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落ちた
③庭の池
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縁側に座ると遥か遠くに山並みが見える。その景色が好きだった。
嫁いできてから見る山は、富士山以外ほぼ緑色で、それだけ山が近くにあるという証だろう。たしかに四季折々変化が楽しめるという利点はある。
それでも、自分にとっての山は、うす水色だ。海は青、山はうす水色、空は濃い水色に白い雲。これが我が家から見えた風景だ。青と白と群青色の絵の具があれば、一枚の絵が完成する。
そんな我が家の庭先には、そこそこの池があった。小型版太鼓橋のような赤い橋がかかっており、日本情緒をかもし出していた。
幼稚園の頃、赤の橋を渡りたくて友達と二人で渡ってみた。ところが、アーチ状の一番上で池の中を覗こうとして、バランスを崩し、二人とも池に落ちてしまった。
浅い池なので怪我はしなかったが、着ていた服はびしょ濡れ。母親が着替えさせてくれ、遊びはそのまま続いた。ただし、池以外の場所でだったが。
橋から落ちたことが父親に知れてしまい、池を囲うようにバラ線を張られ、
「池は、落ちたら怪我をするかもしれないから、近付かないこと」
と、釘を刺された。
しかし、そこは子供のこと。数日後には、池の前でバラ線のトゲのない部分を掴み、前後にブラブラ揺れるのを楽しんでいると、今度は頭から落ちてしまった。
約束を破った上に、前に落ちた時より危険な落ち方だったので、父親の雷が落ちた。
「反省したか?」と問われれば、全くしていなかった気がするが、それ以来池で遊ぶ事はなく、縁側で池を見ながら遠くの山並みを楽しむ事が多くなった気がする。
勿論、外では元気に走り回っていたし、少々冒険もしていたのは、言うまでもないが。
嫁いできてから見る山は、富士山以外ほぼ緑色で、それだけ山が近くにあるという証だろう。たしかに四季折々変化が楽しめるという利点はある。
それでも、自分にとっての山は、うす水色だ。海は青、山はうす水色、空は濃い水色に白い雲。これが我が家から見えた風景だ。青と白と群青色の絵の具があれば、一枚の絵が完成する。
そんな我が家の庭先には、そこそこの池があった。小型版太鼓橋のような赤い橋がかかっており、日本情緒をかもし出していた。
幼稚園の頃、赤の橋を渡りたくて友達と二人で渡ってみた。ところが、アーチ状の一番上で池の中を覗こうとして、バランスを崩し、二人とも池に落ちてしまった。
浅い池なので怪我はしなかったが、着ていた服はびしょ濡れ。母親が着替えさせてくれ、遊びはそのまま続いた。ただし、池以外の場所でだったが。
橋から落ちたことが父親に知れてしまい、池を囲うようにバラ線を張られ、
「池は、落ちたら怪我をするかもしれないから、近付かないこと」
と、釘を刺された。
しかし、そこは子供のこと。数日後には、池の前でバラ線のトゲのない部分を掴み、前後にブラブラ揺れるのを楽しんでいると、今度は頭から落ちてしまった。
約束を破った上に、前に落ちた時より危険な落ち方だったので、父親の雷が落ちた。
「反省したか?」と問われれば、全くしていなかった気がするが、それ以来池で遊ぶ事はなく、縁側で池を見ながら遠くの山並みを楽しむ事が多くなった気がする。
勿論、外では元気に走り回っていたし、少々冒険もしていたのは、言うまでもないが。
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