至高の騎士、動きます〜転生者がこの世界をゲームと勘違いして荒らしてるので、最強騎士が分からせる〜

nagamiyuuichi

文字の大きさ
23 / 64

ナイトさん、封印された邪竜を分からせる

しおりを挟む
【俺様のスイートタイムを邪魔して、五体満足で帰れると思うんじゃねえぞ?】

 地響きとともに立ち上がる巨大な竜。

 その見た目はまるで山のごとく巨大であり、起き上がると同時にパラパラと小石のようなものが頭上から降り注ぐ。

 その肌はまるで岩のごとくごつごつしており、岩石のようなうろこの隙間からは、宝石の輝きのようなものが太陽の光を乱反射させる。

「このでかさ、それに岩のような見た目……アルムハーンの勇者伝説に出てくるドラゴンその者じゃないか! まさか、鋼竜だったなんて!?」

「メタルドラゴンか……なるほど、確かにこの世界の冒険者じゃ手に余るな……」

「と、っととと、というか……喋ってますよ!?」

「高位の魔物は人語を解する。なかなかのレベルなんじゃあないか? そいつは」

 全力でナイトさんの元まで逃走し、ナイトさんの後ろへ隠れるが、ナイトさんは臆することなくドラゴンの元まで歩いていく。

「ちょっ! まずいってナイト君! もし伝説が本当だとしたらその竜は勇者でさえも苦戦をした化け物だ! 刺
激をしたらそれこそ!」

「人語を解するということは、知能が高い生物ということだ。話せばわかるかもしれない。それに、彼の寝床に踏み入り安眠を妨げたのは俺たちだ、非礼は素直に謝罪するべきだ」

「正論! 正論だけど!」

 局長の言葉など聞く様子はなく、ナイトさんはずかずかと竜の足元まで歩いていくと、龍は不機嫌そうに大あくびを漏らすと。

【なんだ、人間じゃねえか……人間がこんなところに何の用だ】

 地面が揺れるほどの大声が空から降り注ぐ。どうやら腹を決めるしかなさそうだ。

「寝ているところをすみません……私たちはギルドのものなんですが、その、背中に生えている満月草を分けてはいただけないでしょうか。必要なものなんです」

【満月……あぁ、この背中に気づいたら生えてた雑草のことか】

 巨竜はぐるりと自分の背中を見やると、興味なさげに鼻を鳴らしこちらに向きなおる。

「そ、そうそう! 背中を掃除すると思って!」

 ダメ押しとばかりに局長はそうドラゴンさんに通信ごしから声をかけるが。

【いやだね】

「な、なんでさ!?」

「局長がうさん臭いからですよ!」

「ぼ、僕のせい!?」

「今なら危害は加えない。終わったら即刻立ち去ることを約束する。それでもだめか?」

【あぁいやだね! 俺ぁ人間ってのが一番嫌いなんだよ! エルフ族ならともかく、人間ごときにくれてやるもんなんかあるかってーの! それがたとえ俺の背中に生えてる雑草だろうがな!】

 どうやら、千年を経た今でもその恨みは消えないらしい。。

「ふむ、埒があかないな。マスター、一度出直すとしよう」

「そうですね……私たちがいても、機嫌を損ねるだけのような気がします」

【おいおい、何勝手に出ていこうとしてんだ】

「あ、いやな予感……」

 局長の予感は当然私も感じており、気のせいだろうと自分に言い聞かせながら振り返る。

「えと……なんでしょうか?」

【……無事に出ていけると思ってんのかお前ら?】

 あぁ……やっぱりこうなるんですよね。

「おいおい、お前に殺されるようなことをした覚えはないんだが?」

【あぁ何もされてねえな。 だがお前たちには非常に残念なことだろうが、俺は決めてんのさ!人間はここに来た
ら一つの例外なくこの自慢の頭でプチってつぶしてやるってなぁ!】

 振り上げられる鋼竜の頭。

「ま、まずい! 鋼竜の頭は魔物の中でも最高硬度を誇る! それにその巨体……ひとたまりもないぞぅ!」

【鉄頭鉄尾! 拳じゃねえけど鉄拳制裁だ。痛いって泣き叫びながら死にやがれ人間!】。


「うるさい!」

【いだいぃ!】

 振り下ろされた巨大な顎を、ナイトさんは拳で殴り飛ばす。

 全力で振り下ろされたはずの頭は、見事な右フックにより吹き飛ばされ宙を舞い、ぐるりと一回転をして地面に叩きつけられる。

「なっ! こ、拳って、君の体本当にどうなってるんだい」

「結構な勢いで吹き飛びましたけど」

 思えば、転生者でさえも一撃で消滅させるような一撃だ。

 先代勇者が封印したドラゴンだとて無事では済まないはずだ。

「アーリーの言う通り、本当に丈夫なやつだ。顔面をぶち砕くつもりで振りぬいたのだが、ダメージはほとんどな
い。一瞬気絶するほど痛いくらいだ」

「それはそれで恐ろしいような気も……」

【いっでえぇえ! ちょっ、何! 何今の! え? ちょっ、めっちゃいた!】

「ほらな?」

 確かに、ナイトさんの言う通りすごい痛がっているが命に別状はなさそうだ。

「本当ですね……」

「これならいくら殴っても大丈夫そうだが、どうするマスター?」

【よくもやりやがったなてめえら! 魔法か?それともブレイブか! 畜生、絶対十倍にして返してやっからなこ
の野郎!】

 様子を見るに、ナイトさんの言った通りどれだけ殴っても大丈夫そうだ。

「そうだね、穏便に済ますのを拒否したのはあっちですし、死なない程度に殺してあげてください。ナイトさん」

【へ?】

「了解だマスター」

「あー、じゃあ僕はコーヒーのお代わりを入れてくるよ、しばらく断末魔しか聞こえないだろうからね」

【え? 断末魔?】

 ドラゴンは自分が置かれた立場をようやく理解し始めたようだが、もう遅い。

「徹頭徹尾、鉄拳制裁だ!」

【ほぶんぅっ!?】

 何か言葉を発するよりも先に、ドラゴンさんの体が再度宙を舞うのであった。
                    ■
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ジャングリラ~悪魔に屠られ魔王転生。死の森を楽園に変える物語~

とんがり頭のカモノハシ
ファンタジー
「別の世界から勇者を召喚する卑怯な手口」に業を煮やした堕天使・ルシファーにより、異世界へ魔王として転生させられた大学生・左丹龍之介。 先代・魔王が勇者により討伐されて100年――。 龍之介が見たものは、人魔戦争に敗れた魔族が、辺境の森で厳しい生活を余儀なくされている姿だった。 魔族の生活向上を目指し、龍之介は元魔王軍の四天王、悪魔公のリリス、フェンリルのロキア、妖狐の緋魅狐、古代龍のアモンを次々に配下に収めていく。 バラバラだった魔族を再び一つにした龍之介は、転生前の知識と異世界の人間の暮らしを参考に、森の中へ楽園を作るべく奔走するのだが……

異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。

お小遣い月3万
ファンタジー
 異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。  夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。  妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。  勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。  ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。  夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。  夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。  その子を大切に育てる。  女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。  2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。  だけど子どもはどんどんと強くなって行く。    大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。

【完結】異世界で神の元カノのゴミ屋敷を片付けたら世界の秘密が出てきました

小豆缶
ファンタジー
父の遺したゴミ屋敷を片付けていたはずが、気づけば異世界に転移していた私・飛鳥。 しかも、神の元カノと顔がそっくりという理由で、いきなり死刑寸前!? 助けてくれた太陽神ソラリクスから頼まれた仕事は、 「500年前に別れた元恋人のゴミ屋敷を片付けてほしい」というとんでもない依頼だった。 幽霊になった元神、罠だらけの屋敷、歪んだ世界のシステム。 ポンコツだけど諦めの悪い主人公が、ゴミ屋敷を片付けながら異世界の謎を暴いていく! ほのぼのお仕事×異世界コメディ×世界の秘密解明ファンタジー

【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~

柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」  テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。  この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。  誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。  しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。  その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。  だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。 「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」 「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」  これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語 2月28日HOTランキング9位! 3月1日HOTランキング6位! 本当にありがとうございます!

【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件

エース皇命
ファンタジー
 前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。  しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。  悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。  ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

転生者は冒険者となって教会と国に復讐する!

克全
ファンタジー
東洋医学従事者でアマチュア作家でもあった男が異世界に転生した。リアムと名付けられた赤子は、生まれて直ぐに極貧の両親に捨てられてしまう。捨てられたのはメタトロン教の孤児院だったが、この世界の教会孤児院は神官達が劣情のはけ口にしていた。神官達に襲われるのを嫌ったリアムは、3歳にして孤児院を脱走して大魔境に逃げ込んだ。前世の知識と創造力を駆使したリアムは、スライムを従魔とした。スライムを知識と創造力、魔力を総動員して最強魔獣に育てたリアムは、前世での唯一の後悔、子供を作ろうと10歳にして魔境を出て冒険者ギルドを訪ねた。 アルファポリスオンリー

処理中です...