍従をお付けいたします」
「それも結構です。侍従を連れて歩く余裕は恐らくありません」
宿にゆっくりと泊まるような旅ではないかもしれない。
それに、慣れない世話係だとかえって疲れてしまうのだ。
「詳しくは陛下にお願いを致しますので、その時にご確認ください」
俺は忙しいからと宰相をその場に残して部屋に戻る。
アスミタは連れて行かない。
それは決めた事だった。
俺は神殿から帰ってきて早々、カイルの前に居た。
神殿の神子の姿のまま正式な謁見の手続きをして。
カイルの前にいるのは王妃でも伴侶でもなくいち臣下として。
謁見の間に座すのは王であるカイルと、その横には宰相、そして書記官。
「良い、して何があった」
「急ぎの事にて申し訳ございません、龍神よりの神託がございましてそれを告に参じました」
本来ならば神殿を通すべき事だろうが、それはアスミタに任せ自分は一足先に出てきた。
「先王のいらっしゃる地の 竜神の力が弱くなっているとの事、私に出向の依頼がありました」
「そうか」
カイルは何かを考えているようでそのまま口を閉じた。
「テト、行けるか」
「はい」
「では、先触れを出しておく。必要なものを……」
「陛下、神具一式と、護衛数人で」
少しでも早くこの王都を立ちたい。
「ならぬ」
「問題ございません、護衛は私が選びます。本日中に必要なものをしたためますので、早期のご決裁をお願いいたします」
「テト!」
「御前失礼いたします。宰相様もお時間をいただきありがとうございました」
俺は頭を下げて立ち上がる。
カイルが腰を浮かせたのがわかったが、そのまま俺は部屋を出た。
やらなければならないことはいくらでもある。
久し振りの魔石作りも、やらなければと俺は廊下を歩き出す。
チリンと鳴った鈴の音にふと俺は神子装束のままだったのを思い出した。
「騎馬も久し振りだな……行けるか?」
不安はある。
だが、馬車で行けばそれ以上の時間はかかるし、カイルが整備をしてくれたから昔ほど砂漠の中を行く心配は無くなっている。
本当はは一人でも行きたいところだが、護衛をつけなければ絶対にカイルの許可は降りないとわかっているためそこは譲歩した。
「アスミタはまだ帰ってこない……かな」
神殿に置いてきたアスミタ。
俺の到着後迎えの馬車は送ったから問題は無いはずだ。
俺は自室に入ると神子装束を脱ぐ。
その最中に声が掛かった。
「王妃様」
その声は、あの場所にいた宰相だった。
「少しお待ちください」
神子装束を床に落とし、簡易な服に着替えると部屋の外に出る。
「どうぞ、アスミタにはまだ神殿に残ってもらっています」
「いえ、愚息には……今回の件ですが」
「アスミタは連れて行きません、筆頭侍従であるアスミタですから俺の事より陛下の身の回りの事を優先していただくのが仕事です」
そう言うと、宰相の目が光った気がした。
「では、わたくしが選んだ侍従をお付けいたします」
「それも結構です。侍従を連れて歩く余裕は恐らくありません」
宿にゆっくりと泊まるような旅ではないかもしれない。
それに、慣れない世話係だとかえって疲れてしまうのだ。
「詳しくは陛下にお願いを致しますので、その時にご確認ください」
俺は忙しいからと宰相をその場に残して部屋に戻る。
アスミタは連れて行かない。
それは決めた事だった。
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