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第10章、召喚された 幼女先輩

修行の理由を説明するよq(^-^q)

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 私が攻略者全員に修行をつけているから、師匠で 間違ってないんだけどね。
 ラファルが 魔王なんだから、今さら戦う必要はないよ。 むしろ、彼は私の味方をしてくれる。
 でも、攻略対象者たちに強くなってもらう理由が判明したんだよ。

「 まだその時ではない」

 という隠しダンジョンの守護者の言葉。 最初は 思い出せなかったけど、 乙女ゲームの記憶の中にあったんだよ。
 隠しダンジョンに入る条件がいくつかある。
 アレクが勇者であること。 魔王を倒していること。 この二つの条件はすでにクリアしている。
 もうひとつの条件は、アンジェリカとその攻略者全てが揃っていること。
 アレクは私が授業をつけているだけあって足手まといになることはない。
 アンジェリカはなぜか、 ダンジョンに入れるほどの実力を身につけていた。 ヒロイン補正というものだろうか。
 考えてもわからないからその辺は置いとくとして。
 問題は他の攻略者3人だ。
 ロイドは 以前私が少しだけ魔法のことを教えていたから、 魔法に関しては心配ない。
  アルバートとエルヴィンは、 もしもの時に備えて、アウェイクから 指導してもらっていた。
 3人はすでに人間として 最強の実力を身につけている。
 あくまでも人間としてなら。
 隠しダンジョンは人間の限界を越えないと挑むことができない。
 アウェイクは 修羅のような実力だけど、 身内には何だかんだで甘いようだね。

 そこで私は地獄の猛特訓を考えた。
 とはいえ、ダンジョンに入る条件が間違っていた場合は、ただのいじめでしかない。
 そこで アンジェリカと攻略対象者たち全員で隠しダンジョンの入り口に行き、 扉が開くのか確かめてみた。すると......。

「 その程度の実力で ダクネスに挑もうとは無謀な挑戦者だな」

 守護者はそう言って、私達に襲いかかってきた。
 私が瞬殺したよ。

「 エリスちゃん、相変わらずだね」

 アンジェリカが苦笑を浮かべているけど、 私はこれでも自重していたよ。

「 本当は戦いをゆっくり楽しみたかったけど、みんなの安全のために 一撃で倒しておいたんだよ」
「 エリスちゃんの常識外れは今に始まったことじゃないけど......」

  失礼な! 私はどこからどう見ても普通の女の子だよ。
 戦いに関しては安全優先。
 どうしても 我慢できない時は、アレクとラファル 二人を相手にして ストレスを発散させてるからね。

「 ここのダンジョンに 入るのか?」

 エルヴィンの質問に、私は首を振った。

「 そこの守護者が言ってたでしょ。 このまま入れば間違いなく 死人が出るね」
「 ではどうして、 私達をこの場に連れて来たんだい?」

 アルバートの疑問も当然だろう。 全員が私に注目している。

「 そんなに見つめられると照れちゃうよ」
「 そういうのはいいから、ちゃんと答えてよ」

 ロイドに 真顔で突っ込まれてしまった。
 場の雰囲気を和ませようと思ったのに、のりが悪いね。

「 実はね、 私たちは何らかの 呪いで時を繰り返してるんだよ」

 私の言葉に、 私とラファル以外の全員が目を 丸くした。
 信じてもらえないかもしれない。 それでも私は前世のこと、 無限ループのこと、 ダクネスの事を みんなに伝えた。
 隠しダンジョンは危険な場所だ。 わけもわからずに協力してもらえるとは思えない。
 嘘の理由をでっちあげることもしたくない。
 だから、私は全てを正直に打ち明けた。
 ゲームという言葉はわからないだろうから、物語ということにしておく。
 ここはダクネスのダンジョンで、 無限ループの 手がかりがあるかもしれない。 現状では ダンジョンのモンスターに歯が立たないから、修行の必要があることも伝えた。
 
「 私は協力するよ」

 アンジェリカは 以前に私とラファルの話をある程度聞いていたから、 すんなりと受け入れた。アレクも 同様である。

「 話は 完全には理解できなかったけど、師匠の 頼みは断れないな」
「 僕も協力するよ。 たくさん魔法を教えてね」

 ロイドは魔法目当てだった。
 協力してくれるなら、理由は何だっていいけどね。
 
「 俺も協力しよう」
「 私も協力するが...... これは世界の危機だ。 セントレガルの聖女と英雄にも 協力を申請した方が良いのではないだろうか?」

 エルヴィンとアルバートも協力してくれるようだ。
 できることならお願いしたいところだよ。 だけど、私は 首を横に振った。

「[ 妖精の加護]がないと、 ダクネスのダンジョンには入れないんだよ」

 そういうわけで、このメンバーで修行することになった。
 あれから一年がたった。 やっと隠しダンジョンに挑めるよ。
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