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第四章
波打ち際の風に 1
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約束された海の日。
プライベートの続きに立った建物の案内された部屋で瑞華は水着に着替えた。
ラッシュパーカーを用意したので、下に着込んだ水着は一応はパステルカラーのビキニタイプ。
中々海に行く機会もないし、華屋の夏の主戦力商品である水着は今年もビキニタイプが人気だ。ホルター、パンドゥ、フリンジなどなど各種可愛らしい新作が展開されている。
上にパーカーを着て仕舞えば誰に見せるわけでもないし、着心地を一度試して見たかったというのもある。
プライベートビーチならば、なおのこと好都合だろう。
可愛らしいフリルが入ったラッシュパーカーの色は薄桃色。
実はラッシュパーカーは薄水色との色違いで持って着ていた。
九条雪乃に華屋のもので良いからと、水着を頼まれていたので、白のワンピースタイプ水着と共に用意していたのだ。
どちらが良いだろうと選んでもらったら。
「わたくしは、あまり女性らしい体付きでもございませんし、こういった可愛らしい色は、瑞華様が着られた方がよろしいかと」
とやんわり断られてしまったのだ。
どうやら自身では細身の華奢な身体つきをあまり気に入ってはいないらしい。
清楚で可愛らしいし、雪乃にこそ似合うと思って持ってきたのだが強くは勧めるのも悪い気がする。薄水色の方を渡したが、おそらくそれも可愛らしいだろう。
薄桃色は、瑞華も少々自分で着るのは気恥ずかし気もしたが、着ないでそのまま出るということは絶対無理なので、着ることにした。
白の麦わら帽子と日焼け止めをしっかり塗って、ビーチサンダルを履いた。
準備を終えて部屋を出ると。
「瑞華ちゃん、発見ー!」
勢いの良い声と共に、無邪気に抱きついてきたのは夕凪弥生である。
抜群のスタイルを惜しむことなく、ビキニのみの立ち姿に、らしすぎるとしか言いようがない。
「あら何?パーカーなんか着ちゃって。脱ぐ?それとも脱がしましょうか?」
「ぬ、脱ぎませんよ。何の為に着てると思ってるんですか」
「んー。出し惜しみ?」
ワザとらしい返しに慌てて、パーカーの合わせ部分を握りしめた。
この人は本当に脱がしかねない。
すると今度は、ちょうど着替えを終えた雪乃を見つけたらしく、そちらにもちょっかいを出しに行く。
「うーん。雪乃ちゃん可愛い可愛い」
パーカーを脱がそうとはしないが、しっかりとヨシヨシして堪能している。
嫌がってはいないかと、瑞華は様子を気にするが。
「わたくし、そんなに抱き心地も良くないかと思いますけれど」
と申し訳なさそうな雪乃の様子に脱力してしまう。
そこなんだ、気にするのそこなんだ、と若干将来に不安を感じた。
いや、今日は雪乃の恋人が来ているという話だし、そういう点では瑞華より全然上にいるのだから、むしろ将来を心配されるのはこちらの方かもしれない。
「女の子は、抱き心地なんて自分で気にしなくていいのよ。抱きしめる方が勝手に堪能するんだから」
上機嫌の様子の弥生はいつでもマイペースだ。しかも言ってることは結構男性目線だから、本当に女性で良かったと思わざるを得ない。
とは言え、つい瑞華の方も、弥生の健康的でむき出しの露出部分に目が行ってしまう。
「弥生さん、その格好で日焼けしませんか?」
「日焼け止めなら塗ったわよ。でも海に来て、そんな細かいことを一々気にしてもねぇ。私がここで気になるのは、あくまで可愛い女の子だけだもの」
「そ、そうですか。でも九条の次期様、いらっしゃってるんですよね?そっちも気にしてくださいね...」
もはや、何から突っ込んでいいかわからない。瑞華の言葉にも弥生はキョトンとした顔を見せた。
プライベートの続きに立った建物の案内された部屋で瑞華は水着に着替えた。
ラッシュパーカーを用意したので、下に着込んだ水着は一応はパステルカラーのビキニタイプ。
中々海に行く機会もないし、華屋の夏の主戦力商品である水着は今年もビキニタイプが人気だ。ホルター、パンドゥ、フリンジなどなど各種可愛らしい新作が展開されている。
上にパーカーを着て仕舞えば誰に見せるわけでもないし、着心地を一度試して見たかったというのもある。
プライベートビーチならば、なおのこと好都合だろう。
可愛らしいフリルが入ったラッシュパーカーの色は薄桃色。
実はラッシュパーカーは薄水色との色違いで持って着ていた。
九条雪乃に華屋のもので良いからと、水着を頼まれていたので、白のワンピースタイプ水着と共に用意していたのだ。
どちらが良いだろうと選んでもらったら。
「わたくしは、あまり女性らしい体付きでもございませんし、こういった可愛らしい色は、瑞華様が着られた方がよろしいかと」
とやんわり断られてしまったのだ。
どうやら自身では細身の華奢な身体つきをあまり気に入ってはいないらしい。
清楚で可愛らしいし、雪乃にこそ似合うと思って持ってきたのだが強くは勧めるのも悪い気がする。薄水色の方を渡したが、おそらくそれも可愛らしいだろう。
薄桃色は、瑞華も少々自分で着るのは気恥ずかし気もしたが、着ないでそのまま出るということは絶対無理なので、着ることにした。
白の麦わら帽子と日焼け止めをしっかり塗って、ビーチサンダルを履いた。
準備を終えて部屋を出ると。
「瑞華ちゃん、発見ー!」
勢いの良い声と共に、無邪気に抱きついてきたのは夕凪弥生である。
抜群のスタイルを惜しむことなく、ビキニのみの立ち姿に、らしすぎるとしか言いようがない。
「あら何?パーカーなんか着ちゃって。脱ぐ?それとも脱がしましょうか?」
「ぬ、脱ぎませんよ。何の為に着てると思ってるんですか」
「んー。出し惜しみ?」
ワザとらしい返しに慌てて、パーカーの合わせ部分を握りしめた。
この人は本当に脱がしかねない。
すると今度は、ちょうど着替えを終えた雪乃を見つけたらしく、そちらにもちょっかいを出しに行く。
「うーん。雪乃ちゃん可愛い可愛い」
パーカーを脱がそうとはしないが、しっかりとヨシヨシして堪能している。
嫌がってはいないかと、瑞華は様子を気にするが。
「わたくし、そんなに抱き心地も良くないかと思いますけれど」
と申し訳なさそうな雪乃の様子に脱力してしまう。
そこなんだ、気にするのそこなんだ、と若干将来に不安を感じた。
いや、今日は雪乃の恋人が来ているという話だし、そういう点では瑞華より全然上にいるのだから、むしろ将来を心配されるのはこちらの方かもしれない。
「女の子は、抱き心地なんて自分で気にしなくていいのよ。抱きしめる方が勝手に堪能するんだから」
上機嫌の様子の弥生はいつでもマイペースだ。しかも言ってることは結構男性目線だから、本当に女性で良かったと思わざるを得ない。
とは言え、つい瑞華の方も、弥生の健康的でむき出しの露出部分に目が行ってしまう。
「弥生さん、その格好で日焼けしませんか?」
「日焼け止めなら塗ったわよ。でも海に来て、そんな細かいことを一々気にしてもねぇ。私がここで気になるのは、あくまで可愛い女の子だけだもの」
「そ、そうですか。でも九条の次期様、いらっしゃってるんですよね?そっちも気にしてくださいね...」
もはや、何から突っ込んでいいかわからない。瑞華の言葉にも弥生はキョトンとした顔を見せた。
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