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第四章 ワラキア公国の未来が決まる日
第五十三話 戦場での議論
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三人の親衛隊は、テスラによって空中で首と胴体を切断され、バラバラと地面に落ちていく。
下にいたトルコ軍の兵士達は、夜空からいきなり三人の死体が降ってきて、驚きまくって逃げだした。
その逃げ惑うトルコ兵の中、ラドゥは一人、三人の亡骸の元に歩み寄った。
そして三人の遺体を一つ一つ丁寧に集め、並べた。
そして首と胴体を合わせた。
しかし三人が生きかえる事はない。
その事実を受け止めれないラドゥは、一人膝から崩れ、体全体を震わせていた。
一方、空中のオクタヴィアンは驚きのあまり、言葉が出なかった。
目の前に、ハンガリーに帰ったテスラがいるのだ。しかも自分の命を助けてくれた。
「ふむ、久しぶりのハンガリーはいろいろ新鮮だったよ。自分の家に帰れば知らない奴が住んでいるし、知っている人間は誰もいないし、なかなか手間取った。面白かったけどな。まあそれはいいとして、昔馴染みだった棺桶屋も代が変わってて棺桶一つ作ってもらうのにも少し面倒だったよ。しかしすぐに作ってくれたから、彼はいい奴だったな。それでハンガリーの土を入れて本当にさっき戻って来たトコだ。しかし、まさかこんな短期間に決戦を始めてるなんて思いもしなかったよ」
テスラは少しこの現状に呆れているようだった。
オクタヴィアンはかなりホッとした。
「それで、その男は誰だ?」
「あ」
オクタヴィアンはバサラブを抱えている事を忘れていた。
バサラブはもうすっかり意気消沈で、グッタリしている。
「バサラブ様? 大丈夫ですか? 生きてます?」
「もうダメ……気持ち悪いし、寒いし……」
オクタヴィアンが慌てて降り立つ場所を探そうとしていると、テスラがバサラブの前に移動した。
「ああ、あなたが先代の公のバサラブ三世様でしたか。私はコイツの先輩吸血鬼、ハンガリー出身のテスラと申します。お見知り置きを」
「う、うん。分かった。もういいから早く降ろして……」
「そうですね。ふむ、オロロック。あそことかはどうだ?」
テスラが指を指した場所、それは馬車が倒れ馬も死に、周りは敵だらけで今にも殺されそうなヴラド公とグリゴアがいる敵地のど真ん中。
「ああ! ヤバい!」
オクタヴィアンはバサラブを連れて慌てて二人の場所目掛けて降り始めながら、大声で叫んだ。
「待った待った待った待った待ったああああああああああああああ~~~~~!」
その空からの大声に、地上で戦っていた兵士達は思わず動きを止めた。
ある兵士は松明の火を頼りに上空を見たり、ある兵士は周りをそれぞれ伺った。
すると真っ暗な森の上空からバサラブを抱いたオクタヴィアンがゆっくりと下降してきたので、兵士達はそのあまりに現実離れした展開に完全に見入ってしまった。
そしてオクタヴィアンとバサラブは、横転した馬車の車輪側を背にして何とか戦っていたヴラド公の目の前に気をつかいながら降り立った。
ヴラド公の目の前には仲間だったはずのテオフィルが、数人の兵士を連れて、まさにヴラド公の止めを刺そうとしていたところだったようである。
そこにバサラブを抱いたオクタヴィアンが降り立った事により、思わず後ろに引き下がった。
「今、ヴラド公に攻撃したら、このバサラブ三世様の命もないと思ってくださいよお~っっ」
オクタヴィアンは慣れない脅し文句を言ったので、何だか敬語になってしまった。
「オクタヴィアン……バサラブを連れてきたのか」
「はい。ヴラド公、大丈夫ですか?」
「危なかったがな」
ヴラド公をよく見ると、すでに矢が肩に刺さり、何ヶ所か斬られており、もう戦う事も難しい状況である。
「オクタヴィアンっっ! やっと戻ったかっっ!」
少し離れた所にいたグリゴアも、慌ててヴラド公の横に着いた。グリゴアもすでに傷だらけで、これ以上戦うのは難しく見える。
「あれ? アンドレアスは?」
「あ、ああ。彼なら馬車の反対側で、ヤコブの棺桶といっしょにいるよ」
「ダ、ダンナ~! は、早くこいつらやっつけちゃってくだせえ~っっ! ヤコブが死んじゃいますよお~っっ」
横転している馬車の反対側からアンドレアスの声が聞こえた。
「うん。もうちょっとの我慢だからね。彼の事、頼むよ」
「ヘイ、ダンナ~っっ」
オクタヴィアンの言葉にもアンドレアスの返事は弱々しい。
かなり心配なようだ。
しかし今はそれどころではない。
目の前には敵兵がヴラド公の首を斬ろうと今か今かと狙っている。
しかし後一歩というところまで追い詰めているテオフィルはいきなりの事で驚きながらも苛立っていた。
「な、テメ~! ハゲ! 誰だ!」
オクタヴィアンはムッとした。
「ボクだよ。ボク。オロロック・オクタヴィアン!」
「な、何だと~~~~~! テメ~あんなに髪の毛あったのに! 吸血鬼になるとハゲるのか! なんて事だああああああああああああっっ! ラドゥはあんなに髪の毛が生えてるのに~~~~~~! 俺はハゲたく、なあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!」
今すぐ殺したい……
オクタヴィアンはかなりムカついた。しかし、今の言葉でテオフィルがどうして裏切ったのか予想が着いた。
「テオフィル。貴様、ラドゥに吸血鬼にしてやるとそそのかされたんだな? 永遠の命とか何とか言われたのだな?」
ヴラド公は少しずつ後ろに下がりながらテオフィルに聞いた。
「そ、そうよ! ヴラド公! 俺は、俺は不死になりたいんだ! ずっと前から、ホントに吸血鬼みたいな怪物がいたら、頼んでみたいって、ずっと憧れてたんだ! そこにラドゥが現れて、俺を吸血鬼に変えてくれるって! ラドゥにつけば吸血鬼にしてくれるって! でもそんなになるんなら、吸血鬼なんてなりたく、なあーーーーーーーーーーーーーーーーーいっっ!」
「今からボクが吸血鬼にしてやろうか?」
オクタヴィアンはバサラブをグリゴアに託すと、一瞬にしてテオフィルの背中に回った。
「うわ! クサっっ!」
怒りでテオフィルの血を飲もうとしたオクタヴィアンだったが、あまりの体臭にヴラド公の前に戻った。
「キミ! 臭い! 臭すぎるっっ!」
「何だとハゲ! おまえになんか噛まれたくないわっっ! そ、それになあ! 俺はただ吸血鬼になりてえ訳じゃないんだ! 俺は吸血鬼になって、この戦争を終わらせてえんだ! もうキリスト教だのイスラム教だの、オスマントルコだの、もう嫌なんだよ! それなのにまだあんた! ヴラドは戦おうとするんだ! だ、だから、俺はあんたを裏切ったんだよ! あんたは過去の人だ! 今さらワラキアなんて、よくなる訳がないんだ! 今ここであんたがそこのバサラブ様を殺して、この政権を続けたくても、もうオスマントルコと戦う余裕なんて、国にねえんだよ! あの国の強さを国民はみんな知っちゃったんだよ! だからサッサと隠居するなり死んでくれるなりしてくれよ! そしたら俺がこの国を平和にしてやるからよお!」
テオフィルのこの言葉はここにいるワラキア人に、とても沁みた。
しかしその言葉に反論する者が現れた。
グリゴアである。
「待ってくださいテオフィル様! 俺の周りの人間は、今でもヴラド公を待ち望んでいた者が多いです! ヴラド公の政策のおかげで街の治安がすごく良くなったし、暮らしやすくなった事を覚えている者が多いんです! だから、過去の人だなんて、俺は全く思いません! それに吸血鬼にって、テオフィル様のしようとしている事は恐怖政治なんじゃないんですか?」
「恐怖政治をやったのは、そこのヴラドの方だと思うんだが? 私は罪のないジプシー達を何百人と殺したような男を支持する気にはならんがな」
さりげなくテオフィルの横にいるテスラが割って入った。
「テ、テスラ様! そ、そりゃヴラド公の政策はかなり極端で、地主貴族達もものすごい人数を処刑されたし、確かに罪のないジプシー達を殺したかもしれませんっっ! でもあんな政策をしないとダメだったくらい、この国は落ちぶれていたじゃないですか! あれをしたからこそ、今のワラキアがあると俺は思います!」
「おまえの話は聞きたくない! このジプシー殺しが!」
「そんな事言い始めたら、何もよくならないじゃないですか! もっと建設的な話をしましょうよ!」
このやり取りを聞きながら、ヴラド公はほんの少しの間、目を閉じた。
ヴラド公は、今まで自分のしてきた事を思い出していたのかもしれない。
しかし、今は感傷に浸っている場合ではない。
「テオフィル、貴様の言い分は分かった。しかしそれだけの事を並べておいて、結局は不死の身体を手に入れたいだけなんだろ? フ、馬鹿な男だ」
「何だとおおおおおおおおおおおおお~!」
テオフィルは完全にキレた。
しかしそれよりも、とにかく早く終わってほしいと思っていた人間が約一名。
「あ、あの……オレ様ちゃん座りたい……もうしんどい……っっ。オロロックちゃん、お願い……」
「あ、もうちょっと待ちましょうかっっ。バサラブ様」
バサラブは、オクタヴィアンに抱えられて空を飛びまくって、体力の限界をむかえているのに、今はグリゴアによってヴラド公の盾にされて、剣を突きつけられている。
そんな議論を聞く心の余裕などなく、とにかく今は休みたかった。
そしてオクタヴィアンは思った。
グリゴアすげ~……
下にいたトルコ軍の兵士達は、夜空からいきなり三人の死体が降ってきて、驚きまくって逃げだした。
その逃げ惑うトルコ兵の中、ラドゥは一人、三人の亡骸の元に歩み寄った。
そして三人の遺体を一つ一つ丁寧に集め、並べた。
そして首と胴体を合わせた。
しかし三人が生きかえる事はない。
その事実を受け止めれないラドゥは、一人膝から崩れ、体全体を震わせていた。
一方、空中のオクタヴィアンは驚きのあまり、言葉が出なかった。
目の前に、ハンガリーに帰ったテスラがいるのだ。しかも自分の命を助けてくれた。
「ふむ、久しぶりのハンガリーはいろいろ新鮮だったよ。自分の家に帰れば知らない奴が住んでいるし、知っている人間は誰もいないし、なかなか手間取った。面白かったけどな。まあそれはいいとして、昔馴染みだった棺桶屋も代が変わってて棺桶一つ作ってもらうのにも少し面倒だったよ。しかしすぐに作ってくれたから、彼はいい奴だったな。それでハンガリーの土を入れて本当にさっき戻って来たトコだ。しかし、まさかこんな短期間に決戦を始めてるなんて思いもしなかったよ」
テスラは少しこの現状に呆れているようだった。
オクタヴィアンはかなりホッとした。
「それで、その男は誰だ?」
「あ」
オクタヴィアンはバサラブを抱えている事を忘れていた。
バサラブはもうすっかり意気消沈で、グッタリしている。
「バサラブ様? 大丈夫ですか? 生きてます?」
「もうダメ……気持ち悪いし、寒いし……」
オクタヴィアンが慌てて降り立つ場所を探そうとしていると、テスラがバサラブの前に移動した。
「ああ、あなたが先代の公のバサラブ三世様でしたか。私はコイツの先輩吸血鬼、ハンガリー出身のテスラと申します。お見知り置きを」
「う、うん。分かった。もういいから早く降ろして……」
「そうですね。ふむ、オロロック。あそことかはどうだ?」
テスラが指を指した場所、それは馬車が倒れ馬も死に、周りは敵だらけで今にも殺されそうなヴラド公とグリゴアがいる敵地のど真ん中。
「ああ! ヤバい!」
オクタヴィアンはバサラブを連れて慌てて二人の場所目掛けて降り始めながら、大声で叫んだ。
「待った待った待った待った待ったああああああああああああああ~~~~~!」
その空からの大声に、地上で戦っていた兵士達は思わず動きを止めた。
ある兵士は松明の火を頼りに上空を見たり、ある兵士は周りをそれぞれ伺った。
すると真っ暗な森の上空からバサラブを抱いたオクタヴィアンがゆっくりと下降してきたので、兵士達はそのあまりに現実離れした展開に完全に見入ってしまった。
そしてオクタヴィアンとバサラブは、横転した馬車の車輪側を背にして何とか戦っていたヴラド公の目の前に気をつかいながら降り立った。
ヴラド公の目の前には仲間だったはずのテオフィルが、数人の兵士を連れて、まさにヴラド公の止めを刺そうとしていたところだったようである。
そこにバサラブを抱いたオクタヴィアンが降り立った事により、思わず後ろに引き下がった。
「今、ヴラド公に攻撃したら、このバサラブ三世様の命もないと思ってくださいよお~っっ」
オクタヴィアンは慣れない脅し文句を言ったので、何だか敬語になってしまった。
「オクタヴィアン……バサラブを連れてきたのか」
「はい。ヴラド公、大丈夫ですか?」
「危なかったがな」
ヴラド公をよく見ると、すでに矢が肩に刺さり、何ヶ所か斬られており、もう戦う事も難しい状況である。
「オクタヴィアンっっ! やっと戻ったかっっ!」
少し離れた所にいたグリゴアも、慌ててヴラド公の横に着いた。グリゴアもすでに傷だらけで、これ以上戦うのは難しく見える。
「あれ? アンドレアスは?」
「あ、ああ。彼なら馬車の反対側で、ヤコブの棺桶といっしょにいるよ」
「ダ、ダンナ~! は、早くこいつらやっつけちゃってくだせえ~っっ! ヤコブが死んじゃいますよお~っっ」
横転している馬車の反対側からアンドレアスの声が聞こえた。
「うん。もうちょっとの我慢だからね。彼の事、頼むよ」
「ヘイ、ダンナ~っっ」
オクタヴィアンの言葉にもアンドレアスの返事は弱々しい。
かなり心配なようだ。
しかし今はそれどころではない。
目の前には敵兵がヴラド公の首を斬ろうと今か今かと狙っている。
しかし後一歩というところまで追い詰めているテオフィルはいきなりの事で驚きながらも苛立っていた。
「な、テメ~! ハゲ! 誰だ!」
オクタヴィアンはムッとした。
「ボクだよ。ボク。オロロック・オクタヴィアン!」
「な、何だと~~~~~! テメ~あんなに髪の毛あったのに! 吸血鬼になるとハゲるのか! なんて事だああああああああああああっっ! ラドゥはあんなに髪の毛が生えてるのに~~~~~~! 俺はハゲたく、なあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!」
今すぐ殺したい……
オクタヴィアンはかなりムカついた。しかし、今の言葉でテオフィルがどうして裏切ったのか予想が着いた。
「テオフィル。貴様、ラドゥに吸血鬼にしてやるとそそのかされたんだな? 永遠の命とか何とか言われたのだな?」
ヴラド公は少しずつ後ろに下がりながらテオフィルに聞いた。
「そ、そうよ! ヴラド公! 俺は、俺は不死になりたいんだ! ずっと前から、ホントに吸血鬼みたいな怪物がいたら、頼んでみたいって、ずっと憧れてたんだ! そこにラドゥが現れて、俺を吸血鬼に変えてくれるって! ラドゥにつけば吸血鬼にしてくれるって! でもそんなになるんなら、吸血鬼なんてなりたく、なあーーーーーーーーーーーーーーーーーいっっ!」
「今からボクが吸血鬼にしてやろうか?」
オクタヴィアンはバサラブをグリゴアに託すと、一瞬にしてテオフィルの背中に回った。
「うわ! クサっっ!」
怒りでテオフィルの血を飲もうとしたオクタヴィアンだったが、あまりの体臭にヴラド公の前に戻った。
「キミ! 臭い! 臭すぎるっっ!」
「何だとハゲ! おまえになんか噛まれたくないわっっ! そ、それになあ! 俺はただ吸血鬼になりてえ訳じゃないんだ! 俺は吸血鬼になって、この戦争を終わらせてえんだ! もうキリスト教だのイスラム教だの、オスマントルコだの、もう嫌なんだよ! それなのにまだあんた! ヴラドは戦おうとするんだ! だ、だから、俺はあんたを裏切ったんだよ! あんたは過去の人だ! 今さらワラキアなんて、よくなる訳がないんだ! 今ここであんたがそこのバサラブ様を殺して、この政権を続けたくても、もうオスマントルコと戦う余裕なんて、国にねえんだよ! あの国の強さを国民はみんな知っちゃったんだよ! だからサッサと隠居するなり死んでくれるなりしてくれよ! そしたら俺がこの国を平和にしてやるからよお!」
テオフィルのこの言葉はここにいるワラキア人に、とても沁みた。
しかしその言葉に反論する者が現れた。
グリゴアである。
「待ってくださいテオフィル様! 俺の周りの人間は、今でもヴラド公を待ち望んでいた者が多いです! ヴラド公の政策のおかげで街の治安がすごく良くなったし、暮らしやすくなった事を覚えている者が多いんです! だから、過去の人だなんて、俺は全く思いません! それに吸血鬼にって、テオフィル様のしようとしている事は恐怖政治なんじゃないんですか?」
「恐怖政治をやったのは、そこのヴラドの方だと思うんだが? 私は罪のないジプシー達を何百人と殺したような男を支持する気にはならんがな」
さりげなくテオフィルの横にいるテスラが割って入った。
「テ、テスラ様! そ、そりゃヴラド公の政策はかなり極端で、地主貴族達もものすごい人数を処刑されたし、確かに罪のないジプシー達を殺したかもしれませんっっ! でもあんな政策をしないとダメだったくらい、この国は落ちぶれていたじゃないですか! あれをしたからこそ、今のワラキアがあると俺は思います!」
「おまえの話は聞きたくない! このジプシー殺しが!」
「そんな事言い始めたら、何もよくならないじゃないですか! もっと建設的な話をしましょうよ!」
このやり取りを聞きながら、ヴラド公はほんの少しの間、目を閉じた。
ヴラド公は、今まで自分のしてきた事を思い出していたのかもしれない。
しかし、今は感傷に浸っている場合ではない。
「テオフィル、貴様の言い分は分かった。しかしそれだけの事を並べておいて、結局は不死の身体を手に入れたいだけなんだろ? フ、馬鹿な男だ」
「何だとおおおおおおおおおおおおお~!」
テオフィルは完全にキレた。
しかしそれよりも、とにかく早く終わってほしいと思っていた人間が約一名。
「あ、あの……オレ様ちゃん座りたい……もうしんどい……っっ。オロロックちゃん、お願い……」
「あ、もうちょっと待ちましょうかっっ。バサラブ様」
バサラブは、オクタヴィアンに抱えられて空を飛びまくって、体力の限界をむかえているのに、今はグリゴアによってヴラド公の盾にされて、剣を突きつけられている。
そんな議論を聞く心の余裕などなく、とにかく今は休みたかった。
そしてオクタヴィアンは思った。
グリゴアすげ~……
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